今週の魔法使いTai!


第12話 タコと、稲妻と、ミッキー先輩(9月29日放映)

脚本:横手美智子
絵コンテ:河本昇悟
演出:河本昇悟
作画監督:山下明彦

ストーリー概要

巨大化して町を闊歩する茜に、町中が大騒ぎ。必死で止めようとする沙絵だったが、茜は一向に気付かない様子。この騒ぎに現場へ駆け付けた高倉達だったが、何もする事が出来ない。やがて、沙絵の言葉に反応する様になった茜の「あたしなんか、いてもいなくてもおんなじ…」と言う嘆きに、「みんな、茜ちゃんが大好き!」と必死で訴えた沙絵の声に、ようやく正気に返った茜は、元の大きさに戻るのだった。そこへ近付くJに、突如現れて、攻撃魔法を仕掛けてきたのは、ミッキー先輩こと水沢美樹。二人の激しい戦い,Jの禍々しい魔法を見て、恐怖に怯える沙絵。それを感じ取ったかの様に、姿を消すJ。Jとのやり取りで、Jは沙絵の魔法が生み出した存在だと確信した美樹の言葉にショックを受けた沙絵は、「もう魔法…、使いません」と涙を流すのだった。


Jに心の隙をつかれ、魔法を使ってしまった影響か、巨大化してしまった茜。自分のやりたい事や愚痴などをダラダラと並べ立てながら、ボーッと歩き続ける茜に、当然の事ながら、町中は大騒ぎ。あれって、スカートの下覗かれたらヤバいんちゃいますか?(^^;) 何とか茜を止めようと、現場に向かう沙絵は、その事に必死で途中でJとぶつかった事など、全く気付かない様子。1話のおばけ桜の時と同様に、またまたTVでは、緊急特番が組まれ、1話で出てきた「おばけ桜災害評論家」のおっさんが、今度は「巨大デルモ災害評論家」として再登場!(笑) 「ブロッケンの妖怪〜っ! 要するに、雲と霧の水滴による光の屈折によって起きる現象ですな。しかし、私の見解としては、以前、現れたおばけ桜と関連があると睨んでおります!」と、相変わらず、一人で力説しまくっているのでした。「デルモ」って言ってるくらいだから、茜の身元って、もうしっかりバレちゃってるのかな? 何か、後々、色々と厄介そうですな…(^^;)。一方、帰路についていた筈の七香でしたが、沙絵に平手をかましてしまった事を気に病んでいたのか、つい荻窪駅まで戻って来てしまうと、そこへ丁度、階段を上がってきたのが油壺。相変わらず、まともに顔を合わせる事も出来ない儘、すれ違う二人でしたが、そこへサイレンを鳴らしてすっ飛ばしているパトカーやら消防車やらが通過。ふと、その先を見てみると、巨大化した茜が目に入り、二人も現場に向かう事に…。さて、人ゴミが凄く、一向に先へ進めずにいた沙絵でしたが、ふと魚屋の前ののぼりを目にすると、「おじさん、のぼり借ります!」と一言。茜の事に夢中の魚屋のおっちゃんの生返事で了承をとると、沙絵はのぼりにまたがって、飛行魔法をかけるのでした。「大漁」と書かれたのぼりってのが、またおかしいんですが…(^^;)。マジックワンドがなくても飛べる…と言う辺り、北海道での一件が伏線になっていた様ですねぇ。それにしても、このシーン、思いっきり「魔女宅」のパロディですね。デッキブラシで飛んだ時の事と言い、こういうのは、ついニヤリとしてしまいますね。ビルを椅子代わりに座り込んでいる茜の眼前まで飛んできた沙絵が、必死に訴えかけるものの、茜の方は、沙絵が全く目に入っていない様子でボーッとした儘…。場面は代わって、北野橋高校の漫研部室…。先の高倉との一件で動揺冷めやらぬ瑞葉は、例の漫画のクライマックス部分で筆が進まない様子。高倉(がモデルの幼なじみ)の「愛している」と言う言葉を受けた後の自分(がモデルのヒロイン)の台詞の部分で「今までごめんなさい。本当は、私…、あなたの事を…」と赤面しながら呟いて、「愛…」とまで描きながら、消しゴムで消そうとしたものの、消せない儘、溜め息をつく瑞葉…。ふと、部員全員が注目している事に気付いて我に返った瑞葉は、リンブン,コージンに消しゴムの事で難癖をつけて、その場を誤魔化しつつ、そこまで描いた原稿を引き出しにしまってしまうのでした。…とまぁ、この辺は、今回の本筋には全然関係ない訳ですが(^^;)、前回同様、今回の瑞葉も、えろう可愛いですな(^_^)。結局、この漫画は、最後まで当初の路線で描き終えるのか(どうも、話を変えてしまいそうな予感もしますが)、また高倉に本心を告げる事はあるのか、なんて辺りも気になる訳ですが、あと1話しかないので、そこまでちゃんとやってくれるかどうか…?(^^;) 一方、校庭では、沙絵とJのキスシーンを目撃してしまった高倉がその動揺を振り払うがごとく、一心不乱に鉄棒またぎ…。そこへ現れて「頑張ってるんだ、忘れようとして…。キスした事…、沙絵と」と呟いた上、「本当に望んでいるのは…、これ?」と唇を突き出すJにうろたえて、鉄棒から落ちる高倉でしたが、気付いた時には、Jの姿はなく、町中を歩いている巨大な茜の姿が目に入るのでした。慌てて、現場に向かった高倉は油壺と七香に合流。「あたし、行かなきゃ!」と、マジックワンドを取り出して、高倉から箒を奪い取った七香。線路が背後まで近付いて来て焦っている沙絵の横まで飛んできた七香は、茜の目の前に飛んでくると、いつものごとく、叱りつけるものの、茜の方は、相変わらず、全く耳に入っていない模様。それにしても、沙絵と七香が、先の平手打ちの一件にこだわっている暇などない状況のせいで、すんなり再コンタクトが取れたのは、ある意味、不幸中の幸いか? ともあれ、一向に歩みを止めない茜は、ついに線路の所まで進入。耳元で怒鳴り声をあげる七香に、一瞬、反応した茜でしたが、まるで蚊でも潰す様に自分の頬をひっぱたこうとした手に、危うく七香は潰されそうになるのでした(笑)。そうこうしているうちに、とうとうやって来てしまう電車。衝突を回避すべく必死に訴える沙絵の言葉に生返事しかしない茜でしたが、ふと目の前に飛んでいる沙絵の存在が目に入り、沙絵を手で掴みにかかって、一歩、踏み出した事で、辛うじて電車の回避に成功。そんな事も委細構わず「可愛い〜、沢野口人形!? 着せ替えさせたい〜」と大喜びの茜。「着せ替え」と言う言葉で妄想モードのスイッチが入ってしまった高倉は、ようやく我に返ったものの「行くぞ、油壺! こういう時こそ〜っ!」と意気込みつつも、その先に詰まって「じんのなら…、分かるんだろうが…」と表情を曇らせるのでした。さて、そこへようやく辿り着いたのがミッキー先輩! それに気付いて「来たね…」と呟くJの姿に、睨み返すミッキー先輩。「来たね…」って、Jはミッキー先輩についても、知っていたと言う事でしょうか? 恐らくは、その魔法の実力についても…? さて、茜に握られてしまった沙絵はグルングルン回されて、すっかりグロッキー(笑)。沙絵を人形の様に弄んで「『茜ちゃん、今日、部活来るよね? 絶対、来てよね?』、今日はちょっとパスですぅ〜」と一人芝居をしていた茜でしたが、急に真面目な表情で「どうして怒らないの?」と問いかけて、沙絵を放り投げてしまうのでした。「あたしなんか、いてもいなくてもおんなじ。何をしてもしなくても、みんなおんなじ…」と嘆き出す茜に対して、それを必死に否定する沙絵。「あたしも、七香も、魔法クラブ、みんなみんな、茜ちゃんが大好き!」と訴えかける沙絵の言葉に、ハッと正気に戻った茜は、魔法が解けて元の大きさに…。地面に落下する茜の手を間一髪握りしめ、ホッとする沙絵でしたが、「消しちゃえば良かったのに…、魔法でさ…」などと物騒な事を言って、沙絵達の乗っている箒の上に立っているJ。「じんのクン…」と言う沙絵の呼びかけにも「もういらないんだ、名前なんて…」と応えるJに向かって、攻撃魔法を浴びせてきたのは、ミッキー先輩。バランスを崩して落下しそうな沙絵達にも、しっかり魔法をかけてビルの屋上に避難させたミッキー先輩は、その儘、Jと対峙。沙絵達のいる屋上へ駆け付けてきた高倉曰く、最上級の魔法「アボラメリ魔法陣」を空に描いて、巨大な竜を召還してJに攻撃を仕掛けるものの、まるで効果なく、自ら空中戦を仕掛けるも、Jは笑顔を見せてヒラリヒラリと余裕でかわすばかり…。ミッキー先輩、えろうカッコいいんですが、こんな戦闘見せられると、もう魔法使いと言うよりは、サイキッカーって感じですな、この二人…(^^;)。やがて、Jの魔法陣を受けたミッキー先輩がビルのネオンに叩き付けられた事で、沙絵達のいる屋上にも大量に降り注ぐ破片。沙絵と茜は高倉が、七香は油壺が必死にガードする訳ですが、ガードの仕方のカッコよさが段違いですな、この二人…(笑)。礼を言い、頬に傷がついてしまった事を案じる七香にも「大丈夫だ」と、やっぱり目を合わせられない油壺…。さて、未だに対峙しているミッキー先輩に対して、「魔法って楽しいよね? 素敵な事が一杯出来てワクワクドキドキして…」と語りかけるJ。この言葉に「これって、沙絵が言いそうな…。まさか…、ううん、間違いない」と何かを確信するミッキー先輩。「楽しいよね、魔法って?」とJが発動させんとする魔法のあまりの禍々しさに、震えが止まらず、思わず「怖い…」と漏らす沙絵。それが聞こえたかの様に、笑顔が消えたJがグッと拳を握ると、光に包まれる一帯…。「わたし、魔法なんて…、いらな〜いっ!」と叫んだ沙絵は、いつか見た部屋の窓から去りゆくJの姿が脳裏に浮かぶのでした。さて、Jの姿が消え、平穏を取り戻した所で、ミッキー先輩と合流する魔法クラブの面々。「いつこっちに戻って…?」と言う七香の問いに、どうも沙絵の手紙を読んで、来日したらしいミッキー先輩の「白馬の王子様…、悪い魔法使いにたぶらかされているお姫様を助け出しに…」と言う言葉に「悪い魔法使い…って、それは…、じんの?」と察する高倉。しかし、それに対して「でも違った。悪い魔法使いなんかいなかった。あれは沙絵だよ…、沙絵の魔法…」と衝撃の事実を語るミッキー先輩。そう言われて「あたしの…って、違う、あんな魔法…、だって全然…、魔法って、もっと…」と、うろたえる沙絵の言葉を「素敵で楽しくてワクワクドキドキするものだと思ってた?」と遮ったミッキー先輩は、沙絵の肩を抱き寄せ、耳元で「素敵で楽しいだけの魔法なんてないよ…」と呟くと、その儘、立ち去ってしまうのでした。うーん、あれだけの絡みでJの正体を確信してしまうとは、流石、ミッキー先輩(でも、その後の解決策とかは、全然アドバイスしてくれへんのね。自分で考えろって事?)。沙絵の魔法って事は、やっぱり1話のおばけ桜の時にかけた魔法の影響って事なのかな? しかし、沙絵の魔法に対する甘い考えが突出して具現化していた存在として、それ故に、魔法を使わせたがっていたにしても、善悪の判断がつかない、ある意味子供特有の残酷さみたいなものを備えていたからと言って、変に回り道をして、ああも心の隙をつきまくる行動をしていた理由は、どうも解せないんですが…。魔法の使用をいざなうにしても、どうもストレートでない部分が多過ぎるんですよねぇ? さて、放心状態の沙絵の気を紛らわすかの様に、「とにかくだ! 魔法クラブとしては、じんのを追求し、謎を解明する義務がある!」と意気込んで見せる高倉でしたが、「いや、彼の持つ魔法の力は、僕達が関与しうるレベルを遙かに越えている。独学で大系だった知識もなしに魔法を使って、これまで何事もなかったのは…、単なる幸運だったんだ」と現実を見据えた指摘をする油壺。これまでの魔法クラブの活動を否定されたとも言えるこの指摘に、高倉は「単なる…、幸運だって!?」と油壺に詰め寄るも、「安易に手を出すべきじゃないと言ってるんだ!」と言われて、返す言葉がないのでした。「怖いです。じんのって、あの子、気味悪いし…、もう忘れたい!」とうつむく七香を初め、一段と重苦しくなる雰囲気に、沙絵は「辞めます…。あたし…、もう…、もう魔法…使いません」と涙を流すのでした。最後は絶対ハッピーエンドと信じていますが、ここに来て、凄い展開になってきましたね。果たして、Jは、沙絵が魔法の怖さを知ってしまった事で、もう消えてしまったのでしょうか? ミッキー先輩の言葉にしろ、油壺の言葉にしろ、OVAから含めての、これまでの「まほTai」をある意味、否定している訳ですが、果たして、どうなってしまうのやら…? 魔法は、ひとつ間違えば怖い部分もあると言う事実を思い知らされる事は、沙絵にしろ高倉にしろ、遅かれ早かれ必要な事だったんだとは思いますが、それを理解した上で、魔法の素敵さを再確認してくれると良いですね。        
【バックナンバー】

第1話 沙絵と、魔法クラブと、桜の木     (7月 7日放映)
第2話 七香と、ケーキと、危険な夜      (7月14日放映)
第3話 油壺先輩と、朝顔と、親子面談     (7月21日放映)
第4話 沙絵と、風呂場と、扉の向こう     (7月28日放映)
第5話 茜ちゃんと、しゃっくりと、アヤしい関係(8月 4日放映)
第6話 高倉先輩と、やっこと、秘密のデート  (8月18日放映)
第7話 沙絵と、トマトと、絵筆のダンス    (8月25日放映)
第8話 アリスと、踏切と、ソースせんべい   (9月 1日放映)
第9話 振袖と、短パンと、華の時代      (9月 8日放映)
第10話 雪と、子馬と、ファースト・キッス   (9月15日放映)
第11話 茜ちゃんと、鏡と、歳末バーゲン    (9月22日放映)