第6話 高倉先輩と、やっこと、秘密のデート(8月18日放映)

脚本:横手美智子
絵コンテ:佐藤順一
演出:下司泰弘
作画監督:山下明彦

ストーリー概要

魔法の強さをコントロールし、精度を上げるべく、魔法で折り紙を折る訓練に取り組む魔法クラブの面々。必死の形相で何とかやっこさんを折り上げた沙絵だったが、それから、現実と夢がごっちゃになる事が続く様になってしまった。その為に、不安でいっぱいの日々が続く沙絵に。ある日、「よく眠れるから…」と七香にポブラを貰い、眠りについた夜、沙絵は夢の中でやって来た高倉と箒に乗ってタンデムデート。夢の中だからと、校舎に絵を描いたりと楽しいひとときを過ごしたのも束の間、相変わらず、現実と夢がごっちゃになる事に耐えきれなくなった沙絵は、再び出会った高倉に、その不安を吐露。差し出された高倉の手を握り、安心したものの、またも現実に戻されて、登校した沙絵が見たものは、夢だった筈の校舎に描かれた絵であり、高倉もまた沙絵と同様の体験をしていた事が明らかになったのだった。


「やっと気が付いた?」と言うJの意味深な言葉から始まった今回。ローテーション通り、今回は、七香を捜索する話…などではありませんでした(笑)。予め言っておきますが、はっきり言って、レビュー泣かせのお話であります(^^;)。こういう話なんで、順を追って書いていくだけでは、ちょっと分かりにくいかも…。とりあえず、いきますかね。寝床で、ミッキー先輩への手紙を書いている最中の沙絵でしたが、ふと気付くと、熟睡しており、すっかり朝に…。早紀の声で目を覚ました沙絵は、手紙を書き上げた記憶が曖昧にも拘わらず、手紙が封を閉じられて机に置かれている事に疑問を持ちつつも、早紀の入れてくれたコーヒーをご馳走に…。何かいい夢でも見ていたのか「夢が思い出せない時って、寂しい気持ちになるね」と言う沙絵に対して、早紀は「一度はしっかり掴んだものだから、それで寂しいのよ」と憂い顔で意味深な言葉を返すのでした。何かあったのかな、と心配そうな顔の沙絵でしたが、その時、早紀が「ねぇ、今日ってさ…。休校日か何か?」とポツリ…。時計を見れば、もう9時半じゃありませんか(笑)。のんびりコーヒー飲んでいたとは言え、こりゃ、どう見ても起きた段階で9時は回っとったな。早紀姉さんってば意地悪ぅ(笑)。大慌てで登校したらしい沙絵が、その後、どうなったかは謎の儘(^^;)、舞台は、一気に放課後の魔法クラブへ…。この日の訓練は、魔法の強さをコントロールし、精度を上げるべく、魔法で折り紙を折ろうと言うもの。相変わらず、ソツのない油壺が、完璧に鶴を折り上げたのに対して、七香の折り鶴はグチャグチャ…(笑)。「出来まし…」と言いかけて振り返った七香でしたが、完璧な油壺の折り鶴が目に入り、慌てて、グチャグチャの鶴を握り締めて隠してしまうのでした(笑)。茜は茜で、グチャグチャではないものの、何だかよく分からない抽象的な出来映え。茜曰く「『退屈する午後の気配』ってトコかな」だそうで…(笑)。「要するにゴミ…」と取り合わない七香が、ふと沙絵の折り紙に目をやると、やっこさんが着実に折り上げられているものの、手前には、顔を真っ赤にして脂汗を流している沙絵の姿が…。あの集中力散漫(^^;)の沙絵が、これ程までに集中力を振り絞るのは、相当の負担がかかる事なのか、とうとうぶっ倒れてしまう始末。その甲斐あって、やっこさんは、しっかり折り上げる事が出来たのでした。下校時も、ちゃんと折り上げた嬉しさと、「夢だったら困る…」と言う不安から、ついつい手に持ったやっこさんを見つめてしまう沙絵。「夢かどうかつねってみれば」と言う茜の言葉にも「痛くなかったら嫌だ。痛いのも嫌…」と怖じ気づいてしまう沙絵に、弱虫、毛虫、挟んで捨てろ〜っ」と茶化す七香。これには、ちょっとムッとした沙絵が顔を上げると、周りには、誰一人姿が見えなくなってしまい、しばし呆然。直後、七香の声にハッとすると、景色は普段通りのものに戻っているのでした。その夜、まだ不安なのか、寝床から見える位置にやっこさんを飾って、眠りにつく沙絵。沙絵が眠っている間に、一人で飛び跳ね出し、窓を開けて外に飛び出してしまうやっこさん。その音で目が覚めた沙絵が、カーテンを開けて外を覗くと、そこにはやっこさんの姿が…。逃げるやっこさんを追って、パジャマ姿で裸足の儘、外へ出た沙絵は、以前、Jと会ったあの噴水の前に辿り着くのですが、気がつくと、朝になっており、寝床の前には、何事もなかった様にやっこさんが置かれているのでした。その日の体育の授業中、七香と柔軟体操をしていた沙絵でしたが、その沙絵の顔面にスパイクされたバレーボールが直撃!(^^;) 試合中のバレーコートのすぐ後ろで体操なんかするなって…(笑)。気絶してしまった沙絵は、気がつくと七香に介抱されて保健室のベッドに…。当たったのはバレーボールの筈なのに、何故か「バスケットボールがバチコーンと!」などと言っている七香に疑問を持つ沙絵でしたが、沙絵の鞄と着替えを取りに七香が出ていった途端、気がつくと、誰もいない教室に立っているのでした。すると、窓の外には、箒にまたがって浮かんでいる高倉が…。「迎えに来たんだ」と手を差し出す高倉の言葉に、沙絵は手を伸ばすものの、高倉の手を突き抜けて、その儘、地面に転落…と思いきや、気がつくと、またも保健室のベッド。今度は、七香も「バレーボールがバチコーンと!」と記憶通りの発言。「何か夢見ちゃってて…。飛ぶって言うか、飛ぼうとする夢って言うか…」と言う沙絵の言葉に、七香は「沙絵ってH? それって欲求不満でしょう?」と指摘するのでした。うーん、心理学はよう知らんのですが、どうもそういうモンらしい(^^;)。つっこまれて赤面する沙絵が、また可愛いんですが、否定しきれない辺り、実は、図星なんでしょうかねぇ?(^^;)。先程と同様に、七香が沙絵の鞄と着替えを取りに行こうとするものの、どうにも不安な沙絵は七香と一緒に教室へ…。ここまで、現実と夢がごっちゃになっている事の不安を具体的に漏らした訳でもない沙絵でしたが、果たして、察してくれたのか否か、七香は「枕元に置いとくと、よく眠れるから」とポブリをくれるのでした。うーん、やっぱり、親友ってのはいいもんですねぇ。その夜、早速、そのポプラを枕の下に沈めて、寝床につこうとする沙絵でしたが、そこへ「一緒に寝ていい? 眠れないの」と部屋を訪れる早紀。どうも様子がおかしい早紀を心配する沙絵に「夢ってね、自分で見るもんじゃなくて、誰かに見せられてるんだって。夢で会うのは相手が夢の中に忍んでくるからなんだって」と布団の中で話しかける早紀。ふと気付くと、そこにいた筈の早紀の姿はなく、隣の早紀の部屋を覗いてみても、姿はなし。自分の部屋が明るく輝いているのに気付いて戻ってみると、そこには、「見せたいものがあるんだ」と手を伸ばす高倉が…。今度は突き抜ける事なく、しっかりと手を掴むと、その儘、箒にまたがって、空を舞う二人。照れ臭さと、毎度の生真面目さから「先輩、個人の事に魔法を使うのは…」と野暮な事を口にしてしまう沙絵に対して、「いいんだ。だって夢なんだから…。だから、何でも出来るし、どこへでも行ける。沢野口クンの夢見る所へ…」と答え、飛び続ける高倉。例の噴水に魔法をかけて、光の噴水を噴き上がらせたり、学校の校舎をキャンバスに絵を描き出してみせた高倉に促されて、沙絵も、例の絵日記調の絵を描き上げるのでした。沙絵が高倉の背中に寄り添った儘、飛び続ける二人の前に、やがて、射してくる朝日の光。「夢の中でも陽は昇るんだ」「でも、起きたくない…」「沢野口クン、僕は、僕は…」といいムードとなった所で、突風が起きたかと思えば、気がつくと、枕をギュッと抱きしめてベッドの中にいる沙絵でありました。枕の下にあるポプラに目をやり「七香に感謝かも…」と微笑む沙絵でしたが、彼氏から呼び出しの電話を貰っている早紀の声が聞こえる中、突然、空間がポンポンと飛んでしまい、いつの間にか、例の噴水の前に。そこへ、一人やって来た高倉に気付いた沙絵は「振り向かないで下さい」と、高倉の背中を強く握り締めると、「高倉先輩、本当に高倉先輩なんですよ…ね?」と恐る恐る尋ね、現実と夢がごっちゃになって不安な胸中を明かすのでした。それを聞くと「僕はここにいるよ。沢野口クンも僕の目の前にいる。確かめてみれば…」と振り返って、手を差し出す高倉。握っていた背中から手を離し、躊躇しながらも、高倉の手を握り締めた沙絵は、ホッと安心…したのも束の間、景色は、朝の登校時の町中に戻っており、高倉の手を掴んでいた筈の手には、やっこさんが握られていたのでした。ボーッとしている沙絵に近付いてきた七香は、横断歩道で彼氏と抱き合ってキスをしている早紀の姿を発見(何ちゅー所で、キスしとんのや。赤信号になった途端、慌ててどくんかいな。それはそれで、かなりマヌケだが…な〜んて事を考えてしまう辺り、私も野暮よのぅ)。「や〜るぅ」と妙に嬉しそうな七香に対して、沙絵はどうも釈然としない不安気な表情…。直後「学校遅刻しちゃうよ」と言う七香の言葉に、慌てて学校に向かった二人でしたが、着いてみると、人だかりが…。何と、校舎には、高倉と沙絵が、夢の中で 描いた筈の絵がその儘、残っているのでした。思わず「夢じゃ…、なかったんだ」とハモってしまい、向き合って赤面する沙絵と高倉の様子に、全然事情を分かっていないながらも、何となく気にいらないと言う様子で眉を潜める油壺(笑)。そんな様子を人だかりの中に紛れて見ていたJは「やっと気が付いた?」と冒頭と同様の台詞を吐いて、ほくそ笑むのでした。今回、いつもと比べると、ちょっと毛色が違う話…と言う印象でしたね。コミカルな部分も少なかったし、若干、日常性も薄かった様な気もします。イマイチ、釈然としないのが早紀の描き方で、至極、簡単に言ってしまうと「彼氏とモメたが、よりを戻した」とまぁ、それだけの話…って、本当にそれだけ? 妙に気をもたせた割には、どうもしっかり描ききれていない儘に、いきなり結論を見せられてしまった感じで、今回の話に不可欠な要素だったのか?と言う疑問も残ります。何より、キスシーン時の沙絵のあの釈然としない表情が気になる事この上ないんですよねぇ。この件については、続きがあるかどうかも分からないので、色々言いきってしまうのもよくないと思うのですが、とりあえず、現時点では、何となく消化不良かなと…。それから、今回の話、整理すべき点と言うのは、結局、夢だったのは、どの部分なのか? 高倉と沙絵が共通して体験していた部分はどの部分なのか?に尽きると思うのですが、はっきり言って、これに安易に答えを出すのは危険ですよねぇ(^^;)。最後の場面から、校舎に絵を描いたりした箒でのタンデムデートは、高倉と沙絵が共通して体験していた事なのは間違いない様ですが、あれとて、真に夢でなく現実だった、と本当に言いきれはしない気がするんですよね。受動的だった沙絵はともかく、高倉の行動がやけに能動的なのも、どうにも不可解だし…。高倉側の主体とした描写が皆無なので、この辺も、結論が出しづらい事この上ないんですが…。とりあえず、高倉は夢であると言う認識の中、行動していたのは確かみたい…。何せ、沙絵とああいう展開になって、あれだけ冷静でいられる事など、普段の高倉には考えられませんからして…(笑)。とまぁ、それにしても、今回の高倉は、えろうカッコ良かったねぇ(^_^)。あと、Jの「やっと気が付いた?」と言う言葉も「あの体験が夢でなかった事」なんて単純な意味とは受け取りにくいし…。やっこさんにかかっていた魔法の事とかも…。そんなこんなで、今回は、あまりにも考える部分、語れる部分が多過ぎるので、とても更新が間に合わん…と言う事で、この辺は、みんな保留です(笑)。