第3話 油壺先輩と、朝顔と、親子面談(7月21日放映)

脚本:横手美智子
絵コンテ:中山隆太郎
演出:中山隆太郎
作画監督:関口雅浩

ストーリー概要

いよいよ始まった三者面談。この日は、沙絵と油壺の面談日だったが、油壺の母親が来ると言う事で、「油壺安全委員会」も大騒ぎ。委員会の連中が必要以上に構ってくるのと、苦手の母親が来るのとで、物憂げな油壺だったが、ひょんな事から、沙絵と二人きりで部室に閉じこめられてしまう羽目になった事で、委員会の娘達や母親についての本音を語り始める。その後、魔法での脱出を図るも、母親の事で動揺しているせいか油壺の精神集中がままならず、結局、出られず仕舞い。一方、瑞葉にはいじめられ、七香にもキツい言葉を浴びせられた事で、ひたすら落ち込みモードだった高倉は、ようやく立ち直って、部室にいる二人の救出に成功。感極まって高倉を抱きしめる油壺だったが、そこへ現れた苦手の母・亜希子に捕まってしまい、げんなりとするのだった。


いよいよ始まった三者面談。菜緒子サンも、七香の気持ちを察してくれたのか、どうやら、田植えの手伝いを抜けて来てくれたみたい。ただし、泥だらけの上に、モンペに長靴,麦藁帽子のパーフェクト田植えルックで…(笑)。七香も、そんなママさんの格好に恥ずかしがりながらも、来てくれた事の方が満足してる様で、何よりですねぇ。で、この日は、沙絵が面談の日と言う事で、高倉に断りに行こうと、部室を訪ねる二人でしたが、部室の前には、大勢の女の子が殺到! 全然入れそうもないからと、理由をつけて「今日の部活はお休みって事で…」と帰ろうとする七香は相変わらずですが(^^;)、何か沙絵が凄いカッコして((笑)。↑の画面写真参照)縁によじ登って中を見た所、どうも彼女達のお目当ては油壺。「油壺安全委員会」などと言う謎のグループを結成しているらしいけど、それならこんな事日常茶飯事っぽいのに、部室に押し掛けてきた事はなかったのかな? まぁ、油壺の母親を出迎えして点数を稼ごうと言う狙いもある様で…。迷惑と思いながらも、つっぱねる事の出来ない油壺ですが、高倉が絡まなければ、常に冷静沈着のあの彼が、母親の事を持ち出されて、ギクッと困った表情を見せるのが、新鮮でおかしいのです。そこへやってきた高倉は、部室に入るべく強行突破を図るものの、女の子達にエルボーを連発され、あわれ撃沈。そこへやって来た茜が「そんなのズンズン行っちゃえばいいじゃないですかぁ」と、本当にズンズン行っちゃつて、いとも簡単に部室に突入するのでした。恐るべし、マイペース娘・茜。やはり、基本的にこの娘は無敵だ(笑)。とりあえず、場所を広い教室に移して、各自面談の日程を報告。この日は、沙絵と油壺が面談があると言う事で、既に、面談を終えている三人が部室で…となる筈が、「三人」「部室」と言うキーワードがツボに来たらしい高倉の妄想モードが、またまたスイッチオン! 高倉が妄想にひたっている間に、例によって、茜はモデルの仕事に行ってしまい、残ったのは七香だけになっていたのでした(笑)。とりあえず、部室に戻ろうとする二人の前に、天敵・瑞葉が登場。「漫研の部室の模様替えをするから、ウロチョロして欲しくないの」などと不条理な事を言われて、反発しようにも、例によって、瑞葉の巨乳を見てしまうと、ロクに言葉も出なくなってしまう高倉は、更に、幼少の頃の恥ずかしい写真をつきつけられて、とどめを食らわされるのでありました。その場を駆け出して、グラウンドで一人いじける高倉は、今度は落ち込み妄想モードに突入。沙絵に「高倉先輩って、だらしないんですね。私達、油壺先輩と新しくやっていく事にします」と言い放たれて、4人に見捨てられてしまう妄想を見て、悲劇の主人公にひたりきり…。七香もねぇ、もう少し何か慰めてやりゃいいものを、「頼りない部長」だの「頼るつもりもないから平気」だのと、本音をズバズバと言ってのけるもんだから(それが彼女らしいと言えばそうなんだけど)、より一層落ち込む高倉でありました。一方、物憂げに外を見ている所へ、委員会のまどかから紅茶を貰い、気品を漂わせて、紅茶を飲んでいる所へ母親の話をされて、突然、うろたえてムセてしまう油壺。「何と言うか…、愉快な人だよ、母は…」と言いながら、「苦手なんだよ」とオーラが出ているし…(笑)。こんなにも彼を動揺させる母親とは、一体!? さて、北海道から来る筈だった沙絵の両親ですが、結局、時間通りに来ない儘、沙絵は一人で面談を済ませてしまったのですが、その後、電話をかけてきたママさんがいたのは、何と沖縄。思わず、大声をあげてしまい、「すみません、すみません」と周り中に謝っている沙絵が可愛いんですが、周りは、全然無関心な様で…(^^;)。とにかく、気まぐれなのか、飛行機のチケットの買い間違いか、理由は、よう分からんのだけど、とにかく、パパさんのせいらしい。そんな状況にも「相変わらず豪快でしょ」とか「折角だからリゾートしていくわね」とか、何ともアバウトと言うか軽いノリのママさんでありました。「今回は国内だから…」って、そんなノリで海外に行ってしまってる事もしばしばなんですかぃ?(笑) ところで、油壺はと言えば、委員会の目を逃れて、行方不明に…。「油壺はトイレになど行かない」なとど幻想を抱いている委員会の連中は男子便所をくまなく捜索し、油壺がいない事を確認すると大喜びするのでした。やれやれ…(+_+)。沙絵が部室に戻ると、誰もいないので、中に入ってみると、突然背後から沙絵の口を抑える謎の影が…って、思いっきり油壺やんけ…(^^;)。せめて、シルエット状態でAパート引っ張りましょうよ(^^;)。それにしても、一体、どこに隠れていたのだ、油壺!? あの現れ方は、どう見ても、物陰に隠れていたと言う感じではなかったぞ。シルエット状態の時は、てっきりJ関係の人かとばかり…(^^;)。油壺と分かれば、沙絵も大騒ぎするでなし…。高倉達がいないので、沙絵が様子を見に出て行こうとすると、部室のドアの前に漫研の荷物がドッチャリ置かれていて、開かなくなってしまい、二人は閉じこめられてしまうのでした。声を上げれば、誰か助けてくれるだろうと言う沙絵に、委員会に構われたくない油壺は「しばらく、こうしていたいんだ」とそれを制止。委員会の連中について「あれは好意ではなく幻想」と言い放ち、「努力して勝ち取った訳でもないものへの称賛は虚しいものだよ」と、しみじみと語る油壺。天才には天才の悩みと言うものがある様で…。七香の油壺に対する気持ちは、幻想でなく好意だと解釈して…いいのかな? 先週の組み合わせも珍しかったけど、今回のこの二人のこういう会話も、かなり新鮮で面白いですね。なまじ、油壺に好意や幻想を持ち合わせていない沙絵にだからこそ話せる事と言うのもあるのでしょう、きっと…。いつまでもこうしてはいられないと、魔法でテレポートを図る二人でしたが、自分達が移動するどころか、ポストやら電灯やら信号機やらペ●ちゃんもどきやら小便小僧やら、次々に引き寄せてしまうばかり。どうも自分の為となると、ヘッポコな沙絵の魔法…の影響と思いきや、油壺は「こんなに失敗が続くのはおかしい。(自分の)精神集中がうまくいかないせいかもしれない」と冷静に分析。しかし、沙絵の「油壺先輩のお母さんとか、いないと不思議に思う筈だし、きっと探しに来てくれる筈ですよ」と言う一言で、またも動揺した油壺は、突然取り乱して、ドアをガンガン叩き始めるのでした。いやぁ、動揺する油壺、見ていて飽きないですねぇ(笑)。でも、結局、周りに人はいなかったらしく(^^;)、二人はボーッと待つ事にした様で…。そのうち、沙絵がトイレに行きたくなって、モジモジし出す訳ですが、「もしかして…」と言われて、それをごまかそうと、「油壺先輩はお母さんの事、お嫌いなんですか?」と話を逸らすのが、また笑えるのです。「難しい事をサラッと聞くんだね」と言う皮肉にも、まともに受け止める余裕がないのか「はい、頑張ります」とか言ってるし…。油壺も「嫌いじゃないけど、時々我慢出来ない事があるんだ」と、真面目に応えているのに、「大丈夫です。平気です。我慢出来ます…」とか、もう話が噛み合ってるんだかないんだか…(笑)。一方、部活の中止を伝えるべく、沙絵と油壺を探していたものの、見つからない事を七香から聞かされた高倉は、すっかりいじけモードのせいか「先に帰っちゃったかもしれないし、僕達も帰ろう」と、投げ遣りな態度。それにぶち切れた七香は「本気で帰ったと思ってるんですか? 沙絵は勝手に帰るとか、それで平気とか、そんな事、絶対ないです。油壺先輩だって一度だって、適当な事した事ないじゃないですか」と、怒りを爆発! 正論をつきつけられて、久々に顔文字を復活させてうろたえる高倉は、「先輩って、沙絵の事どう思ってるんですか?」と言うダメ押しに、「そんな複雑微妙な事を聞かれて、ズバリ応える訳にはいかないけど〜!」と、またまた妄想モードに突入! 試行錯誤の末、部長としての体面を矢面に立てる事で立ち直った高倉は、沙絵(と油壺)を探すべく颯爽とダッシュを開始した矢先、そこへ豪快に突入してきた油壺の母親・亜希子サンの車に激突! 更に、追い打ちをかけるがごとく、参上した委員会の連中に踏みつぶされてしまうのでありました(笑)。委員会の連中から油壺が行方不明な事を聞かされても、心配するでもなし、かくれんぼをしている程度にしか考えていない亜希子サンは、ロッカーやらゴミ箱やら校長室やら跳び箱の中やら、よう分からん所を実に楽しそうに探して回っている中、閉じこめられている二人は、気を紛らわす為にしりとりなんか始めたかと思えば、油壺の方もヤバくなってきたりして、「頑張りましょうね!」とか、妙な連帯感が生まれてるし…(笑)。そこへようやくやって来た高倉の声に、二人共、もう涙目(笑)。荷物をどかして、ドアをあけ、てっきり沙絵が自分の胸に飛び込んできてくれると思いきや、案の定、油壺の方で、沙絵は、高倉に目もくれず、トイレに一直線(笑)。「きっと来てくれると思ってたよ。武男クンが僕の居場所を見つけてくれるって」と感激にひたっている所へ、亜希子サンの声に、一転して青冷める油壺(笑)。すっかり放心状態と化している高倉を横へどかして、抱きついたかと思えば「あとチューもね」と、キスの嵐をかます亜希子さんに、七香も委員会の連中も思わず赤面してしまうのでした。こりゃ、あの油壺でなくても苦手だわなぁ(^^;)。それにしても、何で、彼らの母親はこうも変わった人ばかりなのやら…(笑)。かくして、一件落着。互いに油壺と高倉と二人きりだった事を羨み合いながら下校する沙絵と七香が公園を通り過ぎると、そこには、Jの姿が…。ああ、やっぱり、今週もこの終わり方かいな…。今回は、高倉、ひたすら哀れだった様な気が…。「アニメージュ」で言ってた通りになってるやね(^^;)。そんなこんなで、今回も、割と、日常的なエピソードを味わい深く見せてくれた一話でした。