第7話 沙絵と、トマトと、絵筆のダンス(8月25日放映)

脚本:小中千昭
絵コンテ:佐山聖子
演出:佐山聖子
作画監督:志田ただし

ストーリー概要

休日の朝、飛行訓練の帰り道、ふと話題に挙がった間近に迫る文化祭の事を思い出し、魔法クラブでも何かやろうと張り切る沙絵。しかし、七香は映研に主演の依頼を受けて撮影に行ってしまい、茜は例によってモデルのバイト、油壺はテニス部や演劇部の助っ人に駆り出されて大忙し、高倉も部室を確保べく瑞葉と交渉するのに必死で、それどころではない状態。一人取り残された沙絵は、ふとしたきっかけで文化祭のアーチの着色を頼まれ、魔法を使って描き上げたものの、部室に戻ってみても、相変わらず、誰も来ておらず、悲しい気持ちになってしまう。その後、沙絵は、高倉や七香と接触しながらも、まともに文化祭の話は出来ずじまいで、皆の心がバラバラになっている不安を感じつつ、文化祭に向けて、頑張る決意をするのだった。


日曜の朝を利用して、魔法クラブの面々は、おばけ桜のある山中へ向かって、飛行訓練。高倉は「みんな上達してきたなぁ」と言うものの、沙絵は、相変わらず、逆さになってしまうのですね(笑)。これって、魔法の能力と言うより、単なるバランス感覚の問題?(七香に立て直して貰ったら、その後、普通に飛んでるし) それにしても、おばけ桜って、てっきり今でも咲き続けているのかと思ったら、すっかり花びらも舞い落ちてしまっているんですね。「来年も一杯咲かせてくれるかな」と感慨にふける沙絵ですが、果たして、来年はちゃんと春に咲くんでしょうかね?(今までは秋だった訳で…) 第1話では、全員(茜除く)ユニフォームの儘、電車で帰ったみたいですが、今回、女の子3人は、ちゃっかり着替えを持って来ていて、普段着で電車に乗っているんですねぇ。きっと七香の入れ知恵だな、こりゃ…(笑)。それに対して、油壺と二人でユニフォーム姿の儘の高倉は「納得いかん」と思わずふてくされてしまうのでした(^^;)。電車の中で、映研が文化祭で上映する映画に七香が主演として出演依頼をされていると言う話が挙がり、ふと文化祭の事を思い出した沙絵は高倉に「今年こそ、魔法クラブはちゃんと文化祭に参加するんですよね?」と尋ねるものの、昨年、漫研の控え室として部室をとられた影響もあって大恥をかいた為、七香は今年は勘弁して欲しい様子。今年は何とか部室を確保したいものの、瑞葉と交渉しなければならない事を想像するにつけ、高倉は深く落ち込んでしまうのでした。それを見ている油壺の表情が妙に優しげで意味深なんですが、特に、気にする事はないのでしょうかね?(^^;) さて、その夜、食事の支度をしていた沙絵は、そこへ帰ってきた早紀に「お姉ちゃん、最近さ…」と、何か言いたげな様子。その心中を知ってから知らずか、早紀は「あたしの怒濤の愛の物語聞きたい?」と茶化して部屋へ戻るのでした。物憂げに、プチトマトにそっと口づけしてから、ハッとして口に放り込む沙絵。どうも先週のキスシーンが尾を引いている様であります。その後、文化祭でやる事を絵を描きながら熱心に考えていた沙絵は、次の日の授業の最中にも一心不乱に考案中。七香が紙屑を幾つも幾つも沙絵の頭に放って呼びかけているのに全く気付かず、先生に見つかってしまい、七香も巻き込まれて、居残りでプリントをさせられてしまうのでした。ところで、前回、校舎に描かれた絵って、その儘なんですね。結局、学校的には、どういう風に処理されたのやら、ちと気になる所ですが…。それはともかく、二人して先生に謝りに行った後、七香は映研の方に行ってしまい、一瞬、寂しげな表情を見せたものの、気を取り直して部室に向かった沙絵でしたが、部室には誰も来ていないのでした。高倉は、前日、話に出た部室確保の為、瑞葉と交渉中(勿論、大苦戦(笑))。茜は例によって、モデルのバイトで忙しく、油壺は文化祭でのテニス部の招待試合に出場を頼まれたり、演劇部の公演に勝手に参加させられる事になっていたりと、引っ張りだこ。その様子を見ていた沙絵は、一人トボトボと校内をうろついていると、文化祭の入場アーチの色塗りをしているあんちゃんを見つけ「この門、くぐる時って、とってもワクワクするんですよね。いつもの学校じゃない所になってるって感じで」と、喜々として話しかけたのが、運のつき(笑)。これ幸いと、あんちゃんは、他の仕事も忙しいからよろしくとばかりに、さも当然の様に、沙絵にポスターカラーの入ったバケツを手渡して、立ち去ってしまうのでした。いいのか、そんな通りかがりの人に任せちゃって!?(笑) 一方的に頼まれてしまい、巨大なアーチに絵を描かされるハメになり、沙絵は、しばし呆然…。一方、高倉が参加していた文化祭実行委員会では、委員長の瑞葉が「どんな些細な不始末も、それは私の顔に泥を塗る事になる」だの「それでなくても漫研の方が忙しい」だの「何か質問は? あっても受け付ません」(笑)だの、言いたい事だけ言って、サッサと退出してしまうのでした。うんざりしながらロクに話も聞いていなかった様子の高倉でしたが、瑞葉が出ていった後、目の前のプリントを見て「何だよ、これは!」と、怒り心頭! 恐らくは、事前交渉虚しく、部室がしっかり確保出来なかったとか、そんな所かな? さて、巨大アーチの着色の進行に手間取り悲鳴をあげていた沙絵でしたが、先にも言っていた通り、こういうアーチの存在に思う所がある為「みんながこのアーチをくぐるんだよ。あたしが楽しく絵を描かなくちゃ」と意気込んだところ、ふと目に入った校舎を見て、前回の高倉との一件を思い出す頬を染めてしまうのでした。ともあれ、以前、油壺がやっていた魔法を試してみようと、ポスターカラーのバケツに入った絵筆に向かって呪文を唱えつつ、「楽しくダンスしてね★」と、声をかける沙絵。何か、いっぱしの魔法少女モノみたいな演出やなぁ。「パステルユーミ」とかさ…(笑)。あ、一応、沙絵も魔法少女ではあるのか(^^;)。ところで、他の面々はと言うと、油壺は演劇部の発声練習に付き合わされたかと思えば、ファンの女の子達にフラッシュの嵐を浴びて大騒ぎ。モデルの仕事も終わって、仕事仲間と街を歩いていた茜は、ある店のショーウインドウに貼ってあった「ボトム祭」なるポスターを見て、ふと文化祭の事を気にかけた素振りを見せたものの、それも束の間、ショーウインドウの中のハンドバッグに夢中に…。七香は踏切の前でトマト一個持って立たされて「何…、させられる訳…、これ?」(笑)と不可解な表情をしているのでありました。さて、沙絵は珍しく(^^;)魔法も無事に成功させて、見事アーチを完成。そこへ戻ってきたさっきのあんちゃんに「なかなかいい感じじゃない。美術部入んなよ」と勧められた沙絵は「絵は大好きだけど…」とちょっぴり嬉しがりながらも、「クラブに入ってるんです。そうだ、あたしやんなきゃいけない事があるんです」と、魔法クラブの事を思い出し、慌てて部室へ…。しかし、依然として、部室はもぬけの殻の状態に、沙絵は「やっぱり誰も来ないんだ、今日…」と落ち込んだ儘、うたた寝してしまうのでした。そこへ交渉に失敗しフラフラとした足取りで戻ってきた高倉は、それに気付いて目を覚ました沙絵に、一緒に帰ろうかなとずっと待っていた、と言われて「そうかい。つまり、後輩としてね」などと野暮な返事をしてしまうのですが、追い打ちをかけるがごとく「高倉先輩は私の事、ただの後輩としてしか…」と言う沙絵の言葉に「後輩先輩の壁を越えて、男である僕の方から今こそ言おう! 沢野口クン、僕と…」と興奮していた所、これは全て例の妄想モード(笑)。本当に目を覚ましたばかりの沙絵に気付いて、「妄想か…。助かった…」ようやく我に帰る高倉でありました。しかし、今回の妄想は結構真実味があったなぁ(^^;)。実際の所、お互い、そう思っているんだろうし…。そう言えば、前回のあのラストの後、この二人はあの一件に関する会話を全くしていないんでしょうかねぇ? そんなこんなで下校時間になってしまった為、二人で校門まで歩いていると、普段なら練習日だが、この日は高倉が放課後に委員会に出る為に参加出来ず、部活はお休みだった事を、ちゃんと聞いていなかった沙絵は、部室に一人で残っていて、誰もこの部室に来ないんじゃないかと言う気になってしまい、悲しい気持ちでいた為に、余計にガックリ落ち込んでしまうのでした。慰めようとする高倉にも「文化祭がどんどん近くなってきてるのに、誰も…。高倉先輩だって…」と思わず口にしてしまい、会話が止まった儘、トボトボと歩いていると、校門の前には白い服を血に染めた女の子がユラリと立っており、こちらへ駆け寄ってくるもんだから、二人は顔面蒼白…。って、これは案の定、七香で(笑)、多分、あの血みたいなのは、もしかして、トマトなのかな? 映研の方で何かあったらしく、涙目の七香が着替えてくるのを待つ事になった沙絵を残して、高倉は一人、先に帰る事に…。その高倉も、先の沙絵の言葉に「部室を確保する事しか考えてなかった。何とか今年は、ウチの部室を漫研の控え室なんかに取られたくないと頑張ったけど、自慢出来ないよな…」と落ち込んでしまうのでした。うーん、沙絵の気持ちは十分分かるものの、事情の分かっていない沙絵に、一応、クラブの為に頑張っていた高倉が咎められてしまうのは、何だか可哀想になっちゃいましたねぇ。落ち込む高倉の前に、Jが現れ「もっと楽しい事すればいいのに…」とポツリ。思い当たる節のないJに、一旦目を逸らして「ウチの学校にいたっけ? 漫研か?」と考え込んで、もう一度目をやると、そこにJの姿はなく、おばけ関連に弱い高倉は青ざめて、ダッシュで帰宅するのでした(笑)。一方、七香は、沙絵に対して「トマト持たされて、訳の分かんない事言わされてさぁ」と、映研の撮影について愚痴っているのでありました。一体、どんな映画なんですかねぇ? 映研曰く「アート」らしいですが、これって後で見せてくれるのやら…? そんな七香に沙絵は文化祭の催し物についてのプランを色々と明かすものの、七香は「放送委員だから、その仕事が結構あるみたいなんだよねぇ」と言われて、またも落ち込んでしまい、その後、油壺の話など喜々として話しているの七香の言葉にも耳に入らない様子。家に帰った沙絵は、「せっかくの文化祭なのに、みんなの気持ちがバラバラになってしまっていくみたいで、何かちょっと淋しいです。でも、きっときっと!!! 文化祭、楽しくしたいなって思ってて…。あたし、頑張るつもりです」と、ミッキー先輩にお手紙。そう言えば、冒頭の手紙では「みんなの心が一つになって、素敵な魔法が使えたらいいなって思ってるんです」なんて書いてるんですよね。それだけに、この現状に、より落ち込んでしまうと言うのも無理もない訳なんですよね、実は…。そこへ彼氏の車で送られて帰ってきた早紀のキスシーンを、沙絵はまたも目撃してしまい、そっと唇に指を当てるのでした。今回は、また非常に学園モノらしいお話で良かったですね。でも、毎度毎度落ち込んでいる沙絵を見せられるので、何だか可哀想で仕方ないですわ。文化祭の話は、次回にも続く様ですが、あんなに頑張っている姿を見ると、何とか成功させてあげたいものですね。ところで、例の早紀絡みの話も、まだ引っ張っている様で…。前回の沙絵のあの表情は、実の姉の早紀だったから…と言う事ではなく、キスそのものについて、願望なり不安なり興味なり、思う所があったんですかねぇ。流石に、高倉とのキスシーンなんてのを思い浮かべるには至ってない様ですが…。個人的には、今回の一件と並行させる事もないんじゃないかなぁ、なんて思ってしまうんですが、これも来週に続く話なんで、並行させる意味はあったりするのかもしれないですけどね。まぁ、その辺は、来週のお楽しみと言う事で…。