第5話 茜ちゃんと、しゃっくりと、アヤしい関係(8月4日放映)

脚本:村井さだゆき
絵コンテ:河本昇悟
演出:河本昇悟
作画監督:山本佐和子

ストーリー概要

その日の部活は自主トレと言って、先に部室を出ていった高倉を不審に思った油壺達は、高倉を尾行すると、校門で待っていたのは、茜。二人でいい雰囲気で下校する様を見て、嫉妬に燃える油壺達に瑞葉まで加わって尾行を続けるも、実は、茜がしゃっくりが出ると、おかしな魔法が発動してしまうと言う悩みを何とかして欲しいと相談しているだけの事であった。翌日になっても、しゃっくりの止まらない茜は、部室でしゃっくりをすると、体が小さくなってしまい、制服だけを残して、姿を消してしまう。必死に茜を捜索していた沙絵は、温室で七香に対して、茜への接し方の悩みや、この状況で茜を心配する気持ちを打ち明ける。これを図らずも聞いてしまった茜は、着地しようとした植木鉢が傾いたショックで元の姿に戻ると、沙絵の気持ちを察して、感謝の気持ちを表すのだった。


沙絵と七香が登校してくると、校舎の入り口にマスクをして立っている茜が…。沙絵が呼びかけたものの、逃げる様に校舎の中へ駆け込んでしまった茜に「あれが先輩に対する態度かね」と、七香はご機嫌斜め。「あんまり細かい事で怒ると慕われる先輩になれないよ」と言う沙絵の言葉にも「別に、愛川に慕われたくないしぃ…」と取り付く縞もなし。こういうの聞いてると、沙絵って、単に、お人好しと言うだけでなく、(美化し過ぎとは言え)高倉を理想の先輩像として、茜からも自分をそういう風に見て貰える先輩になりたいと言う意識があるのかも…って思ったりしますね。さて、始業ベルも鳴ろうかと言う頃になって、グリモワールの解読で夜更かしをしてしまった高倉が眠い目をこすりながら、ようやく登校してくる訳ですが、どうやら高倉を待っていたらしい茜が近寄ってくると、マスクを取って、頬を赤らめながら、妙に悩ましげな声で「あたしと付き合って欲しいんですけど…」。流石に、妄想癖の激しい高倉でなくとも、額面通りの意味と受け取っても仕方ないこの状況に、高倉は激しく動揺するばかり…。まぁ、絶対に誤解だってのは、見てる側としちゃ、あからさまなんですけどね(^^;)。なかなか返事が返ってこない事に肩を震わせる(と高倉は思っているらしい)茜に、ますます動揺する高倉でしたが、茜は、こらえきれずに、しゃっくりを1つ…。すると、教室で窓の外を眺めていた七香の視界には、羽根をつけた幾つものサッカーボールがパタパタと飛んでいる姿が…! このサッカーボールが、妙に、可愛いのだ(笑)。高倉との話がどうなったのかはともかく、授業に入っても、茜は、しゃっくりを堪えるのに必死。その尋常ならざる様子に先生が声をかけた瞬間、驚いてしゃっくりが止まったと喜んだのも束の間、またしゃっくりが…。途端に、黒板に書いてあるチョークの文字が爆発して消えてしまうのでした。ところで、しゃっくり我慢するのに、マスクって効果あるの? 放課後になっても、パタパタと飛んでいるサッカーボールでしたが、こちらは全く話題にもならず…(何故?)。教室から出てきた油壺は、高倉の姿を見つけ、声をかけようとした矢先、そこへやってきた茜とのツーショットに嫉妬の炎がメラメラ…(笑)。部室で茜以外の4人が集合するも、妙に様子のおかしい高倉が何故か茜のいない事を弁解。「今日は鉄棒を使った編隊飛行の訓練をするつもりだった…」と言う高倉の言葉に、七香は「変態飛行」とでも思ったのか(笑)、何故か全員笑顔の部員達が鉄棒にまたがりながら横にくるくる回るアヤしげな様子を想像してしまうも(^^;)、「…が、予定を変更して今日は自主トレにする」と続いた事で、ホッと一安心。終始、疑いのまなざしで睨んでいる油壺(笑)の視線など、全く気付かずに「用事があるから先に帰る」と言う高倉でしたが、「用事と言っても、つまらない用事なのでくれぐれも気にしたりしないでくれたまえ」などと余計な忠告まで口走りながら、手足を揃えて歩いていくもんだから、油壺は、不審の思いをより強めてしまうのでありました。かくして、残された3人は、高倉を尾行する事に…。すると、校門の前では茜が待っており、二人で頬を赤らめながら(高倉はともかく、何故、茜まで?)下校していくのでありました。危惧していた通りの結果に「うかつだった〜っ! 武男クンは愛川クンの好みではないと思っていたんだけど、まさかこんな事になっていようとは〜っ!」と、木の枝をかじりながら、涙を流して悔しがる油壺…。ああ、もう油壺、すっかりキャラが崩れてきちゃってますな(笑)。何が起きているのか理解出来ないのか呆けてしまっている沙絵,ちょっと信じがたい様子の七香と三者三様の反応を見せていると、そこへ瑞葉の高笑いが!(あんたは、なんちゅう所に立っとるんですか! ※↑の画面写真参照) 「あんなろくでなしに彼女なんて、物好きな娘もいたものね」と言う瑞葉の言葉に、沙絵は「彼女?」(と、ようやく状況を理解した様子)、七香は「まだそうと決まった訳じゃ」(うん、これはまともな反応だね)、油壺は「そうだ、僕がいる!」(って、おいおい)と三段オチもついた所で、漫研もこの日は自主トレに決定。かくして高倉尾行隊が結成されたのでありました(笑)。一方、当の高倉は、相変わらず、動揺しきりでありましたが、茜の「すみません、学校の帰りまで付き合って貰っちゃって…」と言う言葉に、ようやく「付き合って欲しい」の真意に気付き、ミイラ化する有様(笑)。そんな高倉を見て、茜も「よく分かりませんが、すみません」(笑)。まぁ、裏表のない娘だけに、高倉がどういう誤解をしているかとか、何故その誤解を招いたのかなんて事を全然分かってないのは、多分、真実なんだろうけどねぇ(^^;)。ともあれ、高倉には、誤解もとけ、事情も把握出来たものの、依然として誤解し続けている尾行隊は、工事中の看板を盾にしつつ、コーンを被りながら、尾行中。何か、魔法クラブのユニフォームのとんがり帽子とフォルムに差異がないせいか、妙に似合っているのは気のせい?(^^;)。「黙って後をつけるなんて二人に悪いし…」と言うながらも、「じゃ何で付いて来た?」と言う七香の問いに詰まってしまう沙絵。「あの二人が本当に付き合ってるんなら、同じクラブの一員としてあたしも嬉しいし…、とってもお似合いだと思うし…。茜ちゃんが本気で好きなら、応援とあげなきゃ先輩として…」などと言っている沙絵でしたが、そんな事にお構いなしで、他の尾行隊はとっくの昔に先へ進んでいるのでした。しばらく、気付かずに、コーンを被って一人でブツブツ言ってる沙絵が、とってもおマヌケ(笑)。高倉への気持ちについては、見ているこちらがもどかしい程、素直になれない沙絵ですが、ここでもやっぱり、茜に対して良き先輩でありたいと言う気持ちが如実に表れているんですよね。一方、ようやく公園に辿り着いた茜は、高倉に状況を説明。ここで昨日撮影があり、カメラマンが仕事が終わった後も、しつこく誘ってきたものの、こんな事で魔法を使うとまた沙絵達にぐちぐち怒られるだろうなと思っていると、ふと目に入ったJの姿に気をとられている所へ、カメラマンに肩を叩かれ驚いた拍子にしゃっくりが…。すると、手に持っていたマジックワンドが光ったかと思えば、後ろにあった小便小僧が突然巨大化。カメラマンの頭上に大量の水が降り注ぎ、難を逃れたものの、それ以来、しゃっくりが出る度に変な魔法が発動してしまうとの事。…と、ここまでの話は全く聞いていない尾行隊(笑)が二人の座っているベンチの背後に到着し聞き耳を立てていると、茜の「あたしの手を握って下さい。もっと強くぅ〜、も4我慢出来ません〜」と言う声に、流石に沙絵も手が震えて動揺を隠せない様子を見せていたものの、それ以上に我慢出来なかった油壺が、ついに立ち上がり「君達は一体何をやっているんだぁ〜っ!」と思わず止めに入ってしまうのでした。いや、単に、しゃっくりが我慢出来ないから握って欲しかっただけなんですけどね…(^^;)。また、瑞葉も「部長の立場を利用した破廉恥行為。生徒会長及び文化部代表として許す訳にはいきません」と魔法クラブに即刻解散指令を出したものの「高倉先輩はそんな人じゃありません。それは深山先輩もよくご存じの筈です! だから…」と言う沙絵の言葉に、憎まれ口を叩きつつも引き上げるのでした。沙絵って、本能的に瑞葉の高倉への意地悪は好意の裏返し…ってのを分かってるんだろうねぇ。勿論、そんな計算を含んでいるつもりはないんだろうけど、それだけに瑞葉もなまじ図星を突かれてしまうと、流石に引かざるをえない訳だ。かくして、誤解も解けて、油壺は一転して上機嫌。「よかったね、沙絵」と言う七香の言葉に、沙絵も思わず顔を赤らめて「うん」と応えてしまうのでした。まぁ、勿論、すぐ否定しましたけど、「うん」と言わせた事で、七香はしてやったりの表情(^_^)。さて、何故、この事を隠していたのか問われると、茜は、沙絵や七香に知られると、小姑みたいにうるさいから…と正直に応えてしまい、またまた七香の怒りを煽るのでした。しゃっくりを魔法で止める方法が分からずに悩む高倉を見た沙絵は、ふと何かを思いついたか立ち上がると、急に空を指さし「あ〜っ、牛が飛んでるぅ!」と叫んだ後、茜に向かって「わっ」と声をかけるも、寒い空気が流れるばかり…(笑)。どうも驚かせてしゃっくりを止めようとしたらしいけど、却って逆効果となったか、茜はしゃっくりを連発。公園中に、巨大なボーリングピンやら、まねき猫やら、モアイ像やらが次々と出現してしまうのでした。ともあれ、魔法でなくともしゃっくりを止める方法がある事に気付いた部員達は色々方法を挙げていくも、七香の「逆立ちして水を飲めばいい」と言う言葉に、高倉の妄想モードがついにスイッチオン! 「逆立ち」と言うキーワードごときで、ここまで妄想出来るのも凄いですが、高倉が妄想している間に、陽はとっぷりとくれて、油壺以外の部員はとっくに帰ってしまっていたのでした(笑)。さて、明くる日の放課後、真っ先に部室にやってきたものの、またもしゃっくりが出てしまった影響で、制服を残した儘、体だけが手の平ほどの大きさに縮んでしまった茜は、制服のリボンを体に巻き付けて何とかフォロー。そこへやってきた油壺と高倉のいつものアレ(笑)をしばらくは楽しげに見ていたものの、やがて隙間から漫研の部室へ潜り込むのでした。今の格好ではあんまりと、そこに飾ってあったフィギュアの服を拝借していると、またもしゃっくりが…。今度は、背中に羽根が生え、さながら妖精の様に飛び回っていた所へ、不意にドアを開けて入ってきた瑞葉に鉢合わせ。仰天してひっくり返る瑞葉を後目に部室へやってきた沙絵達でしたが、その話を聞いた高倉は、その飛んでいったものが茜と確信し、捜索指令を出すのでした。制服はおろか下着まで脱ぎ捨てて(別に脱いだ訳ではないのだが)ある事に例のごとく動揺している高倉は「愛川クンは今、はだ…、はだ…、はだはだ…、裸足の筈…!」って、「裸足」かい! いや、確かに裸足だけど…(^^;)。それにしても、このところ、誰かを捜索する話ばっかりやね(笑)。次は、七香の番か!?(^^;)。必死の捜索の末、温室に辿り着いた沙絵達でしたが、呼びかけてみるも、ここでも応答はなし。「心配ないって。それに、どうせあたしら小姑だって思われてんだしさぁ」と、いい加減ダレてきた七香の言葉(まぁ、実際その通り(笑))にも、沙絵は「けど、茜ちゃん、今、どれだけ心細いか…。こんな事になっちゃって、どうしていいか分からなくて、あたし達が助けに来るの待ってるかも」と相変わらずのお人好し…と言うか、自分がそうなった時の事を当てはめてるんでしょうけどね。「そんなにデリケートかぁ?」と言う七香の読みの方が実は当たっているのですが(^^;)、沙絵の必死の説得により、七香もつい折れてしまうのでした。七香も相変わらず、沙絵には甘いねぇ(^_^)。そのうち、沙絵は、先輩として茜に対して、どう接すればいいか分からないと悩みを打ち明ける始めるのでした。「たまたま、学年が一つ上なだけで偉そうな事言う資格なんて、全然ないけど、普段口うるさい小姑みたいって思われても、いざって言う時に頼られる先輩になりたいって…」。そう、序盤からずっと描写されて続けていた沙絵のこの気持ちが今回のテーマなんですよね。高倉と茜との関係の誤解やら、しゃっくり騒動は、あくまでテイストであって…。この会話をたまたま疲れて羽根を休めに来ていた茜が一部始終、しっかり聞いていたりするのが、またミソなのです。おかげで、出ていくタイミングを失ってしまった茜でしたが、着地しようとした植木鉢が傾いて、その儘、頭上に落ちてきた事に驚いたショックで、元の姿に…。七香が慌てて、服を取りに行っている間、二人きりになった所で、茜は「私、心細くはなかったけど、でも、来てくれて、一応、有り難うございます」と感謝の気持ちを表すと、沙絵は、会話を全て聞かれてしまった事を察しながらも、満足気な笑みを漏らすのでした。うーん、こういう演出はたまらんですねぇ。これで、今後、茜と沙絵との関係が少しはしっくりいけばいいのですけど、多分、行動や会話自体はあまり変わらないんだろうなぁ。少なくとも、茜は、ひたすらマイペースだろうし…。ただ根本の部分で、沙絵がああいう気持ちで接していると言う事を理解しているだけでも、きっと大きな意味はあると思うけど…。その後、やってきた高倉が茜の裸(葉っぱで隠れてるけど)で鼻血出してぶっ倒れるなんてのは、毎度恒例のオチとして、結局、茜のしゃっくりは、さっきのショックですっかり止まった様で…。さて、この様子をまたJが見ていたりする訳ですが、今回の茜のしゃっくり騒動って、元々は、茜がJを見かけた事が、ある種のきっかけだった訳ですよね。となると、Jは、この事にどれくらい関与していたのやら…? 沙絵と茜がこうなる事を踏まえて全て仕組んだ…なんてのは、かなり話がうますぎますけど、果たして…!?