第9話 振袖と、短パンと、華の時代(9月8日放映)

脚本:横手美智子
絵コンテ:河本昇吾
演出:河本昇吾
作画監督:安田好考

ストーリー概要

日直の仕事で職員室を訪れた沙絵は、そこで男子制服姿のJと擦れ違う。どうやら茜と同じクラスの男子生徒らしい事が判明。放課後、沙絵と七香は、茜の教室を訪ねたところ、Jは、既に、下校していたらしいものの「居場所なら分かる」と、茜に連れられて行った先は、何と劇場内。結局、沙絵と七香は、茜にかつがれて、茜の母親・天野梓主演の「華の時代」での梓の娘役のオーディションに参加させられる事になってしまう。しかし、オーディション会場で「茜」の名前で現れたのは、茜に替え玉を頼まれていたJ。芝居がロクに出来ずに落ち込む沙絵を連れ出したJは、抱きしめながら「好きなんだ」と告白する。一方、いつの間にか、オーディション会場に迷い込んだ茜は梓と、母娘逆の台詞の掛け合いを演じながらも、演技の途中でサラリとかわして、舞台から立ち去るのだった。


今回はプロローグなしで、いきなりタイトルバック。今回のタイトルロゴ、「華の時代」だけ字体が違うんですねぇ。何か気になりますねぇ。さてさて、毎度、高倉と油壺が台詞だけで、何やらアヤしい事(^^;)をしてそうな雰囲気をかもし出す演出がありますが、今回は、視聴覚準備室にて、沙絵と七香のコレから始まったのでした。…って、何の事はない、七香が重いスライド投影機を持ち抱えるのに苦労してただけの話(笑)。「ああ、どうすれば…」と慌てながら、何でそういう結論に至ったのか、重みで腰が抜けそうな七香を残して、沙絵は出席簿と学級日誌を取りに職員室へ行ってしまうのでした(笑)。職員室に辿り着いた沙絵に対して、先生は大量のプリントとノートを持たせて「五時間目は自習になったから連絡しといてくれよな」と頼んでいると、沙絵の背後を男子生徒の制服を着たJが通り過ぎ、その姿に呆けてしまった沙絵は、案の定、プリントとノートを床にぶちまけてしまうのでした(^^;)。沙絵は、慌てて、それらを拾いながら「プリント配って、ノート返して、五時間目まで自習…でしたっけ?」…って、先生も「そんな訳ねぇだろ」(笑)。ようやく拾い終わって、職員室を出てきた沙絵は、とっくの昔に出ていった筈なのに、まるで、待っていたかの様なタイミングで視聴覚準備室の方に入って行くJの姿を見て、急いで駆け出したものの、行ってみれば、そこにいたのは、七香一人。その七香も、Jの姿は見ていないとの事。一方、男子トイレで、呪文を詠唱しながら、用を足していた高倉でしたが、呪文の先が思い出せずに詰まっていると、Jが、その続きを呟いて、隣にやって来るのでした。呪文が分かって、礼を言おうと振り向いた高倉でしたが、Jの姿に仰天。(男子の制服を着ているにも拘わらず)高倉は、Jを女子と認識している様で、慌てて、大きい方の便器に飛び込むのでした。ここで、トイレットペーパーに身を包んだJが「貴方が落としたのは、金のトイレットペーパーと、銀のトイレットペーパーのどちら?」なんて尋ねてくる、いつもの妄想モードに突入した高倉でしたが、ふと気付いてみると、Jの姿はなく、高倉は、トイレットペーパーに包まれているのでした。うーん、あながち、妄想でもなかったんですねぇ? さて、Jの姿を学内で見かけた事が気にかかっている沙絵は、得意の(?)似顔絵を描いて七香に見せてみるも「何だか分からん事だけは分かる」などと言われてしまう始末(^^;)。「その子、何よ?」と聞き返されるも、沙絵は「何って…、何だろう…」と言葉に詰まってしまうのでした。ふと、窓の外を覗いた沙絵は、体操着の(ブルマではなく)短パン姿のJを発見。そこへ遅刻してきて、体育教師に怒鳴られながらも、全く悪びれないでいる茜の姿を見て、茜と同じクラスと察知した二人は、休み時間に茜の教室を訪れるのでした。しかし、よく分からないと言う茜の答えに引き返そうとする沙絵でしたが、噂をすれば何とやら…、丁度、そこへ茜に対して、先生からの伝言を伝えに声をかけてくるJ。「前からいた? 転校生とか? 春からいた?」と畳みかける様に質問する沙絵に対して、茜からは「あたしって、あんまり学校に興味ないんで…」と手応えのない返事が返ってくるばかり…。当人に聞いてこようか、と言う茜が提案してくるも、沙絵は、とりあえず、その場を立ち去るのでした。一方、高倉は、先程の男子トイレでの出来事が尾を引いているらしく、相変わらず、ちょっかいをかけてくる油壺に対して「君は神様を信じるか? トイレの神様と言うやつだ」などと問いかけるものの、「武男クンが壊れた〜っ! 僕の愛が足りないせいなのか〜!?」と、まるで本気にはされないのでした。さて、茜の教室から戻り、再び、スライド投影機を視聴覚準備室に戻しに来た二人でしたが、七香の、うじうじ悩むより、もう一度、茜に頼んでくれば?と言う提案に、すかさず茜の所に走ろうとした沙絵は、またまた重い投影機を放り出してしまい、七香は一人で苦しむハメに…(^^;)。一方、先のJからの伝言で生活指導室に呼ばれて、先生に色々言われてうんざりしながら出てきた茜は、そこに立っていたのはJ。沙絵が尋ねた時は、よく分からない様な事を言っていた茜でしたが、ひょんな事から理解を感じたのか、「『じんの』クン…だったよね? ちょっといい?」と誘い出すのでした。うーん、茜は、さっきは、果たして、よく知らないふりをしていただけなのか、実際知らなかったのに、その時点で前からいた様な錯覚を起こしたのか、どちらなんですかねぇ? Jが、春からいた…とは、ちと考えがたいんですけど、その辺は、魔法によるものだったりするのかな? まぁ、この辺は、追々分かりますかね…。で、人気のない所に呼び出してみれば、Jの身体を何かスタイルを計るかの様にベタベタと触りまくる茜。何らかの事にJが適任と確信したらしい茜は、Jに何やら頼み事…。さて、放課後、沙絵が学級日誌を書いているのを待っている七香でしたが、鞄の中にある高倉が作った油壺の人形に目を落とし、油壺への想いを打ち消すかの様に急いで鞄を閉じるのでした。この辺り、まだ前回のアレを引きずっている様ですねぇ。でも、今回、この絡みは、これっきり…(^^;)。学級日誌を届けた後、茜の教室を訪れた二人でしたが、Jは既に下校してしまったとの事。ただし「居る所なら分かりますよ。行きます?」と言う茜の言葉に誘われて、着いたのは、大きな劇場の前。何やら親しげに受付にいたおっちゃんと話す茜は、沙絵と七香を紹介。「ちぃとあかぬけてないけど、まぁ、いいでしょ?」と何やら納得したおっちゃんは、ある部屋に二人を案内し「着替えはここにあるから…。じゃ、頑張ってね」と訳の分からない事を言って、その場を立ち去ると、茜は茜で「あとはやっときますから。じゃ、頑張って下さ〜い」と二人を部屋に押し込めてしまうのでした。全然状況を理解していない儘、係の人とやらに振袖に着替えさせられた二人。部屋の奥には、やはり同じく振袖姿の娘達が4人、「娘が出るの?」「それじゃ出来レースじゃん」「誰よ、その娘って…」と何やら話している様子。その娘達に何があるのか尋ねても、笑われるばかりでムッときていた七香でしたが、そこへ「オーディション参加の皆様は舞台へお願いします」と場内放送が…。「オーディション!?」「舞台!?」『…って何の〜っ!?』と二人は思わず、ハモってしまうのでした(笑)。一方、二人を置き去りにして、街をブラつきながら、サブタイトルにもあった「華の時代」なる映画の巨大な告知ポスターの前で、ふと足を止める茜。主演の天野梓…、オーディション会場でヒソヒソ話をしていた「娘がどうこう」言う話…。どうやら話が見えてきましたねぇ(^_^)。さて、茜にハメられた事にようやく気付いた沙絵と七香でしたが、何だかんだ言いながらも、結局、断ったり、逃げたりする事なく、オーディション会場に向かってしまう様子(^^;)。沙絵はともかく、七香はこういうの断りそうな気もするんですけどねぇ。そこへ「もしかして、七香さんと沙絵さん?」と、天野梓から声をかけられる二人。どうやら向こうは(「娘」を通して)沙絵達の事を知っている様子ですが、二人は全く事情を飲み込めずに戸惑ってしまうのでした。ようやく始まったオーディション、自己PRらしき場で、沙絵は案の定、ガチガチで天然ポケぶりを発揮して、「バラエティ向きでしたかな」などと言われてしまう始末(笑)。七香のシーンはなかったけれど、果たして、うまい事やったのか、気になる所ですね。さて、最後の一人として「愛川茜」と名乗りながら登場したのは、何と振袖姿のJ。どうやら本来、茜が出る所をJに替え玉を頼んだ模様で、てっきり茜が出てくると思っていた監督達は勿論、「茜」を名乗っている別人の存在に梓も驚きの様子を隠せないのでした。一旦、控え室に戻った沙絵は「あるもんだよね、まさか茜ちゃんと同じ名前だなんて…」などと、相変わらずのボケっぷり(笑)。そんな沙絵に呆れながらも七香は「それより台詞! 台詞テストするって言われたじゃん」と、嫌がってた割には、結構、真面目にオーディションに取り組んでいるみたい…(^^;)。一方、街を歩いていた茜は、ふと気付くと、劇場の舞台袖に迷い込んだ様子。これもJの仕業なんですかね? 結局、沙絵の方は、お芝居の方は全然ダメだった様で、洗面所でまたがっくり落ち込んでいるのでした。ドアの音がして、七香と思った沙絵は「ごめんね、無理矢理付き合わせて…。やっぱり、あたし、七香みたいにうまく喋れないね」…って、何だ、七香って、やっぱり、沙絵の強引な押しで付き合わされてしまってたのね。どうやら、芝居もそれなりだったらしい七香、映研で主演張ったのはダテじゃない?(^^;)。沙絵の「どうして、来ちゃったんだろう?」と言う呟きに「会いに来たんじゃないの?」と返されて振り返ると、てっきり七香と思っていたのは、実は、J。「この格好じゃ男子トイレ入れないし…」なんて言ってるけど、実際の所、性別、どっちなんですかねぇ? そもそも、性別とか関係ない存在だったりするのかな? 「もう(お芝居)終わったの?」と言う沙絵の問いに「逃げてきたんだ」と言うJ。その代わりに本物の茜を呼び込んだ…って事なんですかねぇ、やっぱり…。一方、突然、舞台に出てしまい戸惑っている様子の茜に、梓は娘役の舞台の台詞を言って聞かせると、茜は、その台詞を繰り返すどころか、逆に母親役の台詞で応対し、梓が娘役,茜が母親役と言う緊迫した芝居へと突入(最早、雰囲気が「まほTai」ではなくなってきてるな(^^;))。しかし、芝居の途中で意図的に素に戻って笑みを漏らした茜に対して、梓は「あなた、失格よ。カットの声がかかるまで女優は芝居を辞めちゃいけないの」と一喝するも、茜は「あたしは、女優じゃないもん。お邪魔しましたぁ」とサラリと言ってのけ、舞台袖に引っ込むのでした。さて、Jに「一緒に来てよ、沙絵…」と手を引かれて連れ出された沙絵は、いきなり「『じんのじゅりか』…、『じゅりか』って呼んでよ」と言われて戸惑っていると「『でも』とか『だって』とか言うの嫌いなんだ。『ごめん』ってすぐに謝るのも嫌だ」と返され、萎縮してしまうのでした。そんな沙絵に「笑ってよ。笑わないと酷いよ…」と妙にドスの聞いた声(笑)で脅しをかけるJ。何か、怖いですね、今回のJ…(^^;)。…かと言って、すぐに笑える筈もなく、再三「『じんの』クン…」と呼びかけるも、Jは『じんのクン』と言う呼び方に対して「『じゅりか』!」と強要するばかり…。ますます萎縮してしまう沙絵を流石に見かねたか、Jは「嘘だよ、もう行っていいよ…」と告げて、立ち去ろうとする沙絵。それをふと思い立ったかの様にもう一度呼び止めると、沙絵を抱きしめて「好きなんだ…」と呟くJ。これには、激しく動揺した沙絵でしたが、気付いてみると、先の洗面所に立っており、七香に「遅い〜っ!」と呼び出しを食らうのでした。オーディションの結果発表の場に駆け付ける際も、Jに抱きしめられて、「好き」と言われた事に動揺する事しきりで、転んでしまう始末…って、別に、動揺してなくても転ぶやね、この娘は…(^^;)。結局、オーディションは、あの4人のうちの誰かしらが受かったみたい…。帰りの電車内で「別に期待とかしてた訳じゃないけどさぁ」とか言いながらも、七香はちょっと残念そうな様子。かつがれた事に対して、明日、茜に文句を言ってやらなきゃ…と言う呼びかけにも、はっきりしない様子の沙絵に「人に物を言う時は、ちゃんと分かる様に喋る事って言ったよね」と忠告する七香に、「ごめ…」と謝りかけた沙絵は「『ごめん』ってすぐに謝るのも嫌だ」と言うJの言葉が脳裏に焼き付いているのか、思わず口に手を当ててしまうのでした。一方、高級そうなレストランで梓と会食していた茜は、七香が茜の事を話していたせいか否か、突然、クシャミ。梓に「風邪?」と問われるも、「うつしたりしません」「うつされたりしません…、だって…」「女優だもの…でしょ?」と言葉を交わして、笑い合うのでした。うーん、何か、この親子、いいですねぇ。日常性とか普通っぽさとは縁遠いんで、「まほTai」らしくない存在ではある気もしますけどね…。ところで、茜が、今回、沙絵と七香をかついだのって意味あったんですかねぇ? Jに替え玉を頼んだのだから、別に、二人をオーディションに引っ張り出す必要はない訳で…。単に、Jの事を聞いてきたので、そのついでで、いたずら半分にやっただけの事なのかな? 第2話同様、今回も高倉と油壺の男性コンビは、無理矢理、出番が設けられた感じでしたね。「トイレの神様」とか言ってる間に、沙絵とJとで、こんな事があったなど、思いもしていない事でしょう(^^;)。しかし、Jって高倉の方にも、何かちょっかいかけてますよね。果たして、Jの目的って、一体何なのやら…?