第1話 沙絵と、魔法クラブと、桜の木(7月7日放映)

脚本:小中千昭
絵コンテ:佐藤順一
演出:佐藤順一・河本昇悟
作画監督:田中雄一

ストーリー概要

ツリガネを桜の木に変えてしまった事により、宇宙人(?)侵略の危機から地球を救った魔法クラブだったが、残った桜の木(通称=おばけ桜)の存在も、日照権の事で騒ぎが大きくなっていたり、花が散らない分、ツリガネの方がマシだった等と言う声が挙がったりと、問題は山積み。そこで、高倉の提案により、おばけ桜を全て花びらに変えてしまおうと、(茜を除く)魔法クラブの面々は、一路、おばけ桜へ。しかし、呪文詠唱中に、例によって、沙絵が余計な事を考えてしまった為に、おばけ桜が歩き出すと言うとんでもない事態に…。自衛隊までやって来て、攻撃を仕掛けかねない状況に、沙絵達は、魔法で強風を起こして、自衛隊のヘリを撤退させる事に成功。そんなこんなで、おばけ桜は山中に自分の場所を見つけると、再び根を下ろし、沙絵達は、帰途に就くのだった。


OVA第6話からの直接の続編と言うのが、まず嬉しかったですねぇ。OVAを見てない人には、少々気の毒ではありますが、沙絵のドジっぷりを初め、レギュラー陣は相変わらずのノリで、あの独特のほんわかムードも、OVAと何ら変わりなしと言う事で、十分に見られるんじゃないかなと…(^^;)。と言うか、今からでも、ビデオ6巻を…、買わないまでも、せめて借りてきて見なさい!(笑) その方が絶対に十二分に楽しめるのは、保証つきですよ! OVA第6話ラストで「あの桜を何とかしないと」てな話を高倉がしていましたが、今回は、早速、それを解決しようと言うお話な訳です。あのおばけ桜、凄くいいなぁ、消すなんて勿体ないよ…などと当時は思っていた訳ですが、「日照権」などと、えらく現実的な問題を抱えているとかで…(^^;)。こういう所に、「魔法Tai」の魅力の1つである日常と非日常の絶妙のブレンド具合を感じてしまいますね。相変わらずの様で、何もない所で転びまくっている(笑)沙絵ですが、お人好しと言うか、優し過ぎる辺りも相変わらずで、おばけ桜を全て花びらに変えようってな大事な時に、「桜の木だって、もっと広い所に生えてたら嬉しいかもって言うか、もし好きな所に行けたらって…、こんなに綺麗に咲いてるの何か可哀想って言うか」などと、余計な事を考えてしまうのが、何とも微笑ましいですね。それで、他の面々にいらぬ手間をかけてしまうのも、また然り。かくして、歩き出してしまったおばけ桜。ちゃんと人のいる所をよけて歩いていたりするのが、またおかしいんですよね。信号をちゃんと守るツリガネ達に通ずるものがありますね。しかし、TVでは、緊急特番が組まれ、「おばけ桜災害評論家」(笑)なんておっさんが出てきては、進路がどうのこうの、ここを制圧されるとうんたらかたら…と、まるで怪獣でも闊歩してるかのごとき扱いで、自衛隊まで出動してくる始末。瑞葉の暴走ぶりも健在。ツリガネと唯一コンタクトを取った人間=人類代表などと、未だに思っている様で、飛行船でやって来て、おばけ桜の説得なんぞに現れる訳ですが、自衛隊に無下に追い払われてしまうのでありました。ああ、いと哀れ…(笑)。ミサイル攻撃をされかねない状況に、七香は脱出を提案するも、沙絵は「桜の木を守ってあげたい」と主張。沙絵に懇願のまなざしで見つめられては、当然、エエカッコしいの高倉としては、何とかしよう!と言うお約束の展開になる訳ですねぇ(笑)。「魔法は何でもいいんだ! 桜を守りたいと言う気持ちで魔法を使えば!」と、儀式の最初に使うカードを取り出す高倉の指示で、呪文を詠唱する5人。強風を起こす事によって、無事、ヘリを撤退させる事に成功する訳ですが、高倉はそこで「沢野口君、君はやっぱり凄い魔法使いなんだ。君の願った魔法が一番強かったんだから…」とポツリ。この世界において、魔法はテクニックに関しては才能と努力による所が大きくても、ことパワーに関しては想いの強さが重要な様で、彼らの魔法使用の意図を考えるに「何とかしてあげたい」とか「守りたい」とかそういう想いの大きい沙絵の存在価値は、ことのほか大きいのだなぁと思ってしまいますね。ちょっと考えてしまった程度の余計な事も、実際には、それが沙絵の強い本心な訳で…。やがて、おばけ桜は、ようやく、自分の場所を山中に見つけたか動きを止めたものの、報道陣に囲まれてしまった為に、空を飛んで帰る訳にもいかず、裏側から降りて帰る事になった面々。どうやら、あのユニフォームの儘、電車で帰る事になりそうな展開で、勿論、七香は嫌がったぞと…(笑)。それにしても、おばけ桜からの去り際、沙絵は、一体何を見て驚いたのやら、気になりますね。高倉達に呼ばれて、すぐ立ち去ってしまった所を見ると、最後におばけ桜から現れた少女(?)を見た訳ではないっぽいですが…。あの少女も、これからのキーパーソンになるのか否か、注目ですね。ところで、茜は、例によって、デート三昧のご様子で、出番少。次回は、果たして、どうなるやら!? そう言えば、箕輪さんって、どないなっとるのでしょうか? 最後まで出ないのかな? 茜ファンの目の敵らしい彼ですが、私は、結構好きなんで、出て来てくれると嬉しいのですが…。そうそう、TV版の沙絵のナレーションは、OVAではお馴染みの絵日記ではなく、ミッキー先輩への手紙と言う形式。さて、ミッキー先輩って誰?なんて言っている貴方! 是非、小説版「魔法使いTai」を読みましょう! TV版は、小説版キャラも、色々出てくるらしいのが、また楽しみだったりする訳です。やっぱり、小説も読んでおくと、より楽しめるのは保証つきな訳ですわ…(^^;)。予告編と言うか、次回の映像をEDで流すと言うのも、面白い試みだなと思ったのですが、でも、個人的には、あの沙絵のナレーションによる予告が微笑ましいんで、それを聞きたかったなぁと…。そんなこんなで、OVAの一本として見ても遜色のないくらいの出来で、大満足の第1話でありました。あとは、1クール、この作画レベルを保ってくれと祈るばかりですね。前番組(=「エンジェルリンクス」)がねぇ、終盤ひどかったから、やっぱり心配しちゃう訳ですよ…(^^;)。