第2話 七香と、ケーキと、危険な夜(7月14日放映)

脚本:横手美智子
絵コンテ:佐藤順一
演出:佐山聖子
作画監督:志田ただし

ストーリー概要

担任に、三者面談の希望日が未提出と言われた七香は、家に帰るなり、母・菜緒子にどうするのか持ちかけたものの、あまりの放任主義ぶりに激怒。家を飛び出して、沙絵の所に押し掛けるのだった。沙絵の家庭を羨ましく思う七香に対して、七香の家庭について、必死のフォローをする沙絵だったが、却って、気まずい雰囲気になってしまった所へ、突然、茜が訪ねてきた。そんなこんなで3人でお泊まり会が決定。食事も終わって、デザートに茜が持ってきたケーキを食べようとしたところ、早紀の分をどうしようか、と言う話になり、魔法で増やす事に…。沙絵は「七香の家族の分も」と提案するも、意地を張っていた七香は、それを拒否して、魔法を開始するも、ケーキは2つに増えるどころか巨大に膨れ上がる一方。ケーキに押し潰されそうになる中、七香は家族への素直な気持ちを思い出すと、巨大ケーキは小さいケーキに分裂して雪の様に部屋に降り積もるのだった。


前回は、OVAの(桜の木の)後処理と言う印象もあって、TV版のオリジナルエピソードとしては、実質的に、今回から…と言うつもりで見てみました。OVAから前回まで、ずっと脚本を手がけていた小中サンではなく、横手サンの脚本と言う事で、今までの「まほTai」色が、どれくらい反映されるかな?と言う関心もあったのですが、個人的には、かなり「らしさ」が残っていて、良かったなぁと思う次第です。基本的なストーリーは、本当に、ごく普通のお話でしたが、こういうお話、かなり好きですね。今回も、やっぱり、ミッキー先輩へのお手紙ナレーションで始まりましたが、ちよっとちょっと…、「イギリスは今、何月ですか?」って、日本と同じに決まってるじゃありませんか(^^;)。ところで、小説はともかくとして、OVAでは、殆ど明かされなかった沙絵や七香の家族構成やら家庭環境も、徐々に明らかになってきましたね。それにしても、三者面談の件で、沙絵の両親など、それだけの為に、わざわざ北海道の牧場から一泊だけしに来ると言うのに、「稲刈りの手伝いに行くからダメ。アンタと先生で決めなさいよ」なんて言われちゃ、七香も怒るわな。しかし、「パパに頼めば?」と言われて、七香に「嫌だ、絶対嫌だ!」とまで言われてしまう哀れなパパさん。パパさんが行くと、一体、どんな事になってしまうのでしょう!? 七香が「頭冷やしに行く」と出ていこうとすると、しっかりお野菜を持たされる辺り、行き先が沙絵の所だと言うのは、もうバレバレ…(笑)。早紀にも「その和室、また『七香部屋』にしちゃっていいからね」なんて言われてるし、つまり、こんな事は、しょっちゅうやってる訳ですね(笑)。そんな訳で、えらく不機嫌な七香に、沙絵も、何とかフォローしようと必死なのが、また微笑ましいんですが、それも虚しく、七香は、何を言われても、いちいち言葉に棘が立ってしまって、気まずくなるばかり…。そこへ、突如、茜が来訪。ケーキを届けに来たみたいな事言ってるけど、実際は、送ってきた相手に、自分の家がバレるのが、まずいから沙絵の家を利用しただけなんだろうねぇ(笑)。ともあれ、マイペースの茜の存在と、食事の準備などで、バタバタしているうちに、気まずい雰囲気も徐々に打ち解けていくのでありました。食事の支度と言えば、沙絵の独壇場かと思いきや、意外にも、茜も、料理得意なクチだったとはねぇ。髪結ったエプロン姿とかも、結構、似合うじゃないですかぁ(^^;)。それにしても、「折角だから、こっちのいいお茶碗」を一気に割ってしまうシーンには大笑い。何も、こんなスローモーションで長々と演出しなくても…(笑)。それを見ていた糸目の茜(↑の画面写真参照)が、またおかしいのだ(^^;)。しかし、この3人で、こういうアットホームな展開は、なかなか斬新ですね。特に、七香と茜が、こうして楽しくまともな会話してるのはね。今まで、茜のマイペースぶりに、七香がイチャモンつけるとか、そんなのばかりだった印象が…(^^;)。祖母の影響か、「よろしゅうおあがり」とか「はいはい、みんな牛になっちゃうよ」とか、沙絵が結構古臭い事を言ってるのも、「らしくて」良いですね。何か、実際は、食べたら、横になった方が消化にはいいんだとか聞いてますけど…(^^;)。ところで、七香と茜が満腹で横倒れしてるのに、何故、沙絵はあんなに平然として「ケーキ食べようよ。もう入らない?」などと言えるのでしょう? 彼女だけあまり食べなかったのか、実は、結構、大食い(笑)なのか、果たして…!? かくして、片付けも終わり、デザートタイム。3個しかないケーキを早紀の分ばどうしようかと言う事で、「お姉さんの為だから自分の為じゃないですよ」と魔法で増やそうと言う茜の提案に、七香も思わず「ナ〜イス」(笑)。イマイチ、納得のいかない沙絵は、高倉の所に電話で相談する訳ですが、高倉はと言えば、相変わらず、油壺相手に悩ましげな奇声を発しているのでありました(笑)。実は、腹筋ダイエットをしていただけなんですが…。前回の裁縫と言い、あんたらもっと普通に出来んのかぁ(笑)。ここで、高倉の妹・貴子がついに登場!\(^_^)/ 小説版キャラとしては、一番楽しみにしていたのが貴子だったのですが、相変わらず、兄と油壺への対応が、全く対照的でおかしいの何の…。さて、ようやく電話を受け取った高倉ですが、「女の子3人でお泊まり」の言葉に、妄想モードのスイッチがオンに!(笑)。でも、「ちょっといけない事(=魔法でケーキを増やす)をしそうになった」は、かなりツボにきましたねぇ。確かに、ここだけ聞くと、高倉でなくても誤解しかねんぞ(笑)。しかし、高倉の妄想、一部正解だった様な気も…(^^;)。ともあれ、高倉の承認もとれ、いよいよ計画を実行に。こんな時まで、きっちりユニフォームに着替える沙絵が、またおかしいですね。魔法陣も、ちゃっかり、なると魔法陣(笑)。呪文を唱えかけた所で、また沙絵が「七香の家族の分も」などと余計な事を言い出してモメる訳ですが、家出中の七香が、そんな提案を了承する筈もないのでした。結局、2つに増やすだけ、と言うつもりで魔法をかけたものの、沙絵が余計な事を考えたせい…ではなく(^^;)(多分、余計な事は考えてたと思うんだけどねぇ)、七香が意地を張っていたせいで、ケーキは増えるどころか、どんどん巨大化していく一方。ケーキに押し潰されそうになる中、家族への素直な気持ちを取り戻した七香の想いを受けたか、七香のマジックワンドが光り輝くと、巨大なケーキは爆発。大量のプチケーキと化して、部屋中に降り積もるのでありました。ああ、こういう演出が「まほTai」らしくて、またたまらないんですよねぇ。かくして、ケーキまみれになった3人は風呂場で大はしゃぎ。高倉がいたら、また大変な事になっていた事でしょう(笑)。らんちき騒ぎの一夜も明けて、七香は一人、早起きしてそっと出ていこうとするのですが、それに気付いた沙絵は、近くの公園までお見送り。いやぁ、ベタですが、こういう演出にゃ、ホント、弱いんですわ、私…。「(家族に)絶対食べさせてやろうと思って」と、大量のプチケーキを包んでいく七香に、「喜んでくれるといいね」と、ほんわかムードで終わったかに見えた今回でしたが、前回、桜の木から現れた少女(もしかして、少女じゃなくて少年なの? とりあえず、EDによると、名前は「J」らしい)が、沙絵を見ていたのでした。次回も、Jが本筋に絡んでくる様子はなく、しばらく、こんなラストばかりなのか!?