第4話 沙絵と、風呂場と、扉の向こう(7月28日放映)

脚本:村井さだゆき
絵コンテ:竹之内和久
演出:竹之内和久,松浦錠平
作画監督:田中雄一,山下明彦

ストーリー概要

前回の騒動の反省もあってか、瞬間移動魔法の訓練を行う事になった魔法クラブ。しかし、結局、どこにも移動出来ず、魔法は失敗に終わったかに思われた。呪文詠唱中に、Jの姿が頭に浮かんでしまっていた為に、失敗したのは自分のせいと落ち込む沙絵だったが、他のクラブの面々は、扉を開ける度に、本来あるべき場所とは、まるで違う所に繋がってしまう現象に陥っていた。4人の状況をまとめると、その時、無意識に考えていた場所へ飛ぶらしいと言う事が判明したものの、その事を知らない儘に見知らぬ場所に飛んでしまった沙絵は、魔法が成功したと喜んだのも束の間、混乱して次々と訳の分からない場所へ…。4人が懸命に沙絵の捜索に走る中、Jの言葉に導かれた沙絵は、皆の待つ魔法クラブの部室に辿り着く事が出来たのだった。


「親子面談も終わり、すっかり秋…って、面談の前も秋だったんだけど」(^^;)とミッキー先輩へのおマヌケな手紙で始まった今回。魔法クラブでは、瞬間移動魔法の訓練を行う事に…。相変わらず、ちょっかいを出してくる油壺に対して、高倉は「この瞬間移動魔法を使いこなせるようになれば、この間みたいに部室に閉じこめられた時にも、難なく切り抜けられる様になる訳だ」とキツい一言。亜希子さんが絡んだ事もあってか、思い出したくない一件に触れられて、流石に、油壺も大人しくなるのでした。(笑)。いやぁ、油壺に皮肉を言える様になるとは、ちょっとは強くなったねぇ、高倉も…(^^;)。珍しく、茜が参加してるなぁと思えば「これから撮影があるんで、この儘(瞬間移動魔法で)仕事場に行かせて貰えますぅ?」と、一人だけ制服姿で、ちゃっかりと言ってのけるのでした(笑)。瞬間移動とは、仮想の扉の力で空間の繋がりを変える事なんだそうで、「頭の中に扉を思い浮かべるんだ」と言う高倉の指示で、いよいよ呪文詠唱に…。しかしと言うか、またまたと言うか、例によって、沙絵は「みんなはどんな扉を思い浮かべているんだろう? ダメダメ、普通でいいんだってば…」と、、集中しようとすればする程、余計な事を考えてしまい、挙げ句の果てに、思い浮かべた扉の向こうには、最近、よく見かける不思議な人・Jの姿が…。で、結局、どこにも移動出来ず、魔法は失敗。瞬間移動魔法をアテにしていた茜は、慌てて、部室を飛び出して行くのでした。かくして、本日の部活は終了。帰り際、Jの姿を何故か思い浮かべてしまった事が魔法の失敗の原因と落ち込んでいる沙絵でしたが、先に教室の扉を開けて廊下で待っている筈の七香の姿がない事に呆然。その七香は、何故か、水戸屋の店内に飛んでいて「いらっしゃいませ。こちらでお召し上がりですか? お持ち帰りで?」なんて言われて、「へ?」と放心状態(笑)。一方、校舎の扉を開けて出ていった筈の茜は、いきなり仕事場の前に飛んでしまい、一瞬、驚きを見せたものの、すぐに「ま、いっか!」と全く気にしていない様子。相変わらず、順応力が高いねぇ、この娘は…(^^;)。七香が先に帰ってしまったと思い、ショックを受けつつも、仕方なく一人で帰宅した沙絵でしたが、着替えようとクローゼットを開けると、水戸屋の栗まんを持った七香が入っていて、仰天(笑)。しかし、何で、こんなに七香は埃まみれなの? 沙絵のクローゼットの中が、こういう状態って事?(^^;)。ともあれ、状況が全く把握出来ずには「もしかして、先に帰っちゃった事、あたしが怒ってると思って、それで、おみやげ? 全然怒ってなんか…、そりゃ、少しはショックだったけど…」と、しどろもどろの沙絵に対して、七香は「あんたは何ともないの? 何ともないならいいの。じゃ…」と落ち着き払った口調で言うと(ホント、この娘も、大分、順応力がついてきちゃいましたね)、再び、クローゼットの中へ退散(笑)。閉められた扉を、すかさず開けて中を確かめた沙絵でしたが、七香の姿はなく、どこか別の場所に繋がる様子もなく、オロオロするばかり…。一方、自宅に帰り着いた高倉は、玄関の扉を開けると、いきなりトイレに。比較的、飛んだ場所が近いせいか「記憶が飛んでいる? まだそんな年ではない筈だが」とと混乱しつつも、とりあえず、用を足して(笑)、トイレの扉を開けると、今度は、玄関の外。「これは末期的?」と再び衝撃を受ける高倉でした。さて、入浴しようと、服を脱ぎながら、色々と考えていた沙絵。七香がちゃんと帰れたのか心配しつつも、訳が分からず「先輩達にも何か起きてるんじゃ?」と思って、ブラジャーを洗濯機に放り込むと、何故か、それが高倉家の台所へ…。そこへ、魔法の影響で、扉と扉の繋がりが歪んでしまった事を察知した高倉がやって来て、落ちているブラを発見。貴子のブラと勘違いした高倉でしたが(幾ら何でも、沙絵と貴子ではサイズが違うと思うのだけど、まさか!? まぁ、自分の家だから、他人のとは思わんよな、普通)、流石に、妹相手に欲情は出来んと言う理性はあったのか?(笑)、妄想モードに突入する前に「いかんいかん、麦茶で身も心も冷やさねば」と、冷蔵庫の扉を開けると、中から大量の湯気が発生。すっかりメガネが曇ってしまい、何も見えない状態の高倉でしたが、何と、扉は、沙絵の風呂場の窓に繋がっていたのでした。気持ちよく湯船に浸かっていた所へ、突然覗かれた(と言っても何も見えてないのだけど)沙絵は、大慌て(笑)。風呂場と聞いて、鼻血を出して放心状態の高倉でしたが、高倉家の冷蔵庫と、自分の家の浴室が繋がっている事にショックを受けている沙絵の言葉にようやく正気を取り戻し「誤解だ」と言いつつも手を伸ばすも、高倉が自分のブラを握っている事に気付いた沙絵は、ますます誤解。必死で弁解しようとする高倉の背後から「見損なったよ、武男クン!」と油壺の怒りの声が! その声に、高倉が慌てて振り返ると、電子レンジの中に張り付いてジト目で睨んでいる油壺が…。何か、この油壺、妙に可愛いんですけど…(笑)。「そんなに裸が見たいんなら、僕のを見せてあげるよ」と肩をはだけさせる油壺! 男のクセに、何で、そんなに色っぽいんや、あんた〜っ!(笑)。油壺のとんでもない行動を止めようとする高倉。そこへ「二人とも、ウチの押入で何してるんですかぁ〜っ!」と七香が…。元々、油壺は自宅の屋根裏部屋にいた訳で、これにて、4人の家は、とんでもない形ながら、1つに繋がってしまったのでした。ひとまず、沙絵の誤解も解けてホッとする高倉。この空間の歪み状態は、明日には戻ると思われるものの、今すぐ戻す方法はないのか?と言う七香の意見に、「もう一度全員集まって解除呪文を唱えればいい」と高倉。この間、自分だけ何も起きない事に「自己嫌悪」「能なし」「落ちこぼれ」「足手まとい」とオーラを発しながら、どっぷりと落ち込みモードに…(^^;)。更に、全員集まるのに、沙絵だけ歪みを利用した移動が出来ないと思われるから、どこで集まるか?と言う話に、油壺が「沢野口クンはいらないんじゃない?」と、落ち込む沙絵にとどめの一言。ドジはいつもの事ながら、ここまで落ち込んでると可哀想になってきちゃいますわ(+_+)。七香は、ここまでの移動の経緯を思い出し、どこがどこに繋がるかと言う地図を作成。結局、七香の押入から逆に辿っていって沙絵のクローゼットから部屋に出て、そこに集合と言う事に…。ところで、あまりに長い相談をずっと湯船に浸かりながら聞いていた沙絵は、湯当たりでヘロヘロになってしまうのでした(笑)。話もまとまった事で、ようやく風呂から出られた沙絵ですが「あたしだけ何ともないなんて、やっぱり素質ないのかな?」と溜め息を漏らしつつも、浴室の扉を開けると、松之湯(銭湯)の出口へ…。店の前にあるジュースの自販機で何か買おうとお金を出した所、「この間のピザのおつりしか…って、あたしも瞬間移動出来たの〜っ!?」って、気付くの遅すぎ(笑)。すっかり落ち込みモードだった沙絵は、これに大感激! 「やった〜っ! 出来たんだぁ、うるうる」と涙流して喜ぶ様が可愛いの何のって…(^_^)。感激も束の間、松之湯のおばさんが、店の扉を閉めちゃって、「あ…」(笑)。電灯も消されて、どうやら閉店らしいと言う事で、この扉をもう利用出来ないのかなとか言う展開かと思いきや、この扉は開ける事が出来たものの、目の前には濃いイタリア人のおっちゃん達が何人も並んで、サンタルチアみたいな歌を歌いつつ、ピザ生地を作っていると言うイッちゃってる光景が広がっていて、思わず惚けてしまう沙絵でした。一方、貴子が来たので、一旦全ての扉を閉めてしまった高倉は、貴子の様子を窺った後、「愛川クンにも連絡しなくちゃなぁ」と思いながら電子レンジの扉を開けて中に入ると、目の前には、バスタオル姿の茜が…。当然、高倉はえらく興奮&動揺してしまう訳ですが、茜の方は、そんな姿を見られた事にも、突然高倉が現れた事にも、笑顔で「びっくりしたぁ。ノックくらいして下さいねぇ」と全く動じる様子を見せないのでした。恐るべし!(笑) そう、てっきり油壺家の屋根裏部屋かと思いつつ辿り着いたのは、何故か、茜の家の台所の棚だったのでした。繋がっている場所が違う事を疑問に思う高倉に対して、茜は「繋がりなんてないんですよぉ」と謎の一言。一方、油壺が押入から出てくると思っていた所、姿を消してしまった事に戸惑っていた七香の所へ、沙絵が「迷子になった」(笑)と電話をかけてくるのでした。変な所に出たら嫌だなと思ったら、どんどん変な所に出てしまい、あのピザ屋の後も、デパートの屋上やら動物園の檻の中やらに次々と飛んでしまったらしい。動物園の檻の中では「スカンクみたいなアリクイみたいな変な動物が睨んでて怖かった」とか…。その変な動物(笑)とやらに睨まれている様は、ちょっと見てみたかったかも…(^^;)。自分のいる場所を伝えようとしたものの、元々、ピザのおつりしか持っていなかったので、肝心な事を言う前に電話は切れてしまうのでした。一方、慣れるのに時間はかかったものの、今では、行きたい場所に行ける様、コントロール出来ると言う茜の話に、高倉は、扉と扉が繋がったと言う先入観から瞬間移動に制限を加えてしまっていた事に気付くのでした。そこへベランダの窓から話を聞いていた油壺が登場。「その瞬間瞬間、頭に思い浮かべた場所に移動していた。一度繋がった所は記憶の中に定着してしまうから、そこからは他の場所に行けなくなる」と言う油壺の言葉に、自分のケースに当てはめた検証をする高倉でしたが、おかげで、無意識に沙絵の風呂場を思い浮かべてしまった事がバレて、油壺に突っ込まれてしまうのでした(笑)。そこへ茜にも連絡をしようとしていた七香が偶然辿り着き、4人までは集合完了。七香から沙絵が迷子になってしまった事を聞かされた高倉は「電車の音が聞こえたから、駅の近くの公衆電話じゃ?」と言う手がかりを元に、手分けしての必死の捜索も虚しく、一向に見つからない状態。その際、茜が、突然、コンビニの冷蔵庫から出てきて、客を驚かせたりしてるのが、またおかしいんですが、まぁ、それはともかくとして、電話してきた所にはいないのではないか?と言う事に気付いた高倉は「無意識とは言え、いずれは…。沢野口クンが思い浮かべそうな所へ…」と考え、移動を開始。さて、電話ボックスから出ようと扉を開けた沙絵の方はと言えば、「こっちだよ」と言う謎の声に導かれて、辿り着いた噴水の前には、あの最近よく見かける不思議な人・Jの姿が…。「どうして、私を呼んだの?」と言う沙絵の問いに、Jは「自分で来たんだよ。だって、君は、どこへでも好きな所へ行けるんだもん。心を自由にしてあげれば、今、行きたい所に行けるし、今、一番逢いたい人に逢える筈」と言う意味深な答えを残し、姿を消してしまうのでした。こんな状態とあっては、その言葉を信じるしかない沙絵は、今、一番逢いたい人を思い浮かべながら、歩き出すと、辿り着いたのは魔法クラブの部室のロッカー。そこで待っていたのは、七香かと思いきや、沙絵がここに戻ってくると信じて待っていた高倉だったのでした。沙絵の頭の中では「今、一番逢いたい人」は七香のつもりだったんだろうけど、無意識…と言うか深層意識では、実は高倉だった…と言う事なんでしょうねぇ、これって…。まぁ、多分、この段階で、二人共、そんな事には気付いてないでしょうけど…。ともあれ、折角、いいムードになりかけた二人でしたが、いつの間にか来ていた油壺の咳払いで台無し(^^;)。追い打ちをかける様に、高倉は、別のロッカーから出てきた七香が開けた扉を思いっきり顔面に食らって吹っ飛んでるし…(笑)。沙絵と七香が抱き合って喜んでいる所へ、茜も到着。結局、みんな、最後は部室に辿り着く筈って思ってたんですねぇ。この時、全員の思いが一つになっているって事をあからさまに台詞とかで表さない辺りが絶妙ですね。この時の各人の笑顔が、何とも言えないです。ところで、前回も思ったけど、油壺って、何だかんだと文句言いながら、結構、沙絵の事を可愛がってる気がするんですけどねぇ。かくして、全員揃った所で、解除呪文の詠唱も無事終了。茜が、一人でタクシーを拾って帰った所で、沙絵と七香も帰ろうとすると、油壺の「もうこんなに遅いから、二人共、送ってくよ」と言う申し出に4人仲良く帰る事になったのでした…。高倉と油壺に送って貰えて、何となく嬉しそうな沙絵と七香の表情やら、沙絵の手を握ろうとして、結局、苦笑いしつつも辞めちゃう高倉やら、こういう演出が何とも微笑ましくて好きですね。今回は、魔法クラブの面々、全員にそれなりに出番が多くて良かったです。もうここまで来ると、脚本やら演出のスタッフが違う事による雰囲気の違いなんて、心配するだけ無駄(勿論、いい意味で)と言う感じで、安心して見ていられますね。ところで、意外と早く、Jが沙絵に絡んできたので、今回は、いつものパターンではありませんでした(^^;)。