Introduction
「海のトリトン」は、1972年4月から同年10月まで放映されたテレビアニメーション作品。
原作が手塚治虫、監督がのちに「機動戦士ガンダム」を監督する富野喜幸、プロデューサーがのちに「宇宙戦艦ヤマト」を作る西崎義展と、今思えば、ものすごい布陣の制作体制だった。
その音楽担当は、ジャズプレイヤー、ピアニストとして売り出していた鈴木宏昌。
ジャズ、ロックのテイストを前面に押し出した音楽は、当時としては画期的で、ファンの注目を浴びた。
また、その劇伴のスタイルが、その後のテレビアニメ・特撮作品の劇伴に影響を与えたのではないか?と(本特集の座談会の中では)ウワサされている。
この特集は、アニメ劇伴のルーツと目される「トリトン」の音楽とその周辺について徹底研究したものである。
●作品解説 ('99/04/25)
●「海のトリトン」ソングリスト
※1初期タイトルは「Go!Go!トリトン」。フィルム・クレジットでは「歌:ヒデ・夕木、杉並児童合唱団」
No. 区分 タイトル 作詞 作曲 編曲 歌 備考 1 OP2,ED1 海のトリトン 林春生 鈴木宏昌 秀夕樹、杉並児童合唱団 ※1 2 OP1,ED2 海のトリトン 伊勢正三 南こうせつ 小山恭弘 須藤リカ、南こうせつとかぐや姫 ※2 3 海のファンタジー 山川庄太郎 南こうせつ 小山恭弘 須藤リカ、南こうせつとかぐや姫 ※2 4 ピピのうた 丘灯至夫 松山祐士 広川あけみ
※2フィルム・クレジットでは「作曲:南高節/歌:須藤リカ、かぐや姫」
●歌曲解説 ('99/04/18)
●ディスコグラフィ
■ソフト種類略号 ※[収録曲]の番号は、上の[ソングリスト]の番号と対応しています。※1,4の収録CDは多数あるため、入手しやすいものに限定しました。
メディア メーカー 型番 発売 タイトル 収録曲 備考 PH 朝日ソノラマ APM-4013 1972.05 TVマンガシリーズ「海のトリトン」 1,4 「Go!Go!トリトン」のタイトルで収録 EP クラウン MW-1002 1972.03 "海のトリトン/海のファンタジー"(須藤リカ、南こうせつとかぐや姫) 2,3 EP コロムビア SCS-162 1972.05 "海のトリトン/ピピのうた"(秀夕樹/広川あけみ) 1,4 EP コロムビア SCS-392 1977.12.10 "海のトリトン/ピピのうた"(秀夕樹/広川あけみ) 1,4 SCS-162の再発 17LP コロムビア CH-62 1978.03 「海のトリトン」 1,4 ドラマ「海のトリトン」収録 LP コロムビア CS-7044 1978.01.25 「海のトリトン」 1,4 ドラマ盤 LP 蛙プロダクション LRS-642 1979.04? 「トリトン (TORITON)」 再録音BGM集。自主制作・限定盤 LP コロムビア CQ-7027 1979.08.25 「海のトリトン テーマ音楽集」 1(TV) オリジナルBGM集 LP コロムビア CX-7122 1983.10.21 「デジタルトリップ 海のトリトン 〜シンセサイザー・ファンタジー〜」 BGMのシンセアレンジ版 CD コロムビア COCC-11061 1993.09.21 「デジタルトリップ 海のトリトン 〜シンセサイザー・ファンタジー〜」 CX-7122の復刻 CD コロムビア COCC-70054 1998.10.21 「テレビアニメ・スーパーヒストリー Vol.6」 1,4 オムニバス盤 CD VAP VPCG-83210 1991.07.10 「懐かしのテレビまんが主題歌大全集 [アニメ編]」 2,3 オムニバス盤 CD 東芝EMI TOCT-8516 1994.09.07 「オリジナル版 懐かしのアニメソング大全(4) 1970〜1973」 2 オムニバス盤
※17LP:CH-62は、「レコードマンスリー」誌には新譜情報があるが、コロムビアのカタログでは欠番。発売されなかったのか?
●座談会:「海のトリトン」の音楽を語る 〜 「トリトン」は70年代アニメ劇伴のルーツ!?
●「海のトリトン」劇伴リスト ('99/04/19)
●音楽解説 ('99/04/19)
●「海のトリトン」の現在
「海のトリトン」は全27話がビデオ、LD化されていたが、現在廃盤。しかし、大きめレンタルビデオ店ならビデオを置いてある店があるので、本編が見たい人は探してみよう。
昔からの「トリトン」ファンは、現在でも活動を続けている。NIFTY-Serveのアニメフォーラムには、「海のトリトン」専門の会議室が開設されているし、「トリトン」ファンが作ったサイトも存在する。
- TORITON DREAM
トリトンに初恋した人のひとりabechiさんが主催する「海のトリトン」ファンページ1999年3月より、CS放送(ファミリー劇場)で「海のトリトン」の再放送が始まった。ながらく再放送にめぐまれなかったので、古くからのファンも、しばらくぶりの視聴になる人が多いはず。25年前の作品だが、若いアニメファンや今の子どもの目にはどう映るだろうか。
できれば鈴木宏昌のすばらしいオリジナル劇伴を、今一度商品化してほしい。
(特集内記事・文責:腹巻猫)
Copyright (c) haramaki-neko 1998-2014 |