海のトリトン

テレビ・オリジナル・サウンドトラック盤

◎LP:コロムビア:CS-7044:1978.01.25

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発売データ:
1978年1月25日発売
日本コロムビア
CS-7044
構成・演出:西崎義展


収録内容
Trackタイトル使用BGM
A-1海のトリトン(オープニング・テーマ)
A-2海が呼ぶ少年 -- トリトンの秘密 --M-28,M-?(ブリッジ),M-33,M-5,M-20,M-23
A-3ああ ほら貝 -- 父母の国からの挨拶 --M-11,M-105,M-8A,M-6.M-104,M-37,M-21
A-4北の海の女王 -- ピピのうた --M-38,M-17,M-20,M-23
B-1南十字星のもと -- 輝け!海の太陽オリハルコン --M-108,M-28,M-109,M-17,M-3,M-23,M-21
B-2イルカ島爆発 -- 響け!ほら貝 --M-102,M-?(ホラ貝の音)
B-3海の牢獄 -- ヘプタポーダよ永遠なれ --M-104,M-16
B-4大西洋 陽はまた昇る -- トリトンよ何処へ --M-14,M-104,M-33,M-6,M-?(緊迫),M-20,M-21

脚本:松岡清治
音楽:鈴木宏昌
演出助手:棚橋一徳


解説:

「宇宙戦艦ヤマト」のドラマアルバムのヒットを受けてシリーズ化された「アニメ愛蔵盤シリーズ」の1枚。雑誌メディアを中心にテレビアニメーションの再評価が盛り上がっていた時期の商品で、同時期に「科学忍者隊ガッチャマン」「サイボーグ009(旧作)」のアルバムも発売されている。「子ども向けでないテレビアニメのレコード」が市場になると、レコード会社が気づきはじめたころであった。

内容は、ビデオが普及していない時代を反映してドラマ中心。
脚本には「トリトン」のメインライター松岡清治があたって、テレビシリーズを再構成。トリトンがポセイドンの本拠地に攻め入る最終エピソードのシーンを冒頭に持ってきて、そこからルカーの回想で、トリトンの生い立ち〜一平じいさんとの別れ〜ピピとの出会い〜イルカ島の爆発〜ヘプタポーダの悲劇〜という具合にストーリーのハイライトを収録。
一部、台詞とナレーションを追加録音しているが、塩屋翼(トリトン)は声変わりして、広川あけみは渡米して、主役2人の出演がかなわず、北川国彦(ナレーション)と北浜晴子(ルカー)のみが追加録音に参加している。

「ピピのうた」は劇中挿入の形で1コーラスのみ収録。主題歌「海のトリトン」はフルサイズだが、テレビ版オープニングにならって、冒頭に火山の爆発SEが編集されている。この編集バージョン、雰囲気があって結構気に入っていた。

ドラマ編とはいえ、このアルバム、なかなか意欲的な凝ったアルバムである。
単にテレビのサウンドトラックを編集したものではなく、当時の台詞のテープをもとに、BGMとSEを新たにミックスし直してマスタリングしている(これは「ヤマト」「ガッチャマン」も同じだった)。そのため、音質はテレビの音よりはるかによい。音楽もクリアに聞こえる。
しかし、音楽だけを聴きたいという劇伴ファンにはフラストレーションの残るものだった。せっかく音楽が聞こえてきても、すぐセリフやナレーションがかぶってしまう。筆者・腹巻猫も予約して購入したひとりだが(予約特典は羽根章悦描くトリトンのB2サイズポスター)、「なぜ純粋に音楽だけを聴かせてくれないのだ!」と残念に思ったことを覚えている(ほかのアルバムも同じ感想を持った)。この時期、まだオリジナル劇伴集という発想は、レコード会社にはない。その不満が解消されるのは、翌年の「テーマ音楽集」を待たなければならかなった。


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