「海のトリトン テーマ音楽集」を聴きながら(3)
●M-38 北の海 猫 これってソプラノサックスですか? R3 ソプラノサックスかクラリネットだと思う。クラリネットの人いないですよね。 ※ライナーではクラリネット。しかし、クラリネット奏者の表記もない。(- -;)(猫) 仙 サックスの人って誰なんですか? R3 書いてない。 仙 サックスっていうのも誰がやってるかわかるもんですか? 烈 このメンバーの中の誰かがやっているとか? R3 サックス演奏しそうな人はいないけどなあ。 仙 12曲め(M-31 行く手に立ちはだかるものは)でサックス誰って聞こうと思ったんですよ。サックスの人が書いてないから。 R3 レコード会社の都合でクレジットされない人もいるかもしれない。 烈 名前出さないでお願いしますっていう。 仙 なんで? 嫌なの? R3 契約上、他のレコード会社の仕事してはいけないのに、バイトでやっているとか。 仙 そういうのあるんだ。 R3 「ちょっと来てよ」っていうので呼ばれてやっていたり。「ちょっと助けてよ○○ちゃん」とか(笑)。たぶん、村岡健っていう人だと思う。ヒノテル・クインテットも、フリーダム・ユニティもこの人なんで、たぶんこの人じゃないのかな。 仙 じゃあ、どっかで聴いた人なのかもしれない。 R3 村岡健だとしたら、「大野ルパン」とか「キャプテンフューチャー」と同じ人ですよ。 仙 あ、なるほど。 に だからなんとなく「ルパン」に似ている感じなのか。
●M-37 哀愁猫 これも最多出場曲のひとつ。 仙 どんなシーンでかかってましたっけ。 猫 しょっちゅうかかっていた(笑)。思い出のシーンとか。 仙 これ何の楽器ですか? 猫 オカリナ。 仙 わからなかった。ちっちゃい頃、口笛だと思っていた。 猫 そうそう。口笛だと思っていた。オカリナに聞こえないんですよ。
●M-21 そしてまた少年は旅立つ仙 ラストシーンなんかによくかかってましたよね。 猫 これが最終回のラストの曲だから。 仙 「トリトン」ってナレーションがない作品だったじゃないですか。 猫 ナレーションありましたよ。 仙 ええ、じゃあ、こういう曲の印象しか残ってないです。トリトンがモノローグでセリフを言って、こういう曲がかかってそれで終わりっていう印象があるんですよ。トリトンが自分で自分に言い聞かせるように言うのが、ナレーションみたいな感じだった。 猫 確かに説明的なナレーションはあまりなくて、妙にセリフが多い、富野アニメだから(笑)。 仙 私、最終回って、ちっちゃい頃は理解できなかった、難しくて。 猫 あれはやっぱり子どもにはわからないですね。 歌を聴きながら
●「海のトリトン」(Go!Go!トリトン) 仙 歌はかっこよかったですね、曲だけ聞いてもカッコいいんですよ。歌詞もいいしね。 猫 これは曲先で作ったそうなんですよ。詞はあとでつけた。 ア この曲嫌いって人はいないでしょう。 猫 いないでしょうね。「アニメージュ」で最初にアニメソングのベスト10を選んだときに1位になった。 烈 この感じって、なんかアニメソング・ファンに共通に訴えるものがあるのかもしれないですね。 猫 「アニメソングっていったら、こういうイメージ」っていうのが全部入っている。この曲をデモで聞かせに行ったときに、はじめてでちょっと自信がなかったんで、すぎやまこういちに助言を受けたって「アニメージュ」に書いてました。 仙 ああ、書いてましたね。すぎやまこういちが、ヒットメーカーだったので相談しに行ったって。 猫 だから、アニソンの影にすぎやまこういちあり(笑)。 烈 いろんなところに名前出てくるものなあ。 猫 曲自体は変えてないらしいんだけど。 烈 編成とかは参考にしたんですかねえ。 猫 したのかもしれないよね。 烈 ここで、こうきたらどう? とか(笑)。
●「ピピのうた」猫 RYO-3さん、「ピピのうた」の聴き所はどの辺ですか。 R3 いやー、ヴォーカルのメロからのはずし具合でしょう。メロっぽいんだけどセリフっぽいって歌い方って難しいんだよ。 仙 「新オバケのQ太郎」みたい。 R3 そう。声優の人が得意なんですよ、こういう歌は。 猫 歌うのも難しいよね。完全に、昔のテレビまんがのイメージですよね。「ハゼドン」とか(笑)。 烈 「ハゼドンだよーっ」みたいな。 猫 この歌とか、須藤リカの「海のトリトン」とか、絶対に「ハゼドン」のイメージじゃないかと思う。 仙 ああ、そうかも。 猫 間違ってるよね。「海のハゼドン」とか。 仙 ハゼドンも一応サンライズの仲間だから。 R3 「〜死んじゃう」はないだろう(笑)。どういう歌詞なんだ。 仙 ほんとにこれだけ聴くと、ピピのキャラクターって別もんですよね。 に 作詞って誰? ア 丘灯至夫。 猫 「みなしごハッチ」の。 仙 これって広川あけみが歌ってますか? 猫 そう。広川あけみってもともと歌手なんですよ。 仙 あ、そうなんですか。 猫 声優はむしろ、アルバイトなんじゃないかな。レコード出しているし。
●「海のトリトン」「海のファンタジー」猫 なんでかぐや姫なんだろう。 R3 これ西崎チョイスじゃないですかねえ。 猫 そうなのかなあ。 R3 あの人はだって、当時はやっている人を絶対呼んでこようとするじゃないですか。 猫 かぐや姫って当時はやっていたの? もっとあとじゃないですか? フォークのブームってもっとあとじゃないかと思うけど。 ※南こうせつとかぐや姫の「神田川」は1973年。南こうせつは当時まだ無名で、タイトルにも"南高節"とクレジットされている。その後、'73年「夢の中へ」(井上陽水)「ひこうき雲」(荒井由美)、'74年「精霊流し」(グレープ)、などでフォーク・ニューミュージックのブームが到来する。(猫) R3 あれ、そうですか。脚本とか全然読んでないで曲を書いたんですかね。 猫 読んでないでしょう。 R3 めちゃくちゃですよね(笑)。 烈 オーケストラ〜、なんて話じゃないんですよね。 R3 海のマンガ。子どものマンガっていうだけで作っちゃった感じ。 猫 でも、須藤リカは歌はへたじゃない、うまいですよね。これだけ聴くといい歌なんだけど。 仙 「トリトン」から全然独立して聴けば、別に悪い曲じゃないと思うんですよ。こういうモチーフで作品がひとつ作れると思うんですよ。「ハゼドン」みたいに(笑)。 猫 ぼくは「トリトン」が始まったときに兄貴と一緒に見ていたんだけど、いきなりこれなのね(笑)。実写で須藤リカが歌っている絵で(笑)。なんだこれは、バカにしてると思って。 烈 「海のトリトン」を見ようと思って見るとね。 猫 でも、「海のトリトン」って知らないじゃない。手塚マンガの中でも全然有名じゃなかったから。「海のトリトン」とかいうのが始まるっていうんで、「ハゼドン」みたいな番組だと思って見ていたんだろうね、きっと。 烈 始まるっていうときには、こういう感じのアニメかなっていうのって思っていたんですか? 猫 うーん、どう思ったかっていうのは覚えてないんだけれど、単に新番組だっていうんで見ていたんだろうし。 仙 中身の言葉も難しかったんですよ。オリハルコンとか、アトランティス大陸とか。 烈 ミノフスキー粒子みたいなもんですか(笑)。 仙 富野アニメですねえ(笑)。 猫 第4話でトリトンが怪獣殺して血が流れるのを見て、戦うのは嫌だって走り出すシーンがあるんだけれども、すごいシリアスだよね。そういう展開のアニメって今までなかったから。 仙 なんか、自分が戦いをする理由がわからないような。 猫 だから、ヒーローものじゃないじゃない。ちょうどこの頃のアニメって、「デビルマン」とか「ガッチャマン」とか、まあ「トリトン」より後なんだけど、結局ヒーローものなのね。ロボットものが全盛になる前は、そういうヒーローものをアニメでやろうとしていたんで。そういうつもりで見ていたのかも知れないんだけれど。ぼくは小さかったらわからなかったんだけれど、兄貴がハマって、その頃はアニメ雑誌とかないから、「SFマガジン」に「トリトン」はいいっていう投書が載って、そこからファンクラブができたんですよ。 烈 テレビまんがっていうんじゃなかったんですね。 仙 しかもトリトンって、人間の仲間がひとりもいないんですよ。 烈 それもすごいなあ。で、延々海の中の話なわけですね。 仙 で、ピピとどうしても仲がよくなれなくて、「おれたち2人っきりの生き残りなんだぜ」ってトリトンの方が歩み寄ろうとするんだけれども、お互い子どもでけんかしちゃうっていう。で、ルカーが一生懸命フォローするんだけれども。 烈 全然「ピピのうた」とは違う。 仙 違う。ピピはね、もう超ワガママ、お嬢さまなの。 R3 見ててムカつくよ(笑)。 烈 ああ、富野女キャラのムカつくパターン(笑)。 ※実は後半ピピは素直になっていくのだが、前半のイメージが強烈らしい(笑)。(猫) 猫 しかも「トリトン」って続きものじゃない。大河ドラマで1話完結じゃない。それも今までになかった。 R3 毎週どれい獣が来たりしないんですね(笑)。 猫 ずっと見てないとわからなくなっちゃう。それであの歌だったからね。 烈 さすがにこれは違うだろうと。 猫 いきなりあれで始まるのはねえ。「宇宙猿人ゴリ」の比じゃないよね(笑)。あれは一応ポリシーがあってあの歌なんだけど。 ※「宇宙猿人ゴリ」は悪役の名前がタイトルの異色特撮番組。当初は悪役ゴリを歌った「宇宙猿人ゴリ」がOPで、正義の味方を歌った「スペクトルマン・ゴー・ゴー」がEDだったが、途中で入れ替わる。(猫) 70年代アニメ劇伴は「トリトン」から始まった(?)
猫 じゃあ、まとめとしては、「トリトン」劇伴は? R3 やっぱりそれ以降のアニメ劇伴をサウンド的に決定づけたのが「トリトン」なんじゃないですかねえ。それがコルゲンさんの人脈で集められたミュージシャンによるところが大きいと。 烈 そこから何かが始まった、と。 猫 それから10年くらい続くんですね。 R3 作曲家だけじゃなくて、演奏家にも注目しないといけませんよ、と(笑)。 仙 なるほどねー。 猫 実は「トリトン」のBGMは、東海林修が編曲したシンセサイザーのアレンジ版しかCDになってないんですよ。今日はあえて語らなかったけれど(笑)。 烈 一度もCDになってないんですか。 猫 なってない。だから、オリジナルの音楽集をCD化してほしいですよね。 R3 中古屋にはたまに出ますよね。 猫 最近ちょくちょく見ますね。でも、10年くらい前にはほとんど出てなかったんですよ。 ア CD化の前兆ですかね。 烈 ねずみが沈没する船から逃げるみたいに(笑)。 ('99/3/21収録)
Copyright (c) haramaki-neko 1998-2014 |