革命への挑戦者
:あなたがもし一国の指導者で、部下よりこんな提案を受けたとする。
それは、ニュータイプ(以下、NT)という一見エスパーにも間違えられそうな人々の力を使って、
普通の人間では操れない兵器を作ると。
その兵器の武器は、NTの思念を増幅させて、コントロールすると。
あなたは、興味を抱くか、部下を狂っていると判断するか、どちらか選択するハメになる。
このエルメスは、結果として革新的なMAとなった。
やがて、ファンネルを搭載したMSが次々と表れる事を考えれば、
エルメスの偉大さは歴史に残るのは当然と言える。
とはいえ、希少な特殊な能力者しか活用できない、そんな兵器を開発したい等を言われたとき、
あなたなら、その提案に乗れるだろうか?
エルメスを含むNT専用兵器は、従来の常識を覆す存在である。
だが、それ故に、それが物になる前は、皆効果に疑念を抱き、首を傾げたであろう。
私も、同じ立場なら首を傾げるかも知れない。
このMAこそ、NT専用の兵器を搭載し、歴史上未達の領域に踏み込んだ革命的な兵器である。
同時に、この機体を承認し、開発を許可した者も、結果として革命への挑戦者となったのだ。
第5回 RGM−79 ジム
真の名機は何か?
ガンダムの世界は、どうしてもアニメの世界である以上、1機だけのMSという兵器が存在する。しかし、それだけでは、戦争は勝てない。いわゆる量産機という機体が必要になる。ジオンならザクだが、連邦軍で使用されるのがジムである。
ジムは、ガンダムからスケールダウンし、量産可能にした兵器である、とされる(本当にガンダムを運用しようとすると莫大なコストがかかるだろう)。いわば、ガンダムというテストベットがあり、そのフィードバックがジムに生きるのだ。もっとも、現在はその原則が無視されているようだが。
ジムというMSは、常に一歩劣るMSという認識が持たれるMSである。量産機つまり、廉価な機体という意味だ。しかしながら、この機体とパイロットたちこそ戦争の本来の主役であるのだ。そういう意味で、一年戦争を勝利に導いたこの機体こそ真の名機ではないだろうか?
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