第3回 MS−14J リゲルグ


改修機の意味

平時の軍隊というのは、在来兵器の改修という手段で兵器の旧式化を防ごうとする。平時は戦時とは違い充分な予算が割かれないため、もしくは現実的にそれほど国力のない国家であるため、である。日本の零戦も、戦時でありながら数度による改修を受け開戦から終戦まで戦い抜いた。日本の場合、後継機開発にとまどったためという背景も存在するわけだが、零戦の性能がそれだけの水準だったわけである。

アクシズというジオン軍の残党にとって、最新機の開発を押し進めつつも在来機を改修する事は、限られた戦力を生かすという意味で必要な事だった訳だ。少なくとも、このリゲルグはそういう位置づけのMSなのだろう。

デザイン的には、複雑なラインの横行していたこのころのMSに比べると、ゲルググの形状を継承している分だけシンプルで、わかりやすいフォルムと言える。アクシズは、ジオンでありながら、これまでのジオンMSの形状からかけ離れている事が多い。その中で肩に張り出す羽のようなバインダーは、アクシズのMSとのつながりを唯一あらわしているといえよう。

リファインゲルググことリゲルグは、ガンダムのMS中でもリファインという立場を初めて確立した生まれ変わった「ジオン公国のMS」なのである。


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