劇伴倶楽部座談会 第6弾

こんな音盤を出したい

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こんな音盤を出したい

では、最後におひとりずつ、こういう音盤出したいなあ、という願望サントラを上げてください。
『ジェッターマルス』は日本のもので一番出したいんですけど、海外のものを出したいんですよ。もちろん『サンダーバード』が願望なんですけど。でも、すべてをおいて出したいのは、『007 カジノロワイヤル』(1966)という映画なんです。「007」はちゃんとしたサントラが少ないんで作りたいんですよ。
え、ないんですか?
「007」で、単独で満足できるサントラって、ほんと数えるぐらいしかなくて。再発盤の『リビング・デイ・ライツ』くらいかなあ。ちゃんとサントラの音源で、頭の銃口マークから、エンディングまでちゃんと入っているっていうと。
海外のサントラだと、曲の順番が違ったりとか、サントラじゃなくて、別に演奏したやつだったりする。
サントラって公開と同時に出さないと意味ないんで、作曲途中だったりね。クライマックスの曲がまだ撮影中で書けなくて、しようがないから、頭の方だけ録音して出したり。映画のサントラっていうのは宣材みたいなものなんで。「007」でも、まともなサントラって少ないんですけど、その中でも『カジノロワイヤル』。これは一番作りたい。
ぼくは、作曲家でいうと、出てほしいのは宇野誠一郎先生。今、BSで『アンデルセン物語』の再放送やっているんですけど、毎回録ってますよね。歌も多いし。
しかも、コロムビアでシングルになっていたのはレコード用の別テイクですからね。やっぱり「マッチ売りの少女」の歌とか挿入歌とかも、テレビのテイクで入れたいですよね。あと、『ムーミン』がほしいなあ。
『ムーミン』ほしいですよね。「宇野誠一郎全集」を出してほしい。
でも、あの方の曲は、ほとんど毎回録っているじゃないですか。『悟空の大冒険』も新録りですよね。走ったり転んだりするきっかけに合わせて。
全部出すと膨大な量になるから、歌ものだけでもね。
『W3』とかね。
あとは渡辺岳夫もの。名作劇場も出したいし、時代劇も。あと、少女ものの劇伴集をぜひ出してほしい。コロムビアのBGMコレクションも『キャンディ・キャンディ』と『サンディベル』が出たくらいなんで。もちろん、魔女っ子シリーズも。
魔女っ子はぜひとも。
まだまだ「サンプラー」じゃね。逆に飢餓感がつのるんで。
でも、それで投書とかしてくれるんだったら。
「あれが入ってない」という投書がほしいんですよ。「あれを入れてくれ」とか。ぼくねえ、『アタックNo.1』出したいんですよ。
そう、東京ムービー系が出てないんですよ。
あ、それをいうとね、『家なき子』を2枚組で。『ガンバの冒険』もちゃんとしたのを出してほしい。あと、やっぱり70年代ドラマですね。少年ドラマシリーズ、NHKものも野望なんですけど、朝の連続テレビ小説とか。ドラマで当時もレコードされていないものもたくさんあるし、主題歌だけレコード化されたものでもね。今、CSで『金メダルへのターン』見ているんで、ああいう路線を。
VAPさんで『サインはV』で止まってしまった流れをなんとかしたいですね。
スポ根ものをシリーズ化すれば。
『金メダルへのターン』とか『柔道一直線』とか。『コメットさん』なんかも。
岡崎友紀のシリーズ『奥様は18歳』とかも。
あとは時代劇。時代劇は結構マニアが多いんですよ。しかもカッコいい曲が多い。時代劇ファンは結構、潜在的購買層がいると思うんですけど。山下毅雄の『大岡越前』はぜひ。
『江戸を斬る』も出してほしい。
ナショナル劇場シリーズ。
あと、マイナーだけど『斬り抜ける』を出してほしいし、当然、渡辺岳夫作品はいっぱいあるんで。でも、時代劇の作曲家って、渡辺岳夫はもとより、菊池俊輔とか、渡辺宙明は・・・ないけど(笑)。これは今後ぜひ発掘してほしいですね。
鉱脈ですよね。でも、まだマニアの数が少ないというか、フォローしている、チェックしている人の数が、アニメとか特撮に比べると少ないでしょう。「必殺」なんかは特定のファンがいるけど。
「必殺」はまた、「スタートレック」みたいなものだから。
そうなんですよ。時代劇の再放送はいっぱいしていてもね。
今、若い人も結構、時代劇見ているから。売りようによっては売れると思うんですけど。
ぼくの作りたいサントラの筆頭には『水戸黄門』も入ってますからね。
あと、坂田晃一作品集をぜひ出してほしい。特にドラマものはほとんどCDになってないんで。シングルで出ているだけでも1枚作れますよね。
何出したいか話しているだけでも2時間ぐらいかかりますね(笑)。
とりあえず野望は、NHKと宇野誠一郎と時代劇と渡辺岳夫、坂田晃一。じゃあ、ゆずさんは?
私はもう、海外ものですよ。『チキチキマシン猛レース』の劇伴とかすごいいいんですよ。演奏がイケてます。「トルコ行進曲」とか「テキーラ」のパロディとか。もしかしたら、海外で出ているのかもしれないですけど、海外ものって日本で気軽に手に入らないんですよ。
『チキチキマシン』は出てないです。
『チキチキマシン』は見ていた人も広いですしね。
そういう海外ものを出してほしいなと。ハンナ・バーベラに限らず、いろいろと出してほしい。
『スヌーピー』はあれだけ出ているのに。
『スヌーピー』」! 『スヌーピー』はきちんとシリーズで出してほしいんですよ。映画、TVスペシャル、TVレギュラーとか、色々ありますから。作曲家も様々だし。名曲ぞろいだから、絶対出してほしいです。
ぼくは、宙明先生で。やっぱり古いやつから出してほしいなあと。『殴り込み艦隊』(1960)とか。新東宝ものも。
『地獄』(1960)とか『東海道四谷怪談』(1959)とか。テープが見つからないんです。あればね。
『怪談・怪猫お玉が池』(1960)とか、あの辺、大映でまとめてでないのかなあと。
『透明ドリちゃん』出したいですねえ。
やっぱり、ああいうアニメじゃないものを落ち穂拾い的に。
『どっこい大作 ミュージックファイル』。ジャケットも想像つきますね。金子吉延さんのこれ(大作のポーズ)に「どっこい大作」(笑)。
目に浮かぶ(笑)。
店に行けば、もうあるんじゃないか(笑)。
妙にリアルだ(笑)。
あとは「ライオン保安官」とか「グッチョンパ体操ズンパラパン」とか。
子どもの歌。結構書いていても、出てないものね。
あとはフォルテの「エンジェル・アーミー」とか。
あのシングルは貴重ですね。宙明サウンドですからね。
渡辺宙明BOXっていうのがあればほしいなあ。10枚組。
やっぱり宙明ものに限ると。
あと「まぼろしソングブック」っていうのを考えたんですけど。『スカイライダー(新仮面ライダー)』から悪の歌がなくなったじゃないですか。そういう、「もしあったら」というのを出したらどうかなと。
ifソング。
『ジャッカー電撃隊』の「ビッグ1の歌」とか。『ウルトラマンタロウ』の「ZATの歌」とか。『ゲッターロボG』オープニングとか。そういう架空の曲を新たに作詞作曲してもらって、今作るというのはどうでしょうねえ。
企画としてはすごい面白いですねえ。音楽編でもいいですねえ。たとえば冨田勲さんが作曲した『ダイゴロウ対ゴリアス』とか(笑)。
伊福部昭の『妖星ゴラス』。
佐藤勝の『ウルトラQ』とか。
※冨田勲、伊福部昭、佐藤勝:いずれも、当初音楽担当者として候補に上がっていた人。
でも、今作ったら違ったものになってしまうでしょうね。
逆にいえば、夢を壊すようなことに。
ドリームチームすぎて、大変ですよ。発注も。当時の人に頼まないといけない。それは、1枚で作るのは相当大変です。
賛否両論だろうね。なんでこんなもの作るんだっていう人もあるだろうし。
同人レベルで似せて作るならシャレですむんだろうけれども。本人に作ってもらうと、キャラクターの権利のことも出てくるし、勝手にいじれないし。なかなか。
烈神さんは。
私は劇伴に関しては入門の入門なんで、具体的にイメージがわかないんですけど。
初心者向けの劇伴入門みたいなものがあるといいとか。合体シーンだけ集めたものとか。燃え燃えで買っちゃうかも。
「勇者シリーズ・バトルミュージックコレクション」作りたいなあと思っているんですよ。
いいなあ。
補完にもなるし、カッコいいし。やるとしたらビクターさんでしょうね。あとビクターでは、「タイムボカン・シリーズ」の音楽集。
あ、それだ!
「ぶたの鼻BOX」には歌ものとドラマしか入ってないんですよ。ミュージックBOXを作りたい。
※「ぶたの鼻BOX」:ビクター発売『ぶたBOX タイムボカンこれっきり』(1997)。放映当時発売されていた単独盤LP7枚を集大成したCDセット。
めちゃくちゃほしいんですよ。戦闘シーンで毎回かかる曲とか。
タイムトラベルのテーマとか。
ああ、めちゃくちゃほしい。
『タイムボカン』と『ヤッターマン』だけでもあれば。ずっとあとまで使っているし。
それはほしいです。絶対買います。
あと『超時空要塞マクロス』の未収録曲集。「マクロス・ザ・コンプリート」にはメロオケが全然入ってないんで。リン・ミンメイのメロオケがほしいんですよ。テーマのギターメロオケも。あれがほしくて買ったのに。
そうそう。1話から使われているのに入ってない。
『タイムボカン』はビクターさんに企画は持ち込んでいるんですが、結局、今のところ実現していません。
ちゃんとしたリサーチしないで判断しないでほしい。リサーチも一緒に持っていけばいいんだ。
山本正之ファンも、そういう運動しないと。
『タイムボカン』は聴きたい筆頭でしょう。
署名を集めて、メーカーに投書しましょう。じゃ、今日出てきた音盤が聴きたい人は、メーカーに投書してください、ということで、今日の締めに。どうもありがとうございました。

('99/9/19収録:新宿にて)


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