今回のテーマは、ゲイランさんをお迎えして、音盤収集の話題。腹巻猫は、音盤収集のコツ、幻の逸品、自慢の逸品、などの話を聞こうと思っていたが、重大なことを忘れていた。
「マニアが、コレクションの秘訣や本当に欲しいものを人に教えるわけがない!」
実際、うかつにネットに情報を流すと、冷やかしでマネする人や値段を吊り上げる人がでてくるので、ここには書けないのです。ゴメンね。
ということで、話は聞いたけれどオフレコになった話題もあります。コレクターには参考にならないかもしれませんが、代わりに脱線気味の面白い話を収録したので許して。
参加者
猫 腹巻猫。劇伴倶楽部の主。 R3 RYO-3。豊富な音楽知識と鋭い分析のマニアックな投稿でおなじみのバッタもんコレクター(笑)。 mio mio。大杉久美子ホームページ主催者。 に にゃろんぱす。菊池俊輔ホームページの野望を持つ。 ゲ ゲイラン。なぞの町人。ただものではないマニアックな投稿で一部では有名。 ア アキバ。京都から乱入。渡辺宙明サイト「Molpheous Point」の主催者。
謎の人ゲイランさん
猫 ゲイランさん、旅行の途中に(東京に)寄ったそうですけど、まだ、どちらか行くんですか? ゲ 香港です。 猫 えっ、香港。それ、レコード買いに行くわけじゃないですよね。 ゲ 違います違います(笑)。 猫 お住まいは、ずーっと福岡なんですか。 ゲ そうです。 猫 みんな興味があるのは、ゲイランさんとは、どういう人なのか、ということだと思うんですが。 に ほんとにメール出したかったんですよ。どんな方なんだろうなあって。 猫 お仕事は。 ゲ 今はフリーターやってます。その前は、中古屋にいました。 猫 あーっ。中古レコード屋? ゲ そうです。小さい店ですけど、そこで邦盤に詳しい人がいなくて、邦盤の担当をやってました。そんなとこですかね。 猫 以上ですか? ゲ ほかに話すほどのことはないです。 ア あのネットワークっていうのは、どこから生まれたんですか? ゲ あれはいろいろなところから。でも、ほとんどもとは同じですよね。入ってくる話のもとは福岡出身者ばかり。 に 福岡って根強いんですか、そういうネットワークが。 ア 福岡って、昔根性で「ズバット」再放送させたんとちゃいましたっけ。 ゲ あ、それ、おれがいたサークルでやったやつ(笑)。 ア えーっ。そうなんすか。「ズバット会」の同人誌、ぼく買いましたよ。高校生のときに。 ゲ うわー、あんなん買ったんか。 ア おまけのズバットカード、いまだに持ってますよ。大事に大事に。 ゲ おお。 ア 世間は狭いなァ(爆笑)。 ゲ ETC福岡ってところでやったやつ。 ア 「キョーダイン」は違うとこやったかな。 ゲ それは、OPA(オパ)ってとこですよ。 ア そうそうそう。 ゲ あれはうちの分派なんですよ。 ア あ、そうなんです? ぼく「ファンロード」に載ったのを見たとき、「これは買うしかない」って買いましたよ。 ゲ そんな昔の話もあったなあ。 ア ぼくが福岡って聞くと、「ズバット」根性で再放送させたところって… 猫 すごい話になっている… 音盤収集のきっかけ
猫 レコードを集め始めたきっかけっていうのはなんですか? ゲ 高校生くらいのときに中古屋を知って。そのころ、福岡に一軒しかなかったんですけど、はじめて知って、行ったらそのままずるずると入っていってしまった。 猫 その頃はやっぱりマンガの歌から? ゲ だいたいそこらへんですね。ドラマ集めだしたのが、それから2年くらいたってからですね。 に 16,7歳でもう収集始めてるんですか。ということは、もう15年くらい収集されてる? ゲ 15,16年ですか。 猫 やっぱりテレビが好きでってことで。 ゲ そうです。テレビっ子ですから。完璧に。 猫 ゲイランさんの原体験っていうのはなんなんですか。最初にひっかかった番組とか歌とかは。 ゲ むつかしいなあ、それは。 R3 いちばん古いので覚えているのは。 ゲ 白黒テレビで見た「ウルトラマン」ですねえ。再放送。 猫 なにが気に入っていたっていうんじゃなくて、まんべんなく見てた。 ゲ まんべんなくですね。 猫 子どもの頃はレコード聴いたりはしてなかったんですか。 ゲ ちょびちょびは買ってもらってたけど、ほとんどなかったですねえ。いっぺん、友だちがほしいっていうんで、全部あげちゃったんですよ。中学生くらいの話ですよ。あとで、取り返しのつかないことをしてしまったと思って、集め直したんですけど。 猫 で、高校のときに中古屋で開眼した。 ゲ ええ。手当たりしだいではなかったですけど。ふところ具合の問題もあるから。そのとき買えなくて、いまだに買えないってやつ、けっこう多いですよ。 猫 ずーっと地元で集めてるんですか? ゲ そうですね。もちろん、どっか行ったらそこで買ったりはしますけど。 猫 あえて全国行脚に行くってわけじゃないんですか。 ゲ そこまではしませんね。行ってなかったらマヌケじゃないですか(笑)。 猫 RYO-3さんは。 R3 ぼくは集めたりとかは、ほとんどしてないんですよ。レンタル主義っていうか。買わない。 猫 レコードは買わないけれど音源は集めてるんですね。 R3 そうそう。借りてDATに落として、返す。 ア なるほどなるほど。 R3 DATはもう10年近く使ってるんですよ。出てすぐから使ってるんで。 猫 個人で楽しむんだからいいんですね。 R3 そうです。あくまでも個人で楽しむ。 猫 小学校6年でしたっけ、レンタル屋に入会したのが。 R3 そう。カセットテープって今使ってないんですよ。全部DAT。こういう関係のレコードとか買い始めたのも、この1,2年くらいですね。バッタ盤とかふざけて買うくらいですからね。 に バッタマニアなんですか(笑)。 R3 そういうんじゃないんですよ(笑)。 猫 まわりがそう言っていると、だんだんそうなってくるんですよ。 R3 きょうも買っちゃった。3枚くらい買っちゃった(笑)。 猫 やっぱり、期待されてると。 R3 だから、コレクター気質ではないんですよ。 猫 DATの数はすごいですよね。気質じゃないんですか(笑)。 R3 あれも数はたまってないんですよ。借りてきて録音して、しばらく聴いててあきると、次のを上からかぶせちゃうから。数もそんなに増えてないですよね。千本もないと思う。 に 千本もあるのに、増えてない?(笑) ゲ そりゃ、10年もやってりゃ千本くらいたまりますよ。 R3 飽きたの全部つぶしてっちゃいますからね。 に つぶして後悔することってないですか。 R3 ときどきあります。 ア うちで録っているビデオも「使えるかもしれん〜」と思って録ってるねんやけど、絶対見いへんやろな、とか思うもんなあ。 に でもつぶすと、あ、しまったぁって。 ア 絶対見なあかんときができてくるねんな。 mio 私もレコードを集め始めたのはここ何年かですね。CDの方を先に集め始めて、全然CD化されてないものがあるっていうのがわかってから。 猫 きっかけは大杉久美子なんですか? mio そうですね。 猫 そうですか、やっぱり。その前はゲームミュージック聴いてたとか。 mio ゲームミュージックばっかり、けっこう集めてましたね。 猫 そのきっかけは、ゲームが好きだったから? mio やっぱりゲーセン行っていろいろやってたら。 ア ドルアーガとかグラディウス聴いたらほしくなるって。ああいうのは。 mio 1にコナミ、2にナムコっていう。そういうのないですか? ア いや、おれはずっとナムコやったな。
(2人のゲーム談義が盛り上がるも、本題に関係ないのでカット)R3 でも、うちにスーパーゼビウスの12インチシングルありますよ。あれはYMOのラインで買った。 ア そうそう。いちばん最初のは細野晴臣。だから、ゼビウスのレコード探すときは細野晴臣で探すとあることがあるんですよ。 猫 アキバさんの場合は。 ア 関西では、ぼくらがちっちゃい頃の夕方4時から6時のあいだっていうと、ずっと再放送ばっかりやってたんですよ。そこで繰り返し「ウルトラマン」とか「バビル2世」とか「キカイダー」とか「キャシャーン」とか、ぼくらが2歳3歳のころにやってた番組がずっと再放送されてたんですよ。そんなんをずっと見てたら、歌も知りますよね。で、「あの歌かっこいいよな」とか思ってたら「アニメ玉手箱」っていうラジオ番組がはじまって。 R3 知らない…(笑)。 ア 知りませんか。関西だけか。「青春ラジメニア」知ってます? ああいう番組です。1時間まるまるアニメの曲しかかけない、しかもフルコーラス。それをずっと聴いてたんですよ。それがアニソンファンのきっかけかな。
それとは別に「ずっと怪獣が好きやった」っていうラインがあって、それは「全怪獣怪人大百科」と「ウルトラマン大百科」ですわ。その2つを見て、もうヤバゾウですわ。あ、これだけヒーローがぎょうさんおるんや、と。猫 ケイブンシャの大百科ですね。 ア その頃は、特撮ものの主題歌っていうのは、絶対カッコええもんやと、聴いたことないのでもカッコええに違いないって思うてて、特撮もんの歌を全部聴きたいなというのができたんです。あとは、親が買ってくれて、物心ついたときからあったんが「サウンドウルトラマンPART2」と「ゴレンジャー」「ジャッカー」「キャプター」「カゲスター」「キョーダイン」「ズバット」のアクションサウンドが1枚になったLP。この2枚をすりきれるまで聴いてた。このへんが原体験ですかね。要するにカッコいい歌が聴きたい。それに尽きますよね。うん。
BGMに関しては「メタルダー」を聴いて、こんなカッコええもんがあるんやと、そこからハマっていった。猫 その頃からもう集めてたんですか? ア 集めるっていうか、気に入った曲の入っているCDを買っている状態で、コレクターじゃないんですよ。これとこれがあれば、このシリーズはそろう、とか、そういうのはなかった。「鋼鉄ジーグ」と「ガ・キーン」と「メカンダーロボ」が入っているから「続々・テレビまんが主題歌のあゆみ」を買うとか。レコードがぼろぼろになったから「キャプター」と「カゲスター」と「ズバット」の入っている東映のヒーロー2枚組みを買ったとか。そういうレベル。 に 私も同じ世代だから、ちっちゃいときから、テレビつけたらアニメ・特撮ものをやってる、切れたときがないんです。CDとかテープは昔買ったやつは探せばけっこう出てきますよ。戦隊も「チェンジマン」あたりから全部ビデオ録っているし。
中古レコードを買い始めたきっかけは、インターネットやりはじめて、この腹巻猫亭にはじめておじゃましたときに、猫さんとmioさんが、「今出ているCDで満足しているうちはまだいいんだ。満足しきれなくなる」とか言って(笑)。「中古は奥が深いよ」って言われて、そこからずるずるずるでしたね。だから、レコードを本格的に収集し始めたきっかけは、猫さんとmioさんです。猫 それは申し訳ないことを(笑)。 ゲ つかまった人が悪かったような気がしてならないんだけど(笑)。 猫 ぼくも、気がついていたら集めてましたね。意識しだしたのは、大学入ってからだと思うんですけど。でも中学生の頃から、自分の小遣いでアニメのレコードを買い始めたんですよ。最初は「ヤマト」。ぼくが中学生の頃が、「母をたずねて三千里」とか「コンバトラーV」の頃で、その辺の歌がが気に入っていて、自分の小遣いで買い始めたのが始まり。いつも買いに行くから、レコード屋の主人と顔なじみになってしまって。必ずアニメのレコードしか買わないから、頼みもしないのにポスターくれたりしてね。
ぼくが高校生の頃に「サウンドウルトラマン」が出たんですよ。昔のアニメとか特撮の主題歌っていうのは、放送当時発売されたレコードでしか聴けなかったのが、そうやって復刻したので聴けるようになったんで、集める手段ができた。コロムビアの「懐かしのテレビまんが主題歌のあゆみ」--LPで最初に出た4枚組のやつ--とかを買い始めたのが、集め出したきっかけですね。ゲ やっぱり「特撮セレクト40」とか「アニメセレクト40」とか。 (注:キングから'79年に発売されたオムニバスLP) 猫 そうそう。あの辺も買いましたよ。それと、昔から洋画のサントラが好きだったんで、劇伴を聴き始めたっていうのは、その流れです。だから主題歌ものよりもBGM集のレコードの方が好きで。「ウルトラBGMコレクション」はずーっと買ってたし、アニメは「ヤマト」が最初ですけれども、「ヤマト」以外では「家なき子」から。
SFもの以外でLP買ったのは「家なき子」の主題歌・挿入歌集が最初ですね。番組自体好きだったからなんですけど。ちょっとあとになって映画になったときに、封切りに合わせて「家なき子」の劇伴集が出たんです。その頃から渡辺岳夫を集め出した。コロムビアのオリジナルBGMコレクションで「ハイジ」とか「キャンディキャンディ」とか出始めて、こういうものまで聴けるんだって感激して。
だから集めてるのは、ウルトラシリーズのBGMを例外にすると、作曲家でいうと渡辺岳夫、坂田晃一、最近は山下毅雄も集めようとしてるんだけど。ゲ 多いですからねえ。あの人のは。 (次のページへ)
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