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[G] TV GROOVE
■ユートピア・サウンド --ゴダイゴ・メドレー --
70年代後半から80年代のポップス界で独特の地位を占めていたゴダイゴは、テレビ映画の音楽でも重要な仕事を残している。
NHKドラマ「男たちの旅路」や特撮ヒーローもの「ガンバロン」などは、海外TV映画の音楽かと思わせるカッコよさで視聴者をうならせた。そして、最大のヒットといえば大型ドラマ「西遊記」の音楽である。
日本テレビ開局25周年記念番組、ドラマ「西遊記」オープニングテーマ。
- ○モンキーマジック
- 作詞:奈良橋陽子、作曲:タケカワユキヒデ、演奏:ゴダイゴ
「西遊記」1978-1979 日本テレビ
10億円の制作費を投じ、中国、チベット、ネパールロケを敢行。特撮や堺正章、夏目雅子らの好演で人気を得て、本曲や、EDの「ガンダーラ」も大ヒットした。
鶴田浩二演じるガードマンの視点を通して、社会や人間関係のひずみを描く、山田太一オリジナル脚本のドラマシリーズ。
- ○男たちの旅路
- 作編曲:ミッキー吉野、演奏:ミッキー吉野グループ(ゴダイゴ)
「男たちの旅路」1976 NHK
ゴダイゴ名義でデビューする直前の「ミッキー吉野グループ」による、荒削りなジャズ・ファンク・サウンドが聞ける貴重な録音。ミッキー吉野は、16歳からゴールデンカップスで活動、この時24歳。恐るべし......。
黒沢年男、竹脇無我ほか出演の事件記者ドラマ。初期ゴダイゴらしい、硬質な音づくり。
- ○いろはのい
- 作曲:ミッキー吉野、演奏:ゴダイゴ
「いろはのい」1976 日本テレビ
■男たちのメロディ -- 探偵ドラマメドレー --
石ノ森マンガ、初の実写ドラマ化作品。しかし、原作のハードボイルドさは一切無視され、西野バレエ団所属の美人女優(奈美悦子、由美かおる等)が活躍する「女スパイのお色気アクション」的な作風で製作された。レギュラーで、引田天巧(もちろん初代の)が主演するなど話題にもなったが、13回で終了。小林亜星によるテーマ曲がカッコ良すぎ。
- ○フラワーアクション009ノ1
- 作曲:小林亜星
「フラワーアクション009ノ1」1969 フジテレビ
「太陽にほえろ!」のスタッフが作ったコメディタッチの探偵ドラマ。
- ○俺たちは天使だ 〜 男たちのメロディー
- 作詞:喜多條忠、作曲:Casey Rankin、編曲:大谷和夫、歌:SHOGUN
「俺たちは天使だ」1974 日本テレビ
キャストも「太陽」のメンバーが多く参加している。主演は沖雅也。番組終盤、敵へのとどめの攻撃として、沖雅也がブーメランを使うのが、なんかヘンだった(笑)。
説明不要の松田優作主演の探偵アクション。映画「遊技」シリーズや、太陽にほえろでのニヒルでクールなイメージに、さらにギャグ要素を上乗せしたようなキャラクターメイクで人気を得、以降、松田優作の代表作的扱われ方、果ては松田優作=工藤俊作的な見方をされているフシもあるような....。競演の成田三樹夫の好演も忘れずに........。
- ○探偵物語 〜 BAD CITY
- 作詞曲:ケーシー・ランキン、演奏:SHOGUN
「探偵物語」1974 日本テレビ
■駆けぬけるGuitar & Organ -- 大野克夫メドレー --
沢田研二との仕事が印象深い大野克夫だが、テレビファンにとっては、なんといっても「太陽にほえろ!」の音楽。
井上堯之とのコンビで、「傷だらけの天使」「寺内貫太郎一家」「前略おふくろ様」など、70年代の先鋭的なテレビドラマの音楽を次々と手がけ、ロックスピリットあふれる音づくりで私たちを魅了した。
日本のTVドラマ史上、もっとも有名なインスト・テーマ曲と言っても過言ではないだろう。初代新人刑事「マカロニ」役に決まっていた萩原健一が、ロックバンド「PYG」に一緒に在籍していた大野克夫・井上尭之を、プロデューサーに紹介し、以後、大野克夫は「太陽」の音楽担当として、またTVサントラ作曲家としての地位を固めることとなる。
- ○太陽にほえろ!のテーマ
- 作曲:大野克夫、演奏:井上尭之バンド
「太陽にほえろ!」1972-1986 日本テレビ
「太陽にほえろ」といえば、「走ってる刑事たち」の映像が思い浮かぶ。これらの劇判は追跡シーンなど、主に「走る」シーンに多用された、スピード感あふれる曲。
- ○太陽にほえろ!劇伴
- 作曲:大野克夫、演奏:井上尭之バンド
やはり、大野克夫と縁の深い、萩原健一主演の探偵ドラマ。根城のペントハウスで、朝メシをメチャ食いするオープニングには、男なら誰しもあこがれた(そうか?)。 相棒の水谷豊の遺体を夢の島に捨てにいくラストシーンが切ない。
- ○傷だらけの天使
- 作曲:大野克夫、演奏:井上尭之バンド
「傷だらけの天使」1974 日本テレビ
最近、この曲は車のCMに使われて、ヤワなイメージがついちまったのが、ちょっとムカつく。
沢田研二のヒット曲「時の過ぎゆくままに」は、このドラマの主題歌。
- ○悪魔のようなあいつ 〜 時の過ぎゆくままに(インスト)
- 作曲:大野克夫、演奏:井上尭之バンド
「悪魔のようなあいつ」1975 TBS
沢田研二も、大野克夫とはロックバンド「PYG」で萩原健一とともにボーカルを担当して以来の縁。この後、沢田研二=大野克夫のコンビでの「勝手にしやがれ」で日本レコード大賞を受賞するに至る。
■バラード・セレクション
萩原健一(やはり)が、競輪選手を目指す若者を演じた青春ドラマのテーマ曲。
- ○祭り囃子が聞こえる
- 作曲:大野克夫、演奏:Nadjaバンド、歌:柳ジョージ
「祭り囃子が聞こえる」1977 日本テレビ
これまでの硬質なギター/オルガンのロックサウンドから一歩踏みだし、よりジャズ/R&Bよりなサウンドに大野克夫が挑戦した名曲。柳ジョージのヴォーカルも冴える、TVサントラ、屈指のバラード。
いきなり番組の毛色が変わるが、とにかくこれは名曲。冨田勲によるボサノバ風バラード。冨田氏のあまりにも深いオーケストレーションには、ただただ、感服するばかり.................。
- ○マイティジャック 〜 MJの歌(挿入歌)
- 作詞:東京一、作曲:冨田勲、歌:フールサンズ合唱団
「マイティジャック」1968 フジテレビ
特撮史上、屈指の名エンディング曲。井上忠夫(現:大輔)による絶妙の編曲が泣かせる。特に頻出するメロトロンの切なげな電子音は、最近でも小林武あたりが好んで使う、今現在での完全に「アリ」の音。マッハバロンのOP.EDのテイストは、同じ、井上大輔による、映画「機動戦士ガンダム2哀戦士編」の主題歌「哀戦士」「風にひとりで」に受け継がれる。
- ○眠れマッハバロン(ED)
- 作詞:阿久悠、作編曲:井上忠夫、歌:すぎうらよしひろ
「スーパーロボット マッハバロン」1974 日本テレビ
ルパン三世(新)の第1期エンディング曲。テレビアニメのテーマにインスト曲が使われたのはおそらくこの番組が初めて。初めてで、このすさまじくクオリティでは、後が続かない(笑)。この時期のYou & Explosion Bandには、岡沢章や高水健司などの当代きってのスタジオマンが参加しており、まさに、追随を許さぬ手堅い演奏。
- ○ルパン三世愛のテーマ(ED)(R)
- 作編曲:大野雄二、演奏:You & Explosion Band
「ルパン三世」1977-1980 日本テレビ
■華麗なるサウンドメーカー -- 大野雄二メドレー --
角川映画「人間の証明」「野性の証明」「犬神家の一族」の音楽で一躍注目されるが、テレビ映画の仕事も多い。「ルパン三世」の音楽は、'77年の新作以来、映画、スペシャルを通してすべて担当している。
ジャズプレイヤー出身らしく、大人の香りのするメロディと、官能的なまでの華麗なアレンジが魅力。
ルパン三世(新)挿入歌。ヴォーカルのトミー・シュナイダーは、当時のゴダイゴのドラマー。大野雄二&トミー・シュナイダーによる楽曲は、数多い。スピード感あふれる演奏でファンの多い曲。
- ○ルパン三世(新) 〜 スーパーヒーロー
- 作詞:奈良橋陽子、作編曲:大野雄二、歌:Tommy Snyder
昭和54年のNTV「24時間TV 愛は地球を救う2」内で放送された、手塚治虫アニメスペシャル「ザ・マリン・エクスプレス」の主題歌。大野&トミーの傑作。
- ○ザ・マリン・エクスプレス(R)
- 作詞:奈良橋陽子、作編曲:大野雄二、歌:Tommy Snyder
「ザ・マリン・エクスプレス」1979 日本テレビ
当時開業したばかりの、横浜市営地下鉄をハンディカメラをもって駆け抜けるオープニング映像が印象的。そのスピード感を演出していたのがこの曲。You & Explosion Band屈指の名演である。
- ○大追跡のテーマ
- 作編曲:大野雄二、演奏:You & Explosion Band
「大追跡」1978 日本テレビ
「探偵物語」の後番組としてスタートした、梅宮辰夫、渡瀬恒彦ら主演による刑事アクション。「10秒に1発打ち、1分に一人の犯人が死ぬ!」という恐ろしいキャッチコピーのもと、激しいハードアクションが展開されたが、視聴率が低迷、17話より「特命刑事」と改題、路線変更される。
- ○大激闘マッドポリス'80のテーマ
- 作編曲:大野雄二、演奏:You & Explosion Band
「大激闘マッドポリス'80」1980 日本テレビ
もはや説明不要のカッコよさ。大野雄二の一つの到達点とも言える、一部のスキもない完璧・最強のアレンジ。
- ○スペースコブラ 〜 コブラ
- 作詞:冬杜花代子、作編曲:大野雄二、歌:前野曜子
「スペースコブラ」1982 フジテレビ
ルパン三世(新)第3期オープニングテーマ。よりバンドサウンドが強い第1期テーマ(第2期はそのヴォーカルヴァージョン)、ジャズ色が強化された第4期テーマに対し、この第3期テーマは、シンセサウンドを前面に出したアレンジで人気が高い。以後の大野楽曲のテイストを決定づけた名アレンジと言ってもよい。
- ○ルパン三世'79(R)
- 作編曲:大野雄二、演奏:You & Explosion Band
■Japanese RareGroove -- 山下毅雄メドレー --
ここ数年、ジャパニーズ・レアグルーブのカリスマとして再評価されている山下毅雄。しかし、「旧ルパン」や「佐武と市」からのファンにとっては、「なにをいまさら」である。
ジャズやラテンをベースとし、スキャットと口笛を多用する独特のスタイル、ときに哀愁たっぷり、ときになまめかしいメロディライン、アドリブ演奏の緊張感とグルーブ感にひたってほしい。
通称「青ルパン」「旧ルパン」の第1期オープニングテーマ。モンキーパンチ原作の劇画をもとに、しゃれたセリフと緻密なディテール描写で独特の雰囲気を持つ人気作だが、当時は視聴率が振るわず23回で打ち切られている。作品の世界観づくりに一役買ったのが山下毅雄のジャズ+ロックテイストの音楽。
- ○ルパン三世(旧)〜 主題歌その1
- 作詞:東京ムービー企画室、作編曲:山下毅雄、歌:チャーリー・コーセー
「ルパン三世」1971 日本テレビ
「おねえ」こと、沢たまきをキャップに、女性国際保険調査員の美女が犯罪捜査に活躍するアクションドラマ。「ハレンチ学園」「独占!男の時間」とともに、東京12チャンネル三大エロ番組(笑)として栄え、放送はなんと5年間も続き、続編「プレイガールQ」「ザ・スーパーガール」「ミラクルガール」まで4代、のべ11年間の長期シリーズとなった。
- ○プレイガール(R)
- 作編曲:山下毅雄
「プレイガール」1969-1974 東京12ch
山下毅雄サウンドの"三種の神器"=「口笛」「スキャット」「パーカッション」がふんだんに登場するプレイガール劇判は、当時のフランス、イタリア映画サントラや、ユーロ系ジャズやラテン、ブラジル音楽、CTIサウンド等が混在するレアグルーブのるつぼ。特に、E.モリコーネや、A.トロヴァヨーリなどによるイタリアのエロティックコメディ系の映画音楽に似たテイストを持つ。
- ○プレイガール 〜 劇伴
- 作編曲:山下毅雄
深作欣二らが原案に参加した、天知茂主演のハードボイルド・アクション。ここでも、山下毅雄は、「TAKE 5」似の5拍子のジャズテーマをはじめ、質の高い音楽世界を作り上げている。これらの楽曲は、同じ山下作品「ジャイアント・ロボ」「プレイガール」にも流用されている。
- ○一匹狼(ローンウルフ) 〜 劇伴
- 作編曲:山下毅雄
「一匹狼(ローンウルフ)」1967 日本テレビ
「旧ルパン」の第3期オープニングテーマ。「旧ルパン」の放送用音楽素材は、そのほとんどが消失し行方不明、というのが定説であり、この本曲も放送用シネテープから起こしたものである。劇中ではアレンジの異なる別テイク版や、「二番」らしき別の歌詞も聴かれるが、曲の全容は今もって闇の中である.......。
- ○ルパン三世(旧)〜 主題歌その3(OP2)
- 作詞:不詳、作編曲:山下毅雄、歌:不詳
テーマ曲同様、BGM用音楽も原盤が行方不明となっているため、放送終了後8年を経た、昭和55年にオリジナルスコアを元に新たに演奏・収録されたのが、これらの楽曲。しかし、残念ながらどの曲も、放送で使用されたBGM曲とは、若干.......いやずいぶん印象が異なるため、ちょっとがっかり.......。
- ○ルパン三世(旧)劇伴
- 作編曲:山下毅雄
「旧ルパン」の第2期オープニングテーマ。本曲も放送用シネテープから起こしたもの。放映時は、山田康雄のナレーションがかぶっていた。ヴォーカル及びコーラスを抜いた別テイクが存在する(1回だけ使用された)。この曲もまた、全容は今もって闇の中である.......。
- ○ルパン三世(旧)〜 主題歌その4(OP3)
- 作詞:不詳、作編曲:山下毅雄、歌:チャーリー・コーセー
「山下氏自身の口笛」とともに「伊集加代子のスキャット」無くして山下毅雄の音楽は語れない。コーラスグループ「シンガーズ・スリー」のリーダーとして、また「アルプスの少女ハイジ」などを唱った歌手として知られる彼女の歌は、山下作品のみならず、TVサントラ、「ネスカフェの"ダバダ〜"」などのCM音楽、ひいては山下達郎のバックコーラスまで、日本のポピュラーミュージック全体を影で支えていた歌声である。
- ○ルパン三世(旧)〜 劇伴
- 作編曲:山下毅雄
夕闇をバイクで疾走する峰不二子のシルエットが印象的なエンディングテーマ。
- ○ルパン三世(旧)〜 主題歌その2(ED)
- 作詞:東京ムービー企画部、作編曲:山下毅雄、歌:チャーリー・コーセー
近年、奥田民夫がカヴァーするなど、この曲を、今なお胸深くしずめている人は多いのでは.........。歌手のチャーリー・コーセーは、70年代初期に関西で活動していたサイケロックバンド「ヘルプフル・ソウル」のヴォーカリスト。現在も、神戸某所でバーを経営。
■アンコール
- ○帰ってきたウルトラマン M13
- 作曲:冬木透
- ○つぶやき岩の秘密 〜 遠い海の記憶
- 作詞:井上真介、作編曲:樋口康雄、歌:石川セリ
- ○交響詩ジャングル大帝 〜 ジャングルの朝
- 作曲:冨田勲
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