これまで所沢周辺においては摂南大学宮田教授の土壌調査に端を発して、住民の要望により、県や市においてもダイオキシン類の環境調査が行われてきた。ここで注意しなければならないのはその調査の目的である。宮田教授は発生源を特定し、調査地点を選び、ある程度の蓄積量を示す土壌中のダイオキシン調査を行い、廃棄物焼却施設からのダイオキシン汚染に警告を発してきた。それに対し、県や市の調査においては、発生源は特定されず、ただただ、安全宣言を出したい、という一途な願いが感じられる。それはたった年2回のダイオキシン類大気環境濃度測定による年平均値での評価に終始する、という姿勢にもつながっているし、宮田先生の結果よりもすべて低い値が出た土壌調査結果ともつながるのかもしれない。私達が求めたいのは、汚染が心配される地点の正確な信頼できるデータと、それを客観的に評価できる体制である。