劇伴倶楽部座談会 第3弾

私たちの 生きた 時間

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生き証人たち

なんか、このお三方は、もうアニメの、なんていうんだろ、生き証人?(笑)
うん。いまこの世界があるのはこの人たちのおかげだって感じがするわ。この人たちがいたからこそ、おれたちが今、宙明だ、菊池だって言ってられるんだ、みたいな。
そうそう。それに食いついて便乗して騒いでる。
生き証人っていうと、むしろ、ぼくが入っていたサークルの主催者なんかが第1世代なんで、その人たちですよ。「宇宙船」のスタッフやったり、ファンコレ作った人たち、が。
すると、第2世代になります?
うん、ぼくは第2世代。
そしたら第3世代ぐらいですよね。私たちが。
特撮の方がアニメよりも古いんですよね。東宝のSF映画があったから。そういうファンがファンクラブを作って研究したりとか、映画館で伊福部昭を録音して聴いたりし始めた世代が、池田憲章さんとか、中島紳介さんとか、あの辺の人たち。
ちょうど「アニメック」で書いてた人。
こないだ「アニメック」はじめて買って、池田憲章の「特撮ヒーロー列伝」見てたら、今読んだら「なんやこれ」っていうことじゃないですか。でも、あとで改めて、当時はソフトもなくて、再放送もなくて、あれが唯一の情報やったんやなと考えると、すっごい偉大やなと思って。
写真が一杯載ってるんですよね。
今見たら、1話のあらすじ、ダーッと書いてあって、「わかっとんのやそんなこと」ていうのあるけど、当時はそんなこともわからんかったんやな。この頃におれも買ってたら、すごい熱心に読んでたんやろな。
恵まれた環境に生まれたよね。
うん。
80年代以降はね。「アニメージュ」が出て、「宇宙船」が出て、以降はそういう情報が商業誌の方へ移ってきた。逆に同人誌でなにやるかっていうことになっちゃった。
結局アニパロしかなくなって(笑)。
そう。それしか残らなかった(笑)。
特撮はそれでも、研究誌っていう分野が広かった方じゃないかと思うんですよ。アニメに比べて。アニメはマンガがダーッとあって、すごいすそ野が広い。
やっぱりあれは絵ですからね。同人誌書くんならもう。
特撮ものはあんまりマンガ描いたりっていう方にいかない。
感想とか。あと、ちょっと番外編みたいなのが4ページか8ページぐらいで、ひとつのエピソードをちょっとふくらませたようなのがあるくらいで。
あとはメカですよね。
メカと怪獣
ドリル・オンリーみたいな(笑)。

開田裕治さん(イラストレーター)なんかも、同人誌やってた人ですよね。「衝撃波Q」っていうのを自分で主催してた。
開田裕治さんは「ウルトラマン」が専門なんですか?
円谷専門ってわけではないんですけど、やっぱり東宝特撮世代だから、そっちの方に思い入れは強いと思う。
そこがやっぱり違いますよね。「ウルトラマン」があって、「仮面ライダー」があって、になるから。原体験が何かによって、そのあとの人生が決まっちゃう。私はもう、3,4歳の頃で宮内洋だから(笑)。そのあと、ずーっと宮内洋になっちゃって。
'89年かな。ファンタスティック映画祭ってあったんですよ。大阪で。それを盛り上げるような形で深夜に毎晩映画やるっていうて、「妖星ゴラス」「ガッパ」「宇宙人東京に現わる」「ゴケミドロ」とかやったんですよ。怪獣好きやったから、全部ビデオ録って見た。あの辺でヤバくなってしまったというか(笑)。だって当時はまだビデオはなかったですからね。
それ、おれも見たかもしれない。関西の方に旅行行って泊まった旅館でテレビつけたら「ガス人間第一号」だったか「マタンゴ」だったかをやってた気がするんですよ。
あの頃録ったビデオ、宝物。
ぼくなんかはむしろ、名画座で見た世代ですよね。池袋の今はなき文芸座で、東宝特撮ものをオールナイトで。
いわゆる第1世代とかもうちょっと下の方っていうのは、大学生のときに映画館ばかり行ってたっていう話ばっかり見るんですけど。
そうそうそう。
みなさん、そういう映画館ばっかり回る人だったから、そういう人になってるんですかねえ。
特撮ファンの人は、なぜか映画好きになっていく。アニメの方はわからないけど。やっぱり映像が好きになんで、特撮ものじゃなくても普通の映画も見出すんじゃないかな。あとはやっぱり映画だから、同じスタッフが、同じ人が撮っているとかっていうんで、追いかけていくってこともある。
特撮ものは特撮だけっていうんじゃなくて、ほかの映画を撮っている人が特撮も撮っている、みたいなことですよねえ。
きのうの土曜ワイド劇場見て、「あ、(ウルトラマンティガの)ホリイ隊員だ」って思った。
ああ、キャストなんかは特にそうですね。
役者をめざしていて、端役っていうと特撮か時代劇の端役とかからスタートした人が、今大きくなっているっていうのありますよね。
結構特撮の人が時代劇に出てる。「ああ、こんなになっちまって」っていう(笑)。
じゅんじゅんさんて、子どもの頃から時代劇好きだったんですか。
子どもの頃はそうでもないですよ。子ども番組をなんでも選ばず、っていうか、民放2局しかなかったですから、子ども番組やってれば見るっていう感じで見てたんですよ。時代劇見るようになったのは、中学校の頃、受験勉強に専念するために部活を引退して、早く帰れるようになってから。夕方、時代劇やってるじゃないですか。そういうので見始めて、杉良太郎とか出てて、それでハマったんです。

映像も音楽も好き!

うちの妹も怪しいですよ。11離れた妹がいるんですけど、やっぱり同じで、私の影響を受けて、すっかり同人にハマって。
やっぱり、きょうだいって影響を受けますよね。
今度は娘さんと。
娘は今回、同人誌デビューしますから。夏コミで。
第1次おたく世代といわれた人が親になってんやなあ。
もうとっくになってる。
いうたら、おれらの年で2,3歳の子どもがいても、おかしくないもんなあ。
今、LDとか売り出しても商業ベースに乗るっていうのは、そういう30代40代、もっと上の人たちが買うから、買うってわかってるからじゃないですか。その前だったら、LD自体普及してないし、ビデオもないわ、で。
やっとお金を持ち始めましたからね、こういう世代が。
それ大きいと思う。
カラオケもそうですよね。アニメの曲が入り始めたのも。
決定権持ってる人間が、また、そういう世代になってきた。
でも、みなさん、お金持ちですよねえ。CDとかレコードとかいっぱい。
ほかにお金使わないからね(笑)。
mio それがわれらの生きる道。違うか(笑)。
置き場所困っちゃう。
mio 困っちゃいます。
うちはそんなにないんだけど、部屋自体狭いから。
うちは全然もの買わないんです。そういうCDとかレコードとか。ただ、テレビで見てたことしか頭にない。ほんとに記憶のみなんです。みなさんのお話、ほんとにディープで。
なにをおっしゃいます(笑)。
私、RYO-3さんに「濃い」って言われたとき、びっくりしちゃいましたもの。「えっ!? 私がなぜ?」って。
RYO-3さんも結構濃いですよ。ぼくは最近気がついたのは、インターネットやってて濃い人は、同人誌やってた人か、バンドやってた人なんだ。
なるほどー(笑)。
なんの関係もないんだけどね。
もともと私がインターネット始めたのは、アニソンの同人誌出そうと思って、資料を手に入れるためにはCDとか買わないとだめじゃないですか、でもお金ないし、「あ、インターネットでなんかあるかもしれない」と思って探したら、最初に東ア研さんがひっかかって、そこからぞろぞろと。こういう人たちがいるんだぁって(笑)。
こういう人たち(笑)。
R3 こういう人たち(笑)。
mio こういう人たち(笑)。
うちの妹に「お姉ちゃん、そんなアニソン本とか出したって、コミケじゃ売れないよ」って言われたんですよ。別に買ってくれる人だけ見てくれればいいよって言ってたんですけど。
コミケとか来る人たちと、インターネットやってる人たちって。
違いますよねえ。
違うんですか、やっぱり。
レコード屋さんでレコード漁ってる人は、またなんか違うような気がする。
確かにアニメとか特撮のファンクラブをやってる人が、レコードを集めてるってわけではないですよね。全然違う層ですね。レコード集めてる人はレコードだけ集めてるし。
輪っかが3つあって、インターネットやってる人と、同人誌やってる人と、レコード集めてる人と、ちょっとずつ重なってる。

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