Dark Moonglow Magicians
I wish(その2)
答えはきっと、『孤独』の恐ろしさと恐怖だろう。 生まれてから今まで、ユンとヤンは当たり前ながら共に過ごしてきた。 『双子』という、これまでそしてこれからも決して断ち切ることの出来ない錆びた鎖に縛られつつ、またそれにさえ感謝しながら。 ヤンと『引き離されてしまう』ことをまったく思っても考えてもいなかったユンは、ヤンの不安をどうすれば取り除くことが出来るのか、ひとしきり考えた。 あるとき、ユンの瞳にあるアイディアが浮かぶ。 だがそれを話して良いのか、駄目なことなのか・・・行動に移したいとは思うが、ユンは少しだけ言葉を飲んだが、勇気を出して言う。 「・・・ヤン。俺とはなればなれになるの、嫌?」 「やだよう・・・俺、ずっとユンと一緒に居るもん」 「うん、俺もそうしたい。大好きだから、ずうっとヤンの側に居たい。だから・・・」 そこまで言うと、ユンは目を閉じ、一呼吸置いてやんわりと言った。 「約束、してくれる?なにがあっても、俺のこと嫌いにならないって。俺はヤンのことが大好きだし、これからもずっと側に居てほしいんだ」 ヤンは暗闇の中に、ユンの大人びた表情を見た。 「・・・うん、俺もユンのこと大好き。嫌いになんかなるはずないよ」 「・・・良かった、ありがとうヤン」 やわらかいヤンの髪の毛をかきあげてやると、不意にユンの指がヤンの寝間着に滑りこんできた。 「な、・・・ユンッ・・・なに、するの・・・っ?」 ぎゅっとユンの肩を掴む。 「良いか、ヤン?これから俺たち、ずーっと一緒に居るしかなくなることをしよう。なにがあっても、絶対にはなれることのないように・・・」 「え・・・っ」 「大人のすること、しよう。・・・大人ってさ、お互いが大好きならこういうことするんだよ」 どきん、とヤンの心臓が大きく高鳴る。 いくら鈍感なヤンでも、ユンの言った言葉の理由(ワケ)は十分に理解できた。 「嫌?嫌なら、しないけど・・・ヤンの嫌がることはしなくないし」 ユンがヤンの上に乗り上げると、ヤンの顔色をうかがうようにユンが顔を覗き込んでくる。 一瞬だけ戸惑いためらうように右親指の爪を噛むが、ヤンの心は既に決まっていた。 ユンの首に腕を巻き付け、ヤンはユンを自分の方向へ寄せる。 「良い、よ・・・・・・早く、大人になれば・・・誰にも文句言われずに、ずっと、ずうっと、ユンと一緒に居られるもん・・・」 顔を真っ赤に染めながらヤンはユンの頬に小さく口付ける。 |
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