検証! 中二美夫は正しかったのか!?

1年夏 1年秋〜春


2年夏 対東海

東 海 101600000   8
明 訓 200120302× 10

【山田の打撃内容】
1回裏:一死二塁→敬遠
4回裏:無死走者なし→四球
5回裏:二死一、二塁→四球
7回裏:無死一、二塁→犠打
9回裏:二死二塁→ホームラン


里中,殿馬を欠いたこの試合だが、都合よく雲竜もケガしており、東海の先発は雪村だった。流石に二線級投手である事を自覚しているのか、雪村は山田に対して、徹底して勝負を避ける作戦を展開。初回、一死二塁の場面では一塁が空いている事もあり、堂々と敬遠を敢行。この後、二線級には滅法強い微笑に勝ち越しタイムリーを浴びる事になる。この試合、山田は犬神の死神ボールを食らってから4ヶ月近くも経っていると言うのに依然として右手首の痛みに苦しめられていたが、この打席では試合開始直後と言う事で痛みも強くなかったのか、平然と豪快な素振りを見せており、雪村の力では一発を叩き込まれかねないとあって、敬遠は正解だったのかもしれない。渚を籠絡する為の山田の徹底した突き放し方策により、大量6点差が開いた4回に先頭打者として迎えた第2打席では、あからさまな敬遠ではブーイングを食らうとあって雪村は一見勝負に見せかけながら、くさい所をついて歩かせる実質上の敬遠策を敢行。しかし、中盤に入って山田の右手首には徐々に痛みが出てきており、疑惑を抱いた雲竜が試しに仕掛けさせたストライクを振りに行って、バットを離すと言う小細工をかましてまで故障を隠そうとしていた。雪村程度の球威でも衝撃を受けては今後のプレーに支障が出ると判断している証拠だ。この回は、結局、犠打とフライでコツコツと三塁まで進んだ山田が仲根のタイムリー内野安打で生還しているが、万一、山田と勝負をして一発を浴びても、1点止まりの可能性は大。山田の故障を見抜けなかった東海側のボーンヘッド…と言っては気の毒だが、ここで勝負をしていれば、山田にダメージを与えられ、相当、有利に試合を運べたのは間違いないだろう。5回の第3打席では二死一、二塁の場面ながら、またまた敬遠気味の四球。脳天を突き抜ける痛みで意識が朦朧としている山田は完全に四球狙いに来ていたくらいで、まともに勝負に来られていたら、雪村相手ですら凡退していた可能性すら感じられる内容だった。しかも、この後、雪村は続く二線級には滅法強い微笑に2点タイムリー二塁打を浴びている。山田の故障を見抜けなかった東海側のボーンヘッド…と言っては気の毒だが、ここでも勝負をしていれば、無失点で切り抜けられた可能性もあり、相当、有利に試合を運べたのは間違いないだろう。7回には1点差で無死一、二塁と流石に山田を歩かせる訳にはいかない場面が訪れ、雲竜が満を持してリリーフ。5回裏が終わった所で痛み止めの注射を打ち、痛みは和らいでいたとは言え、右腕の故障は疑惑に過ぎないと言わんばかりの雲竜の剛球による衝撃を恐れた山田は金属バットから、木製バットに持ち替え、何と送りバントを敢行。このバントに完全にトサカに来た雲竜の虚をついた微笑がスクイズを決めて、ついに同点となる。ここで雪村が続投で山田を敬遠し、無死満塁で微笑勝負では逆転の可能性は大。無死満塁となった所で雲竜が微笑と勝負でも、右腕に故障を抱えている雲竜が後続三人をねじ伏せるには相当なダメージを受けるのは必至。むしろ、東海的にはこの展開で助かったと言っていいだろう。そして、9回、二死二塁の場面で迎えた第5打席。一塁が空いているとあって、東海の監督は雪村続投で敬遠を指示したが、勝負させてくれないならユニフォームを脱ぐとまで言ってリリーフを志願した雲竜にほだされて、勝負を許してしまう。結果、サヨナラ2ランと言う最悪のフィナーレが待っていた。無理に雲竜投入する場面ではなかったのは確かだが、ここで山田を歩かせた後、雪村が微笑と勝負でもそれなりに分が悪いのもまた確かだ。最終的な敗因は9回の山田勝負になるが、経過的にはやはり、4,5回の敬遠が勿体なかった。ここで勝負して山田にダメージを与えておくと、5回の2点、6回の3点目、そして、9回の2点も入っていたとは言いきれなくなる。この試合、山田の徹底した敬遠策は成功とは言えなかった。江川学院戦に続き、実際に山田を敬遠した試合で敬遠策の失敗が結論付けられてしまう事になろうとは…。山田のケガを見抜けなかったとは言え、投手が雪村であったからこその四球策。雲竜がケガさえしていなければ、全打席山田と勝負しても東海の楽勝に終わっていたのは想像に難くない里中,殿馬不在のハンデとして、重傷を負わされてしまったのは、正に、雲竜にとって悲劇だった。

2年夏 対白新

明 訓 0000000001  1
白 新 0000000000  0

【山田の打撃内容】
2回表:無死走者なし→三振
5回表:無死走者なし→ピッチャーフライ
8回表:無死走者なし→三振
10回表:一死一、二塁→サード内野安打


2大会続けて、山田を敬遠していれば勝っていたであろう白新だが、山田が変則な組み立てに弱い事を気付いた不知火はハエが止まる超スローボールを引っさげて見参。4ヶ月かかっても試合中に意識が朦朧とする程、重傷だった筈の山田の右手首の故障はすっかり癒えてしまった様だが、不知火は山田のフォームから速球と超スローのどちらを狙っているかを完全に見破り(そんな芸当が出来るなら、別に超スローを会得しなくとも、カーブとかで十分通用すると思うのだが)、1〜3打席と完璧に封じ込んだ。明訓を9回までパーフェクトに抑えると言う誰一人なしえなかった偉業を達成したにも拘わらず、肝心の味方打線が里中の前にノーヒットに抑え込まれ、0−0の儘、試合は延長に突入。10回、天敵・殿馬の心理作戦と秘打により、一死一、二塁の場面で山田の第4打席を迎える事となる。土井垣は二人の走者を背に超スローを投げられる筈はないとタカをくくって速球一本に絞らせていたが、超スローが来た時の為に走者にスタートを切らせてプレッシャーを与える様なマネをしない無策ぶりでは、フォームから山田の狙い球を見破れる不知火には全く意味がなかった。案の定、速球狙いを見破られた山田は初球の超スローに体勢を大きく崩すが、赤城山戦同様、変則投球に対する第4打席はセーフティバントと決めているのか、ここでも三塁前にバントを敢行し、内野安打で出塁。この後、スクイズを仕掛けた微笑の小フライを不知火がダイビングキャッチ。既に生還していた三塁走者・岩鬼から目を逸らせるべく、わざと大きく飛び出した一塁走者・山田がアウトとなり、一見、無事ゲッツーを完成させた様に見せるルールの盲点をついて奪い取った先制点により、明訓が逃げ切る事になる。さて、これだけ完璧に山田を封じ込んだ不知火に敬遠策の必要はあったのか? 1〜3打席では悉く先頭打者を出す事となるが、この試合、不知火は9回までパーフェクトを演じている事を考えれば、あまり影響はない。10回にしても、セーフティバントで出られているのだから、敬遠しても結果は同様だ。この試合に関しては分かり易いので、あえて打順のズレを考慮してみたとしても、10回表の展開が9回表に訪れるだけの事。山田との対戦結果は大局に影響を及ぼさなかったと言える。因みに、序盤で発覚した殿馬の右肩故障を見て、執拗に右狙いをかました白新だが、故障などハンデにすらならない殿馬の天才的プレーを信頼した明訓バッテリーに打たされ続けていた事に気付かず、これが里中を調子に乗せてしまい、屈辱のノーヒットノーランに繋がってしまった。勝ち越し点のきっかけも殿馬であり、この試合、不知火は山田を封じ込めながら、殿馬によって敗北へ追いやられたと言えよう。とりあえず、3大会続けて山田を敬遠していれば勝っていた…と言う寒い展開にならずに済んだのは喜ぶべき事…か?

2年夏 対吉良戦

明 訓 18000000000  18
吉 良 0000000000  0

【山田の打撃内容】
1回表:無死走者なし→三振
1回表:一死走者なし→三振
1回表:二死三塁→三振


両腕の金縛りの為、山田はまさかの3打席連続三振を喫し、高代と交代させられてしまったが、あの石毛ですらヒットを打てるこの試合で、山田が敬遠されようが三振しようが、全く影響はなく、検証の必要はないだろう。尚、18点差がありながら、コールドにならずに9回まで進んだ事は触れてはいけない事実だ。

2年夏 対横浜学院

横浜学院 0000001010  2
明  訓 0000001012× 4

【山田の打撃内容】
7回裏:二死二塁→レフト線ポテンヒット
9回裏:二死一塁→右中間三塁打


両腕の金縛りが解けず、スタメンから外れた山田だが、谷津の一発で1点を先制された7回裏、金縛りが治っていないにも拘わらず、土井垣の破れかぶれ作戦により代打で登場。下手な考え休むに似たりとはよく言ったもので、山田の金縛りが治っているかどうかなどとどうでもいい事を気にして、よけ方で状態を把握する為にわざわざ内角へ投げ込むと、それをよけようとして動いたバットに当たった打球はレフト前にポトリと落ちる同点タイムリーに。当初、谷津は山田は金縛りが治っておらず、敬遠四球狙いの代打と睨んでいた。故に、むざむざ敬遠する事を嫌った訳だが、その狙いが的を射ていたとしても、最早、速球投手を打ち崩せない男と化してしまった微笑はカモでしかなく腕が治っていようがいまいが、下手な様子見などせずに堂々と敬遠しておくべきだったのだ。さて、9回、谷津の2打席連続アーチで勝ち越した横浜学院は、二死一塁で山田を迎える。カウント2−3からファールで粘られた末の13球目、谷津はシンカーを要求する絶妙のリードで意表をつき、山田を三振に斬ってとった…かに見えたが、微かにチップしたこの打球を痛恨の落球。変化球を混ぜた事により、折角、山田に的を絞らせない状況を作れたと言うのに、続く14球目、バカ正直にストレート勝負を挑んで(コースの狙いを外したつもりだが、結局、山田の術中にハマった)、またもや同点タイムリーを浴びる事となる。痛恨の落球に続いて、配球ミスまで犯してしまった谷津だが、最大のミスは山田と勝負した事だ。ここも歩かせて、一、二塁とした所で微笑勝負…、いや、微笑をも歩かせて吉良戦以外ノーヒットの石毛勝負が最善の策だった筈。延長10回、二死一塁で岩鬼が打席の場面でネクストバッターズサークルの殿馬が謎の構えを見せ、秘打の期待が高まったが、殿馬のアドバイスが奏功したのか、その前に岩鬼がサヨナラ2ランを放ってしまい、残念ながら、殿馬の秘打はお蔵入りとなってしまった。直接の敗因は岩鬼の2ランだが、この試合、山田を敬遠しまくっていれば、十中八九、横浜学院が勝利していたと言っていいだろう。中二美夫は正しかった!

2年夏 対BT学園

明  訓 200001003  6
BT学園 000004010  5

【山田の打撃内容】
1回表:二死、走者1人→ホームラン
6回表:アウトカウント不明、走者1人→三塁打
8回表:二死一塁→ライトライナー


初回、山田はいきなり大会第1号となる先制2ラン。第2打席は不明だが、第3打席でもタイムリー三塁打を放っている。状況が曖昧なのだが、まず初回。2ランと言う事で二死なのは間違いない。敬遠した場合、一、二塁ないし、一、三塁となる。BT学園のエース・隼はテクニックはあるものの、球威自体は二線級とあって微笑は相性が良さそうだが、山田の2ランの後、微笑で攻撃が終わっている為、敬遠した場合もやはり凡退と考えると、無得点と言う事になり、敬遠策の方が吉だったと言える。6回は石毛で攻撃が終わっているものの、山田のタイムリー三塁打の後、追加点が入っていない所を見ると、微笑は凡退か四球。山田の前には走者は一人しか出ておらず、山田敬遠→微笑四球のケースだと一死ないしは二死で満塁になるが、吉良戦以外ノーヒットの石毛と、仲根では追加点は難しい。ここも山田は敬遠策は効果的に働いた可能性が高い。8回の打席では、ライトをフェンスの金網まで吹っ飛ばす痛烈なライナーを放つも、真正面だった事でキャッチされてしまい凡退。ここで敬遠していた場合、少々理不尽だが、9回に先頭打者として凡退した微笑の結果をその儘、持ってくると、やはり無得点となる。ここまで山田を全打席歩かせていると、9回を迎えた段階で、何とBT学園は5−0の大量リード。実際には、2点差であと一人と言う場面から勝ちを意識し過ぎた事でエラーや四球,暴投が続出するなど、墓穴を掘りまくって敗れたBT学園だが、5点もリードがあって、6番からの打順となれば、ああも緊張する事はなかっただろう。この試合、山田を敬遠しまくっていれば、十中八九、BT学院が勝利していたと言っていいだろう。中二美夫は正しかった!

2年夏 対弁慶

明 訓 100000001  2
弁 慶 000000201× 3

【山田の打撃内容】
1回表:無死走者なし→ホームラン
3回表:無死走者なし→四球
5回表:一死一塁→ライトゴロ
7回表:一死走者なし→レフト前ヒット
9回表:二死走者なし→ホームラン


山田の打席云々を語る以前に、実際に明訓が負けている試合だが、とりあえず、検証はやってみよう。初球ど真ん中ストレートを予告した義経の奸計に見事にひっかかった土井垣は山田と岩鬼の打順を入れ替えると言う暴挙を敢行。明らかに土井垣の大チョンボであるこの打順変更については、将来、改めて検証の機会を計画しているので、ここでは割愛させて貰うとしよう。ここで義経が予告を覆す…ないしは、予告通り投げようとしたが、手が滑ったとか言って大暴投をかます事で予告を反古にし、結局、敬遠したとする。無死一塁とあっては、殿馬が犠打を敢行する可能性もあるが、山岡,岩鬼は凡退しているので、結局、無得点に終わる。巧みに四球の走者を出して打順を調整し、3回に山田を先頭打者に持ってきた義経は勝負を装って歩かせており、ここでは敬遠の検証は無意味だ。5回には勝負に出て、会心の一打を浴びるも、武蔵坊の驚異の強肩により、鈍足・山田はライトゴロに終わる。二死となった事で殿馬,山岡は敬遠されて、岩鬼勝負となった訳だが、ここで山田を歩かせた場合、一死一、二塁で殿馬,山岡と続くのは少々、厄介だ。殿馬は山田以上に武蔵坊から警戒されている超要注意選手であり、ここで殿馬と勝負した場合、何かが起きた可能性は考えられるだろう。山岡もその前の打席ではヒットを放っており、決して安全パイではない。この場面での山田勝負は正解だったと言える。7回には一死走者なしからレフト前ヒットを打たれるが、シングルとあっては敬遠と同じ事でここも検証する必要はなし。そして、9回、山田にこの日2本目となる同点アーチを浴びる訳だが、ここまで殿馬や山岡を敬遠する事で二死で安全パイの岩鬼に回す作戦をとってきたのだから、ここも山田,殿馬,山岡と3連続敬遠をかまして、岩鬼とど真ん中勝負をしていれれば、9回裏を迎える事なく、弁慶が勝利していた。9回裏がないと言う事は、つまり、武蔵坊は顔面に送球を受けずに済んだと言う事だ。山田と勝負しても敬遠しても、弁慶が勝った可能性が高いが、敬遠さえしていれば、武蔵坊の選手生命は守られたのだ! まさか、中二美夫の敬遠策は恩人・武蔵坊を守る為の啓示だったのか!? まだ恩義を受けてない段階で、あの武蔵坊に啓示を与えるとは恐るべし…。意外な所から中の敬遠策に隠された真意が判明してしまった所で、この検証は終わりとする。2年秋〜春においては、山田は大スランプ,大フィーバーと両極端な内容なので、検証の必要性もあまり感じられないし、「大甲子園」に関しては、山田の敬遠策について検証するのは野暮と言うものだろう。ともあれ、殆どの試合で山田が敬遠されていたら明訓は負けていたと言う検証結果になった事を考えると、明訓ナインは愚直にも山田と真っ向勝負をしてくれたライバル達に足を向けて眠れない事だろう。