検証! 中二美夫は正しかったのか!?

1年夏 2年夏


1年秋 対白新

白 新 30000000200  5
明 訓 40000000104× 9

【山田の打撃内容】
1回裏:一死二、三塁→ホームラン
5回裏?:不明→センターフライ
9回裏:二死走者なし→ホームラン
11回裏:一死満塁→ホームラン


先発マウンドに上がった岩鬼の大乱調により、いきなり3点のビハインドとなった明訓。本来なら、この段階で大ピンチなのだが、角膜移植手術を受けて間もない事から、短いイニングの出場しか許されなかったのか、はたまた「SLUM DUNK」の藤真同様に選手兼監督と言う微妙な立場故にしばらくはベンチから展開を見守らねばならなかったのか、単なる作者の都合か、白新の先発は何故か不知火ではなく近藤だった。いきなり二、三塁のピンチを迎えた近藤に対し、不知火は臭い所をついて、カウント次第で歩かせろなどと中途半端な指示を出していたが、あからさまにウエストしなかった事が裏目に出て、高めのボール球を強引にスタンドへ運ばれて、あっと言う間に同点にされる始末。次打者の微笑が土門も欲しがっていた不気味な存在だった為に中途半端な指示を出してしまった訳だが、一塁も空いている状況で近藤の実力を考えれば、当然、敬遠がセオリー。尤も、この後、微笑にもスタンドへ持っていかれてしまっている為、山田を歩かせた後に逆転弾を浴びた可能性は否めず、ここでの敬遠は結果論で言えば、必ずしも正解だったとは言いきれない。以降、何とか山田をかわしてきた白新は9回に、代打・不知火の劇的復活2ランで逆転に成功。その裏、満を持して、マウンドに上がった不知火は簡単に二死をとりながら、ミットの綿を抜いていい音を立てていた里中の投球に動揺すると言う精神面の甘さを覗かせ、両目となって距離感が出来事で緩急自在になった…筈なのに、ストレート一本槍と言う愚直な配球で山田に同点弾を浴び、延長に持ち込まれる。山田を敬遠した場合、次の微笑はピッチャーライナーに終わり、延長に突入する事もなく、確実に白新が勝っていた。山田の出塁により、微笑がバッティングを変えてくる可能性を加味した場合、万全を期して微笑も歩かせ、吉良戦以外ノーヒットの石毛と勝負と言う選択肢をとれば済む事だ。延長11回での打席は同点で満塁とあって敬遠する訳にはいかず、検証の余地はない。キーポイントはやはり9回の打席だったのだ。この試合、9回に山田を敬遠していれば、十中八九、白新が勝利していたと言っていいだろう。中二美夫は正しかった!

1年秋 対東海

東 海 000000000  0
明 訓 01000000×  1

【山田の打撃内容】
2回裏:無死走者なし→死球


2回の先頭打者として打席に入った山田に対し、雲竜は秘策・山田シフトを展開。王シフトと逆のこのシフトだったが、アウトコースが来ると分かっていれば、ベース寄りに立って打つ事によりスタンドインされる危険があると分かり、雲竜は意表をついて、一転してインコースをつくも、アウトコースと読んで思いっきり踏み込んできた山田の左手首を直撃。死球も敬遠四球も結果的には同じだが、死球であった事が明訓の士気を高めてしまう結果となり、代打・里中の決勝スクイズを呼び込む事となる。以降、左手首の痛みから三塁へのシフトチェンジを余儀なくされた山田は打撃面では役立たずだったと思われるが、この検証では敬遠するか否かがポイントなので、どうでもいい事だ。死球だった事によるメンタル面での影響と言う抽象的な要素では勝負したのは失敗だったと言えるが、その後の山田の打席を封じ込めた(推定)事を考えると、トントンか。ともあれ、この試合は参考外と言っていいだろう。

1年秋 対横浜学院

横浜学院 100000001  2
明  訓 000000104× 5

【山田の打撃内容】
1回裏:二死二塁→センター前ヒット
4回裏:一死三塁→サードフライ
7回裏:二死走者なし→ランニングホーマー
9回裏:二死一、二塁→四球


雲竜から受けた死球の影響でベストではない山田だが、初回、バットを折られながら、センター前ヒット。しかし、バットを折られた分、打球が伸びず、二塁走者・岩鬼は本塁憤死。次の微笑は凡退している為、山田を敬遠しても結果は変わらない。4回の打席ではセンター前に抜けるかと言う打球を土門が右足を伸ばして止めた事により、サード頭上に上がるフライとなり凡退。ここで敬遠していると、一、三塁となるが、微笑,石毛は連続三振に倒れており、ここも結果に変化なし。しかし、7回、ついに金属バットを手にした山田は片手打法ながらも、早い球足で前進守備の外野を破り、同点ランニングホーマー。ここで敬遠していると、微笑はショートライナーに倒れており、無得点に終わる事になる。9回には片手打法で変化球を捉える事が出来ず、最早、打つ事は無理と判断した山田はカット打法で四球狙いに走り、微笑のサヨナラ満塁弾を呼び込んでいる。ここは敬遠していても結果は同じだったろう(粘った上での四球の方が士気は上がるかもしれないが)。7回に敬遠していれば、ここは2点差だったが、微笑の満塁弾で結局、逆転負け。この試合で山田を敬遠しても意味はなかった…かに思えるが、この試合、土門の最大の敗因は右足のケガである。これこそ4回に山田を敬遠していれば、負わずに済んだケガであり、やはり、山田は敬遠しておくべきだったのだ。中二美夫は正しかった!

1年秋 対甲府学院

甲府学院 010000100  2
明  訓 000000003× 3

【山田の打撃内容】
2回裏:無死走者なし→ライトオーバー二塁打
5回裏:無死走者なし→ピッチャーファールフライ
7回裏:一死一塁→レフト線二塁打
9回裏:一死一、二塁→右中間三塁打


柔道から野球に転向し、砲丸投法を引っさげて山田に挑んだ賀間だが、いずれも長打の3安打とメッタ打ちを食らっている。2回は本当はライトスタンドへ飛び込む同点アーチだった筈だが、黒眼鏡の男の妨害工作により、二塁打止まり。この後、微笑が送った所で石毛はスクイズを仕掛けるが、これまた黒眼鏡の男による妨害工作に会い、ど真ん中を空振りし、山田はあえなく憤死する。黒眼鏡の男による妨害工作さえなければ、一発ないし、石毛のスクイズで間違いなく同点となっていた為山田を敬遠せずに勝負してしまった賀間としては、正に、黒眼鏡の男に救われた結果となる。山田を敬遠していた場合、微笑が送って、一死二塁となった所で石毛,仲根では何の策も打てない儘、無得点に終わるのは想像に難くない。5回には明訓ベンチに飛び込む執念のダイビングキャッチで山田を抑えた賀間だが、ここで歩かせていても、後続を考えると影響はない。7回には、またも二塁打を浴びるが、微笑の賀間のグラブを弾いた打球がショートにダイレクトキャッチされる事を見逃してしまうと言う、天才児・殿馬の最初にして最後の大チョンボでゲッツーが完成し、無得点。ここで山田を敬遠していた場合、やはり、微笑,石毛と凡退し、無得点に終わる。2点差で迎えた土壇場9回には、またも懲りずに勝負して、走者一掃の同点タイムリー三塁打を浴びる事になる。ここで敬遠すると、むざむざサヨナラの走者を出してしまう事になるが、そんな事はこの際、気にする必要はない。2点差での一死満塁とあっては、微笑がスクイズと見せかけたバスターをする筈はない。後続の石毛,仲根には全く期待出来ないとあって、微笑はここで強攻策をかまして、2点を返すしかない。賀間に対して、ヒットこそ出ていないものの、それなりに打ち返している微笑だけに、その可能性は期待出来なくはないが、賀間が前進守備を敷いてくる事を考えると、ワンヒットで2人が返るのは難しい。ともあれ、この回の逆転サヨナラの可能性は限りなく薄かった筈で、恐らく、山田が記憶喪失になる事もなかっただろう。この試合での山田敬遠策は絶対的とは言いきれないが、敬遠しておく方が勝算が高かったのは言うまでもない。中二美夫は正しかった! しかし、2回に勝負していなければ、黒眼鏡の男は妨害工作を仕掛ける必要もなく、土井垣にいらぬ嫌疑を抱かれる事もなかったし、アニメで明智先生にとっ捕まる事もなかっただろう。まさか、山田と勝負したのは黒眼鏡の男の悪事を暴く為の賀間の作戦だったのか!?

1年秋 対クリーンハイスクール

クリーン 2002000000001  5
明  訓 0000000040002× 6

【山田の打撃内容】
9回裏:二死一、二塁→ライトオーバー二塁打
11回裏:二死一、二塁→三振
13回裏:二死二、三塁→ライト線ヒット


甲府学院戦での本塁突入で頭部が相手捕手のレガースに直撃して、記憶喪失に陥った山田は8回までベンチにすらいなかったが、土壇場9回、突然、球場に現れると、あと2球で試合終了と言う場面で突然、降り出した豪雨による中断の隙にユニフォームに着替えて石毛の代打で登場。記憶が戻らぬ儘、ライトスタンドへ起死回生の同点3ランを叩き込む。誰もが疑問視する点は何故、影丸がここで背負い投法を使わなかったのかと言う事だが、勿論、作者の都合であり、ここはそれを検証する場ではないので割愛。ここで敬遠していれば、いかに満塁になるとは言え、3点差で二死と言う絶体絶命の状況で待ちかまえる打順が仲根,今川,北では、どう転んでも、同点に追い付く活路は見出せない。背負い投法を使うかどうかなど問題ではなく、敬遠していれば良かったのだ。11回には、記憶の戻った山田に対し、影丸は今度はきっちり背負い投法を使って三振に斬ってとっている。仮に、ここで敬遠しても、次は仲根。満塁とあって、ヒット以外のパターンでもサヨナラとなる可能性はなきにしもあらずだが、やはり、確率的には苦しい所だろう。そして、クリーンがフォアマンの一発でついに均衡を破って迎えた13回、二死二、三塁と一塁が空いている事もあって、徳川監督は当然ながら、敬遠策を指示。初球が背負い投法を使ってのボール球だった事で、徳川監督はプライドが許さない影丸が一見、勝負に見せているだけとタカをくくっていたが、打倒・明訓より打倒・山田の想いが強い影丸はしっかり勝負していた。しかし、例によって、これが裏目。見事に捉えられた打球は一塁線を破り、三塁走者・殿馬が還って、まず同点。必死のダイブで抑えたライト・フォアマンがバックホームしたが、楽々アウトのタイミングで突っ込んできた二塁走者・岩鬼に対し、私情丸出しの影丸がキャッチャーを制して、ブロックに入った挙げ句に背面投げをかますと言う暴挙に打って出て落球。痛恨のサヨナラ負けとなる。2度にも渡り、チームを私物化した影丸の一人相撲で敗れるべくして敗れたクリーンだが、ここで山田を敬遠していれば、またも満塁で仲根と言う展開で、逆転どころか同点すら難しい状況。この試合、山田を敬遠しまくっていれば、十中八九、クリーンが勝利していたと言っていいだろう。中二美夫は正しかった!

1年秋 対赤城山

明 訓 0000000002  2
赤城山 1000000000  1

【山田の打撃内容】
2回表:無死走者なし→三振
4回表:一死一、二塁→サードゴロゲッツー
7回表:二死走者なし→ライトゴロ
9回表:二死満塁→ショート内野安打


変則投手に弱い山田がそのウィークポイントをモロに露呈。この試合、関節を自在に外して投げるスイッチ投法の木下により、完全に翻弄され、もう一つの弱点である鈍足も影響し、苦しめられる。わざわざ木下をワンポイントで使っておきながら、敬遠するなど、まるで国定が他投手に代わって貰ってまで敬遠をしたくないワガママ野郎の様に見えてしまうが、これはこういう検証企画なので仕方ない。まず、2回、いきなり木下が先頭の山田を敬遠。しかし、国定は明訓打線を3回までノーヒットに封じ込んでおり、ここで山田を出しても影響はない。4回には、山田は鈍足を露呈し、信じられないゲッツーを食らう事になるが、ここで敬遠すると、一死満塁。ここで微笑なら、何とかしてくれそうな気もするが、クリーン戦以来、「山田不在の明訓がいかに弱いか」を証明する為だけに格を下げられており、ここも国定の前に後続を断たれる見込みが高い。7回には二死走者なしでライトゴロと言う屈辱的な鈍足ぶりを露呈する山田だが、ここで歩かせても、二死とあっては全く影響なし。そして、土壇場9回。山田殺しに絶対的な自信を持つ木下を信頼する赤城山は二死一、二塁であえて山岡を敬遠すると言う他のどのチームも見せなかった作戦を展開。業を煮やした岩鬼の無謀な本盗により開き直った山田は咄嗟のセーフティスクイズを仕掛けて、二塁走者・殿馬の好走塁で一気に逆転に成功。敬遠すれば、当然、押し出しで同点になってしまう場面だが、そもそも山田を敬遠するつもりならば、山岡を敬遠する必要はまるでない。しかし、この山岡は国定から第2打席にレフト前ヒットを放っており、安全パイとは言いきれない。ここで山岡勝負で凡退していれば、ゲームセット。タイムリーを打って同点となった場合、山田を敬遠して満塁となった後、微笑勝負なら国定に分があるが、延長突入は必至で、その先の展開は読みづらい。確かにあの場面、国定で山岡勝負よりも、木下で山田勝負の方が分がいいと見ていいだろう。この試合、山田を敬遠しまくった所でどう転ぶかは分からないが、敬遠していたら赤城山が負けていた…と言いきれる要素もなく、はっきりした結論を導き出す事は出来ない様だ。

1年春 対桜島大商

桜島大商 0000000000  0
明  訓 000000003×  3

【山田の打撃内容】
8回裏:二死一塁→ホームラン


伏兵・桜島大商のエース・壁村は粘りのピッチングで明訓打線を7回まで無失点に抑える大健闘。ここまで山田に対して、どういう内容だったのかは全く不明で検証対象外。0−0で迎えた8回、里中の生涯初となるホームランで均衡を破った明訓は、その後、二死一塁とした所で山田がダメ押し2ランを放つが、この2点がなくても、明訓の逃げ切り勝ちは必至であり、山田を敬遠していたらどうだったかを検証する必要はなさそうだ。

1年春 対鳥取大砂丘学院

大砂丘 201010100  5
明 訓 20010040×  7

【山田の打撃内容】
7回裏:二死満塁→ホームラン


これまた伏兵・鳥取大砂丘学院が明訓相手に大善戦。足で掻き回し、僅か1安打で5点をゲット。6回までに3点を奪っている明訓だが、内容は全く分からず、検証対象外。初回の2点など、山田が絡んでいそうだが、推測の要素が強過ぎるので割愛する。5−3で迎えた7回、二死満塁の場面で打席に入った山田は逆転満塁アーチを放ち、これが決勝点となる。ホームランと言わずとも、ヒットでも同点の可能性が高いこの場面、この時点で打率.760(当サイト調べでは.531)の山田に対して、西条ごとき二線級投手が勝負を挑むのは無謀この上ない。押し出し覚悟で敬遠し、1点差で微笑勝負の方がまだ望みがあると言うものだ。二線級投手には滅法強い微笑だけに打たれる可能性もそれなりにあり、まだ2イニング残されている事を考えると絶対的とは言えないが、山田を敬遠しておく方が勝算があったのは言うまでもない。中二美夫は正しかった!

1年春 対江川学院

江川学院 1000000000000  1
明  訓 0000000010001× 2

【山田の打撃内容】
1回裏:二死一塁→敬遠
4回裏:一死走者なし→敬遠
7回裏:無死走者なし→敬遠
8回裏:二死満塁→敬遠
10回裏:二死一、二塁→敬遠


さて、問題の当事試合だ。この試合、中は全打席敬遠をかました末に結局、敗れている。それでいて敬遠策は正解だったと言えるのか!? この時点で水島氏が本当に敬遠の理由を考えていたのかは定かではないが、後に中は左肩に痛みが走っていた為に勝負したら打たれると睨んで敬遠したと打ち明けている。中の読み通り、山田には打たれるとして、その結果が最低限のシングルヒットに繋がると仮定したらどうなるか? 1,4,7回の場面では変化ないが、8回には2点タイムリーとなっていた可能性が高く、延長に突入するまでもなく、江川学院は敗れる事になる。悉く山田と勝負していた場合、無死満塁から土井垣が殿馬,山岡に故意の三振指令など出さず、ゲッツー絡みで山田に回らない可能性もなきにしもあらずだが、説得力は薄いだろう。そう考えれば、山田を敬遠しまくったのは正解と言えない事もない。しかし、この試合の直接的な敗因は、12回に殿馬の猛抗議に気をとられて、岩鬼の生還を許した事で、山田は一切絡んでいないものの、その前に8回に山田と勝負せずに押し出しで同点としてしまった事が挙げられるのは間違いない。左肩を故障していながら、横浜学院・土門に匹敵する速球(山岡評)と、いわき東・緒方に匹敵するフォーク(山田評)を持ち合わせていた中。山田の高打率も一線級相手では大きく落ちるし、捉えられたとしても野手の正面に飛ぶ事とてありうる。やはり、あの打席は勝負すべきだったのだ。ここまでの検証で山田敬遠策が否定される事はなかったが、皮肉な事にこの試合でそれを否定される事になろうとは…。余談だが、ここでも微笑は「山田が勝負をして貰えないと明訓がいかに弱いか」を証明する為だけに、悉く凡退させられており、大きく格を下げられると言う憂き目に会わされた

1年春 対信濃川

明 訓 200000100  3
信濃川 200000000  2

【山田の打撃内容】
1回表:二死一塁→ホームラン
7回表:一死走者なし→右中間三塁打


初回、二死一塁で山田を迎えると、クリーンハイスクール在籍時は影丸に敬遠策をシカトされて痛い目に会った徳川監督はエース・古町に対して、早速、敬遠を指示。前の試合で中から5打席連続敬遠されているとあって、明訓応援団は激昂し、いきり立った土井垣は「何でもいいから振れ〜!」などと叫んで、山田にはシカトされ、里中には「山田はそんな女々しい男じゃない」などと軽蔑される始末。実は一見、敬遠と見せかける事で勝負を有利に持っていこうとする徳川監督の作戦だったのだが、一球一球打席を外して素振りを繰り返していた山田は見事にカウント0−3からの勝負球を見事に捉えて、先制2ランを放つ。しかし、その儘、敬遠していれば、江川学院戦ですっかり自信喪失の微笑が倒れて、無得点の可能性は高かった。同点で迎えた7回には、またも無謀に勝負を挑んで、三塁打を浴び、微笑のスクイズで再び明訓にリードを許している。ここで敬遠すれば、一死一塁とあって、大した影響はない。この試合、山田を敬遠しまくっていれば、信濃川が2−0で勝っていた目算が高いと言えるだろう。やはり、中二美夫は正しかった!

1年春 対土佐丸

土佐丸 300010000001  4
明 訓 300000001002× 5

【山田の打撃内容】
1回裏:一死一、二塁→ホームラン
3回裏:二死一塁→三振
5回裏:二死満塁→ピッチャーライナー
8回裏:無死走者なし→死球
10回裏:一死走者なし→三振


里中の変化球を捉える為、ここまで装着し続けてきた眼帯をついに外した土佐丸は驚異的な選球眼(ただし初回だけ)でいきなり3点を奪う先制パンチ。しかし、その裏、相手投手の握りを完璧に見極める事が出来ると言う特殊能力にこの試合限定で目覚めた山田はあっさり同点3ランを放つ。最早、正攻法では無敵と言っても過言ではない領域に達した山田との勝負は無謀だったと言える。ここで敬遠していた場合、江川学院戦以降、自信喪失の微笑と吉良戦以外ノーヒットの石毛が相手では歯が立たず、ここは無得点となる。3回、山田の特殊能力が犬神に見破られた事により、犬飼小次郎監督は犬飼武蔵から犬神にスイッチ。犬神は里中に匹敵する変化球(山田評)を持っているにも拘わらず、アンダーシャツの長さで握りを隠し、アンダーシャツの伸縮を利用して、腕が伸びた様に錯覚して見えるカラクリ投法と言う変則技で対抗し、山田を三振に斬ってとる。が、ここで犬神を起用するのはまだ早かった。山田を敬遠し、二死一、二塁で微笑勝負でも何ら問題はなかったのだ。5回の二死満塁の場面ではカラクリ投法を見破られた犬神が今度は背面投法を駆使して、ピッチャーライナーに抑えている。敬遠すると、押し出しで1点を与える事になるが、第1打席で敬遠していれば、ここで1点を献上しても、まだ3点差だ。8回には殿馬曰く山田を抑えるネタがきれた犬神は死神ボールで山田の右手首を直撃させる死球。敬遠していても、微笑の送りバントで二塁封殺と言う恒例のパターンが待ち受ける訳だが、その場合、山田が故障する事はない。この死球が故意であった事を考えると、土佐丸的には敬遠より死球で正解だったのだが、ここまで敬遠を続けてきていれば、3点リードしている訳で、先頭で山田を出したからと何ら痛手にはならない。9回に、岩鬼がおつるの前で劇的な同点二塁打を放つも、これすら同点打にはなりえず、三塁へ暴走してのタッチアウトはただの大ボーンヘッドになっていた。この試合、山田を敬遠しまくっていれば、犬神を使うまでもなく、土佐丸が勝っていた事だろう。やはり、中二美夫は正しかった! 結局、この大会、明訓は夏春連覇の偉業を達成するが、不知火が山田を敬遠してさえいれば、県予選1回戦で敗退だったのだ。逆に、夏春連覇を果たしていたのは白新だったのかもしれないと言う夏の大会同様のオチが待っている。