所沢には、ここかしこに、美しい林と、広々とした畑が残っています。春には新緑の薄緑と、屋敷林を彩る花が次から次へと咲き誇り、その素朴な美しさは、何ものにも代え難く、心を和ませます。
この地の農業は、300年前の開拓に始まります。荒れ地に林を植え育て、その落ち葉を堆肥にする有機農業を代々受け継ぎ、誇りを持って林と畑を頑なに守り続けて来た農家が残っています。それは、首都圏の都市乱開発の中、唯一、この地に希有に残った300年前から続いてきた貴重な文化とくらしです。
その農業が今、危機に瀕しています。都市の農業が大切にされなくなってきた時代の流れと共に、人手が少なくなり、そして昨年の野菜騒動がありました。
この地の農業を次の世代にも渡したい、と願う農家に、相続税の負担が重くのしかかります。
林は、農家の私有地であり、相続が発生すると、地価の上昇に伴い、莫大な相続税の負担が強いられます。それを払うために切り売りされた林が、資材置き場になり、野焼きが始まり、そして、産業廃棄物処理業者が侵入してきた、という経緯があります。都市域に残る林と畑は、貴重な財産であることは、云うまでもありません。ところがそれを守る手だては全くとられていません。今手だてをとらなければあっと言う間になくなってしまうというのに。
私たちは、所沢の農業を、守りたい。どうか、所沢の農業を応援して下さい。