三芳町産廃業者クマクラ脇の土壌汚染2.重金属汚染実態(2000.11.8new)

焼却による汚染は、ダイオキシン類だけではない・・・

三芳町クマクラ脇の土壌でダイオキシン類5100pgTEQの汚染が明らかになったことを10月2日に、報告しましたが、続いて、同地点で、極めて高濃度の重金属汚染も明らかになりました。これは、東京農工大学環境毒性学研究室久野勝治教授に依頼して測定したもので、鉛が2588ppm、カドミウムが161ppmと極めて高濃度に検出されました。鉛、カドミウムは人体毒性が指摘されている物質です。焼却による高濃度重金属汚染実態の一端が明らかになりました。国の土壌汚染対策指針で示される、含有量対策値は鉛が600ppm、カドミウムが6ppmです。これを遙かに超える値が示されたことは、大きな問題であり、早急の調査対策が必要です。10月30日、埼玉県にたいし、クマクラの施設操業停止と、調査対策を求める要望書を提出しました。

 プラスチック類には、安定剤として、鉛、カドミウムなどが使用されている例が多々あります。また、顔料にも重金属類が含まれます。これらが焼却されると、高濃度に重金属が濃縮した灰、飛灰が発生します。当然、煙にも重金属類が含まれます。しかし、日本では、焼却の煙について、重金属の規制は全くかけられていません。また、灰・飛灰については、溶出試験による基準値が設けられていますが、埼玉県で、これまで、産廃焼却灰についての重金属類溶出試験を行った例は聞いたことがありません。(市町村の一般廃棄物焼却灰、飛灰については、調査を毎年行っており、基準値を大幅に超える例(狭山市、三芳町)がありました。)溶出試験についても、重金属類が溶出しにくい条件で行われている、などの問題点も指摘されています。

埼玉県では、ダイオキシン類と合わせて、重金属類汚染もクマクラ施設内外について調査するとしていますが、結果は1月末になるだろう、としています。

クマクラは今も施設の操業を続けています。