ゴミ山被害対策市民の会
2002年4月3日、所沢市南永井の産業廃棄物処理業者(株)新明が保管場に高さ約15mに積み上げた「ごみ山」から出火、大規模な火災を起こしました。敷地いっぱいに積まれた大量のごみ山が燃え上がり、消火活動は困難を極め、有害物質を含んだ大量の煙、灰が周辺に飛散し続け、19日間にわたりくすぶり続け、周辺に甚大な環境被害を及ぼしました。この火災の延焼により、隣接工場有限会社 三王精密ネジ製作所(本間峯雄社長)が全焼。工場内の製造機械数十台が焼け、使い物にならなくなるという、多大な被害を受けました。(株)新明は火災保険に入っていなかったため、工場再建に要する費用回収の目途は全く建っておらず、火事跡場を片づけることもままならない状況です
2002年11月25日、有限会社 三王精密ネジ製作所が、火災を引き起こした叶V明を始めとする原因者に対し、被害の補償を求める損害賠償請求の裁判を提訴しました。
現在、書面のやりとりをほぼ終了し、6月から、証拠調べが始まります。これまでの経過を報告します。
ゴミ山火災の様子
ゴミ山火災損害賠償請求裁判について
訴訟経過
2002年11月25日
訴状提出
2003年 1月31日 第1回公判 排出企業らが出廷。原告被害陳述
4月18日 進行協議 準1(排出企業の責任〜ずさんなマニフェスト)、
準2(埼玉県の責任〜廃棄物処理法上権限の不作為)提出
6月 3日 準3(排出者の加害行為の特定〜処分業者を定めずゴミを排出し続けたこと)
7月 8日 準4(被告主張への認否、反論)準5(工作物責任)準6(マニフェスト制度解説)
8月 8日 準7(出火原因について〜自然発火である)準8(埼玉県の責任)
9月12日 準9,10(排出企業の違法行為の特定 一覧表提出
10月21日 準11(排出者の違法行為の性質)
11月21日 準12(被告新明金代表の責任)準13(排出企業らへの反論)
2004年1月20日 準13(排出企業らへの反論)
2月20日 被害立証の証拠提出
4月16日 準14(排出者責任を認めた判例)、
蓄熱火災とする専門家意見書提出
証人申請
今後の予定 (さいたま地裁にて)
5月21日(金)11時〜
6月11日(金)1時半〜(証人尋問)
7月16日(金)1時半〜(証人尋問)
排出者の不法行為、火災原因、県の責任、等が主な争点となっています。
ゴミ山を積み上げたことが火災の原因、被害の原因だ、とするこちらの主張に対し、排出者らは火災の原因は放火と考えられ、自分たちに責任はない、としています。
ゴミ山を積み上げることは、火災を引き起こす危険な行為であることを立証するために、災害事例、廃棄物火災などに詳しい専門家の若倉氏、駒宮氏に依頼し、本件火災は蓄熱火災である、とする、意見書を作成し、提出しました。
今後、証拠調べとなり、6月には証人尋問が始まります。