#2
ヴィランディス・アッシュ編
園場
「ど〜もぉ、『呼ばれなくても、やってくる。みんなが知りたいこと、聞いてくる。』をモットーにレポートしてくる。
私、園場 香妓梨(そのば かぎり)のダイナマイト・レポートの時間がやってきました。
今回も、広域指名手配中の宇宙海賊Gのメンバーである、『シャドウハンター』ことヴィランディス=アッシュさんの独占インタビューで〜す。」
(シュッ)扉の開く音
「初めましてって……。(きょろきょろ)あれ?ヴィランディスさ〜ん、ヴィランディス=アッシュさ〜ん。どこですかぁ〜。いないのかなぁ。そんなはずは、ないはずなんだけど。ぶつぶつ……。」
ヴィランディス
「私は、ここにいます。」
園場
「えっ、ど、どこですか?」
ヴィランディス
「ここです。」(すっと、園場の影の中から出てくる)
園場
「きゃっ!(びっくりしたな、もう……。)ま、まず最初に自己紹介をお願いします。」
ヴィランディス
「私の名前は、ヴィランディス=アッシュ。世間では『シャドウハンター』と呼ばれています。」
園場
「本日は、よろしくお願いします。
早速ですが、宇宙海賊になる前は、暗殺者をされていたと聞いたのですが。」
ヴィランディス
「そうです。」
園場
「(……ちょっと、もう少し何か言いなさいよ!間が持たないじゃないの。)
宇宙海賊になられる前は暗殺者をなされていたという話を聞いたのですが、なぜ、暗殺者という特殊な職を選ばれたのですか。」
ヴィランディス
「私は、選んだつもりはありません。ただ、狩りの能力を高く買ってくれる人が現れ、その人に仕事を頼まれ、暗殺を行ったのが始まりです。」
園場
「そ、そうですか。狩りをなされていたとの事ですが。何を捕られていたのですか。」
ヴィランディス
「定常種(カノンス)達です。」
園場
「(ひぇ〜〜、ちょっ、ちょっとまってよ。そんな話聞いてないわよ。)……。」
ヴィランディス
「心配しなくても、大丈夫です。まだ、お腹は空いてませんので……。」
園場
「(そ、それってお腹が空いたら食べるってことじゃない。でも、私はレポーター、ここで怖じ気づいちゃ駄目よ!頑張りなさい!みんなが待っているわ!!)
そ、そうですか。それでは、出身とか経歴など簡単に。」
ヴィランディス
「出身は、わかりません。私が気が付いたときは一人でした。
両親の記憶も、生まれた場所の記憶もありません。経歴は、あなた方が調べているとおりです。」
園場
「……。と、言われますと。暗殺者から傭兵へ、そして宇宙海賊ですか。でも、なぜ暗殺者から傭兵に転職されたのですか。」
ヴィランディス
「ある人物から『マスター』の暗殺の依頼を受けたのですが失敗しました。それがきっかけです。」
園場
「えっ、『マスター』を暗殺しようとしていたのですか。
でも、エイジアさんの話では、今ここにいる人たちは、昔同じ部隊にいた傭兵仲間と言うことを聞いたのですが。」
ヴィランディス
「そのとおりです。先程言ったとおり、
『マスター』の暗殺に失敗し傭兵になり、傭兵として流れているときに、噂で『マスター』の率いる傭兵部隊があることを聞き、一緒になったのです。」
園場
「どうして、エイジアさんが率いる部隊に入られたのですか。」
ヴィランディス
「失敗した理由を知るために。」
園場
「失敗した理由?ですか。」
ヴィランディス
「そうです。なぜか『マスター』を暗殺することが出来る所までいったのですが、彼を暗殺することが出来なかったのです。
その理由を知るために『マスター』の率いる部隊に行き、そして、ここにいる理由も同じです。」
園場
「それでは、話を変えまして、現在のメンバー、一人一人に対して、ヴィランディスさんが、どう思っているのか教えて下さい。
まずは、エイジアさんは?」
ヴィランディス
「理解できない人です。」
園場
「(そ、それだけですか。もう少しちゃんと答えてよね、ちゃんと。)で、では、次にルリカさんは?」
ヴィランディス
「腕のいい、操舵士です。」
園場
「……。次にアッサムさんは?」
ヴィランディス
「腕のいい、整備士です。」
園場
「(全くもう、何なのよこの人は)次に、デミさんは?」
ヴィランディス
「腕のいい、砲術士です。」
「(……、いじめ?)最後に、エフィさんは?」
ヴィランディス
「腕のいい、闘士です。」
園場
「(結局それかい。全くこの人は。)……」
(くぅ〜〜……。)
園場
「(も、もしかして、い、今の……。)……。」
ヴィランディス
「……。」
園場・スタッフ一同
「……。」
ヴィランディス
「どうした……。」
園場
(ヴィランディスが言い終わる前に)
「(きゃぁ〜、食べられちゃう!早く終わらせなくちゃ!!)あ、ありがとうございました。では、失礼します。」
(シュッ、ドタバタドタバタ)立ち去る足音。
ヴィランディス
「……、理解出来ない。」