腹巻猫 & アキバさん
名古屋SF大会 カプリコン1
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今回のSF大会行きは、「渡辺宙明が来るかもしれない」というウワサから、アキバさんが参加表明。 腹巻猫が「じゃ行ってみるか」とぼそっと言ったのがきっかけである。

第37回日本SF大会 カプリコン1
宇宙歴30年(1998年)8月29日〜8月30日(土、日)
名古屋国際会議場にて開催

腹巻猫は、1976年の第15回(TOKON6)以来、実に22年ぶり2回め、アキバさんは、はじめてのSF大会であった。


8月29日(土)

9時20分の新幹線で東京駅を出て、名古屋に向かう。が、静岡通過中に、電車が停止。
アナウンス「ただいま地震があり、停電していますので、しばらく停車します」
いきなり不吉。さいわい20分ほどして動き出し、定刻に名古屋に着いた。

アキバさんと会場で落ち合うことにしてあるので、まっすぐ名古屋国際会議場へ向かう。が、約束の時間になってもアキバさんが現われない。携帯に電話すると「留守番電話につなぎます」の声が…。
オープニング開演時間になったので、見捨ててホールへ。
このオープニングで、実はこの会場が火星であることが判明。第1回宇宙SF大会だったのだ(なんのことかわからんだろうが、そういうことなのよ)。
オープニング終了後、再度アキバさんに電話すると、寝過ごして、タクシーで会場に向かってる最中、すぐそこまで来たところ、だそうな。
なんか、第3回座談会のときにも同じようなことがあったような…。デ・ジャ・ブ?

12時10分、アキバさんと合流できて、昼からの企画「オタク・アミーゴス体験版」へ。
ご存知、唐沢俊一、岡田斗司夫、眠田直の3人がバカ話をするというイベント。が、岡田斗司夫が「SF大会のために仕事をまとめてやりすぎて」ダウンし、2人で開催。
前半はマッドテープを流すだけ。マッドテープとは…、正しい定義はようわからん。ここでは、「ガオガイガー」の絵にポケモンの主題歌を流してオープニングのパロディをやった、みたいなテープを流していたが、しろうとが作った変なテープ、程度の意味じゃないか?
このニセオープニング集のあとに、「東宝特撮映画の手帖」というのを流したが、これがめちゃめちゃ濃い。古今の東宝特撮映画から、自衛隊兵器や役者のシーンを抜き出してテロップ入れてるんだが、その集め方がハンパじゃない。画面の片隅にちょっとだけ映っているモノ/ヒトをちゃんと調べ上げてるんだから。
後半もビデオ。某関西の大学出身者が作った「聖ジェルマン」という実写ヒーローもののシリーズ。とにかく役者も特撮も撮影もすべてヘタなんだが、すごいのは、そのヘタさにめげず、毎年作りつづけていること。その進歩のなさに笑ってしまうしかないという怪作。
しかし、1995年のアノ町を、悪に破壊された町という設定でロケをしていたのには、あまりの不謹慎さに笑ってしまうしかなかった。あの映像、特撮関係者は、絶対撮りたかったろうになあ…(笑)。
その後も怪しいビデオが続くが、ちょっと自主規制により省略。結局、延々とビデオを流すイベントだったのね。

このあと昼食。
会場のレストランがバカ高いので外へ食べに行くが、開いている店がろくにない。昼食をとるだけで1時間以上もかかってしまった。
しかも、トンカツ定食頼んだら、みそカツじゃなくて、ただのトンカツだった。「名古屋はデフォルトでみそカツ」はうそやったんか。

会場に戻って、「ウルトラセブン生誕30周年記念企画」とやらをのぞく。
予告には、「セブン」のベストエピソード投票の発表をして、フィルムも流す、ということになっておったのに、満田かずほ監督と池田憲章がぼそぼそと対談してるだけのイベントだった。なんやこれ?
まあ、それなりの話は聞けたけど。
終わったのが17時。一旦、栄町のホテルへチェックイン。
SF大会常連の兄の一行が来ているので、近くで落ち合って飲みに行く。アキバさんが最年少、わしが下から2番め、とめちゃめちゃ平均年齢高し。しかし、それはSF大会全体に言えること。濃い話をしてしもうた。


8月30日(日)

2日め。
アキバさんが爆睡していて、9時40分慌てて出発。朝食ヌキ。
本日の目玉は10時からの第1回アニメ・特撮ソング王決定戦。アキバさんがエントリーしているのだ。
これはカラオケ大会ではなく、どれだけアニメ・特撮ソングを知っているか? を競うイベント。腹巻猫はエントリーしてないよ。
参加者は事前エントリー10名+当日エントリー2名。
まず、6人ずつのグループに分けて予選。
予選はイントロあて。60年代から90年代までから均等に選曲しているのだが、60,70年代曲しか答えられる人がいなく、80,90年代曲はシーンとしてしまう。笑ったしまった。が、実はわしも全然わからんかった。わかったのは「ウメ星でんか」とか「珍豪ムチャ兵衛」「スカイヤーズ5」とか。トホホ〜。
アキバさん、予選突破。
予選で6人が落ちて、6人で2回戦へ。
2回戦は、知識クイズ。アニソンの知識を問うクイズだ。
たとえば、「あしたのジョー」の作詞は誰?(寺山修司)とか、「銀河烈風バクシンガー」のオープニングナレーションを暗唱せよ、など。
ここで1人落ちて5人に。
3回戦は、歌詞クイズ。歌詞に含まれる単語を順不同で抜き出して、そこからタイトルを当てる。
「チャーム」「魔法」とくれば「魔法使いサリー」という具合。
ここで1人落ちて4人に。
4回戦は、セリフクイズ。歌前のナレーションを流してタイトルを当てるクイズ。
アキバさんは、「グリコ グリコ グリコ」の「鉄人28号」という難問をみごと正解(あれはセリフか?)。
ここで1人落ちて、3人で決勝戦へ。
残ったのはアキバさん、日下三蔵氏、松井某氏。
決勝戦は、7つの問題ジャンルから問題を選び、15問先取したものが優勝という段取り。
ジャンルは、
人間カラオケとは、「歌がうまいと自称しているやつに、はじめて聞くアニソンを聞かせて、イントロから口オケで歌わせたテープを流し、タイトルを当てる」というもの。「歌がうまい」はまったくウソだから、すごいもんになっている。言われてはじめて、「そうだったのか」と気づくのだ。最初の「ザンボット3」で会場全員のけぞった。

アキバさんは特撮問題やOVA問題で稼ぎ、日下氏が14点でリーチがかかったところで、アキバさん11点、松井某氏8点と、いいところまで迫った。
が、日下氏が結局逃げ切って、アキバさん、惜しくも準優勝。
アキバさんの弁「力不足でした。でも、もうちょっと特撮が入っていれば」
残念、もうひと息やったねー。

なお、賞品は、LP「筒井文明」「小松左京--宇宙に逝く」「ムー(同名雑誌のアルバム)」。こんなん別に欲しくないけど…。

昼食は、会場の喫茶室でスパゲッティ。
その後、イベントホールで同人誌買ったり、歴代SF大会のオープニング/エンディング映像を観たりしたあと、「NHK子ども番組の部屋」をちょっとのぞく。もう閉会間近だったが、結構な人手だった。人気プログラムだったのか。
「ストレッチマン」の力強い明るさに笑う。

14時からエンディング。火星での第1回宇宙SF大会もいよいよ終わりだ。
ファンジン大賞、星雲賞、暗黒星雲賞の発表のあと、来年のSF大会「やねこん」の予告があった。次回は、白馬のリゾートホテルを借り切って、完全合宿制!
う〜ん、行きたい。
アキバさんと、「企画持ち込みで行くか」と話し合う。

予定より遅れて17時閉会。
結局、渡辺宙明は来ていなかった。

名古屋駅に向かい、ミウラさんと待ち合わせて、3人で飲み食いに行く。
ホームページ主催者3人の座談会を収録。その模様は、劇伴倶楽部座談会第5弾として公開中。


8月31日(月)

アキバさん、また爆睡して、チェックアウトは10時までなのに、9時45分起床。
本日は1日名古屋の中古盤店めぐりの予定。
まず、ホテルのある栄町の「バナナレコード」へ。この「バナナレコード」というのは名古屋の大手チェーン店らしく、支店が名古屋に数店、横浜や渋谷にもある。
ここで
をゲット。シンガーズ・スリー、伊集加代子の歌収録の人形アニメ映画のサントラ。ほかに売っているところも知ってたのだが、2000円以上出して買う気にならんかったのだ。
ふと棚の下を見ると、「グレンダイザー」のLD-BOXが3巻まとめて置いてあるのを発見。何気なく値札を見ると、
どひー、半額以下じゃ! 見本盤だから安いらしいのだが、見本盤だって、秋葉原じゃ絶対こんな値段ではないぞ。
うーん、見てはいけないものを見てしまった。しかし、すでに今月は旅行やらなにやらで出費がかさんでいる…。
30分ほど悩んだあげく、買わずに出る。

次いで、地下鉄で今池へ足を延ばし、「ABC COMIC SQURE」で、

を買う。'76年発売の小林亜星の自作自演アルバム。
同じ店で、
を見つけたので、試聴させてもらおうと思ったら、プレイヤーが調子が悪くてできんという。うーん、CDに収録されていない、幻の「エンディング初回スローバージョン」が入っているのか? と悩み、思い切って買う。
帰って聞いてみたら、大当たり、スロー版だった。スゲエ〜。
ほか2軒回ったが、大したものはなし。

昼食にトンカツ屋に入り、ヒレカツ定食を「みそカツで」と注文して、ようやくみそカツにありついた。しかし、100円割り増し取られた。

栄に戻り、アキバさんのために、HMVで「謎の円盤UFO」オリジナル版収録の輸入CD「CULT FICTION ROYAL」を探す。無事ゲット。
さらに、最初に行った「バナナレコード」を再訪。覚悟を決めて「グレンダイザー」LD-BOX3巻を買ってしまう。嫁さんにはナイショ。
買ったのはよいが、重いので送ってもらおうと思ったら、「それはできません」。
紙袋を二重にしてくれと頼んだら、「それはできません」。
なんじゃおのれは〜。名古屋の人間はサービスということを知らんのか!!
LD19枚も入ったBOXを紙袋に入れて、泣く泣く持ち帰るはめに。くそー、これで値段があの値じゃなかったら殺しとるところじゃ。

このあと名古屋駅の「バナナレコード」をのぞいて帰ろうと思っていたが、「レコードマップ」に載っている豊明の中古盤店にひかれるものを感じ、アキバさんの「ここまで来たら行きましょう」のひとことで、思い切って行ってみることに。

名古屋駅のコインロッカーに荷物を放り込んで、出発。
豊明とは、名古屋駅から私鉄に乗って14番めの駅。すでに名古屋ではなく、豊明市という別の市だ。急行に乗ると早かったらしいが、不案内なので、鈍行で小一時間かけて行く。
電話で聞いたところ、駅からバスに乗らないと、歩いていくのはきついらしいが、バスが1時間に1本しかなく、タクシーに乗る金も残ってないので、歩くことに。約20分で到着。
「シンセイレコード」という40平米ほどの小さい店。これでなんもなかったらアホみたいと思っていたが、店内を探索すると、妙な掘り出しものがぼこぼこ出てくる。

この2枚は、生音を収録したいわゆるドキュメンタリーレコード。
「大いなる旅路」は同名ドラマがあったがサントラではない。しかし、まるっきり無縁でもなく、ちゃんと渡辺岳夫作曲の歌が収録されている。「ゼロ戦」の方も、実は渡辺岳夫作曲の企画ソングを1曲収録。つまり、渡辺岳夫作品の激レア盤なのだ。うひー、こんなレコード、わしが買わなかったら21世紀までそのままになっていたに違いない。
さらに、渡辺岳夫の曲を冬木透が編曲した、
も発見。
以上3枚は、ちょっとスリキズがあったので、各500円ずつまけてもらって計4000円。
シングルでは、
以上は、「レコードマップ」のサービスで100円ずつまけてもらって、計4350円。
合計8350円の買い物。
あ〜、安かった〜。
意気揚々と駅まで歩いて帰り、再び小一時間かけて名古屋駅へ戻る。

すでに夕方6時をすぎていたが、とどめに近鉄デパートの上の「バナナレコード」をのぞいたら、こんなレコードが。

どりゃー、ミウラさんの地元だけあって、名古屋は渡辺岳夫レア盤の宝庫か。

これでもう満腹。サイフも空。アキバさんと夕食にきしめんを食べて、駅で別れる。
「グレンダイザー」LD-BOXを下げて、死にそうになってようやくうちに帰りついたのが、夜11時半。
疲れた。しかし、めちゃめちゃ濃い&楽しい&うれしい旅行だった。名古屋おそるべし。
しかし、名古屋の店員のサービスが悪いのだけは許せんぞー。


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