太田プロライブ 新スターWARS 〜とりあえずエピソード1〜  
1999/12/13(月) 14:30- (1部) 東京・abc会館

有吉家 1部
アップアップ 1・2部

1部 漫才【有吉家】

服装
   二人とも白い半袖Tシャツ、ブルーのGパン、
   兄・赤いスニーカー、弟・グレーのスニーカー、
   髪を七三にわけている。



声・つるの剛士:広島から上京した本格派の兄弟漫才師、
             お待ちかね、有吉家!
(舞台中央に1本のスタンドマイク、
   そでから二人走って登場、向かって左に兄、右に弟が立つ)

<拍手>
:はい、どーもありよし兄弟でーす。
:よろしくお願いしまーす。
:いやー、すごいですね。お客さん、これ、えー半分の入りでね。<笑>
:ねー、はい。
:いや、いいですよ。きれいなね。
:きれいなね。そうや。
:バリバリきれいな・・・(客を見て一瞬詰まる)まっ、きれいな会場でね。
   <笑>
:会場かいな。失礼やんか。
:えーホンマに。
:今日は全員きれいなお客さんやないか。
:こんなにおったら全員きれいなわけないやないか、お前。
:えー。
:ほれ見てみーな。(客を指さす)
:指さしーな。(指すなという意味)<笑>
:なんやこのブサイクは。ほれコイツ見てみーや、ベル、ベラ、ベロ、ベム
   やないか。動物みたいやないか。よく見てみーや。
:ちがう。ちがうわ。あの方、きれいな人やがな。あの人だって。
:なに、えっ。
:本来やったら結婚したいぐらいや。・・・(よーく顔を見る)・・・アハハハ
   ごめんなさい。<笑>
:まぁ僕ら若手っていったら、まぁブスの相手でも、まぁ美人の相手でも
   してね、がんばっていかなあかんのですけども、僕ら、まーなんと広島の
   人間でして。
:そうなんです。
:広島っていうとね、これ、ええ街でしてね。みなさん東京に住んでますから
   ね、なかなかわからないと思うんですけれども、広島っていうところは
   中国地方の真ん中へんにあってね、名物もいっぱいあってね、これ、
   広島名物って・・・ ・・・(弟に)しゃべろや!お前!<笑>
:ボーっとしてましたがな。ボーっと。
:しゃべろよ。
:ちゃんと、ちゃんとするから゛お兄ちゃん゛。<笑>
:お兄ちゃん言うな!恥ずかしいな、おい。
:お兄ちゃんやがな。
:舞台の上で、お兄ちゃんってどういうこっちゃ、お前。
:ええやないか。
:オレの方が年上やないか。<笑>
:それ、お兄ちゃん言うんやないか?
:゛お兄ちゃん先輩゛とかな、゛お兄ちゃん諸君゛とかな。<笑>
:何人おるんや、お兄ちゃん。
(優しい声で)も〜ええツッコミ、かわいい弟よ。(弟の顔をなで回し
   チューチューkissをしようとする)
<笑>
:ヘヘヘ・・・いつもやってませんよ。こんなの。<笑>やめなさい。
   恥ずかしいわ。こんなの。
:広島っていったらな、けっこうええ街なんですけども、さっきも言うたけど
   料理もおいしいですわね。ね、それでねけっこうね、有名人、これ有名人
   いっぱいいます。
:あー有名人いっぱいいる。
:有名人言うてあげてっ。
:吉田拓郎!
:吉田拓郎、かっこいいでっしゃろ、これが。♪カップスター〜♪
   ♪ラブラブあいしてる〜♪
:そうそう、ラブラブあいしてる。
(ギターを弾くまねをして)ふるえてます。
:ベンベベンベテケテケテケテケ<笑>
:もっといるやん。言うてあげて。言うてあげてっ。ホンマ。
:ミュージシャン、矢沢永吉!
:矢沢、かっこいい、永ちゃん。♪君はファンキーモンキーベイビー♪
   ♪ラブラブあいしてる〜♪<笑>
:一緒やんか。<笑>吉田拓郎と一緒やんか。
:ほかにもいっぱいいるやんか、ホンマ。
:若い人で言いますと。
:はいはい。
:奥田民生!
:奥田民生。お〜く〜だ〜た〜み〜お〜!♪ラ〜ブラ〜ブ♪やん。
   <笑>
:一緒やねん。
:もっといるやん。言うてあげて。言うてあげて。どんどん広島アピール
   せな〜、ほれ。
:ほかにも?おったっけ?
:あの、ほれ、歌!歌やって、おもしろい・・・おもしろい・・・。
:あっ、わかった!
:はいっ!
:風見しんご!<笑>
:なんでー!これ(ブレイクダンス)歌なんかやらすな。ホンマにもう・・・。
   <笑>
:知らんがな。風見しんごちがうの?
:ちゃう。ちゃう。もっと、少年の瞳をもった!少年の・・・ほれっ。
:かわいらしい!
:そう!映画にも出た!
:相原 勇!
:ちがうがな!映画出たかいな。も〜ピーターパンや、それ。ちゃうがな。
:ちがうの?
:あの有名な二人組、猿岩石!
:猿岩石っていったら、もう終わってるやろ。<笑>
(顔に力を入れて首を振る)ダダダダダー、ガガガガガー、
   (終わってない!と言っているらしい)<笑>
:怖い怖い、そう怒りなーや。もうええから、広島のええところ。
:広島のええところねー。
:そうそうそう。
:広島ええところと言えば観光地。
:あっこれ観光地。
:修学旅行の人とかいっぱい来ますわ、これ。
:ホンマやね。
:広島と言えば観光地。いっぱい見るところがあるから。
   言ってあげて、弟くん。
:安芸の宮島!
:安芸の宮島、・・・原爆ドームね。
:原爆ドームね、これ。あと映画でも有名、尾道!
:尾道。・・・原爆資料館んー。
:うん。あと、広島市!
:んそー。原爆跡地ねー。
:原爆ばっかりやんか!<笑>原爆の話ばっかりやんか!
   もっとええところ、言わなあかんやろ。
:この前ニュースでやってました。広島のホットなニュースを。
:うん、そーかい。うん。
:暴走族対警察。<笑>
:ニュースでまぁ言わなしょうがないわな。ゴメンナサイ。
:暴走族と警官がだね、街の真ん中でケンカしよるんやで。
:すんません。
:それでその暴走族の数がなんと千人!
:千人。
:今どき暴走族が千人いる?<笑>ね、それに対する警察官が
   なんと、5人!<笑>
:そんなわけない。<笑>暴走族千人に警官5人て。
(ハンドマイクで言うジェスチャー)「やめなさい!こら、やめなさい!」
:それ遠くから言うとるだけやろ。逃げとんのや。
:これはちょっとね、暴走族が千人もおる街って、気になってね、
   ちょっとね、僕は本を見てみたの。
:ほー。
:資料によるとね、なんと広島県民の60パーセントがヤクザか暴走族
   に所属しているんだってさ。
:ホンマかいな。
:ホンマ。半分以上!
:半分以上?ホンマやな。
:で、一般市民が20パー(%)
:20パしかいてへんの?
:残り20パ(羽)がハトやて。<笑>
:ハト・・・お前、ハトて・・・
:ハトと市民がええ勝負やて。<笑>
:おかしいがな、そんな。そんなわけないやろ。
:ホンマに怖い街ですよー。
:怖い街って、待ちーなお兄ちゃん。ちょっと待って。あのね、広島の
   ええとこをここで宣伝したいんや。
:そうや。
:そうやろ?それなのになんで?広島悪いみたいにしか言うてへんがな。
   なんか広島きらいみたいやで、聞いてたら。
:バレた?
:バレたってどういうことやねん。
:バレた?
:なんやねん。
:実はな、僕なー、東京に住んで5年になるシティーボーイやしな。<笑>
   もう5年にもなるとな、広島を忘れて、もう広島よりもな、東京の方がええん
   ちゃうかなって思うんや。東京はオシャレな街やからな。
:そんなこと言わんといてーや。広島の人間なんやから、ね。それに
   さっきも言うたけど、なんか事件がどうのこうの言うてましたやなー。そんな
   の言うたら東京の方が事件多いがな。
:そうか?
:この前もね、ありました、ありましたね、事件、有名なあれ『春奈ちゃん殺害
   事件』
:あぁ、あれな。
:おっそろしー。
:あれ聞いたとき、東京がもう好きやから「春奈ちゃん、あ〜ええ名前やな〜」
   <笑>
:おかしいて。
:「むすめ生まれたら春奈ちゃんにしよう」
:やめときや、ホンマに。なんでやねんな。
それにな、そのこともあるし、暴走族のことやったら、まだあるのや。
:なになに?
:渋谷のチーマー。
:チーマー?
:これも悪いでっせ。これホンマに。
:チーマー・・・ちょっと知らへんな。
:知らへんのがな。じゃあチーマーちょっと置いとこ。
:まぁまぁ
:それなら、新宿。
:新宿?
:新宿の外国人犯罪。これも怖いですよ、ホンマに。
:外国人?
:そう外国人。
:外国人?いやちょっとわからない。<笑>
:ウソつくなよ!チーマーも外国人も。
:広島はこれだからイヤなんや。やめとけホンマに。(リイチ風に凄む)
   せやからやめろホンマに!<笑>
:お前がやめろや。怖いて。
:なんでか言うたかて東京のほうが絶対オシャレ。
:オシャレ?
:街の名前聞いたかて、いい?だって『ぎーんーざー〜』<笑>
   『しーんーじゅーく〜』(両手を振りながら持ち上げるようなアクション)<笑>
:そんな言うたら『ひーろーしーまー〜』(兄のマネをする)言うたらええやん。
(泣く)<笑>
:なんで泣くんやねん。<笑>
:悲しなってくるわ。
:なんでやねん。
:ムリヤリやっとるからや。恥ずかしさ吹き飛ばすように。
:やっとるけどな、でも。
:なんぼ言うたかて僕ら男ですから、女の子がかわいいですから
   東京は。
:あーそうかなー。
:“しゅっ”としとるもん。(唇をすぼめておすまし顔)<笑>
   (舌をペロッ、ペロッと出す)<笑>
:ペロッとっすんな。ペロッとすんな。
:ペロッとして、かわいいがな。
:まぁかわいいな。
:それにかしこいしな。
:かしこい、うん。
:東京の女の子はいろんな情報知ってるやろ。
:うん。
:インターネット(?)とかいろいろ見てかしこいやろ。
:うん、そうやな。
:それに比べて広島は人間自体がアホ。
:アホ?
:アホばっかりや。
:そんなことないやろ。だって広島の人間やて中には真面目な人も
   おるがな。なんでやねん。
(弟の頭を叩く) ゴンッ <笑>
(驚く) !
:ほらな。
:腹立つわ、ホンマに。
:♪ツッツツツツ、ツッツツツツ、シュッポシュッポシュッポッポ♪<笑>
   (鼻歌でリズムをとりながら弟の顔を15発ぐらい叩く)
:待て、待てや、こらっ、なにしとんねん、パンパンパンパン。
:アホやろ。
:アホやろて・・・
:こうやって(両手で顔を覆う)「やめて」って言うたら止まるのに、こうやって
   やっとるから(ふつうに顔で受けているから)やられるんや。そうでしょ?アホ!
   アホゆうことや。
:あぁ。
:東京の女の子はきれいやしね。かしこい。広島の女の子は全部こう、
   (火を噴く怪獣のような顔で)『う゛わ〜』『う゛わ〜』『う゛わ〜』<笑>
:怖い、怖いて。・・・さっき見たで、そういうのネタで。<笑>ホンマにもう。
:それでね、(お前)ナンパする?
:あっナンパ?するよ。
:ウソ〜。
:ナンパは、だって僕、広島でなんて呼ばれてたか知ってる?
:こじきっ!<笑>
:こじきちゃうがな。どんな格好で歩いてんのか僕。ちがうがな。
:おぉ
:“広島の織田裕二”<笑>
:ウソー! 僕なんて言われてたか知ってる?
:知らない。
:“広島のバスケットボール”<笑>
:それバカにされているんやないの?ただ丸いからそう呼ばれているだけ
   やろ。(兄の顔をボールのように持ち、上下にドリブルしながら走り回る)
   ほれっ、シュート!(両手で投げる)<笑>
(真っ赤な顔で)コラッ!<笑>お兄ちゃんバカにするなっ!<笑>
:ちがうがな。あのな、バカにされてるのを教えてあげただけやないか。
:バカにされてたんか。
:そうや。
:それでな・・・(急に恥ずかしがりうつ向き、爪を噛んでいる)
(兄を見て)なんでや?
:恥ずかしい、みんな笑ってはるもん。
:笑ろうてない、笑ろうてない、(客に)笑うなっ!<笑>
:お兄ちゃんのためにね、怒ってくれてありがと。(弟の顔をなでまわし
   チューチューkiss顔をする)
いつもの。いつもの。<笑>
:いつもやってませんよ、こんなの。やめ〜て恥ずかしいって<笑>
:東京のかしこい人ナンパしたって、なかなか成功しませんよ。広島の
   人間なんかがやってもね、東京の女の子ねー、
   『お姉ちゃん、ご飯食べましょかー?』
   『もう食べました』ってね。
   『お姉ちゃん、お酒飲みませんか?』
   『私飲めません』 ・・・ なんなら
   『今、何時?』
   『あちらの時計をごらんください』<笑>
   ねっ、全部かわして“闘牛士”(体の横で布を振る闘牛アクション)<笑>
:あ〜な〜・・・(兄の闘牛アクションを見て)華麗やな、これ。<笑>
:それに比べて広島の子はな、ぜんぜんアホや、
   『お姉ちゃん、ご飯食べに行こかー?』
   『(ダミ声で)え゛っ、ご飯?食べたい。食べたい。食べに行こ。
   みそ汁食べさせてー!』<笑>
   ご飯や言うてんのに、みそ汁まで欲っするからね。<笑>
   『お姉ちゃん、お酒飲みに行こかー?』
   『飲みたい。飲みたい。飲めないけど、なんか飲ませてー!』<笑>
   もう欲しくてなんでも飲ませてみたいな。
:そんなわけないやろ。
:こんなこと、ムリやろうと思ってなっ、
   『お姉ちゃん、』・・・思い切ってやねん、
   『お姉ちゃん、』・・思い切ってやねん、
   『お姉ぇ・・・』思い切ってやね
:早よ言いーな!
:言うけどな
   『お姉ちゃん、ホテル行きませんか?』
   『え゛っ、ホテル?行きたい!ホテルっ行きたいっわー!セックスが
   大好きで♪わっしょいわっしょいわっしょいわっしょいそーれそーれ
   それ原爆だー♪』<笑>
:なに言うとんねん。なに言うとんねん。ホンマに、なに言うねん。
:ホンマに広島ゆうのはええ街ですから、みなさん一度お越しください。
:ええかげんにせっ!どうもありがとうございました。

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