自腹
ホテルの廊下。矢部・岡村・山本の3人。寝起きでおなじみのひそひそ声。
矢部:「というのも、鈴木紗理奈に会いたい、大ファンだというお二人に、
矢部:「分かりました。ご紹介しましょう。このお二人ですどうぞ」
今日はわざわざ北海道に」
山本:(笑)
矢部:「このためだけに」
岡村:「そうですか。もう僕の位置からは見えてるんですけどね」
山本:(笑)
山本:「しーっ!」
有吉:「よろしくお願いします」
森脇:「おはようございます」
矢部、有吉の頭を2度はたく。
森脇:「すいません」
矢部:「起きたらどないすんの?」
森脇:「すいません」
矢部:「興奮してる?」
森脇:「はい」
矢部:「分かります分かります」
「鈴木紗理奈」
有吉、吹きそうになる。森脇、うつむいて笑いをこらえる。
矢部、森脇の頭に突っ込む。
森脇:「自腹で来ました」
矢部:「自腹で?」
岡村:「自腹言うてもヒッチハイクでしょ?」
森脇:(笑)
山本・矢部、岡村を指さす。
矢部:「うまいこと言うな!」
矢部:「おもろいな!」
「じゃ、行きまひょか」
岡村:「行きますか」
紗理奈の部屋へ!
10708号室の前。
矢部:「ジャーン」(カードキーを出して)
森脇:(笑)
有吉、笑って顔をそむける。矢部、ツッコむ。
有吉:(笑)「すいません」
カギ開け!
矢部:「さ、行くで!」
有吉:「はい」
キーを差し込もうとする矢部の手を岡村が引いて止める。
岡村:「ちっと待ちなさい」
「開けさしてあげなさい」
矢部:(開ける?)
有吉:「はい」
矢部:「どっちが開ける?」
森脇:「リーダーが」
矢部:「リーダー、開ける?」
「すっと引くねんな」
「普通取り合いとかちゃうの?」
が、なかなか鍵が開いたことを示す緑ランプがつかない。
有吉:「開かん」
ナレ:「寝起きシリーズ初めてのカードキーに、少し戸惑う一同」
矢部がやってもダメ。
矢部:「終了ってことで」
ナレ:「もう一度挑戦!」
岡村がチャレンジ。
矢部:「もっと速よ入れなあかんのちゃう?」
ランプは緑色に!
ナレ:「ついに開いた!」
森脇、満面の笑顔。しかし、その瞬間再びロックが音を立ててかかる。
有吉:「閉まった!」
森脇:「閉まった!」
岡村、有吉にキーを渡す。
有吉は素早くキーを出し入れし、あっさりとロック解除。
そのままドアを開けると、金具がかちっと音を立てる。
山本:「しーっ!」
岡村:「違う。リアクションこっち」
岡村が有吉のアゴをつかんで顔をカメラの方に向けさせる。
すると、有吉の笑顔が現れる。
中へ!
山本、中へ入り、手招きをする。有吉、森脇が後に続く。
山本:「います!います!」
寝室のドアは開いていて、その外から3人でベッドをのぞき込む。
猿岩石の二人は、ここから嬉しそうな笑顔が当分の間ベースの顔となる。
ターゲットは頭から足まで布団の中。
その1 ジャージチェック
山本、ジャージを広げる。猿岩石、笑顔。
岡村:「着て!着て!」
有吉:「着ていいんすか?」
ジャージを手渡された有吉、匂いをかいで笑顔。
それを着始めたところで絵はカット。
その2 くつ下チェック
岡村、白い靴下をつまみ上げる。
山本:「ほふほふ、ほふほふ(を、やれ)」
岡村が、靴下を束ねたまま、片方ずつ猿岩石に差し出す。
森脇、魚のように勢いよく食いつく。有吉、ゆっくりと口に含む。
3秒後、二人同時に吹き出す!
その3 飲み残しチェック
矢部:(缶チューハイを持って)「飲みさし」
有吉:(目を丸くして)「はい」
矢部:「リーダー飲むか?リーダー」
有吉:「いいんですか?飲んで」(言いながらすでに受け取っている)
矢部:「思いっきり行って!思いっきり行って!」
岡村、缶の口に当たる部分を指さす。有吉、ちょっと吹く。
矢部:「べたーっと!」
山本:「くおっ、かあっ!(と、やれ)」
矢部:「じゃあ、飲んで下さい」
有吉:「はい」
いったんは口に近づけたものの、笑いながらちゅうちょ。
そしてがばっと口にくわえ、上を向いて一気に飲み干す!
…飲み終わって3秒後、ゲップを放つ。
森脇・岡村・山本:(口に指を当て)「しーっ!」
有吉:「すいません」
森脇:「静かに、静かに」
ターゲットはまだ起きてない様子。事なきを得る。
その4 食べ残しチェック
矢部:(グリコのコロンの箱を持って)「食べさし」
岡村、森脇の口にコロンを投げる。見事キャッチ!
続いて犬のような顔をして待っていた有吉もキャッチ!
猿岩石・岡村:(笑)
その5 浴用タオルチェック
矢部:(あかすりのようなタオルを手にとって)「ジャッジャジャーン」
「これで、触ってみて下さい」
猿岩石、触る。すると矢部がすぐに引っ込める。
矢部:「お風呂場で、タオルとして使ってました」
岡村:「体こすってた」
矢部:「こすってました」
有吉、タオルを真剣に眺めながら手に取る。
山本:(脱いで、こすれ!)
矢部:「これで…」(胸を、股間をこすってた、というジェスチャー)
森脇、笑いが止まらない。
有吉、目つきが変わる。
山本:「脱いで、脱いで、こすって!」
有吉、血眼むいてタオルの表面をを探る。
矢部:「ついてへんわ!」
矢部・岡村、同時に突っ込む。
矢部:「何ついてんねん?」
有吉:(正気に返って)「ついて…」
その6 本人チェック
有吉はTシャツを着ているところ。
先ほどのタオルで体をこすったところはカットされた模様。
矢部:「さあ、それでは、鈴木紗理奈、寝ております」(ベッドを指さす)
そーっと布団を下からめくると、二つそろった足が。
有吉、吹く。矢部、ツッコむ。有吉、目が最大の大きさとなる。
矢部:「紗理奈の足!」
矢部・猿岩石とで足に人差し指を近づける。
かと思えば有吉は手で風を送り、その匂いを鼻に運ぼうとする。
岡村:「触ったらあかん、触ったらあかん」
矢部:「どんな、どんな匂いする?」
有吉は黙って笑うばかり。またツッコミが入る。
そのサンダルがパコンと音を立てる。
山本・森脇:「しーっ!」
矢部:「笑い過ぎや!」
岡村と矢部、足に人差し指を近づけ、
矢部:「カワイイな?」
有吉:「カワイイです」
また一つ突っ込んでから、
矢部:「よし、じゃあそろそろ、顔のほうを、見てみましょうか?」
足の方の布団を元に戻し、
矢部:「いきますよ!」
矢部が布団をはごうとすると、またも
岡村:「やらしてあげて!」
有吉:「やらして下さい!」
矢部:「うらやましい!」
有吉、森脇の顔を見る。森脇、黙ってうなずき、ゴーサインを出す。
有吉が布団をゆっくりはいでいく様子をかたずをのんで見守る森脇。
矢部:「一気に見てみて!」
突如、森脇が有吉の頭をはたく。
矢部:「どやった?どやった?」
有吉:「違う!違う!違う!」
森脇と山本、改めてのぞき込んで事の重大さに気づく。
山本:「うあっ!」
出てきた顔は光浦靖子のものだった!
一同:(爆笑)
猿岩石の顔から笑顔が消える。露骨に嫌そうな顔の有吉。
落胆は隠しきれない。
同じく不機嫌そうに目覚める光浦。
矢部:「おはようございます。おはようございます」
森脇:「何コレ?」
光浦:「え?」
矢部:「あ、(部屋を)間違えた。そして」
(猿岩石に)「間違えた、ごめんなさい」
「紗理奈ちゃうかった。ごめん」
「あ、光浦ごめん」
光浦:「何この子ら?」
矢部:(笑)「い、いや」
光浦:「この子ら何?」
矢部:「ようテレビで見てるでしょ。これ。二人」
光浦:「うん」
矢部:「よう出てますよね?」
光浦:「はい」
矢部:「猿岩石」
光浦:「はい。なんで(※聞き取れず)」
矢部:「(※聞き取れず)」
矢部、光浦に突っ込む。
光浦:「何?何で猿岩石(※聞き取れず)」
矢部:(笑)「何で怒ってんのお前?」
「何でキレてんねん」
表情がさっきと変わっていない猿岩石。
光浦:「何で部屋におるの?」
矢部:「ごめんなさい。あ、勝手に入ってきて」
光浦:「何で?」
岡村:(有吉をさして)「見て。見て。西武球場の客見たときの顔」
有吉:(その顔のまま)「おはようございます」
光浦:「遅いじゃないの」
有吉:「はい」
森脇:「すいません」
光浦:「入る前でしょ?先輩の楽屋っちゅうか部屋に入る前は」
矢部:「そうですよね」
森脇:「はい」
光浦:「あんたたちいっつもそうよ」
「アイサツが遅いんだよ!」
矢部:「怒ってはる」
森脇:「おはようございます」
岡村:「めっちゃ怒られてる」
姉さんネマキ披露
矢部:「姉さんの下着姿」
有吉:「はい」
森脇:「はい」
ナレ:「せっかく北海道まで着た猿岩石、光浦姉さんのセクシーなネマキ
姿を見せてもらう」
矢部:「ちょっと見てみましょう。お願いします」
有吉:「お願いします!」
光浦:「ネマキ姿」
矢部:「ネマキ姿」
ベッドの上にのっそりと立ち上がる光浦。何とも形容しがたい姿ではあ
るが、その仁王立ちがセクシーと対極にあることは誰の目にも明らか。
一同:(大爆笑)
有吉:(大落胆)
森脇:(苦笑)
矢部:「何泣いてるんですか」
岡村:「入院患者や」
矢部:「ブラジャー、透けてるでしょ」
一同:(無言)
矢部:「お色気もあります」
光浦:(うなずく)
岡村:「以上猿岩石さんでした!」
森脇:「終わりですか?」
有吉:「え?」
森脇:「終わりですか?」
矢部:「終わりです」
光浦:「お疲れさまでした」
有吉:「で、紗理奈さんは?」
矢部:「や、だから、紗理奈やと思ってこの部屋入ったんやけど、ちゃう
かったから」
森脇:「はい」
矢部:「もう終わり」
有吉:(光浦をさして)「な、あ…、北海道までコレ見に来たんですか?」
一同:(爆笑)
矢部:「『コレ』!」
光浦:「『コレ』!、見た?アイツらの本性はこれだって」
森脇:「お願いしますよー」
岡村:「ちょっと待って下さい。ちょっと待って下さい」
猿岩石:「はい」
岡村:「どうしても?」
猿岩石:「はい」
岡村:「行きたいと?」
猿岩石:「はい」
岡村:「分かりました」
ナレ:「猿岩石の熱意に打たれてディレクターに交渉する岡村」
岡村:「分かりました」
「残念ながら」(手でバッテンを作る)
猿岩石、うなだれる。
森脇:「お願いしますよ」
岡村:「どうしてもですか?」
猿岩石:「どうしてもお願いします」
岡村:「もう一回交渉してみます」
猿岩石:「はい」
ナレ:「彼らの情熱はハンパじゃないようだ。再度交渉を試みる岡村!」
矢部:「無理ちゃうかなー」
戻ってくるなり、
岡村:「やっぱりだめということで」(バッテンを作る)
ひざから崩れ落ちる猿岩石。
岡村:「ごめん。
ナレ:「超過密スケジュールを縫って北海道までやってきた結果がコレ!」
矢部:「ごめん。ごめん。ホンマホンマ」
「ごめんなー。(※聞き取れず)言うてる」
一同:(爆笑)
ナレ:「どうなる猿岩石!紗理奈までたどり着けるかどうかは次週を待て!」