和田アキ子さん「さあ今話題の、問題の、猿岩石ですから」
今回は、普通の衣装の上に空手着を着て、軽トラの荷台に乗っての登場でした。
つけヒゲまでつけて、当時を再現しています。
有吉「よろしくお願いします」
和田「この格好で、帰国イベントってやったの?」
有吉「そうです」
実際は、西武球場では森脇の方はピエロの衣装の上に、オーバーオールを着ていました。
和田「きれいな柔道着じゃないの。空手着か」
峰竜太さん「きれいになってるじゃないの」
和田「帯が全然結び方が違うけれども」
「靴もきれいで」
有吉「申し訳ないです」
和田「何で申し訳ないの?」
有吉「すいません」
和田「今はもう、ヒゲいいんでしょ?」
有吉「はい」
和田「普通に話しなさいよ普通に。お笑いなんだから」
峰「緊張するよねー、こういった…」
和田「何で緊張するの?生放送だから?」
有吉「いやあ、和田様に…」
峰「和田様!?」
和田「前に一回番組中に電話で話したじゃん。あのときは緊張しなかったの?」
有吉「緊張しましたー」
和田「知ってた?私のこと」
有吉「もちろんですよー!」
峰「さあ、二人がたどった道のりをちょっとごらん頂きたいと思います!」
和田「ハノイで、3日間、水も飲めずに死にかける。水ぐらいはあると思うんだけど、
どうしちゃったの?」
有吉「水も、おなかこわすのが怖くて、飲めなかったんですよ。こわしたら
病気になってギブアップしちゃうと思ったものですから、水も飲まずに」
和田「死にかけるって、生きてるからね、今」
有吉「何とか、助かったんですけど」
和田「何とか、助かった?」
有吉「はい」
和田「悪いけど、水も飲めずにって、水はあるけども、おなかこわしたらいかんって、
こんな長い間、おなかこわすことは考えなかったの?」 (地図全体を指して)
有吉「水は、何なんでしょう?」
和田「何なんでしょうって」
有吉「この辺はびびってました」 (ハノイあたりを指して)
和田「あーまだ、出発してすぐだから」
「そのへんのね、VTR、あるんですよ」
するとハノイのあたりの電波少年の映像が他局に初めて?出てきました。
3日間絶食し、有吉のイッている顔がアップになったところでVTR終了です。
この間に二人は空手着とつけヒゲをとっていました。
和田「こう言うときは人間ってどういうこと考えんの?頭の中で」
有吉「もう悪いことばっかり、考えます」
和田「例えば?」
森脇「万引きしたろか?」
有吉「おばちゃん襲おうか?とか、そういうことばっかり考えてます」
和田「水飲みたいのにおばちゃん襲ってどうすんの?」
有吉「おばちゃん襲って、お金でも取れば、水が買えるじゃないですか」
和田「あーそういう意味で」
峰「タイのバンコクで留置所に捕まったこともありました。
そしてインド、デリーです」
和田「何でお坊さんになっちゃったの?」
猿岩石「よくわかんないんですよ」
和田「何で?」
有吉「いつの間にか坊主で、お坊さんになってたんですよ」
峰「でもいやだって言えばよかったじゃない」
和田「そう」
森脇「でも、それをやると、何か食べさせてくれると思ってもう。もういいやって」
峰「食べたいの一心に」
和田「食べたいがためにお坊さんになったの?」
猿岩石「はい」
和田「お坊さんになったら食べれるって何でわかったの?」
森脇「『お前達を助けてやる。俺について来い』って言うおじさんがいたんですよ」
和田「ちょっと聞きたかったんだけど、英語できるの?」
猿岩石「できます」
和田「どういうの?」
有吉「イエス」
和田「イエスでなくて、例えば『おなか減った、何か食わしてくれ』ってのはどうすんの?」
森脇「ハングリー」
有吉「ハングリー」
和田「ハングリー?」
有吉「はい」
和田「『仕事くれ』は?」
森脇「ヘルプ」
有吉「ヘルプミー」
峰「そりゃ『助けてくれ』だ」
和田「『助けてくれ』だよそれは」
有吉「ジェスチャーなんですよ僕ら」
そう言って二人は工事現場で働くジェスチャーを始めました。
和田「それ、何のジェスチャーなの?」
森脇「働く」
有吉「で、こうやれば仕事くれます」
今度は両手で大きく「来い来い」のジェスチャーです。
和田「え?それだけの英語なの?」
猿岩石「はい!」
峰「単語だけだね要はね」
森脇「はい、そうですね」
和田「単語もはっきりしないよね」
「でもこのときのVTRもあるんですね」
そして電波少年で放送された、デリーでの出家シーンが出てきました。
髪を剃られるところでは、
森脇「これ結構痛いんですよ」
和田「痛いんでしょ?」
有吉「血が出ます」
和田「うわー、これはすごいな」
峰「気持ち悪い…」
VTRが明けました。
和田「お坊さんを体験したっての普通あんまりないんだけど、どういう感じだった?」
有吉「ご飯が食べれる喜びで、こっち(頭)はどうでもよかったですね」
森脇「どうでもよかったですね」
和田「あんだけ剃られると、ショックやけどね」
有吉「ええ」
峰「普通はさ、短く刈ってから、剃ったりするじゃない」
猿岩石「はい」
峰「長いまんまで剃られてたね」
有吉「いい加減なんですよねみんな」
峰「クリームかなんかつけてくれないの?」
有吉「なんにもないです」
峰「いきなり?」
有吉「水をつけて」
森脇「ガー」
有吉「やるだけです」
「血が、ダラーって出るんですよ」
和田「ちなみに、インドのお坊さんって、どういう物食べてるんですか?」
猿岩石「カレーです」
ちょっと笑いが起こりました。
峰「インドイコールカレーってのはわかるけど、やっぱりカレーなの?」
猿岩石「カレーです」
和田「ホントにカレーなの?お寺でも」
猿岩石「カレーです」
有吉「カレーだけです」
森脇「托鉢で、近所を回って、各家庭にもらうんです。
混ざっちゃって全部。味が。もう、食べられないです」
和田「でも、食べれた」
森脇「でも、食べれました」
和田「そして次」
峰「パキスタンです」
和田「『銃でねらわれ山中へ逃げる』これどういう意味?」
森脇「警察官っていうか、兵隊が」
有吉「野宿してたら来るんですよ、取り調べに」
和田「取り調べにくんの?これ(銃)持って」
有吉「この前に、僕、ホモの兵隊に襲われてたもんですから」
和田「ホモの兵隊ってなんでわかったの?」
有吉「『僕はソルジャーだ、お前が好きだ』って」
和田「『僕はソルジャーだ、お前が好きだ』?!」
森脇「話早いんです」
有吉「それで、もう怖くて、取り調べとかやられるのいやで逃げたんですよ」
和田「なんで山の中へ逃げたの?」
有吉「襲われる!って思いましたから」
和田「自分は?」
森脇「僕も、(有吉が)逃げたから、一人になるのがいやじゃないですか。
だから『待ってくれよぉーっ!』」
和田「こん時はまだ坊主じゃなかったの?髪の毛は生えてたの?」
猿岩石「ちょっと生えてました」
和田「向こうの人も、あ、お坊さん関係って思わなかったのかね」
有吉「その時は、服がパキスタンの服なんですよ」
和田「何やねんあんたら」
有吉「だから僕らがかわいい子に見えたみたいで」
和田「あー、少年」
有吉「はい」
峰「でも後ろから撃たれたわけでしょ、実際に」
森脇「何か『バーン!』。僕ら完全に背中向けて必死に逃げてたんで、
音しか聞こえなかったんですよ」
有吉「それは嘘です」
和田「あのね、言うとくけどね、あんまりこれ以上嘘つくとあかんよ。
正直言わんと。ホンマのこと言わなあかんよ」
有吉「『コラー!』ぐらいです」
和田「じゃあ、ずーっと行って、ブカレスト。『女子留学生からお金を借りる』。
留学生って、日本の留学生?」
有吉「ええ、日本人の人で」
峰「どういう人?」
森脇「その時も、やばい、死にそうな状態だったんですよ。それで、仕事を
見つけようにも見つからないんで、頼るしかないなっていう…」
有吉「たまたま犬の散歩してたんですよ」
和田「女子留学生?」
猿岩石「はい」
有吉「それで、巨乳だったものですから、近づいてって『お金かして下さい』って
言ってお願いしたら、優しく」
和田「ちゃんと住所も名前も聞いたの?」
有吉「住所も名前も、で、お金もちゃんとドイツで返して」
和田「いくら借りたの?」
有吉「160ドルです。1万6千円ぐらい」
和田「貸してくれたの?見ず知らずの人が」
猿岩石「そうですね」
峰「優しいね」
和田「この人に感謝しなきゃいけないよね」
「問題なのは、『パリで命より大切なリュックを盗まれる』。
リュックの中って、何が入ってたの?」
有吉「服ですね」
和田「服」
峰「盗まれたのはどっちなの?」
森脇「僕です」
和田「それで、服が『命より大切?』」
森脇「こりゃまたちょっと大げさなんですけど、命の方が大切ですけど」
和田「命の方が大切だろ?」
森脇「でも、すごく思い出がつまったリュックだったんですよ」
和田「だって、こんな、死ぬ思いして、リュックの中にどんな思い出が入ってたの?」
有吉「パスポートも入ってたんですよ」
森脇「そうなんですよ」
和田「あっ、パスポートはやばいじゃない」
森脇「そうなんですよ、あの苦労してとったビザ、はんこが、あれが全部
なくなったときはもう、涙ポロポロって…」
和田「だって、パスポートなければロンドンへも行けないでしょ?」
森脇「それでもう、再発行に10日かかってしまいまして、(有吉の)足を引っ張って
しまったんですけど」
和田「10日間、何してたの?」
有吉「サーカスで、芸を磨いてました」
和田「サーカスで芸、何をやったの?」
有吉「空中ブランコとか、組体操、あと子供の世話をやってました」
森脇「ちょっとノイローゼ気味だったんですよ」
和田「子供の世話はできるけど、空中ブランコなんてそんな急にやってできたの?」
森脇「空中ブランコって言ってもこうやって(手を伸ばして)届くぐらい」
有吉「ただぶら下がってるだけでいいって言われたんですけど」
和田「あー、人間ってしかし、やれば何でもできるもんですねー」
「ということでやっとの思いで190日間、約半年間かけて、このロンドンに
到着するわけですけども、さて、ここからが問題です」
和田「今ちまたでは大変な話題になっております。私は、お笑いのすること
ですから、どうでもいいんですが、あなた達は、ヒッチハイクで行ったことに
なっております」
猿岩石「はい」
和田「ところが、どっこい、飛行機を使ってたのが、1かいだけだと思ったら、
3回もありました」
猿岩石「はい」
峰「どこかというのですね、この図が良くできてるんですよ」
峰さんはそういうと、地図に貼ってあった小さな紙をはがし始めました。
すると飛行機の絵が計3枚出てきました。
バンコク〜ヤンゴン、ヤンゴン〜カルカッタ、そしてテヘラン〜アンカラの3個所です。
和田「バンコクからミャンマーからインドから、イランからトルコまで」
「飛行機使ったって、なんで言えなかったの?」
有吉「今は全然わかんないんですけど、僕らは挑戦しようとするんですよ、
何もわかんないで。そうするとスタッフの方が、何か情報があって、
ここは危険だから、命の危険があるっていうことで、スタッフの指示に
僕らは従ったんですけど」
和田「だけどさ、あんたたちの本はさ、アンタたちの日記を基にして書いてあんじゃない
日記書いてたの?ホントに」
有吉「日記書いてました、毎日」
和田「日記書いてたら、飛行機乗ったって書かない?」
有吉「その日は、『楽させていただいた』って書いたんです」
和田「それがどうして本になると、歩いてヒッチハイクになってるわけ?」
有吉「さーどうなんでしょう…」
峰「わかんないよねー」
和田「だって、日記書いてたんでしょ?」
有吉「はい、日記書いてます。でも全部は載ってないんですよね、たぶん」
和田「全部は載ってないけど、あたし読んでないんでごめん、どっかの場所は
ヒッチハイクしたことになってるんでしょ?」
有吉「あっ!?」
和田「それで話題になってんのよ」
有吉「そうなんですか!?」
和田「コラコラコラ!」
有吉「いや、マジでなんにも知らないんですよ」
和田「コラコラコラ!なーにが、コラコラコラコラ!正直言うてみい。
今野この騒動どう思う?」
有吉「騒動ですか?ありがたいことですね」
峰「飛行機に乗ったってことわかっても?」
和田「すごい人気でって言うけど、君ら出発する前2回くらいしかテレビ
出てないんでしょ?」
猿岩石「そうです」
和田「それで、帰ってきたら3万人西武にいたわけでしょ?」
猿岩石「はい」
和田「で、今はもう落ちかけてんだよ」
有吉「もうがた落ちです」
森脇「すごいです」
和田「もう猿岩石って名前やめて、これからヒッチハイクとかそういうのに
したらどうなの?」
森脇「そうですね」
有吉「そうします」
和田「ホントに。なーんでここ(ミャンマー)で言わなかったのよ。
所詮お笑いなんだから、いいんだよ別に。飛行機乗ったって。
だってスタッフは、あんたたちが、留置所とまったり、お坊さんになったり、
山ん中逃げたり、水も飲めないとき、スタッフはいるわけでしょ?」
猿岩石「はい、います」
和田「何してたの?」
有吉「スタッフはホテルでご飯を食べ、お酒を飲み…」
一瞬固まる和田さん。
和田「あ、そうなの?」
森脇「楽しく」
有吉「僕たちが野宿場所を決めて、寝床について就寝しますと、ホテルに帰って、
いろいろバッテリーチャージとか仕事があるみたいで」
和田「スタッフの人は」
峰「カメラのね」
和田「ということはあなた達より、スタッフの人はキャメラが大事だったと」
猿岩石「そうですね」
峰「そりゃそうだよね」
「でもねアッコさん、飛行機乗ってもね、あと歩くってのは大変なことですよ」
和田「だから飛行機に乗りましたって言えば済んでんのよ。
ホントにやったんだからさ」
峰「すごいよ」
和田「そうするとさ、大の大人が、子供の夢を失うなんて言って、あの番組見てる
子供の方がよっぽど不良だと思うんだよ。あんな遅い時間に。
早く寝かせろって言うんだけど。ただ単に君たちが言えば良かったんだよ。
『実は飛行機乗りました』って言って。そこをね、スタッフに全部
ゆだねるってのはおかしいでしょう」
有吉「あーそうですか、すいません」
峰「もしかしたら、飛行機乗ったってこと忘れてません?」
有吉「いや忘れてません。はい」
和田「結果、自分たちの知らないところで人気が出ちゃって、みたいのはあるけど、
自分たちの心の中では、どういう190日間だった?」
有吉「悪夢のようでしたね」
和田「もう一回パート2やるって言ったらどうする?」
森脇「絶対行きません」
有吉「120万もらってもいやです」
和田「何なのその120万ってのは」
森脇「せこいな」
「1億もらっても絶対行きません」
和田・峰「1億もらってもいや?」
猿岩石「はい」
和田「そういう意味ではすごいことですね。お笑いだからそんな目くじらたてる
ことはないけど、これからどうすんの?アンタたち2人」
森脇「あーそれが…」
有吉「今日、相談に来たんですよ」
和田「オイオイオイ」
「アンタたちお笑いなんでしょ。基本は。だからここでさー、培われた、
サバイバル精神?これをお笑いで生かさなあかんと思う。関西なんか
これネタにしてすぐやったりするからさ。ちょっとせっかくやねんから、
ライブやってよ」
それぞれの立ち位置に行ったあと、二人はその場でぐいっと体を近づけて
最後の耳打ちをしました。
元の位置に戻ったあと、
森脇「えっ?」
もう一度乗り出す森脇。有吉がもう一度体を乗り出して何事かささやくやいなや、
森脇は思い出したように元の位置に戻りました。苦笑する和田さん。
森脇「すいません、段取り悪くて」
有吉「すいません!」
「ショートコント。電波少年ディレクター」
西武球場ではかなり受けたネタです。
腹を押さえ、地面にへたり込んでいるヒッチハイカー森脇。
かたわらで、カメラを回し続けるディレクター有吉。
森脇「あー腹減ったもう。死にそう」
ディレクター「ギブアップしてもいいんだぞ」
森脇「『ギブアップ』。でももうダメだホントに」
「ギブアップしてもいいですか?」
ディレクター「ダメだ」
森脇「今いいって言ったじゃん…、じゃ、どうすればいいんですか?」
ディレクター「死ね」
有吉「こういう感じです。すいません!」
和田「なるほどね!」
「まあね、とてもプロとは思えない」
飛行機問題の冒頭でも出た、面白い口調でした。
和田「だけど、今はウケる。このネタね、ディレクターと、日テレネタで
行ったらどう?ウケるよ、漫才としては」
有吉「そうですか」
和田「これは今痛烈な、世の中の批判っていうか。お笑いだからできることだから」
猿岩石「はい」
和田「おもろいよ今のね。2回やられるとおもろないけどね」
「今のサバイバル精神をほんとに生かしてね、芸能界一歩一歩上っていけばね、
これだけみんなに名前覚えてもらえたから。芸能界ってまず覚えてもらえる
ことが最初なのに、先に覚えられたんだから」
猿岩石「はい」
和田「そうでしょう?」
猿岩石「はい」
和田「でも今見た限りでは、あんまり長い話はやめた方がいいね」
猿岩石「そうですね」
ここで、吉村明宏さんのロケに振られました。スタジオに返されたあと、
オープニング恒例の「アッコにおまかせ!」タイトルコールを二人もやって
出番終了でした。
峰さんが「せえの!」と音頭をとると、有吉は嬉しそうにピースサインを構え、
森脇と一瞬顔を見合わせました。そして「おまかせ!」の声とともに嬉しそうに
ピースする有吉と、やや遠慮気味にピースする森脇でした。
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