HT7750A
HT7750Aは、台湾メーカーHOLTEK製の3ピン昇圧型PFMステップアップDC/DCコンバータです。
秋月電商で、5個一セット\200(2011/5/19現在)で購入できます。
写真のように、TO-92パッケージですので個人で手実装するには向いているようです。 が、ステップアップDC/DCコンバータには一寸不向きなパッケージです。
ノイズ源になるステップアップDC/DCコンバータは、出来るだけ小さな面積に押し込んで シールドするのが良いためです。
後、現在の小型ステップアップDC/DCコンバータは、500kHz~数MHzのPWMが主流ですが、 200kHzのPFMと少し古い仕様です。(それぞれ利点はありますけど。)
テスト回路
LX (3番ピン>
このピンがON/OFFしてL4のインダクタに高い電圧を発生させます。 この電圧をダイオードとコンデンサで平滑して昇圧します。
VOUT (2番ピン>
VOUTと言うと出力の様な気がしますがここは入力です。 このICの電源と出力電圧の電圧を検査するフィードバック(FB)端子を兼用しています。
ICの電源とFBを兼ねているために昇降圧タイプの回路は組めません。 その為、USBから電源を取る場合はダイオードを噛まして0.6V程度でも下げる必要があります。
GND (1番ピン>
グラウンドです。
入力/出力コンデンサ
データシートでは、タンタルコンデンサを指定していますが、 現在はより良い(ESRが低い)大容量の積層セラミックコンデンサがありますのでそれを使用します。
タンタルは、故障モードがショートに成り危ないので使われない傾向にあります。
昇圧用インダクタ
47uH~100uHになっています。 電流を沢山(Max200mA)なら47uH 低リプルに抑えるなら100uHになります。
インダクタの直流電流容量は、使用電流容量の2~10倍程度物を選びます。 効率を無視して単純に言えば電圧を2倍上げるなら使用電流は、1/2倍になります。
倍電圧回路
負電源を作るためにコンデンサ(C20,C22)とダイオード(D13,D16)で構成されています。
通常は、PWMタイプのDC/DCでよく使いますがPFMても使ってみました。
出力フィルタ
前回アナログ側入れなかったのですが、有った方が良さそうです。
テスト結果
+5Vに関しては、+3.0V~+4.7Vまで50mA負荷で問題なく+5V±5%以内に昇圧動作します。 まっデータシートでは、±2.5%になっているので当然かなと思います。
-5Vは、無負荷で-4.75V 10mA負荷で-3.25Vまで下がります。 一見実用にならないように感じますが、負電圧がある分オペアンプの0V付近が正確に取れるメリットがでます。
+5V~0Vの電圧ロガー用電源としてはとしては使えると思います。
一点調整しないと行けない部分がありました。 インダクタが唸りを上げます。無負荷では鳴らないのですが、負荷を上げると鳴り始めます。 手持ちには余り100uHの形状別インダクタが無かったので止めることはできなかったです。
免 責
情報は出来るだけ正確に書くつもりです。ただこの記事を見て作ると思ったときは、 個人の責任において作業を行なってください。 データの喪失や機器の損傷が有っても、一切の責任は取れません。