第1回 秘打・白鳥の湖

 

  

初登場:東郷学園中戦 3回裏(投手:小林真司)
同結果:レフトスタンドに飛び込むホームラン
前振度:★★★★
華麗度:★★★★★
天才度:★★★★★
系 統:遠心力系


殿馬の最も有名な秘打であろう「白鳥の湖」。その実態は、非力さをカバーすべく、左足を軸に高速回転をし、その加速遠心力で打球を遠くへ飛ばす打法だ。初めて試みたのは、鷹丘中時代の東郷学園中戦。当時、まだ天才である事を隠し、トンマなフリをしていた殿馬であったが、岩鬼が3回表に三者三振の好投を見せた事で、ついにやる気を見せ、この打法を披露し、見事にレフトスタンドへ叩き込んだ。当時は「凄く疲れる」からやりたくなかったそうだが、高校に入ってからの体力アップにより、これを克服した模様で、吉良戦,巨人学園戦,青田戦でも使うなど、使用頻度はぶっちぎりのトップ(横浜学院戦での編曲版は、別扱いで今後取り上げる予定なので割愛)。しかし、意外にも成功率が低く、初打席以降は、金縛りに合わなければ打って当たり前の吉良戦でしかヒットを放っていない。東郷戦で2打席続けて試みた時には、投げる前から回転していた為に、ストライクゾーンの高さから大きく外れる球を投げる事で無駄に空振りさせられるなど、まるで岩鬼の悪球打ち封じみたいな事をやられるなど、トンマなフリが抜け切れていなかった様だ。初登場時は、まだ秘打男である事が定着する前と言う事もあり、何をしようとしているのか、さっぱり分からず、前振り度はかなり高かったが、使用頻度が高くなってしまったせいで、現在では、ただのエンターティメントな打法と化している。当時、これを真似た野球少年も少なからずいるだろうが、スパイクを履いて、土の上でこれ程の高速回転を行う事自体がそもそも不可能な上、更に、回転しながらも球道を見定めて、ジャストミートしなければならない驚異的な動態視力の高さも必要であり、長打を狙うと言う意味では、常人には絶対不可能な打法と言えるだろう。