音符


みうらじゅんプロデュース
貴族
本当に歌えるのか!?

1999/4/28、赤坂BLITZでのライブの感想です。
remoteも復活したこのライブの模様は、7/16に発売された
『貴族 歌えました!〜MiYOU〜』にも一部収録されています。
行かれなかったかたもそちらのビデオをお楽しみください。

>>> 曲順紹介

◆ 素敵なライブでした(99.4.29)

4/28赤坂BLITZ、『貴族 本当に歌えるのか!?』見てきました。最近の貴族氏は、いい余韻を残すお仕事をたくさんされていると思います。今回もほんとにすごいステージで感動しました。私の斜め前にいた若い男性が、「キゾクー!」「がんばれよー!」って何回も叫んでいたのが印象的でした。カッコイイってことだと思います。

わたし的には、remoteの復活がうれしくてもう(笑)。行く前は、生でremote見たりしたら、それだけで感極まって泣いちゃうのではと思ってたのですが、それよりうれしい方が勝ってました。なにしろ初めて!ですから生のremote。夢のようでした。でもLove Letterにはさすがに泣けました。別格的に好きな歌なので。それにしても、HIROさんあまりに変わってなくて驚き(笑)。

"あの"remote演ってるときよりも、更に力強い歌が次々と歌われるんだから、もうどういうこと?みたいな。remoteの池田貴族のキャラを越えるパワーというのは、ただものではないです。なかなか言葉にならなくて困っているのですが、また少しレポート書いてみようと思っています。・・・でもですね、普段だと「どんなふうにレポート書こうか」と意識して言葉を探しながら見てたりするのですけど、今回は途中から完全に、そんなことより今、この時間を堪能しよう!と思ってました。引き込まれるステージでした。


◆ 『貴族2』 remote復活!(99.5.4)

山田五郎さんのドキドキの男気表明のあとは、remote登場。
7年ぶりのステージ、しかもかかったナンバーはホコ天時代ともいえるもので、久しぶりにかけつけたファンの方にとっても懐かしいものがあったことでしょう。人間キャーキャー言われるのはありだなと思いました。黄色い歓声、ありです。
衣装は'90.11.18 渋谷公会堂で行われたリサイタルのために新調されたもの(のはず)。つまり、ビデオです。アンセスターズリサイタルのビデオのまんま。
オープニングは当然"Never Be!"。 かなりテンションの高い曲なのでどうなるのかと思っていましたが、まるで心配は無用でした。控えめだけどきぃ様もメイクしてくれててうれしい。思い切り宝塚メイクにしても良いノリだと思いました。

2曲目は"Love Letter"。
今回remoteは3曲と、自分の中で勝手に決めていたのですが、Never Be!は絶対やるだろうからあと2曲のうち、Love LetterかBelieve3を歌って欲しいと思ってたので、この曲がかかってジーンと。CDぽくサラッと歌われてる感じが良かったです。

remoteのお約束ごと」を2つこなしたあとは、"All Night? All Right!"。CD感想のコーナーで、この曲は実はどこか寂しいと書いて。でもライブで見たらそんなものは吹き飛ぶんだろうなと予想はしてましたが、見事に吹き飛びました。楽しい以外の何ものでもありませんでした。

真ん中よりちょっと左寄りのとこで見てたので、愛川さんをほぼ目の前にしながら、黄金の配置、remote的立体マンダラ世界を存分に味わいました。ビデオモニターの中でしか見たことなかった私には感無量でした。お友達の中野さんも久々のリモートのステージにアテられたのでしょう、こんなマウス絵を描いて送ってくれました。 おれが天下のー!みたいな。でもですね、上の項にも書きましたが、remoteやってるより元気な貴族氏にはほんと驚き。それに、赤の衣装だってぜんぜんオッケーでした。復活のremoteに感謝。


◆ 『貴族2』 ゲスト登場(99.5.11)

"池田家を見守り続ける女(ひと)"という肩書きがふさわしいと思われる、テレ朝スーパーモーニングリポーター、みといせい子さん登場。みといさん朗読による「貴族History」スライド紹介のあとは、ゲストによるステージ。大島渚登場!! といってもカントクではないです(ベタ)。
生で大島渚見れるなんて、これも相当うれしい。しかも、大好きなナンバー『ジェレミー』をいきなり歌ってくれました。聴き入ってしまいました。本当いい歌。続いてイカ天でおなじみの名曲『カリフォルニアの青いバカ』を。これですわ。イントロを聴くと妙に高揚してきます。特に、喜国さんのベースがズンと来る。みうらさん大丈夫か。気持ちが高ぶっているのか!? 感無量気味のようでした。

"饒舌"和嶋さんとみうらさんの軽いトークの後、オーケン登場。泉ピン子さんに声かけられちゃったという大槻さん、ついに橋田ファミリー入りか?なんて話から、今、どこのファミリーが一番すごいのかという話題になっていましたが、みうらファミリーこそ最強なのではと私は思います。みうら、大槻、和嶋といった面子が揃ったら、これやるっきゃない!『君は千手観音』。イケイケ。本当かっこいい歌だと思います。生で聴けて最高でした。

大槻さんのソロ入ります。池田貴族バックアップ"ウェット班"として、お見舞いに行った際の、「鉄道員(ぽっぽや)」のごとく泣かせるいい話を披露のあとは、『あのさぁ』を歌ってくださいました。歌というのは生き物だなと思いました。まったく、この日のためにこの曲が作られたのかと言いたくなるほど、ものの見事にハマっていました。


◆ 『貴族2』 with フレンズ(99.5.23)

和嶋さんのほのぼの自己紹介のあと、貴族氏が再登場して4/21にリリースされた新しいアルバムから『遺言』が披露されました。レコーディング時と同じく、作曲者である和嶋さんによるE.ギター以外のパートは、元remoteのメンバーが担当。聴くたびにうなってしまうカッコイイ曲。
永遠に続くのかもと思ってしまった、安斎肇さんによるウクレレトークを挟み(安斎さん気分良さそうでした)、新しいアルバムからのナンバーが続きます。プラーナ〜呼吸〜、Your song、MiYOU、Are you happy?、Confusion、(大槻さんが再登場しての)死にたくない。

池田貴族 with Friendsということで、貴族氏の小・中・高校時代に同級生だったことのある友人ミュージシャンの方たちによる演奏でした。もちろん、曲の提供やアルバム制作にも参加されているみなさん。松岡氏や西山氏とは、10年ぶりくらいの一緒のステージになるのでしょうか? 日比野氏とは最近のインストアライブをご一緒されています。それぞれの感想は、書いてる途中のアルバムの感想に重なる部分もあるので、そちらのほうに書こうと思います。
印象的だったのは、プラーナ〜呼吸〜のときのバックの、空に浮かぶ雲のようなステージ演出など。マキシシングル『MiYOU』のために、みうらさんが描き下ろしたイラストを彷彿とさせるようで素敵でした。目を閉じて、身体全体でじっくりと聴き入りました。
Confusionのときの力強さは、一体どういうこと!?と言いたくなるくらい驚き。パワーに溢れていて、聴いてて鳥肌がたちました。すごかった。


◆ 『貴族2』 ブラザーズ(99.5.28)

書き漏らしてましたが、ライブ開始前のDJは、ゲストのサワサキヨシヒロさんによるものだったのでした。なんかこうオシャレでした。

今回のプロデューサーであるみうらさんの再登場。ハーモニカホルダー忘れて上手(かみて)に消え、貴族氏の前を通って上手から現れるという演出は、わざとなのかなんなのか(笑)。この日のみうらさんは心配でした。茶化しの意味で言っているのではなくて、"魂の弟"の晴れ舞台に舞い上がってる兄、という表現が近かった? みうらさんや貴族氏が互いに相手のことを書き合っているコラム等を読み、二人の心境を思うと、「元気そうでよかったね」というみうらさんの言葉を聞いただけで胸が詰まりました。おかげさまでと応える貴族氏に拍手がわき起こります。この日を迎えるまでには、正直いろいろな思いもあったことでしょう。みうらさんに対しても、開催おめでとうございますと言いたかったです。

どっちがどっちの真似してるやら、一人が髪の毛短く切れば、もう一人も同じように揃えてくる(笑)。兄弟だから仕方ないらしくて。ブラザーで歌う、天国なんか。みうらさんは、酔っぱらうと「貴族死ぬな〜」とか言って泣いちゃうのだそうです。泣かないでがんばれと祈りつつ、切なく優しい魂の歌に聴き入りました。


◆ 『貴族2』 アンコール(99.5.29)

子供たちによる「天国なんか」コーラスと共に幕が下ろされ、その後貴族氏の挨拶がありました。欲が出てきた、またこんなライブをやりたいという貴族氏に、期待のこもった拍手が贈られました。遺作パート10でも20でも、思う存分作って欲しいもの。「おいおい、また次の遺作が出たそうだよ」と言われ続けたら、貴族氏の面目躍如という気がします。

友達は大切にしてくださいという言葉に実感がこもっています。再び幕が上がると、シーモンキーズ with イカ天ビジュアルズってことで、曲はおなじみ「ロンリネス」。歌の作られた経緯などを思うと複雑な気持ちで聴いてた部分もありましたが、この歌も本当の意味で生かされたんだろうナと思ったりします。
ゲスト全員がステージ上に勢揃いした姿は圧巻でした。一人のために、これだけたくさんの人が応援にかけつけるというステージがあったでしょうか。助ける方も助けられる方も、自然にそれを受け入れ合っているというのが素敵だし、そもそも、どちらが助け助けられる側なのかなんて、本来はないことなのかもしれません。

プログラムが終了し館内放送が流れても、いつまでもいつまでもアンコールの拍手は続き、待つこと数分。気持ちがうれしかったのでと貴族氏がもう一度ステージに戻ってきて、MiYOUを歌ってくれました。鳴りやまなかった拍手は、もっともっと歌を聴きたいという心からのみんなの願いだと思います。ずっと歌い続けてほしいです。



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