本当にこっちでいいんだろうか。道を見失いかけている。足下がおぼつかないままとぼとぼと歩くような毎日。
突然メロディが心に浮かんだ。久しく聴いていなかった歌だ。歌詞もよく思い出せないけれど、なぜ急によみがえったのだろう?
ふいにひらめく想いは大切にしたいと思っている。いそいそとCDを引っぱり出した。
うつ向くだけじゃ 星も見えない夜だよ
賭けてごらん 君のstories
そこには今の自分に勇気となる言葉が並んでいた。打たれたように、歌詞に釘付けになる。
音楽は生き物だと思うのはこんなときだ。作品というものの持つ不思議な力なのだろう。作者の描くストーリーが、全く別の人間のストーリーに重なる。それも一瞬の真実なのだと思う。自分のために用意されているとすら思えるフレーズに、驚きをどう伝えようかと言葉を探す。やがて物語はまた他の人の元に移っていくが、ときめいた余韻は確かに心に残る。
心の傷の数だけある物語が
思いやりと 勇気を与えてくれる
(中略) 誰もが
手探りで 探すstories
きっと、道しるべは与えられている。見上げた空で、星が導いてくれるだろうか。勇気をもって進むべし!
道は確かではないけれど、間違えてはいないはずだ。
(2000.6.18)
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