旧国境を目指しひたすら北上する。
ひたすらダート。スミリニフの街を抜け、そろそろ旧国境だと森の中をきょろきょろ見ながら走る。旧国境にあるモニュメントはひっそりと森の中にあり、判りにくいと聞いていたので慎重に走る。昨日、地図を1枚落としたので、ブックタイプの地図で確認しながら走る。昨日落とした地図には北緯50度の線が引いてあったがこの地図はそんなものは引いていなくて困った。途中森の中に、トーチカの跡や慰霊碑があってそろそろ旧国境かと思って走っているうちに森は途切れて街に出てしまった。地図で確認するとオノールと言う街らしい。マガジーンでジュースとパンを買って道端で食べる。そのうち子供達が集まってきた。
オノールの街で子供が集まってきた。少子化の進む日本と違ってサハリンは子供が多い。学校が夏休み（2ヶ月）というのもあるのだろうけど。
子供はドンドン増えバイクに乗った子供まできた。
バイクも登場。この街ではこの他に2台のバイクを見た。
こんなバイクでダートを全開で走ってる。そのうち子供に質問攻めに会う。
「このバイクは日本で幾らぐらいするの？」「中古で$1000くらい」、
「このバイクの最高速は何km/h?」「ダートで100km/h、アスファルトで130km/hくらい」、
「燃料は何で走るの？」「ベンジーン（ガソリン）だ」、
「どこまで行くの？アレクサンドロスク-サハリンスキーには行く？」「今日、ユジノサハリンスクに行くからもう少し行ったら折り返してユジノに行くよ。」とか答えに大変だ。
子供達は学校で英語を習っているらしくロシア語と英語のチャンポンで質問される。良くわからないところは地面に絵を書いて受け答えする。
またがらしてあげた。子供達に別れを告げてさらに北を目指すことにする。さっきのバイクの子供が後ろから追いかけてくる。きっと競争したいのだろう（もんがぁ〜さとみさんのレポートにあったので予感はしていた）とこちらも全開で飛ばす。メータは90km/hくらい。頑張ってついてきていたが徐々に離されて少年のバイクは後方に見えなくなった。
オノールの街を抜けて北上するとダートに赤土が混ざり出した。しばらく走って旧国境は通りすぎてしまったらしいことに気づく。それに時刻もお昼になりそろそろ折り返さないと今日中にユジノへ戻れなくなる可能性がある。
しかたなく、ここで折り返すことにする。時刻は12:30分。道には461kmポストがあった。ユジノから493.6km走った。明日警察に行くには今日中にユジノに戻らなければならない。無念だが仕方がない。
折り返し点。まだ見ぬノグリキ、オハへの道。道を折り返し南下する。少年達に止められるのを恐れてオノールの町を素通りする。が少年達はいなくなっていた。どこかに遊びに行ったのだろう。
オノールの南部は湿原地帯で木が少ない。旧国境は森の中だと聞いていたので、多分昨日のトーチカ周辺が怪しいとにらんで走りつづける。
オノールの南部あたり。湿原で木が少ない。
湿原。まだ見ぬ生物とかいそう。
湿原の中のダートを走る。湿原地帯が終わり再び森林地帯へ。森の中にトーチカの跡や慰霊碑のようなものが点在している。
トーチカの跡？
何の看板だろう？電気？
慰霊碑？そして慰霊碑から南へ数km走った所にそれはあった。
これが旧国境の目印。旧国境のモニュメントの反対側の森にある。
遂に来ました旧国境。
旧国境にある、ソ連がサハリン南部を開放した記念モニュメント。本当に森の中にひっそりとあった。50度の文字があり、1945年にソ連軍が国境を越えて南下したことを記念したモニュメント。1945年まではここまでが日本領だった地。なかなか感慨深いものがある。こんな森の中でひっそりと見ていると、戦争の事や歴史、平和について、つい考えてしまう。
旧国境を後にしてひたすら南下だ。スミリニフの街で給油し、ポロナイスク、マカロフと来た道を順調に戻る。
道は海沿いへ。海沿いの道を順調に60〜70km/hで飛ばす。途中の海辺で休憩する。古い橋脚のようなものがあった。古さから見て日本時代の物かも知れない。
海辺で休憩。
橋脚のような跡。
空気が済んでいるから海岸が遠くまで見渡せる。道はボストチェニーから内陸に入る。
道は内陸に入り山は西日を浴びる。
まだまだダートは続く。再び海岸に出たときは既に夕暮れだった。
海は夕暮れ日没間際になって道がアスファルトに変わり、90km/hで巡航する。ドーリンスクを抜けてユジノサハリンスクに到着した時は既に22時だった。これからホテルを探さねばとまずはLADAへ。あっさりと空きがあったのでここに決めた。バイクはホテル裏の駐車場に預けて一安心。
それにしても今日は走った。ぐっすり眠れそうだ。
本日の宿：ホテルLADA 1500p(約6000円）バイク保管代20p(約80円)
本日の走行距離：622.4km
