● 子どもたちにきれいな水と土と空気を手渡し、いのちとくらしを守るために

第02号 創刊準備第2号 1999年5月9日発行

◆編集・発行所
さいたま西部・ダイオキシン公害調停をすすめる会
発行人:事務局代表・前田 俊宣
〒359-0041 所沢市中新井5-1-3-201 Tel 042-943-0295
E-mail HZE03164@nifty.ne.jp
URL http://www3.airnet.ne.jp/dioxin/


●県審査会の遅い対応に抗議!! 
調停開催の日は、いつ?


 昨年の12月21日に私たちが公害調停申請書を提出してはや、4カ月が経ちました。しかし、3名の調停委員(公害審査会の会長でもある新井毅俊弁護士、そして苦田[にがた]文一弁護士、内山俊一埼玉工業大学工学部教授の3名)が決まったものの、県審査会の動きがはっきりせず、いまだ調停開始の連絡はありません。これまで事務局と弁護士の方から再三、問い合わせをしたのですが、はかばかしい返事をもらえない状況が続いています。

 そこで4月7日、すすめる会事務局より審査会会長の新井毅俊氏へ「公害調停の早期開始と迅速な進行についての要望書」を提出し、県の担当課の環境生活部環境政策課との話し合いを持ちました。要望は

を各申請人に知らせるためマスコミなどで公表して欲しい、また調停委員を増員して早急な対応を図って欲しいことの二点でしたが、そのつもりはない、という答でした。

 県審査会の状況は、

 ということで担当課では「順序を追って仕事をしているので、とくに遅れているとは思っていない」という話でした。しかし、この4カ月間のあまりにも悠長なスケジュールの組み方には「誠実に取り組みたい」と言った最初の言葉を疑いたくなります。
 その後、4月20日には、調停弁護団から調停審査会に対し「今後の進行について、申請人代理人(弁護士団)と申請人代表数名が調停委員会と話し合う機会を作ってもらいたい」という内容の上申書を提出しました。今後も、

 等を継続して求めていくつもりです。


●今いちばん必要なのは各業者の実態調査です

■ここを重点チェック!
  今後、調停の場で、焼却停止を求めていくために、また、悪質な業者に対して調停以外の手段を検討していくためにも、各施設の操業実態の把握は欠かせません。 
 そして各施設の操業状態に、違法な点はないか、との視点からチェックしていく必要があります。廃棄物処理法の改正により、より厳しい維持管理基準や構造基準が定められましたし、周辺住民に対しては焼却施設の操業に関する各種記録の閲覧をさせることも義務付けられています。これらの情報を把握し、業者操業の違法性を指摘できれば、煙をストップさせる大きな力となります。

 すすめる会の実態調査チームでは、各施設の記録閲覧、実態把握のための業者見学、行政が把握している情報を入手すること、などに取り組んでいます。これまでの情報収集の中で、多くの違法な実態が確認できていますが、数多くある被申請人企業の全てを把握するためには、もっと多くの方の監視の目が必要です。

●例えば・・・

■記録閲覧に行ってみよう
 各業者は焼却物の各月ごとの種類、量や、温度記録、ばい煙測定結果等を周辺住民に対し閲覧させることが義務付けられています。
きちんと記録がとられているか、どんどんチェックしに行きましょう。また、一人ではちょっと……、という方がいらっしゃいましたら是非、実態調査チームへ御一報ください。 

 これまで閲覧へ行った業者の中には、きちんと記録が取られていなかったり、担当者がいないので、後日来てほしい、といった対応をするところが多いのですが、「生活環境の保全上利害関係を有するものの求めに応じ、閲覧させなければならない」、
と法律に明記されている以上、いつ行っても、住民に対し記録を閲覧させる体制が整えられているべきです。また、同時に施設の見学も申し入れ、その際、許可を得て、写真を撮らせてもらうとよいでしょう。

■監視の目を光らせて
 各施設に対する苦情もどんどん行政に訴えていきましょう。煙の状況や、臭い、保管状況など、おかしいと思ったら、逐次報告し、県の対応を促す必要があります。
 県の出先機関である、西部環境管理事務所(tel 0492-44-1250)では、市民の苦情を受けた場合、苦情処理簿に記入し、業者に対し状況を確認しています。業者の処理状況と周辺住民の被害状況を行政の記録に残すことになりますので、積極的に苦情を訴えるべきです。施設数が多すぎるため、県の監視が行き届いていない状況にある所沢では特に、市民の監視の目が必要とされています。

 


公害調停申請者4000名に迫る!!

  昨年12月21日、埼玉県公害審査会に提出された公害調停申請書の第1次申請人は3415名でしたが、その後、第2次の申請人募集に500人以上の方が応じて下さいました。4月末の時点で、申請人となってくださった方は、3985名、所帯数では約1840世帯です。これまでにない大規模の公害調停申請であり、他地域の公害調停運動や弁護士、行政、マスコミからも注目されています。こうした市民の関心の高まりを、早急な第一回公害調停の開催へと結びつけていきたいと考えています。

  他の公害調停の例を見ると、第一回開催まで早いところで1カ月、遅いところでは4〜5カ月かかっており、今回の公害調停の規模を考えると、もう少し様子を見る必要はあるでしょう。とはいえ、ただ漫然と、手をこまねいて待つわけにはいきません。事務局では、代理人の4人の弁護士と埼玉弁護士会の方々と協議しながら、何よりも調停開催を促し、それでもだめなら、被申請側が出そろう前に、とりあえず調停委員に申請側の主張を聞いてもらう形で第1回の調停を開催できないか。悪質な業者には焼却停止の仮処分申請を起こせないか、等の論議が出ており、現在検討中です。「すすめる会」の次回事務局会は、5月23日(日)午後7時より、所沢市立富岡公民館(Tel 042-942-3110)で開催予定です。


◆申請者も各自で早期開催を要請しよう

 第1面、第3面でもふれたように、「すすめる会」事務局ではさまざまな方法で、調停の早期開催を促しておりますが、調停開催の遅れに、申請人の間からも苛立ちの声が出ています。事務局の動きと平行して、個々の申請者が早期開催を書面で要望することは効果的ですので、埼玉県公害審査会に、どんどん要請の手紙・FAXを送ってください! 現在のところ。県や審査会側が「準備作業中」としていることもあり、あまり激しい調子の文書を出すことは控え、「1)早い機会に現地を視察して、環境・健康被害の実態を把握してほしい。 2)ダイオキシン公害調停の早期開催を要望する」といった内容としていただきたいと思います。


◆「すすめる会」が提出した「調停申請書」については、県側が非公開の原則をかたくなに主張し、広報やインターネットへの掲載に反対しています。当会としては、とりあえず非公開原則に応じ、「調停申請書」を申請人に実費で販売するという方針をとりました「調停申請書」の実費は300円です。ご希望の方は、事務局までご一報ください。

◆いまお読みいただいている広報紙『きれいな土と空気』は、公害調停の経過と結果を、ダイオキシン公害調停に関心のある方々に広くお伝えすることを目的に、調停の日程や進行にあわせて、発行していく予定です。現在の限られた予算では、郵送による配布を行うことは不可能ですので、申請人による手渡しネットワークの「POST BOX」をできるだけ活用して広報を配布したいと考えています。
 (次号・第1号は、調停に関する通知事項がありますので、申請人全員に郵送でお送りいたします。)

◆『きれいな土と空気』は、
「すすめる会」のホームページ(http://www3.airnet.ne.jp/dioxin/)にも掲載されています。印刷による広報では間に合わない臨時ニュースや、調停のスケジュールなどを、号外として掲載することも考えていますので、インターネットに加入している方、また身近にインターネットの環境がある方は、ぜひ、ご覧ください。


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