くすぶり続けるごみ山火災の被害

関連リンク

1,ごみ山火災被害対策カンパのお願い
2,県と市への要望書

2002年4月3日、正午過ぎ、所沢市南永井の産業廃棄物処理業者(株)新明が保管場に堆積した高さ15mに及ぶ「ごみ山」から出火、大規模な火災を起こしました。周辺に引火し、隣接する工場が全焼するという重大な被害が生じました。3000m2の敷地いっぱいに積まれた大量のごみ山が燃え上がり、消火活動は困難を極め、有害物質を含んだ大量の煙、灰が周辺に飛散し続け、現在も完全に消火することなく、くすぶり続けています。大量の放水はいわば大量の焼却灰に汚染され、周辺に流出しました。周辺環境への被害は測りしれません。
 「新明」に対する県の指導状況は、といえば、2000年頃から積み上がり始めた明らかな保管基準違反であるゴミの山に対して、立入の際に、効果のない「口頭指導」を繰り返すのみであり、結果的には、ゴミの山は拡張増大を続け、大量の廃プラスチック、ビニル類、マットレス、等を中心とするゴミが約3000m2の敷地一杯に15mの高さにまで積み上げられるという状況を招きました。その間、業者は県の許可により、ごみ山を積み上げ続け、県もそれを放置し続けたわけです。今回の火災により、隣接工場が全焼するという重大な被害が生じました。「ごみ山」が単なる保管基準違反にとどまらず、周辺の環境、周辺住民の生命・身体・財産の安全にまで影響を及ぼすことが改めて明らかになりました。
所沢市周辺に数多くある「ごみ山」による、周辺への被害、火災の危険は、所沢市周辺における切実な問題であることを、これまで私たちは再三・再四にわたり調停の場や、要望、苦情申立などにより県に対し指摘し続けてきました。これら殆どが、埼玉県の許可した業者が「保管」と称して積み上げてきたゴミの山であるからです。業者に対する法的根拠のある是正命令、措置命令、代執行等の手段を用いることによる、早急なごみ山撤去対策の必要性を指摘してきました。実際に1999年以来、私たちが把握しているだけでも、所沢周辺にあるごみ山の大規模な火災はこれで3度目であるのです。

燃え始め。右側が廃プラスチックのゴミの山


ところが、今回の新明の事実が示すとおり、県は何ら効果のある対策をとらず、これらの訴えを無視し続け、ごみ山を放置し続けました。この県の姿勢は理解し難く、今回の火災についても、埼玉県の責任は重大であると考えざるを得ません。

これを受けて、私たちは、「ごみ山被害対策市民の会」をたちあげることとしました。県内にはたくさんのごみ山が放置され続けています。自然発火の危険、一度燃え始めると消火は困難を極め燃え続けること、起こってしまってからでは重大な被害をまぬがれません。早急なごみ山の撤去を求めていきたいと考えています。

2002年4月9日に、埼玉県と市に要望書を提出してきました。また、今回の火災被害による汚染調査、被災者への支援のカンパを呼びかけています。是非皆様の暖かいご協力をお願いします。