クリーンサービス産業廃棄物処理施設操業差し止め訴訟について

 本事件は、廃棄物処理施設の絶え間なく続く騒音振動の被害を訴えたものです。
 廃棄物処理施設による被害は、煙害だけではなく、騒音、振動、悪臭など、様々です。
 住宅のすぐ近くに廃棄物処理施設があることの被害は、想像以上にひどいものです。
 平穏な生活を守るために、立ち上がった原告を支援していきたいと考えています

 訴状

提訴期日 2004年4月27日 さいたま地裁川越支部
請 求 の 趣 旨
1 被告クリーンサービス株式会社は,埼玉県上赤坂字妻恋ヶ原587番1及び587番5において,廃棄物の収集運搬・保管積替及び破砕等の処分を行ってはならない
2 被告らは,原告らに対し,連帯して,それぞれ訴状送達の日の翌日から上記1記載の業務の停止に至るまで,当該月末日限り1日金1万円及びこれに対する当該月の翌月1日から支払済みに至るまで年5分の割合による金員を支払え
4 訴訟費用は被告の負担とする
との判決並びに第2項ないし第4項について仮執行の宣言を求める。

請 求 の 原 因
本訴訟は,産業廃棄物処理施設に隣接して居住・営業している住民及び法人が,同施設から排出される継続的かつ過度の騒音・振動・粉塵等により,住民の健康及び平穏な生活並びに法人の正常な営業活動が奪われたことを理由に,同施設に対し操業の差止めを,同施設及びその代表者に対して損害の賠償を求める事案である。

  周知のとおり,所沢市,狭山市,川越市及び三芳町にまたがって存在する「くぬぎ山」及びその周辺地域には,現在,産業廃棄物処理施設が過度に集中して存在する。
そのような中,被告クリーンサービス株式会社(以下「被告クリーンサービス」という。)は,「くぬぎ山」及びその周辺地域における大規模な収集運搬・保管積替業者であり,その敷地内における大量の産業廃棄物の収集運搬・保管積替行為及び実質的な破砕行為という野放図な営業活動によって,継続的かつ過度の騒音・振動・粉塵等を排出し,原告らを長期間にわたり苦しめてきた。
  原告らは,長年にわたる原被告間の交渉及び被告クリーンサービスに対する行政による指導等によっても被告クリーンサービスから排出される継続的かつ過度の騒音・振動・粉塵等による原告らの被害は一向に改善されないことから,これ以上被告クリーンサービスによる身勝手な違法行為を放置していたら自己の生命・身体・財産・営業活動が回復不可能な程度までに破壊されてしまうと考え,今回やむを得ず,その健康及び平穏な生活並びに正常な営業活動を回復するべく,被告クリーンサービスの操業の差止めを含む本訴訟を提起する次第である。

第2 当事者
1 原 告
(1)原告らは,肩書き住所地にて,中学生の長女とともに3人で暮らしている。
(2)原告有限会社(以下「原告会社」という。)は,畜犬の訓練,飼育,繁殖及び売買等を業とする,原告が営む有限会社であり,主に原告の肩書き住所地にて業務を行っている。
原告会社は,社団法人警察犬協会,日本シェパード犬登録協会,ジャパンケネルクラブの公認訓練所に,またNPO法人犬の総合教育社会化推進機構の公認ドッグスクールに認定されている。また,原告会社は,以前は警察犬を,現在は麻薬探知犬を飼育しており,麻薬探知犬については,現在活躍している麻薬探知犬約260頭のうち約60頭もが,原告会社で飼育されたものである。
そして,代表取締役である原告は,警察犬協会の公認1等訓練士,日本シェパード犬登録協会の公認1級訓練士,ジャパンケネルクラブの公認訓練範士の資格を有し,NPO法人犬の総合教育社会化推進機構の理事及びNPO法人犬の総合教育社会化推進機構のマイスタードッグトレーナーを務めている。
(3)なお,原告の肩書き住所地と,上赤坂所在の被告クリーンサービスの支店である産業廃棄物処理施設(以下「被告産廃処理施設」という。)との間には,幅わずか約2.9メートルしかない林道が通っているだけであり,両者は実質的には隣地といえる程に異常に近接した位置に存在している。両者の位置関係は,原告の居住家屋の2階の窓から被告産廃処理施設全体が一望できる程に近接している(甲1)。

2 被 告
(1)被告クリーンサービスは,産業廃棄物の収集運搬(保管積替えを含む)業の許可を有し,産業廃棄物処理業を営む株式会社である。被告クリーンサービスは,埼玉県上赤坂字妻恋ヶ原587番1に支店を有しており,同所及び妻恋ヶ原587番5において産業廃棄物の収集運搬・保管積替等をしている。
(2)被告代表者は,被告クリーンサービスの代表取締役である。
 3 これまでの経緯
平成5年〜
クリーンサービスは、平成5年から操業を開始。焼却炉を前田家住宅の目の前に設置し、ひどい操業を続けてきた。
度重なる苦情の訴えにも誠実な対応をとることはなく、重機の騒音や振動、焼却炉からの灰が降って来るというひどい状態が7年間続いた。
平成12年〜
 原告の呼びかけで、地域一丸となって、焼却炉操業に対する反対運動が行われた。
平成13年8月
 焼却炉の操業を停止、焼却炉は廃炉。
 しかし、その後も、大量のゴミの「保管積み替え」は続いた。
平成13年以降
 重機の稼働台数も年々増え、ゴミの保管状況もひどい状態が続いている。
平成13年12月30日
 クリーンサービス敷地内廃棄物から火災が発生

3年半という短い期間に計18回の廃棄物処理法違反を県に指摘されている。

 4 差止の法的根拠
身体権的人格権
平穏生活権的人格権

 5 差止を必要とする実情
現在の状況
 重機5台、ブルドーザー1台、フォークリフト2台が日中休むことなく操業を続け、ゴミをならしたり、つぶしたりする作業を行っている。
 日中の間、常時続く5〜8台の重機の騒音振動、ダンプ等搬入車両からの積み卸し、ごみを寄せては返す作業の間中、粉塵が発生。ゴミ保管施設が隣にあることによる、生活への影響はひどい。苦情を言っても、誠実な対応がとられることはなかった。 重機による粗破砕さえ行われ、ひどい騒音振動が発生。

被害状況
健康被害
  現在:頭痛,ホルモンバランスの異常,咳き込む,ぜん息など。
  将来的な健康被害の蓋然性も高い。
生活被害
 原告の家では、日中、騒音や振動の中で、会話もできず、何事にも集中できず、コップに水を入れておいておくと、常に水面が揺れるような、細かな振動が続く。  しかも、業者は日曜日にも搬入車を断ることなく、操業が行われることもあります。安心できるはずの自宅で気の休まるときがない。「人の住むところではない」ことから友人も呼べない。
低周波音による被害や蓄熱火災の不安もある。

環境基準を超える騒音
 原告らが、操業の際に発生している騒音を測定したところ、操業の間中、58から64デシベル、と環境基準を超える騒音が記録された。(環境基準は55デシベル)
 狭山市の測定でも、同様の結果が得られている。
(原告ら又は狭山市が騒音を測定した日:@平成13年2月5日,A5月15日,B6月7日,C同15年11月8日,D11月12日,E12月4日,F同16年4月10日)
 また、低周波音レベルも測定したところ、25〜28Hzの低周波音が約80db発生していた。重機などのディーゼルエンジン音等から、低周波音が発生することは知られており、低周波音にさらされることにより、圧迫感、頭痛などが引き起こされる。

原告らの先住性
被告クリーンサービスには害意があること
被害防止のために被告クリーンサービスが努力した形跡がないこと

 6 損害賠償
健康被害・生活被害に対する慰謝料
財産的損害