Dark Moonglow Magicians


ランプ

蒼い星 I wish(その5) 蒼い星

 涙を頬に伝わらせると、それによってぷちんと切れた糸のようにヤンは声を上げる。
「は・・・あ・・・やあん・・・・・・っ!あっ、あっ」
 ユンの唇でふさがれると、ヤンはもはや自分が何者であるかすら忘れることが出来た。
 ヤンの中に進んでくるそれは大変熱く、熔けおちてしまうのではないかと思われるほどだった。
「なあ・・・・・・ヤン。お前と俺の繋がってるトコ・・・・・・・・・めちゃくちゃ熱い・・・」
「──・・・ユン、も・・・?」
 一心同体とはまさにこういう状態を示すのではなかろうか。
 ユンが自分と同じ思いをしていてくれていると知った途端、ヤンの心の中にどっと安心感がおとずれる。
 手を握られ、ヤンは意識が遠退く。
 理解した瞬間、ヤンの中でユンが熱く震え、それがゆっくりと流れ出す。
 温かい手に握られたまま、ヤンは自らの意識をユンに手渡した。


 チュンチュンと鳥の鳴く声で眼を覚ました。
 眼を擦りふとんの側にあるたまごがたの置き時計を覗くと、8時を示していた。
 今日は日曜日、休日だ。
 拳法の練習は無い。
 ふう、と吐息を吐くと、ヤンはぐっくりと寝込んでいるユンに眼を落とす。
 暫くそのままで居たが、微笑むとヤンもユンと同じふとんの中にさきほどのようにもぐり込んだ。
 ユンの体温が伝わってくるようで、心地良かった。
「う〜ん・・・」
 寝ぼけて抱き締めてくるユンの腕に身を任せながら、ヤンはもう一度眠りにつこうと眼を瞑った。
「・・・ありがとう、ユン。これで俺たち、ずっと、ずうっと、一緒に居られるね・・・大好き。ユン」
 ユンの優しい匂いに包まれながら、ヤンは照れたように笑った。

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