【映画鑑賞録】「魔法戦隊マジレンジャー THE MOVIE インフェルシアの花嫁」
「劇場版 仮面ライダー響鬼と七人の戦鬼」
はじめに。
・二本の別の映画ではあるのだが、一本は上映時間も短い作品でもあり、映画鑑賞録でも一括して扱わせていただく。ここ数年戦隊+ライダーの映画版は恒例になっており、二本セットで扱うのが適切だろう。
この二本立て、戦隊は短編でライダーが長編という形式。
両者とも年末に向け、新キャラや新要素がテレビに先行して出現するのも恒例。
基本的にはテレビシリーズのお祭り的映画シリーズである。
しかしライダーの場合、「テレビと異なる完結編」といった常に驚きのある要素があったのも事実。
けっして、番外編とは決め付けがたいものがあるのだ。
「魔法戦隊マジレンジャー THE MOVIE インフェルシアの花嫁」
・魔法をテーマにした、今までありそうでなかった新戦隊。
しかも、5人とも兄弟というのは、意外と無い設定である(過去1回だけ)。
正直言えば、魔法だからなんでもアリぎみなのは微妙な気がするが、
ドラマは戦隊らしい健全さのあふれる軽めのノリ。
ちなみに、映画版は40分ほどと短い。これでも、例年より10分長くなっている。
・物語は、マジレッドこと小津魁(小津五兄弟の末っ子。でも、主役たるレッド)の
思い人山崎さんが敵にさらわれてしまう。敵地に乗り込めるユニコーンを貸してもらうべく、
小津兄弟は天空聖界マジトピアの大聖者に嘆願する……、という内容。
基本的に「お祭り」色の強い戦隊の映画版。
今回も例に漏れないのだが、若干説明セリフが多かったかもしれない。
物語自体はシンプルなのだが、世界観が通常と異なるファンタジー的世界が絡む分、
短い尺に世界観の説明が追いつかなかった印象。
絵で説明すべき点でも、セリフでだらだら語っていたという点もあったが。
・思い人のためなら、どこまでもゆくという主人公の思いとか熱さとか、
その辺りを強調した方がよかったかもしれない。
正直演出も陳腐すぎて、見ていてこちらが恥ずかしい内容だった。
エンディングの追いかけっこは、特に……。
あくまで戦隊の映画は映画とはいいづらい。
それでも、テレビと違う世界を楽しみたいファンならば、どうぞという感じだ。
おそらくストレスは感じない。
40分近い時間を楽しもうと出来る映画ではあると思う。
「劇場版 仮面ライダー響鬼と七人の戦鬼」
・日本中を荒らす魔化魍(まかもう)と戦うべく、厳しい修行の果てに変身する能力を持った人。
それが、この「仮面ライダー響鬼」に登場する「鬼(仮面ライダー)」。
いわば化け物退治を職業とする彼らの戦いを描くのが、テレビシリーズ。
独特の雰囲気と作風が新鮮で、楽しい作品である。
毎年今までに無い切り口で、作品を展開する平成仮面ライダーシリーズ。
その中でも、おそらく最も異色なのが本作だろう。
魔化魍退治専門家という趣の鬼達が、周囲の人々にバックアップされながら戦う。
主人公のヒビキの飄々としたキャラクターもおもしろい、オリジナリティ溢れる娯楽作である。
・今回は戦国時代にいた鬼たちの物語。
魔化魍に悩まされた村を救うべく、立ち上がる七人の鬼達。つまり、七人の侍響鬼版という所。
ただ、当時の鬼は忌み嫌われており、村人にも厄介者扱いされるが、最後には……。
テレビシリーズと脚本家もプロデューサーも異なるためか、テレビでの独特な演出が登場しない。
(なお、プロデューサーと脚本はアギト・龍騎・ファイズの3ライダーシリーズを手がけた
白倉・井上コンビ。11月公開の仮面ライダーFIRSTも彼らの手によるものになる)
ヒビキが彼を慕う少年明日夢の呼び方も違うなど、雰囲気が映画に生かされていないのだ。
しかし、その辺りはキャラクターでカバーしている。
新登場する5人の鬼(残り3人は、それはテレビ版の主役3人と同じ)は変身前も後も個性的。
各出身地にまつわるライダーということで、鷹(九州)、熊(北海道)、虎(大阪)等一見勘違いしているかのような風変わりな人物達が登場する。
メインは勿論ヒビキになるわけだが、今回仮面ライダー歌舞鬼(カブキ)が主役級の活躍を見せる。
彼は思わぬ行動に取るのだが、それは見てからのお楽しみである。
ただし、尺のやや短い映画には似合わない設定には感じた。もう少し人物描写の時間が欲しかった。
・登場する新しい鬼たちの描写は楽しい。鬼の一人羽撃鬼(ハバタキ)は、妻子を持ち、鬼として戦うことを捨てている。
しかし、実際には鬼として戦う情熱自体は失っておらず、それを理解している妻の言葉で再び立ち上がることを決意するなど、それぞれを印象づける話が用意されている。
だが、どこか物足りないのは、物語の構成もおかしいと思われること。
冒頭と最後の現代のヒビキ達のエピソードはいらないような気がするのだ。
あくまで、戦国時代にあった、かもと思わせる程度でいいのだ。
一応、つながりが必要なら、ある日何気なく古文書を読んでいた明日夢少年が、昔の鬼の話を発見し、
最後に読み終わって感想を述べるくらいでいい。
ところが、製作サイドは何故か現代の響鬼達に最後、物語を写してしまい、物語に断絶をもたらしてしまう。
おそらく、響鬼の最終形態を見せるなどの諸事情によるものではあると思うのだが……。
全般的には楽しめる映画だが、どこか不満の残る展開だったのは残念な限りである。
恒例のツッコミコーナー
マジレンジャー
・大聖者さまは、曽我町子だった・・・。デンジマンとサンバルカンのヘドリアン女王役として有名。
私の子供時代にジャストミートする配役で驚き。しかも善玉ですか……。凄い違和感だ…。
・映画のゲスト悪役である、バーサーカー一族の王グルーム・ド・ブライドンの声は檜山修之が担当。
(ガオガイガーのガイ。08小隊のシローなど、ヒーローが本来多い。)
しかし、私にはどうしてもビーストウォーズメタルスのランページにしか聞こえなかった……。
・聖者様から借りた馬はユニコーンという設定だが、凄いいい加減なツノをのっけただけの馬だった。
しかも、微妙に白馬とは言いがたかった……。
響鬼
・威吹鬼(イブキ)がバカ殿……。これは見ていただく以外にはありませぬ……。
・戦国時代、なのだが、劇団新感線の井上歌舞伎の世界にしか見えない……。
わかる人にしかわからないネタなんですけどね。派手な格好が雰囲気が似てますよ。
・ディスクアニマルが戦国時代に。しかも、何故か今より大きく、強い。何故?
コーナーTOP
TOP