1974年9月にアメリカの物理学博士ジェラード・K・オニールらによって提唱された「宇宙の植民」は、地球と月との間に存在するラグランジュ・ポイントに人口の生活環境を作り、そこに住むことを主張した。
その人類の宇宙における生活環境が、スペースコロニーであり、宇宙世紀における人類の世界となる。月が地球を周回する軌道上に5つのラグランジュポイントと7つのサイドと呼ばれるコロニーの集まり、これに地球と月を加えた物が、地球圏である。そして、人類が宇宙に植民を始めた時から西暦は消え、宇宙世紀が始まることになる。
スペースコロニーは、直径数キロ、全長35キロ以上の島2号型の物が主流である。むろん、初期のコロニーは、もっと小さいし、形状も異なる。また、同型の物でも全長は異なっていた。コロニーの内部は、地球とそう変わらぬ環境を人工的に作られており、空気は、むろん重力も存在する。その重力は約0.9G(地球を1Gとして、月は6分の1G)。人類は、宇宙において初めて地球を変わらぬ生活環境を手に入れたのである。太陽の光は、巨大なミラーによって、取り込んでいる。ミラーの角度によって、太陽の光の量を調節しることで朝昼夜を演出するのである。
しかし、この人類に宇宙での生活を保障するコロニーは、人類に宇宙での生活を当たり前の物へと変えていった。それが、宇宙世紀の歴史に大きく影響していくのである。