サンデージャングル
原文作成◆南玲子
1996 テレビ 注目人物 DATA FILE
画面には2人の顔写真と名前が映し出され、「高校時代の同級生、1974年生まれ、特技:ヒッチハイク」と書かれていた。それに引き続き、猿岩石日記が映し出される。
ナレーション
今年、テレビ界の話題と言えば猿岩石。予算10万円でユーラシア大陸横断ヒッチハイクに挑んだ2人の姿は大反響を呼び、出版された日記は一躍ベストセラーに。半年前まで全くの無名だった2人が、社会現象を巻き起こした。そんな彼らの素顔と本音を覗いてみた。
猿岩石の2人が(太田プロの事務所らしきところの)ソファーに並んで座る。有吉君の頭は寝癖がついていた。
もう一度行きたい国は?
有吉
僕は二つあるんですけど、インドとトルコですね。はい。
インタビュアー
それはどうして?
有吉
インドは……ハマッちゃったんですけど、もう、僕みたいな大雑把な性格なんで、もう何でもありのインドの性格がすごく好きで、トルコは……巨乳の人が多いですね。巨乳率80%ぐらいで。
森脇
バンコク……と、あとネパールですね。
インタビュアー
それはどうして?
森脇
僕は逆にインドが大っ嫌いになったんですけど、インド入って、もうインドがやだなって思ってるときにネパールに入ったんですよ。そしたら、もうネパールがすごくよく感じて、リフレッシュできて。
有吉はインドに憧れていた。
ナレーション
インドにハマッたというリーダーの有吉には昔からインドへの憧れがあったそうだ
有吉
なんか、よく聞くのは『人生観が変わる』とかって聞くじゃないですか。僕、なんか日本にいたときは意地悪で、嘘つきで、あまり友達もいなかったんで、インド行って人生観変われば……優しくなって、日本帰ってきて友達できるなぁっとかゆって、インド行ってみたいなぁって……はい。結局、変わんなかったですけどね(笑)……はい。
ナレーション
人間性としては変わらなくとも、芸人としての意識は変った。以前は……
有吉
媚びを売らない(森脇君のクスクス笑う声が入っていた)
そして……常にハングリー
カッコよく
あんまり理解してもらわなくてもいいから
自分達の好きなことをやる。
これが目標だったんですけど……
有吉、まじめな表情で語る。
ナレーション
そして今は……
有吉
ニコニコする
みんなに分かりやすくする
リアクションの勝負。
以上です。
有吉、先ほどとは打って変って笑顔で語る。
ナレーション
一方、森脇は……
森脇
お笑いに関しては(有吉が)リーダーなんで、ついていくだけ。
紙に「I want job」と「LONDON」の文字を書く森脇君。そして、「I want job」と書いた紙を2人で立って持つ姿。
ナレーション
と言う森脇だが、今回の旅で唯一主導権を握ったのが、例のボード書きである。大雑把だという有吉と違って、丁寧な仕事だ。そして、このボードが日本中の若者の笑いと涙を誘った。
猿岩石をマネる奴がいるらしい。
ナレーション
ここはタイ、バンコクのカオサン通り。安い旅行代理店や食べ物屋が多く、世界中の旅行者が集まる場所である。ここで、『ジャングル』取材班はこんな2人組みを発見した。
安宿のようなところでインタビューされる大学生2人組。
2人組
あの、ゴールするところで、『うわー、ええ話やぁ。やっぱ、猿岩石の一人カッコええわぁ』おもて(思って)……やっぱ、絶対カッコええっすよ。ほんまに。もう見てるときからねぇ、あんな……ほんま僕らやったらでけへん様なことやったはるし……
ナレーション
(彼らの所持品『猿岩石日記2』の映像、なぜかトイレットペーパーの横に置かれていた)しっかり猿岩石の本も持っている。2人は大学4年生(神戸大学)。就職も決まり、残された時間を有意義に過ごそうと旅に出た。目的地はインド。帰国は一ヶ月後。猿岩石のような過酷な旅は出来ないものの、なるべく安く済まそうとする貧乏旅行だ。所持金は2人合わせて残り8万円。値切れるものは値切る。(タクシーを値切る2人の映像)日本を出発して3日。アジアの旅は2人共、これが初めてだ。
大森君
食べもんが違うんで、辛いだけじゃないんすよ。辛くて酸っぱいんで、どうしても腹痛かったり、やっぱ辛いもん食べて、汚い話、ウンコするとき、『ケツイッたいなぁ』いうのとか……
ナレーション
そうなることが分かっていて、何故?
大森君
やっぱ猿岩石とか……こんな言い方したらベタですけど……まぁ、出発してからそのゴールするまでの間に、なんかムッチャカッコよくなってるんですよ。カッコええゆうか、『人間的に成長してるかなぁ』いうの、あったんで、やっぱ、苦労したらするほど、そうゆうの求められる思うんですよ。結果も出ると思うし……
永渕君
大学4年間で、だいぶだらけた生活してしまってますから、どうしてもそうゆうとこ忘れてるとこって忘れてしまってる思うんですよ。
猿岩石への質問!
ナレーション
こんな2人から猿岩石へ質問!
永渕君
性欲とかそういったものは、ムラムラしてしまう思うんですけど、それは一体、ほんと、カメラの映ってなかったときどう処理されているんですか?
有吉
性欲がある旅をしているうちは、まだアマイ!
有吉、しみじみとした表情で答える。
森脇
そう!
森脇、納得といった表情で。
永渕君
ほんま、頑張ってください。
大森君
ほんまカッコいい思ってますんで、お願いですから、消えへんように……しゃべりの方も、頑張って……まぁ長いことテレビに出とって下さい。
永渕君
日本帰ってからも期待しております。
大森君
帰って、いきなり日本行ったら『猿岩石何処いったんや』いうような(ことの)ないようにお願いします。
有吉
それは……無理!
森脇
早く帰ってきて下さい。
有吉
早く帰ってこないと、危ないし……ねっ。僕らも危ないですから……ねっ。
森脇
そう!
有吉
早く帰ってきて下さい。
森脇
はい。
ナレーション
(森脇君の裸足の踵が映し出され)踵のマメはもう完全に治ったようだ。(メッセージボードに『I want 実力』と書く森脇君)今の2人のメッセージボードにはjobと実力が欲しいと記された。(凛々しい表情で『I want job/実力』の文字の書かれたメッセージボードを持って立つ2人)これから、2人が目指すゴールはロンドンより遥かに遠い道程なのかもしれない。
VTR終了後の麻木久仁子と中居正広のコメントの一部
中居
これからその笑いを目指す……ね、こういうインタビューでももっと意欲的に笑いをとりにく、そのね、気持ちが欲しかったですね。(一同笑い)
麻木
なんか猿岩石さん、日本にいる時の方が疲れていらっしゃるみたいでしたね。
中居
う~ん。もっともっと笑いをね、笑いをとりたいんだったら、僕らだって芸人じゃなくっても笑いをとりにいこうとする時あるじゃないですか。そういう意欲的ななんか気持ちを、ほんとあらわにして欲しいなぁなんて思いましたけど。