"お笑い"真夏の夜の夢 [第三幕]
原文作成◆NAEさん
📍 東京・新宿朝日生命ホール
| 役名 | 演者 |
|---|---|
| シーシアス | 森脇和成(手裏剣トリオ) |
| イジーアス | 原口あきまさ |
| ライサンダー | ゴルゴ松本(TIM) |
| ディミートリアス | 有吉弘行(手裏剣トリオ) |
| クインス | 斎藤優(パラシュート部隊) |
| スナッグ | 原口あきまさ(二役) |
| デガワ | 出川哲朗 |
| フルート | 森脇和成(手裏剣トリオ・二役) |
| スナウト | 矢野広崇(パラシュート部隊) |
| ヒポリタ | 斎藤優(パラシュート部隊・二役) |
| ハーミア | おさる |
| ヘレナ | ふかわりょう |
| オーベロン | 三村マサカズ(さまぁ~ず) |
| ティターニア | 大竹一樹(さまぁ~ず) |
| パック | 内村光良(ウッチャンナンチャン) |
| 踊る妖精 | レッド吉田(TIM) |
場面:アテネ、およびその近郊の森
第三幕
第三幕 第一場 森
ティターニアが眠っている。
クインス、スナッグ、デガワ、フルート、スナウト登場。
クインス
よーし。
デガワ
よーしみんな揃ったか。
スナッグ・フルート
おう!
クインス
どうだいここ?稽古場にはもってこいの場所だろ?
スナッグ・デガワ・フルート・スナウト
おー。
クインス
この芝生が舞台だ。
スナッグ・デガワ・フルート・スナウト
おー!
パック背後に登場。
クインス
さっそく立ち稽古に入るぜ!
スナッグ・デガワ・フルート・スナウト
おう!
クインス
まずは、この芝居の一番の見せ場、ロミオがジュリエットの屋敷の庭園に隠れ、二階の窓から姿を現したジュリエットの、嘆きと悲しみの独り言に聞き入るシーンだ。
スナッグ・デガワ・フルート・スナウト
うーん。
クインス
デガワは、乳母の声がしたらとっさに、あの茂みに隠れるんだ。
パック
まったく素人どもがなに騒いでやがるんだ、あんな近くに女王さまがお休みになっていられるというのにぃ。
クインス
じゃあ始めよう。
パック
なんださっそく芝居が始まるな、高みの見物といくか。でも、一番あそこにいる男(スナウト)あんな奴いたっけなぁ?
クインス
さぁセリフだ。ジュリエットはあの岩の上。
スナッグ
おう。
クインス
デガワは…ここだな。
デガワ
ちょっと待って、ひとつだけ聞いていいか。最初からちょっと気になってたんだけど、何で俺だけデガワ呼ばわりなんだよ?何で俺だけなんだよ、なぁ。
クインス
うるさい!
デガワ
いやうるさいじゃなくて、(叩)おい。(蹴)
パック
あ、もめた。
デガワ
何で俺だけデガワ呼ばわりなんだよ。
スナッグ
お前何かさっきから調子に乗ってない?
パック
あら、いじめになっちゃうよ、いじめになっちゃういじめに。
デガワ
この口が言ったのか、この口が言ったのかおい!
パック
いじめになっちゃう。
クインス
ふえ~ん…(泣)
パック
あ、泣いた、泣いた。
デガワ
あっごめん、ごめん…ごめんね。
クインス
大人がいじめる…
デガワ
確かに、もうしない、もうやんない、ごめんね、ごめんな。
クインス
もうせえへん?
デガワ・スナッグ
うん。もうしない。
クインス
…さっそく始めよう!
スナウト
立ち直り早いなおい。
フルート
急に変わったよ。
スナッグ
何だこいつは。
クインス
なぁ、デガワ!
デガワ
…!
クインス
ロミオ、庭園の暗闇に隠れる、ジュリエット二階の窓から姿を現す、いいな!
スナッグ
OK!
クインス
さっそくセットしよう。
デガワ
なに威張ってんだよ…
クインス
さぁちゃっちゃと動け!
パック
あんたジュリエット!ふーん。
クインス
よし、じゃあみんないいな、行くぞ、よーいスタート!
デガワ
うぁ!何だ、何だこの眩しすぎる光は、おぉ、ジュリエット、我が私の恋人よ!
スナッグ
はぁ、はぁ…
デガワ
口が、口が開く、何かを言おうとしているこの天使が…
スナッグ
ロミオ、ロミオ。どうしてあなたはロミオなの?
デガワ
あぁあどうしようか、この素晴らしい美声をこのまま聞いていようか、それとも、私があなたに話しかけようか、どうすればいいんだこのもどかしさよ!
クインス
二階の奥から乳母の呼ぶ声!
フルート
お嬢様ー、お嬢様ー。
デガワ
やばい、誰かに気付かれたら大変だ。ひとまず退散するとしよう。やばい、やばいぞ、やばいやばい、やばい。
デガワ退場。
パック
あのロミオ最低だな!よかった~シャララ辞めて。よし、あいつにちょっと魔法をかけてやろう。ロバの頭にしてやろう。おっ、ということはそれまでスナッグの独り芝居。ここは芸人魂の見せ所ですよ!
パック退場。
スナッグ
ロミオー、ロミオ。違うな。ロミオ、ローミオ。違う違う。
フルート
お嬢様いるのですか?
スナッグ
(田中直樹氏)なに言うてんですか、僕はここで、いるわけないじゃないすか、お嬢様がいる、ぷっぷっ、ぷっ、いませんよお嬢様なんか。
フルート
あれ、さんまさんかと思ったんだけどな。
スナッグ
(明石家さんま氏)みっかっちゃった、いや違うわ!びっくりするわほんま。予選通過!
フルート
あれ、でも極楽の加藤さんもいたような気がするんだよなぁ。
スナッグ
(加藤浩次氏)ふざけんじゃねーぞお前なぁ。何やってんすか、俺がいるわけないばぁぁ(笑)
フルート
あらあたしはてっきり石橋貴明さんが来てるのかと。
スナッグ
(石橋貴明氏)なぁんだよばぁかおい。おま、踊っとけ~みたいな。モー娘は、また増えちゃった?みたいな。
クインス
そこで隠れていたロミオ帰ってくる!
ロバの頭をつけたデガワ登場、あとからパック再び登場。
デガワ
よかった、どうやら誰にも気付かなかったらしい。
クインス
ば、化け物だぁ~!
デガワ
どうしたんだよみんな?
スナウト
デガワが、すっかり変わっちまって、どうしたんだその頭!
デガワ
え?!どうしたんだいみんなこそ!
スナッグ
デガワー、ひゃっほほほぅ!
デガワ
なんだそれそりゃ?おい!
スナッグ
あんな醜い姿になっちまって。みんな、ここは危険だ、逃げろー!
クインス、スナッグ、フルート、スナウト退場。
デガワ
どうしてみんな逃げるんだよ!(追う)俺が、俺が何をやったって言うんだよー!(逆方向)
パック
いやあっち逃げたあっち逃げた。
デガワ
みんな、なんでそんなに醜いなんて俺を憐れむんだよー!
パック
えー、デガワ君こっから泣きのシーンなんですけどもね、えーどうしてもデガワ君がですね、えー泣きの時は、えーサザンを使ってくれということで、えースタッフが泣く泣く、用意致しました。えーこれからまぁしばらく泣きのシーンなんですが、同時に、えートイレ休憩です!まぁあのつきあってみようかなと思う人は、しばらく、おつきあいください!はりきって、どうぞ!
♪(BGM)旅姿六人衆/Southern All Stars
デガワ
えー、僕が、チェンと初めて会ったのは十九のときでした。学生の時からすげー優しい奴で、一緒に劇団始めて、ウッチャンナンチャンがすごい忙しくなって、スケジュール的に、シャララの公演も難しくなったとき、俺が、南原の楽屋に、行って南原に聞いたんです。来年のシャララの公演どうするって。そしたら南原が、「哲ちゃん、今更シャララやって何のメリットあんの」って…けど、でもそのあとウッチャンに聞きに行ったら、「哲ちゃん、俺のスタートは、シャララだからさぁ、どっちが忙しくてもさぁ、揃って集まってんだから一緒にやりたいよ」って…そんな優しい男でした…大好きだったのに…チェ~ン!!何で死んじまったんだよ~!!
パック
死んでない、殺すな!
デガワ
チェ~ン!!
パック
こ、ろ、す、なっ!
ティターニア
(目を覚まして)うるっさいな!うるっさいわねー!もう誰なの私の安らかな眠りを目覚めさすのはぁもぅ~不愉快ねーっ!も一体誰なのよ…!!ま―――っ!…なんてかわいらしいお方…本当に泣いているのね?
デガワ
泣いてなんかないもん。
ティターニア
気持ち悪ぃけどかわいい!すごいかわいい!私はもう誓わずにはいられない、あなたを、愛すると…あなたを愛します。
デガワ
いや、いやちょっと待ってください。今は芝居の稽古中なんだから急にそんなこと言われても困りますよ。
ティターニア
だめよ!もうあなたをどこにも行かせないわ、ここに引き止めるからね!
デガワ
いやぁそんなこと言ったってもうみんな待ってるし…
ティターニア
だめ!だってもうあなたを愛してる!
デガワ
いや困りますよ。
ティターニア
ちょっと妖精!妖精どこにいるの妖精!出てらっしゃい!妖精!踊る妖精!
踊る妖精登場。
踊る妖精
♪口笛はなぜ~
ティターニア
あっ来たわね。妖精。
踊る妖精
♪なぜ~
ティターニア
あなたにね…
踊る妖精
♪なぜ~
ティターニア
頼みたいことがあるのよ。
踊る妖精
♪なぜ~
ティターニア
妖精。
踊る妖精
なに、なんですか。
ティターニア
ここにいる方。
踊る妖精
はい。
ティターニア
この方を、ここに引き止めるのよ。
踊る妖精
えっ、どのようにしてですか。
ティターニア
あなたの力で引き止めるのよ。
踊る妖精
私の力と言いますと?
ティターニア
あるでしょぉ?ギャグがいっぱい。あるわね?そのギャグでこの人を楽しませるのよ、引き止めるの!
踊る妖精
女王さま。
ティターニア
笑いを笑いをいっぱいとって。
踊る妖精
あの、私言ってる意味がちょっとわからないんです…
ティターニア
とぼけないでー!おいパック!
パック
はい!
ティターニア
パッキュ!
パック
はいはいはいはい。
ティターニア
パックいるんでしょう。
パック
はーいっ。
ティターニア
ずっと見てたでしょうパック。
パック
はーい。
ティターニア
この、臆病者をどうにかしてあげてちょうだい。
パック
んーじゃわかりました。じゃあもうとりあえずやります!今日の妖精!
♪効果音/今日のレッド改め今日の妖精
パック
さ、えーといったわけでございましてですね、えーおなじみ、今日のレッド改め今日の妖精ということで、えーこれから、三つほど、チャンスがございます。その三つめで、この会場で爆笑をとりますと、見事卒業!ということになりまして、さっそくいきましょう、今日の妖精!まずひとーつ!
踊る妖精
だめだだめだ、このままじゃ幸せんなっちゃう!
パック
ま…まんまでした!まんまでした。今のどこ?みたいなね。さぁ、続いて、ふたーつ!
踊る妖精
飛び込んじゃえよぉ、プールサイドに!
パック
どうしたんでしょう?!どうしたんでしょぉ?!いつもよりも調子が悪い!それとも三つめに隠し持っているのか!
ティターニア
そうね。
パック
さぁいよいよ、ラストです、どうなるんでしょうか、妖精の運命は、ラストー!
踊る妖精
くちびるくちびるくちびる伸び~る…〈笑〉
ティターニア
何やってんのあんた!何やってんの!
デガワ
すいません、帰らせて頂きます。
パック
あーちょっと待って、ちょっと待って、もう一個、もう一個だけ、もう一個もう一個だけ、もう一個だけチャンスを!もう一個だけチャンスをお願いします!
ティターニア
もう一個あるよ、もう一個あるわ、もう一個あるわよね。
パック
このままでは引き下がれません、踊る妖精。さぁ、それじゃあ、おまけのひとーつ!
踊る妖精
いりぐちでぐちでがわ!
デガワ
やぁやぁやぁ、やぁやぁやぁ時間がぁ、時間が…リハーサルばかうけだったんですが、時間が時間が…
ティターニア
あんた何やってんのあんた!
デガワ
時間がぁ…
ティターニア
だって、まだあっじゃあこれを聞いてって、えー、悲しいダジャレをひとつ…
パック
出た、必殺技!
ティターニア
猫が、寝込む。永遠に…。どうですか、大丈夫ですか、大丈夫?
デガワ
お、面白い!
ティターニア
あぁありがとう。
デガワ
気に入りました!
ティターニア
妖精、妖精どうしたの!
パック
ちょっと待てぃ!ちょっと待て!今こいつは弱ってるんだ!…やれるか…
踊る妖精
前のやつでいいですか…
パック
何だって?
踊る妖精
前のやつでいいですか…
パック
(笑)前のヤツでいいですかって…よーし!
ティターニア
やるんだ…
パック
よ~し。
ティターニア
やる気かおい…
パック
おまけのひとーつ!
ティターニア
がんばって!妖精!
踊る妖精
パンパンここジャパンパンここジャパンパンここジャパンパンここジャパーン!
パック
よかった!
デガワ
気に入りました!
パック
頑張った!
ティターニア
よかった、よかった。
デガワ
気に入りました!
一同退場。
第二場 森の別の場所
オーベロン登場。
オーベロン
ティターニアはもう目を覚ましただろうか。目覚めて最初に見たのは一体何だったんだろう。それに、恋焦がれているはずだが…それにしてもパックめ!遅いぞ!
パック登場。
パック
ひぃ、ひぃ、はいただいま戻りました!
オーベロン
遅ぇよおい!
パック
すいません!
オーベロン
も、遅いよ!
パック
ごめんなさい待たしちゃって。
オーベロン
で、どうなった?
パック
バッチリでございますよ~ティターニア様はですねぇあのーロバ頭のデガワとかいう学のない糖尿病間近の男に…
オーベロン
糖尿病間近なの!
パック
えぇくびったけというありさまでございまして。
オーベロン
そうかぁ。
パック
はーい。
オーベロン
私が企んだ以上にうまくいったな。
パック
そうですよ!
オーベロン
ところで…
パック
はい。
オーベロン
アテネの若者の方はどうなった?
パック
あっそれもねバッチリでございます。
オーベロン
よーし。
パック
アテネの服装の男をバッと見つけまして。
オーベロン
うん。
パック
早かったですよ~?えぇ。で、それでその隣にはちゃんと娘が寝ておりました。
オーベロン
おぉおぉ。
パック
で塗ってやったんでね、目覚めればどうしてもその、子を見るわけでございます。
オーベロン
そうかぁ。
パック
えぇバッチリでございますよー。
オーベロン
あぁ。
パック
えぇ。
オーベロン
おっ。
パック
ん?
ディミートリアス
(声)待ってくれハーミア!
オーベロン
姿を隠せ!
ディミートリアス、ハーミア登場。
オーベロン
アテネの男というのはあの男か。
パック
いや、女は女だけどあれ?男は…例の男じゃ…あれ?あれ?
ディミートリアス
あぁ、何と嘆かわしき現実。何故にあなたは、このディミートリアスにその心を開こうとしない。
ハーミア
何故あなたは、そのように、堅苦しい話し方をなさるの。それにね、その恋煩いは、今だけのもの。あなたは、ヘレナと結婚するべき人なの。あなたにとっても、ヘレナにとってもそれが一番いいことなの。私は、ライサンダーを愛しております。あの方も、真実を尽くしてくれました。だから、私を置いて、逃げるはずがありません!あなたが殺したとしか思えません!お願い!あの人を返して!返して!返して!
ディミートリアス
そうするくらいなら、あいつの死骸を犬にでも食わせてやる。
ハーミア
なんですって?やっぱり殺したのね!
ディミートリアス
その怒りには何の根拠もない。俺はライサンダーを殺した覚えなどないし、死んでなんかいないはずだ。
ハーミア
では、言って。言ってちょうだい。あの人は、生きていると。
ディミートリアス
そう言ってあげたら、そのお礼に何をくれる?
ハーミア
ネタを見せてあげるわ。
ディミートリアス
え?
ハーミア
ネタ。
ディミートリアス
ね…何?
ハーミア
最高のネタを見せてあげるわ。
ディミートリアス
この状況で?…大冒険じゃないっすかぁ?
ハーミア
大冒険でもいいじゃない。でもいいじゃない!なんでもいいじゃない!あの人が、生きていると、聞かせてくれるなら!
ディミートリアス
生きているとも!
ハーミア
早いわね!相変わらずね。
ディミートリアス
さぁ見せてくれ。君の最高のネタを。さぁ!
ハーミア
まぁ…言っちゃったからしょうがないけど…えー、あの人が生きていると思えば、全然こんな悪条件、オッケーです。じゃあ見ていなさい。えー、最初はじゃあ、あっち向いてほい。最初はグー、じゃんけんコン!あいこでコン!あっち向いてコン!
ディミートリアス
まだまだぁ、本っ当に最高のネタを見せてくれよ!
パック
(笑)嫌な…
オーベロン
(笑)嫌なフリだな…
ハーミア
言葉じゃ簡単なんですよ!その日の状況とかね、いろい…じゃあね、えー野球いきます野球。左利きの野茂。(投・回転)じゃあ、じゃあ続いて、もう一個野球。
ディミートリアス
(笑)まだ、まだ?
ハーミア
えー、右利きのイチロー。(打・反転)
パック
(笑)こっち見た、こ、こ、こっち、こっち笑わしたこっち。
オーベロン
(笑)見えてんのか?
ディミートリアス
すごい、面白い!まだまだできるだろう、そんなに面白いんだから!
ハーミア
じゃあ、今年初めの大ヒット。ヤギの氷川きよし。じゃあ、やだねったら、やだメェ~。(踊)
オーベロン
(笑)これは面白いですね。
パック
(笑)
ディミートリアス
もういいもういいだろう。
ハーミア
オッケー!最後やらしてくれ。
ディミートリアス
(笑)まだやるのか!
オーベロン
(笑)のりすぎだよ!
ディミートリアス
まだ?!
ハーミア
いいの!ノッてるときにもう一回やっといたほうがいいんだよ!じゃあ、えー、いきますよ。♪ほんの、小さな、出来心~
ディミートリアス
すごい。
ハーミア
もうないのよ。気が済んだでしょっ!こんなにやる予定じゃなかったのよ。えっ?!でもいいわ、もうあなたはうんざりよ。忌まわしいあなたとはもうこれでお別れ。あの人が、生きていようと、いまいとねっ!
ハーミア退場。
ディミートリアス
あんなに怒っていては追いかけても逆効果だ。とすればここで休んで、しばし時間が経つのを待つとしよう。
ディミートリアス眠る。
オーベロン
おいパック。
パック
ふい。
オーベロン
薬を塗ったのはこの男だよな?
パック
いえその男じゃありません。
オーベロン
いやアテネの服装…
パック
いやだからアテネの服の男に塗りました。
オーベロン
いやアテネの服こいつだろ?
パック
だからその男じゃありません。
オーベロン
別の奴に塗っちゃった。
パック
えぇそうそう。
オーベロン
ま、間違えちゃったお前!間違えちゃったお前!わけわかんないよこれ!
パック
マジで?
オーベロン
マジで!
パック
こりゃ失敗したばいー。
オーベロン
ばいってお前!ばい?!九州の!
パック
(笑)
オーベロン
これは大変なことになるぞ!まことの恋は不実に終わり、不実の恋は変わらないぞ!
パック
ともすればまことを守るひとりに対し、百万人が誓いを破ることになる…。
オーベロン
さぁ!森の中を風よりも速く駆け巡り、あのへレナというアテネの娘を探して、ここに連れて来るのだ!
パック
はい。
オーベロン
私はこの男に薬を塗っておく。
パック
はい。今すぐ飛んで行きます、ダッタン人の矢のように!
オーベロン
ダッタン人?
パック
ダッタン人!
オーベロン
ダッタン人?
パック
いやあの台本に書いてあったの、ダッタン人。多分その時代の人よダッタン人。
パック退場。
オーベロン
ダッタン人て何だよお前!…まことに不思議な花の汁、目覚めた時に側にいる、女にお前は恋を得る。チャッキーかよ!真ん中集まっちゃったよ!真ん中にクチューックチュー人かよ!鼻の近く!丸の、ちょっとこっちにいやがってお前!えーっ…(杖)曲がっちゃったよ! …パック遅ぇなぁ…
パック登場。
パック
(笑)きました!
オーベロン
パック!
パック
(笑)はぁい。
オーベロン
どきどき、どきどきしたぞパック!
パック
どきどきしましたか!
オーベロン
パック早いな!
パック
いや、ずっと近くで見てました!
オーベロン
見てたよ!
パック
はぁい(笑)
オーベロン
来いよ!
パック
いやぁしばらく遊んでもらおうかなーって思って。
オーベロン
(笑)はぁい。
パック
あははは(笑)はぁい。
オーベロン
はいぃ。
パック
(笑)はい。王様でしょ?
オーベロン
おう!
パック
王様が「はいぃ」(笑)
オーベロン
この野郎(笑)
パック
すいません。
オーベロン
で、どうした。
パック
あっ…
オーベロン
ん?
パック
大変です!ヘレナがやってきましたぁ!
オーベロン
来たの!
パック
しかもね私が間違って塗っちゃった奴がね、ヘレナに言い寄ってやってきたんですよぉ!
オーベロン
うわ付いてきちゃったよおい!
パック
えぇどうしましょうかこれぇ?
オーベロン
これでディミートリアスが起きたら三角関係だぞ!
パック
あ三角関係ですねぇ~
オーベロン
ヘレナもてもてだぞおい!
パック
あらどうしましょう、あらちょっと、あぁぁ~
ライサンダーとヘレナ登場。
ライサンダー
待ってくれヘレナ!待ってくれ!ヘレナ!なぜ僕の思いを嘲りと考えるんだ。嘲りと涙は、伴わないだろう。ほら、この通り、僕は君への愛を誓いながら涙を流してるだろう!
ヘレナ
その誓いはハーミアのもの、あの人はどうするの?捨てるの?誓いで誓いの重さを量ればそれはゼロになるわ。私と、ハーミアへの誓いを二つのはかり皿に乗せてご覧なさい。目盛りはゼロで、どちらの誓いも、つ…
ライサンダー
…?
ハーミア
軽くなるわ。作り話のようにね。
ライサンダー
あの子に誓った頃は物の分別が無かったんだ!
ヘレナ
今も無いのでしょう?あの人を捨てようとしてるのだから。
ライサンダー
ディミートリアスは、あいつを愛している!君ではない!
ディミートリアス目を覚ます。
ライサンダー
ヘレナ!
ディミートリアス
(ライサンダーを突き飛ばし)おぉ、我が愛しのヘレナ。その目の美しさは例えようもない。水晶もまるで泥だ。そのあくまで美しい、幸せを保証する手に、口づけさせて欲しい。
ヘレナ
超くやしい~!マッジむかつくマジむかつく!二人でグルんなって私を笑い者になさるのね?二人とも、お互いハーミアを愛する者同士、それが今では、ヘレナをからかう者同士。乙女心を、我慢できないほど傷つけて楽しむなんて、二人とも、心の底では私のことを嫌ってるくせに!
ライサンダー
ひどい男だな、ディミートリアス!君はハーミアを愛してるだろう、僕はヘレナを愛している。これは終生変わるまい!
ディミートリアス
昔の愛はすでに消えてしまった。お前こそハーミアと共に、駆け落ちまで企てた仲ではないか!
ヘレナ
あぁ、こんなに人をばかにすることは、聞いたこともないわ!ひどい、ひどいわ、ひどい、ひどい、ひどいわ!ひどい!あ―――――――っ!
ヘレナ、ピアノを弾きはじめる。
♪革命のエチュード/F.F.Chopin
ハーミア
(声)やめてー!やめてちょうだい!
ハーミア登場。
ハーミア
私のために、ケンカをしないで!
ライサンダー・ディミートリアス
黙れ!この、薄汚い、ドブネズミめ!
ハーミア
もぉ~どいつもこいつも、やかまシーワイ!(礼)
ヘレナ
何?このコントみたいな流れ…わかったわ、ハーミア、あなたが仕組んだのね?あなたの恋人、ライサンダーに私に恋をしたふりをさせて、あなたを想うディミートリアスにまで私に求愛なんかさせて、そんなに私が憎い?
ハーミア
おっどろいたー。からかってんのは私の方じゃなくてあんたの方じゃない。あぁん?
ヘレナ
なに?逆ギレ?いいわ、お互い目配せして楽しい冗談を続けなさい!よくできたコントだわ、きっと歴史に残るでしょう!さよなら!
ライサンダー
待ってくれヘレナ!待ってくれ!僕の言い分も聞いてくれ、愛してるんだ、心から!
ヘレナ
お上手だこと。
ハーミア
ライサンダー。ヘレナをからかうのはもうやめていいのよ。
ライサンダー
黙れ!
ディミートリアス
ハーミアが止めてもだめなら、奥の手を使うぞ。
ライサンダー
どんな力も、俺の、ヘレナを思う愛の力には及ぶまい!
ディミートリアス
はーっ。いつもは、「男は寒がりであれ。男は男らしく。」と言っている、ゴルゴ松本。しかし二年前まで、朝早く起きて、×××新聞や牛乳を盗んだり…
ライサンダー
ちょっと待て!待てい!
ディミートリアス
そしてその牛乳を…
ライサンダー
待ておい!ちょっと待て!
ディミートリアス
後輩に安く売ってて…
ライサンダー
ちょーっと待て!
ハーミア
ホントの話じゃない。
ライサンダー
待て、ディミートリアス!
ハーミア
いいの言っちゃって?
ライサンダー
だめ!だめだ!…俺が悪かった!
パック
あははははは(笑)あやまっちゃった。
オーベロン
あやまっちゃった。
ハーミア
さぁ、みんな、こうなったら、少しここで頭を冷やしましょう。
ディミートリアス
そうしよう。
ハーミア
ね!
ディミートリアス
そして、今のこの争いが夢で、夢から覚めたら、僕とヘレナが、結ばれていますように。
ディミートリアス眠る。
ライサンダー
この悪夢から覚めたら、ヘレナと二人きりの世界でありますように。
ライサンダー眠る。
ハーミア
そして目が覚めたら、昔のようにみんな、仲良しでありますように。
ハーミア眠る。
ヘレナ
ひとことネタに並ぶヒットがまた、生まれますように。
ヘレナ眠る。
オーベロン
こいつだけ本気だぞこいつだけ!
パック
今の願いは叶いませんな!
オーベロン
叶わないな。
パック
えぇ。
オーベロン
ところでこのイタズラパックめ!
パック
え?
オーベロン
鼻でかパックめ!おぉぉ白パック!
パック
(笑)白…
オーベロン
お前はなぁ、いつもこうだ、うまくいったためしがない!
パック
だぁーってぇ、王様がアテネの服装の男だって言うから、も、それしか言わないから。私は無罪ですよぉ。
オーベロン
もういいから、この四人が目を覚ます前に、この二人の男たちにもう一度薬を塗るんだ。
パック
はい。
オーベロン
それぞれの側に、愛するべき恋人を、寄り添わしてな。
パック
はい!今度は必ず。
オーベロン
うまくやるんだぞ。
パック
はい!
オーベロン
私はもうこの騒動でちょっと眠くなってしまった。
パック
あらそうですか?
オーベロン
この岩を枕に、ちょっと一休みしよう。
オーベロン眠る。
パック
あっ、わかりました。どうぞ安心してお休みください。目が覚めたときにはねぇ、もう全てが夢であるかのように元通りでございます。はー、じゃ、仕事しようかね。へーもう一回塗るか。えーっとライサンダーだよね。えーっと、目覚めたときにね…
ティターニア
(声)悲しいダジャレをひとつ…
パック
はっ、妖精の、女王さまが学のないデガワとやってきた!
ティターニアとデガワ登場。踊る妖精がつき従う。
デガワ
ははは、楽しい方。
ティターニア
えぇ~。
デガワ
じゃあそろそろ私は芝居の稽古に…はい戻りますから、いや戻ります。
ティターニア
あーっちょっと待ってちょうだい、まだちょっと待ってちょうだい。
踊る妖精
はいはい。
ティターニア
あ、できたの?
踊る妖精
できました。
ティターニア
いいのできました。
踊る妖精
えぇ。…とぅくとぅくとぅくとぅくとぅくとぅくとぅくとぅくとぅくとぅくとぅくとぅくとぅくとぅくとぅくとぅくとぅくとぅくとぅくとぅくとぅくとぅくとぅくとぅ、It's Jungle!
デガワ
楽しい!楽しいお方、おぉ~もう一個、もう一個!
ティターニア
もう一個やんの?!やめとけばいいのにもう一個やんの?!
デガワ
今のよかったねぇ~。
ティターニア
やめて、今のよかった!
踊る妖精
う~んジ・コンパクト!
ティターニア
…あら?
踊る妖精
次は女王、女王さまお願いします。
ティターニア
面白いのやっちゃったなぁ。女王さまはもう何もないのよ。
妖精
女王さまお願いします。
ティターニア
…悲しいダジャレをひとつ…タイに行きたいなぁ。今牢屋の中だけど…大丈夫?
デガワ
楽しい!
ティターニア
あっよかった。
デガワ
あーでも笑いというのは疲れをいつのまにか忘れてしまいますね。
ティターニア
そうですねぇあなたの笑顔が私の幸せです。
デガワ
あー一日中私も森の中にいて疲れました。
踊る妖精
楽しいでしょう?楽しいですね~。
デガワ
ちょっとひと休みしようとしよう。
ティターニア
しようとしよう?
デガワ
こちらで。
ティターニア
しようとし…じゃあ、私の、膝枕で、お休みください。
デガワ
あーすいませんねぇ。
ティターニア
ほい。愛しい人。はいどうぞ。はい。
踊る妖精
よいしょっ私も寝よう!
パック
おいおい、女王さままでお休みになるなんて、でもねぇここはね森の中で一番安らげる~場所なんだよねぇ。花のベットを嫌うものなど、も、誰もいないんだよ…あっ、また誰かやってきた!
シーシアス、イジーアス、ヒポリタ登場。
パック
はっ、あれは、第一幕以来出番がなかった、三人中三人とも一人二役の人たちだ。
シーシアス
ところでイジーアス。
パック
あら。
イジーアス
はい公爵。
パック
懐かしいねこれね。
シーシアス
まもなくお前の娘ハーミアに決断を迫る時が来た。
パック
髪の毛ベッタリしてるコレ。大丈夫?
シーシアス
結論次第では死刑。
パック
芝居は普通、ね。
シーシアス
あるいは世人との交わりを絶つ運命を背負っているのだが…
パック
あーそれ聞いた聞いた、最初聞いた最初ね。
イジーアス
致仕方ないことと理解しております。
パック
あの人いつもあっち向くんだよねこう。あの先に何があるんだろうねあれね。どこ見てんのねあれね、うん。
ヒポリタ
辛い決断ですね。
パック
こいつ芝居ヘタ!ね、なってない。「銀の、銀の弓のようにかかり」ね!
シーシアス
イジーアス。
パック
おっきた!
シーシアス
お前も共に眠れば…
パック
べったりしてるここね。すごいべったり。
シーシアス
あるいはハーミアの気持ちも変わるかも知れん。
パック
普通、ホントに普通。ね、うん。
ヒポリタ
この花のベットで、幸せな夢を見ることにしましょう。
パック
本当ヘタね!何回もダメ出ししたんだけどね、どうしても直んないのこれ「銀の弓のようにかかり、銀の弓のようにかかり」全然ダメね!うん。
シーシアス
じゃあ寝るとしよう。
パック
そうね、あっ寝るの。やっぱり寝るの、うん。あっそ。あれっみんな寝ちゃうの。
シーシアス、イジーアス、ヒポリタ眠る。
パック
ねぇ、あら~もうちょっと困っちゃうね。ちょっと待てよ?あれみんな寝ちゃっ…てもあれ?出演者は私を除いて12人。え1・2・3・4・5・6・7・8・9・10・11、あれ?あと一人足りないなぁ。
スナウト
(声)お~い!デガワーお~い!
スナウト登場。
パック
あれひまわりの人かなぁ?
スナウト
デガワ~!
パック
あ、テレ朝の社員の人かな?
スナウト
デガワ、スナウトだよデガワー!
パック
いや、絶対お笑いじゃないよねあれね。あっのっぽさん?のっぽさん?のっぽさん?
スナウト
デガワ~!
パック
それ普段着なの?ねぇ、ね、この人お笑いの人じゃないよね~、取ってないもん笑いねぇ!
スナウト
デガワー!
パック
この人普通だなぁ~。ひまわり?ひまわり?テレ朝、社員、営業、営業、何?何?何?何?
スナウト
まったく何処へ行ってしまったんだデガワは…
パック
全然動じないねこの人ね、普通~に芝居してるからね。
スナウト
あぁ、少し捜し疲れたな。
パック
あらっ。
スナウト
ちょっと眠るとするか。
パック
あれちょっと寝ちゃうの?!ね、も、だから誰だって訊いてんだよぉ、ね誰なの誰なの?
スナウト眠る。
パック
まいいか。あれっあらっみんな寝ちゃった。あらっどーすんのこれ。ということは、あとの話は俺次第。実はね、西の彼方にねぇ三色スミレ摘んできたときね、他の花も摘んできたのよ。ほんでね、いろんな花の汁、これビン詰めしてきたから、その薬ちょっとこの人たちに試してみようかなーって思うんだ。えーっとねまず最初は、おっ、一発芸薬ー!さあ!誰がいいかなぁ~さぁ、ガチンコですよ?
オーベロン(怯)。
パック
誰にいこうかなぁ~…あはっ、なんか妙ーに急に顔伏せちゃった人がいるんだけど、大丈夫かなぁ?寝てるはずだよねぇ?寝てるから動かないと思うんだけどね。さぁ…あっ、じゃあ…
ディミートリアス(逃)。
パック、ライサンダーを指名。
パック
一発芸、薬は…君っ!さぁ起きなさい!
ライサンダー
(目を覚まして)あー、なんか、一発芸がしたくなってきたな…へん~とうせん腫れちゃった!
ライサンダー眠る。
パック
すごい!良く効くなぁこの薬は!あの花は効いたぁ!よぉーし、次誰にしようかなぁ…次は…(笑)ものまね薬~さぁ…これは誰に…ものまねは…うーんこれはやっぱり…はい!
パック、再びライサンダーを指名。
パック
はい起きて!ものまね薬~!この人のものまね見たことないからなー。
ライサンダー
(目を覚まして)アフリカの大地を走る…キリン!
ライサンダー眠る。
パック
そうか。あっ(動物ものまね)って書いてあったこれ!なるほどねぇ(笑)さぁ(笑)次はねぇ…さぁ、どうしようかなぁ、あっ、これは、ツッコミ薬ー!これはね…
オーベロン(怯)。
パック、ティターニアを指名。
パック
あなたっ!さぁ、この人のツッコミはどういうもんになんだろうな!
ティターニア
えぇぇ~っ!(目を覚まして)はっ…ものすごいツッコミたくなってきた…ワイワイワイワイ…!
パック
それボケ!それボケ!
ティターニア
寝たり起きたり、起きたり…
パック
(怒)なんだこの薬はー!(投)ちぇぇっ!(蹴)
ティターニア
(笑)
ティターニア眠る。
パック
さぁ、さぁ…(笑)次は…あっ、あった!ボケ薬ー!