太田プロライブ 噂のSHOW TIME vol.115  
1999年6月14日(月) 東京・abc会館 18:30-

バーびしょびしょ

バーのマスター:有吉 髪・テカテカのオールバック
             口ひげ、白いシャツ、黒スラックス、黒靴

疲れたサラリーマン:森脇 ピンクのYシャツ、黒ズボン
                紺にオレンジのななめストライプのネクタイ、
                黒靴、黒い背広の上着をウデに持っている
 
ステージ中央に横長の机(バーのカウンター)とイス1つ
<ナレーション>
「僕らも大好きです。猿岩石さーん」(デンジャラス・安田)

:「あれっ、こんな近所に飲み屋さんあったんだ。・・・ん?
   バーびしょびしょ?<笑>(店の中に入る)・・・誰もいない、
   ・・・すいませーん」
:「(口に食パンをくわえてバタバタ走ってくる)すいません、
   遅刻しまして!ふえ〜っ、はあ はあ・・・(走ってきたので
   息が荒くなっている)」
:「ふつう朝だぜ、それ<笑> 朝見る光景でしょう、それ、
   今時いないし、食パンくわえてる人<笑> マスター?」
:「うん、マスター(シャツのすそをズボンに入れ身なりを整える)」
:「(イスに座る)こんな所に店があったんだんね」
:「なんにする?」
:「じゃあ バーボン」
:「バーボンね・・・バーボン?ダメですよ、バーボンでバカボン
   とか期待しちゃ」<笑>
:「いや、してないですよ」
:「昔ね、そんなダジャレバーやってて失敗しちゃったんだけどね」
   <笑>
:「別に(期待)してないから」
:「なに、ロック?」
:「あぁ、ロックで お願いします」
:「(グラスに酒を入れ)はい、バ・カ・ボ・ン」<笑>
:「言っちゃったよ」<笑>
:「はぁー・・・なに、元気ないねー。なに、元気ないねー!」
:「いや、サラリーマンの仕事やってると、いろいろあるから」
:「あっそう、元気出しなさいよ」
:「ふぅ・・・(疲れている様子)」
:「どうしたの? 話聞くよ」
:「オレが話すとグチになっちゃうから」
:「グチを聞くのもグチグチよ。<笑> グチを聞くのも仕事のうち
   だから、言っちゃいなさい、なんでも(言って!言って!という
   ジェスチャー)」
:「なんか吐いているみたいだな・・・じゃあ あの・・・」
:「いいよ、なんでも聞きますよ」
:「うちの会社の事なんですけどねー、人間関係がいろいろ、
   いざこざがあってね、大変で」
:「あのー、結局モーニング娘と一緒なんだよね」
:「・・・モーニング娘?・・・一番仲のいい同期がいろいろ変な
   ふうになっちゃって」
:「あーそう、 あのねー、結局モーニング娘と一緒なんだね、
   わかる?」
:「・・・モーニング娘?・・・上司ともいろいろあって」
:「あっそう、あーそれって、あのーモーニング娘と」
:「もういいよ!<笑>全部モーニング娘とからめようとする!
   オレの会社はモーニング娘じゃない!」<笑>
:「以前ね、モーニング娘にいた事があって、いざこざがあってね」
:「ウソでしょ」(帰ろうと席を立つ)
:「あっ、ちょっと、ちょっと、ちょっと、あっ、座って!」
:「イッパイだけって」
:「そんなねぇ、落ち込んだまま帰られたんじゃウチが悪いみたい
   じゃない。<笑>ウチの店来る人はみんなねぇ、元気出して
   もらわなくちゃダメなの。みんな元気が出るテレバ」
:「えっ?」
:「ねっ、おごる!おごる!おごる!」
:「じゃあ(再びイスに座る)」
:「なに?バーボン?バカワイン?」
:「ん?」
:「バカワイン?」
:「えっ?」
:「赤ワイン?」
:「じゃあ、バーボンで」
:「バーボンで・・・(森のグラスに酒を注ぐ)はい、バ・カ・ボ・ン!
   <笑> えー、お客さん、どこ国は?」
:「広島です」
:「広島、いいところだねー。あのねー、ボクもね昔、5年前ぐらい
   かなー、行ったなー。あれだ、あのー、なんだ、原爆ドーム見て」
:「あー」
:「あそこの隣の、なんかー、原爆資料館見て」
:「はい」
:「あのー、あれだ、あのー、原爆跡地」
:「原爆ばっかりじゃないか!もっといい所あるんだから」<笑>
:「あれ、あー、ふぇ〜・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・
   ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ 
   ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ 元気出た?」<笑>
:「出ない!なに今の間っ!<笑>時間が解決するっみたいな。
   しないから」<笑>
:「いいじゃない、広島ねー」
:「なんか今、広島の話出たけど、最近本当疲れてきちゃったから
   さぁ、国へ帰ろうかなって思って」
:「ねっ、みんなそう言うの。もー仕事疲れた、東京から帰りたい。
   国に帰りたい、みんなそう言う。ダメ、そう言っちゃ。あのねぇ、
   東京で仕事したくても、まだここにいたいなぁと思ってもね、もう
   国に帰らなきゃいけないオレみたいな人間もいるからさぁ」
:「えっ、この店閉めちゃうんですか?マスター」
:「パスポート切れちゃって」<笑>
:「なに人? 本当に?えっ?えっ?この真っ、このなに、日本人
   ぽいって、えっ?」
:「あー、そう言われても、あれなんだけど、カンチガイ。あのー、
   外人っていっても、アメリカ人!みたいな、そういうんじゃなくて
   ハーフ。」
:「あー、ハーフねー」
:「あのー、母方のほうがスェーデン」
:「スェーデンかぁー」
:「で、父方がフランス」<笑>
:「ヨーロピアンじゃない!えっ!なんかモロ、モロっていうか、
    えーっ!アジア!」<笑>
:「そう言ってくれるとね、うれしいのね、こっちもね。あのね、
   子どもの時から、もうずっとね、言われてたのよ、
   『目〜が 青〜い!』とかね」
:「青いか?」<笑>
:「『ハ〜ナ 高〜い!』」
:「低いよ」<笑>
:「『髪 黒〜い!』
:「それは黒いよな・・・<笑>へぇー」
:「ねぇ、元気出た?」
:「出ないっすよ」
:「パン(手をたたく)、パ、パン、パン、パン、パ、パ、パン、パン、
   パン、パ、パ、パン、パン、パン、パン、パン、パン、パン、パン、
   パン、パン、パンッ そうだっ!」
:「長いよっ!」<笑>
:「ゲーム!」
:「や、いいよ(イヤそうに)」
:「ゲーム!」
:「いいですよ!(イヤそうに)」
:「ウチのお客さんみんなゲーム好き。あっそうだ、飲み屋のゲーム
   だから知っているかもしれないけど、タバコのやつ、知ってる?
   知らない?知らない?やる?やってみて、だまされたと思って。
   ここに置くでしょ、タバコをね(机の上にマルボロを立てて置く)、
   よく見て」
:「はい」
:「よく見て(タバコを指す)『キィッ!』(変な声を上げる)」<笑>
:「(声に驚きマスターの顔を見る)」
:「見る!(タバコを指す)」
:「キィーとか言うから」<笑>
:「ぜったい(タバコを)見る!それがルール。『キィッ!』<笑>
   (変な声を上げる)」
:「(声に驚きマスターの顔を見てしまう)」
:「見る!(タバコを)見なきゃ始まらないから」<笑>
:「今なんか言うから・・・(タバコをじーっと見る)」
:「これ(変な声)に気を取られないでね。いい?見て」
:「はい」
:「ワン(パンっと手をたたく)」
:「(マスターの手を見てしまう)」
:「見る!(タバコを)」
:「はい」
:「ワン(パンっ)、ツー(パンっ)、スリー(パンっ)、
    (サッとタバコをつかみ取る) おそーいっ!」<笑>
:「いや、おそいって、取る気ないでしょだって。これ、
    競うんでしょ?言ってよ、早く!」
:「みんな言うの」
:「みんな言うって、そう、みんながあってる」<笑>
:「言っといてくれ!とかみんな言うの。ぜったい言うの」
:「もう一回やろう、取るから」
:「ほら、熱くなってきた。みんなそう。みんなそうやって
    熱くなってくるんだから」
:「早くいこう」<笑>
:「(タバコを机の上に置く)『クエッ』『キィッ』(変な声を上げる)」
   <笑>
:「もう(そっち)見ませんから」<笑>
:「はい、いい?よく見た?はい、ワン(パンっ)、ツー(パンっ)、
    スリー(パンっ)」
:「(必死でタバコをつかみ取る)」
:「クックックックッ・・・(笑いながら眺めている) 早い!!」
:「競えよっ!<笑> 早いとかじゃなくて、競ってよ!
    腹立ってきた、どんどん」
:「はい、(森のグラスにバーボンを注ぐ)おごる!おごる!
    もういっぱい!もういっぱい!」
:「いいよ、あるから、まだ(バーボンがあふれている)いいよ、
    あるから、いいって! もうこぼれてるから、 もう!
    こぼれてるから!」
:「ストップって言わなきゃ やめないよ」
:「ストップ!ストップ!ストップ!ストップ!ストップって言って
    んじゃない!言ってるじゃない!びしょびしょだよ、もう・・・
    あ〜ぁ も〜 変な店来ちゃったなー、あ〜ぁ も〜 余計
    疲れてくるよ〜、あ〜ぁ・・・」
:「(裏から小さなエレキギターを持ってくる)」
:「マスター音楽やるんですか?」
:「(ギターをかまえる)コン・コン・コン・コン(ギターを叩く)
    < 元 気 出 っ せ ぇ ー>(歌う)」<笑>
:「(ギターは)関係ナイじゃないですか」<笑>
:「本当はね、いつもそうなんだけど、ウチのお客さんさ、オレが
    こうやってギターを持ってくるとね、あぁマスター、オレ、
    ギター弾けるんですよ、で、そこからセッションが始まるのよ」
:「だったら聞いてみればいいでしょ(後ろを振り返り客が自分
    しかいないことに気づく)」
:「弾けないの?」
:「弾けないよ」
:「なぁんだー、はい、元気出して。昔ちょっとやっていたことが
    あってね。歌をね。・・・名前は?今頃聞いてナンだけど」
:「モリワキ」
:「えっ? モ リ ・・・?」
:「モ リ ワ キ」
:「・・・ワ キィッ<笑>・・・よしっ!はい、元気出してっ!
<< 夢がモ・リ・ワ・キ 夢がモ・リ・ワ・キ <笑>
    今夜も 夢〜が〜 モ リ ワ キ 〜 モ・リ・ワ・キ >>

    (首を振りながらノリノリで熱唱) <笑>
:「なんなんだよ!『夢がモリモリ』のパクリだろっ!<笑>
    『モリワキ〜』うわぁ、なに今の。ムカついた、すごい<笑>
    言葉じゃないじゃん。パクってるんじゃん。なんなんだよ」
:「歌じゃないよ、今のは」
:「歌うたうって言ったじゃない」
:「歌ってないです。だってオレはね、あのー、ぜんぜん聞いてね
    『夢は?』『夢は?モリ』って言っているのに、ぜんぜん・・・
    『夢は?モリワキ』って聞いているのに、答えないで、
    無視して言わないんだから。夢は?」
:「ないさ、もう、そんなの」
:「いやー、昔はあったでしょう」
:「ちっちゃい頃はあったけど」
:「恥ずかしがっちゃったの?夢って言いうのはね、叶えるために
    あるもの。叶えるために」
:「バカにするから」
:「しない。オレはしない」
:「え?」
:「オレは、ちなみに小学校の頃はサイ。<笑>サイ(おでこに
    ゲンコツをあててサイのつのにしている)」
:「えっ?」
:「サイになりたかったの。 ねぇー、なぁに?」
:「アイドル・・・アイドルになりたかったの」
:「はあ?」
:「思いっきりバカにしてるじゃない」
:「これで?(森の顔を指す)マジ?これ?<笑>これでアイドルに
    なりたかったの?トシちゃんとかマッチとか?これでぇ?えっ、
    えっ、なにこの顔、なんて言うんだっけ?言葉忘れちゃったけど
    言葉・・・あの・・・ブ・ サ・ イ ・・・ ・・・クっ! すごいねー、
    これで?」
:「なんかオレ、すごくバカにされてるみたい!ぜんぜん元気出て
    こない。ムカつく話ばっかりだよ。帰る!(席を立つ)」
:「いや、待って。(肩をつかんで席に着かせる)カミさんはいるの?
    カミさんは?」
:「いないよ」
:「子どもは?」<笑>
:「いないよ」
:「彼女は?」
:「いないですよ」
:「やっぱり。それはなぁ、キツイな」
:「あんたはカミさんいるのかよ?」
:「それはいますよー」
:「本当ー?」
:「カミさんは、ちょっと、この辺じゃあねぇ、高円寺小町って呼ばれ
    てる」<笑>
:「本当に?子は?」
:「子は、だって、カミさんはきれいで(※よく聞き取れませんでした)
   ・・・だって子供さぁ、こんなに(森の顔を指す)ブサイクだったら、
   オレだったら自信ない。本当にねぇ、親すごいと思うよ。ここまで
   我慢して育てた事が。すごいよ。だってさぁ、子供かわいいって
   できないよ、これ。子供もブサイクなら、親だってブサイクなんだろう」
:「親を言うなよ。(机の上のパンをマスターに投げつける)自分が
   ブサイクで、親がブサイクって言われたら(キレる)」
:「あー、なぁにやってんだよー、コーノヤーロー!(カウンターから出て
   きて二人取っ組み合いになる)」 ガタン ゴトン ガタン ゴトン・・・
:「イタタタタタタタ・・・」
:「(突き飛ばされて床に倒れる。起きあがりカウンターの中へ戻って
    いく)・・・ ・・・ ・・・ ・・・ 森脇さん、元気出たんじゃない?」
:「 ・・・ 本当だ」<笑>

((舞台暗くなり、森脇にスポットライトがあたる))
<ナレーション・「彼はこの後、夢であったアイドルとなるので
                ありました。しかし、そのお話は、また別の
                機会で」
:「(アイドルのようにアゴの前でガッツポーズ)えへっ 」<笑>


1999年上半期 / 資料集
猿岩石のある暮らし / ご意見・ご感想・猿岩石情報

GigaHit 村田 崇 takashi@air.ne.jp