新・題名のない音楽会  
1997年11月30日(日) 9:00〜9:30 テレビ朝日系

原文作成◆はるえさん

司会: 武田鉄矢/野村華苗(テレビ朝日アナウンサー)
ゲスト: 猿岩石(有吉弘行・森脇和成)
特別ゲスト: タケカワユキヒデ
指揮: 飯守泰次郎
演奏: 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

オープニング

(「白い雲のように」がバックミュージックに流れている)

武田野村:「おはようございます」
武田:「えー、さて、今日の新・題名のない音楽会、ゲストは
    猿岩石のお二人です。どうぞよろしくお願いします」
猿岩石:「よろしくお願いします」(おじぎ)
武田:「えー、なんと日本から出発してユーラシア大陸を
    横断するという冒険をこなして大変な人気者になったという
    二人でございますが・・」
森脇:「あ、ありがとうございます」
武田:「その旅の思い出をたくさん聞かせていただきたいと思います」
森脇:「はい」
有吉:「はい、楽しみです」
武田:「さっ、それでは始めましょう」
武田野村:「新・題名のない音楽会」

(ナレーション)
「今回の新・題名のない音楽会は、ゲストに猿岩石のお二人、
 そして、特別ゲストにタケカワユキヒデさんをお迎えして、
 ユーラシア大陸横断・音楽の旅と題してお送り致します」

(テロップ)
猿岩石と歩む!ユーラシア大陸横断・音楽の旅!!

武田:「今日のゲストは猿岩石のお二人なんでございますけども、
    えーこの猿岩石のお二人、ど〜うしてもこの曲にのって
    登場したいと、強い要望をなさっておられるもんでありますから、
    その夢を叶えてあげようという風に思います」

オーケストラの演奏
* ワーグナー作曲 「ワルキューレの騎行」

猿岩石登場
(舞台下手から二人笑顔で歩いてくる)
(会場、歓声・拍手)

武田:「えー、というわけでありまして、なんとワーグナーの
    ワルキューレの騎行」
有吉:「はい、あ〜うれしいっす」(満面の笑顔)
武田:「これはなんですか」
野村:「本当にうれしそうですね」 
有吉:「むちゃくちゃうれしいっす」
武田:「えー、有吉さんと森脇さんでございますけども、
    これはどうしてなんですか?このワルキューレの騎行。
    なかなか忙しい曲ではあるんですけども」
有吉:「ええ、これ〜はねえ、あの僕らがですねプロレスが
    大好きなんですけれども、その中っ、これっ・・・
    このワルキューレの騎行をですね僕らの大好きな
    プロレスラーのですね、藤原選手というのがですね・・」
    
(プロレスラー/藤原義明、と写真が出る) 

武田:「頭丸坊主の」 
有吉:「テーマ曲に使ってましてですね」
武田:「ほー、これやっぱりでも聞いてると力が湧いてきますね」
有吉:「湧いてきますねー」
武田:「はい。えーさて、世界的なワーグナーの第一人者で
    ございますけども、飯守泰次郎さんにちょっとお話、
    ちょっと聞かせてください。よく知らないものでございまして、私も。
    ただあの、コマーシャルとか映画なんかではこのワーグナーの
    ワルキューレの騎行、本当にたくさんよく使われておりますね」  
飯守:「あの、特にこれはワルキューレというのは元来、女性なんです」
武田:「ええ!」(驚き)                         
飯守:「あのウォータンという神ですね」
武田:「はい」
飯守:「が、あの使っている8人、9人の女性でいわゆる男勝り。
    そして、戦場で下界で血だらけになって死んで、
    しかもよく戦った勇士たちの死骸をですよ、天上に、
    何か品物でも運ぶような感じで翼のついた馬で駆け回るわけ
    ですよ。そして、ワルハラというところでもってその勇士たちを
    生き返らせてその、天と地を支配するという、そういうことです」
武田:「ほほーう。(猿岩石に向かって)聞いてるとおもしろいだろ?
    これー、1曲しか知らないんでしょう?クラシックって」(笑)
有吉:「そーうです・・だいだいこれぐらいしか知らない(笑)」
森脇:「しかもあの、頭の部分しか。
    藤原選手が入場したら終わりますから」
有吉:「はい、入場終わったら終わりですから」(笑)
武田:「あーそうか」
野村:「もう少し聞いてみたいですね」
有吉:「聞いてみたいですねえ。はい」
武田:「これちょっとなんかそういうそのォ黷フ神様、
    勇者の死体を天上に運び上げるという、そういう
    あの曲なんだと思ってもう一回ちょっと聞いてみましょうよ」
有吉:「あ、ぜひ」
森脇:「はい」

2回目の演奏
* ワーグナー作曲 「ワルキューレの騎行」

(テロップ)
猿岩石・・・1994年(H6)有吉弘行が高校時代の友人、森脇和成を誘い
お笑いコンビとして結成。1996年、「進め電波少年」(NTV)で
ユーラシア大陸ヒッチハイク横断で香港〜ロンドンまで3万5千キロを
6ヶ月で踏破し、一躍大人気に。歌手デビュー曲「白い雲のように」も
140万枚を突破する大ヒットに!


武田:「うわーすごいなー。圧倒されるでしょ。これ聞くと」
有吉:「すごいっす」
武田:「最後のなんか怖いねー。なんか。頭中に血まみれの
    兵士を抱いて 天上に駆け上る女神という」
森脇:「怖いっすねー」
武田:「ねえ」
有吉:「でも、僕らどうも藤原選手がイメージされて、ねえ」(歩くポーズ)
武田:「そうかー」(笑)
森脇:「どうしても、はい」
武田:「人間のイメージとは頑固なものでございます」(笑)
武田:「え、というわけでありますが・・・
    さて大きい地図がでてまいりました。
    猿岩石のお二人さんが旅した道中を地図に致しますと、
    非常に大きい地図になってしまうんですね」

(猿岩石が旅した道順を線でたどってある、 
 ユーラシア大陸の地図がでてくる)

野村:「うわ〜、すごいですねー」
武田:「スタートはもちろん日本でございまして、まあ、           
    歩き始めがふりだしが香港ということで・・」
森脇:「はい」
武田:「延々とユーラシア大陸を旅したという、えー、
    総距離が3万5千キロなんかこう、楽しかったとか
    一番つらかったとか、ちょっとお話を・・・」            

(テロップ)
猿岩石 ユーラシア大陸ヒッチハイクの旅
95年4月香港スタート〜96年10月ロンドンゴール
総距離3万5千キロ・日数190日・訪れた国20ヶ国

森脇:「そーうですねえ。まっ、楽しかったことって
    ほとんどないんですけど・・(笑)でも終わってみるとですね、
    あっ、もっかい行きたいなっ、・・・ていう風に」
武田:「というとこある」
森脇:「思うんですよ。やっぱりおんなしコースをまた」
武田:「同じコースを!」

(ロンドンへ向けてヒッチハイクしてる場面の絵が一枚出る)

森脇:「ええ、いつの日か」
武田:「ほ〜う」
野村:「もう一度歩いてみたいな、と思わせる何かがあるわけですね」
森脇:「ええ。お金を持って。」
野村:「お金をもって!」(笑)
有吉:「豪華にね」
武田:「今度はねぇ。この若者たちが非常にこう、
    若い世代に圧倒的に支持されたのはこの苦行の途中、
    まっ、これはもう本当テレビ局の企画でありますが
    苦行としかいいようのない、えーそれでご覧になった方は
    分かると思いますが、この若者の二人の顔つきがみるみる
    旅の最中から変わってくるんです。
    最初はもちろんエンターティナーとして、そのいわゆる娯楽番組を
    作らねば、という顔をしてるんでありますが、インドをへた辺りから
    顔つきが一種こう修行僧のように、引き締まってくるんですね」
森脇:「単純にあのー、丸坊主になって見た目も
    かわったんですけどね」(笑)
武田:「いやいや、そんなことない。あのー、目がね全然ちがってたよね」
森脇:「あー、でもそれはよく言われます」
武田:「今ほらもうね、お肉とか食ったから」
有吉:「はい。もう戻っちゃいましたけど」(笑)
武田:「戻っちゃいましたけど。
    その中で聞きたいのは歌、なんでありますけども、どうですか?」
有吉:「インドではねえ、ずっとねえあれなんすよ。
    もうどのインド中どこ行ってもどのトラック乗っても、
    同じ歌が流れてるんですよ。大ヒット曲があって」
武田:「へ〜」
有吉:「その当時の」
野村:「同じように聞こえるというのではなくて」
有吉:「いやちがう。ほんとに。歌ってるんすよ。歌詞がね、
    ♪テバサキ、テバサキ、テバサキ♪
    の繰り返しの歌なんですよ」(笑)
武田:「ほーう。テバサキって聞こえるの?」
有吉:「はい。」
野村:「テバサキ!?」
森脇:「はい。テバサキなんですよ」
有吉:「手羽先ですよ、あの焼き鳥の」(笑)
野村:「そういう風にイメージがでるわけですね」
森脇:「一瞬名古屋かなって思ったぐらいで」
武田:「それあなた方腹減ってるからじゃない?」(笑)
有吉:「(笑)そうじゃなくてほんとなんですよ」
森脇:「(笑)いやいやほんとにテバサキってはっきりいってるんですよ」
武田:「は〜あ。さて、旅をしながらどうですか?
    なんかこう途中で口ずさんで元気づけられたとか」
有吉:「やっぱりねえ、あのー応援歌みたいなねえ、
    自分達のやつがあるんです」
武田:「どんなやつ?」
有吉:「えっと、僕らの中ではブルーハーツの、
    ひとにやさしく、という歌とかですね、武田鉄也さんの・・・」
武田:「いやいやいや」
有吉:「がんばれ」
武田:「がんばれ。どうもありがとうございます」(笑)
有吉:「(笑)それであれですね、(と森脇を見る)
    でもインドとかでついにあのねえ、ずっともうそこから最後の
    ゴールまでずっと歌い続けたのが、あの・・ガンダーラ、ですか」
野村:「分かるような気がします」
武田:「ガンダーラって若い方覚えてらっしゃいますか?分かる?」
    (と、会場のお客さんに聞く)
武田:「ああ。昔あのテレビ番組で西遊記という中国の物語なんであり、
    日本人はこの物語が好きで大ヒットしたんでありますが。
    西田敏行さんがブタをやってらっしゃいましてですね。(笑)
    私もほんとに西田さんのブタっぷりを見ておりましたけども。
    なんかやっぱり日本人ものすごくこう興趣というか憧れを物語に、
    あの歌に感じるんですね。
    さっ、それではですねこのガンダーラを作られた、
    タケカワユキヒデさんをお招きしたいと思います。
    タケカワさんどうぞ」

ガンダーラ&旅人よ
(タケカワユキヒデ登場)
(以下、タケ)

武田:「えー、ゴーダイゴ、というすばらしいグループがございまして、
    最大のヒット曲ですな。最高のヒット曲ですな」
タケ:「ありがとうございます」
野村:「ガンダーラはどういう思いでお作りなったんですか?」

(テロップ)
♪ガンダーラ・・・ゴダイゴが、78年(昭和53)にリリースして約90万枚を
売りあげる。当時、人気の番組「西遊記」(日本テレビ)の挿入歌として、
話題になった。

タケ:「あっ、もうだから猿岩石のお二人もきっとそうだと思うんですけど、
    やっぱりなんかこうなんていうのかな、
    西の方へずーっと旅をするっていう全然訳の分からない、
    見たこともない所へこう行くっていうのは、すっごいロマンが」
有吉:「ええ」
タケ:「あるじゃないですか。そういうようなことだけ考えて作ったんですよ」
武田:「このへんのなんか思い出ってある?
    ガンダーラにまつわる思い出って。
    もうねんがらねんじゅう歌ってた?」
森脇:「そうですね」
有吉:「もうねえずっとゴールまで、ずっと歌ってましたねえ」(笑)
タケ:「すごい、すごいなあ」
有吉:「♪がんだ〜ら、がんだ〜ら♪って、はい」
タケ:「ほんとに?そこんとこだけしか歌ってなかったんじゃない?」
有吉:「そこんとこだけじゃないですけど。(笑)最初からずっと」
タケ:「最初から歌ってた!?」
有吉:「はい」
タケ:「よかったあ」
武田:「でもね、タケカワさんねあれね、呪文みたいな不思議な力あるよ。
    あれ一回歌い始めるとね、終わらないの。なんか」
有吉:「そうなんですよ」
武田:「♪そぉこ〜へいけぱあ〜、とか、ガンダーラ、ガンダーラ♪うん」
タケ:「そうですね。うちの甥がやっぱりこのくらいのが歌ってますね
    がんだ〜らって、危ないですよね」(笑)
武田:「いや危なかないですけど」
猿岩石:「危なくはないですよ」
タケ:「あぶなくないですか」
武田:「立派なおぼっちゃんだなーと思いまして」
武田:「えー、では特別にあの、猿岩石が旅したアジアの土地の方々にも
    参加していただきまして、ガンダーラを目指すアジアの旅を組曲で
    しようという風に思います」

演奏
*「ガンダーラ 〜Around the Asia〜」

(オーケストラの伴奏でタケカワユキヒデが歌う)


(アジアの楽器での演奏が始まる)

*「ガンダーラ in 中国」
 楽器: 笛子/琵琶 
 (中国の国の映像が流れる)
 (真剣に聞いている様子の二人が1カットずつ入る)

*「ガンダーラ in タイ」
 楽器: ラナート/トーン・ラマナー/チン 
 (タイの国の映像が流れる)
 (二人の様子が一緒に映る。ちょっとリズムをとっている有吉)

*「ガンダーラ in インド」
 楽器: シタール/エスラージ/タンブーラ/タブラ/スワル・マンダール
 (インド、ガンジー川で沐浴してる風景が映る)

(再び、タケカワユキヒデが歌う)

武田:「すごいねえ。猿岩石の旅にまつわるアジアの最高の組曲ですねえ」
有吉:「ねえ」
森脇:「うれしいっすねえ、なんか」
武田:「なんかねえ。万華鏡のようだね。世界の国々の楽器が。
    特にこのタイの方の楽器はタイ音階でございまして、
    非常にこう、ハーモニーが作りだしにくいんでありますが、
    これがピタッとはまりますな」
タケ:「見事でしたねえ。いやあ本当気持ちよかったなあ。
    どうもありがとうございました」
武田:「どうもありがとうございました。本当に。
    タケカワさん、そして演奏のみなさん、どうもありがとうございました」
武田:「えー、さて組曲でたどってまいりました猿岩石の
    このアジアを巡るユーラシア大陸を巡る旅でございますが、
    さてぼちぼち海を渡ってロンドンのゴールのことを
    聞きたいなと思いますが」
森脇:「はい。やっぱりでもすごい着いた時あんまりだから
    ボーッとして覚えてないんですけど」
武田:「ねえ、あのマラソンランナーと同じでゴール瞬間って
    記憶にないぐらい」
森脇:「はい。もうほっとしたのともう体の疲れがどっと出たので
    もう、ふらふらだったんですけど、でもた〜びを全部
    終わってみると、ああいい旅だったなあ。
    最中はこんな旅はって思ってたんですけど」
有吉:「ゴールゲートが遠くから見えた時はすっごい嬉しかったんですよ。
    でもそのいざゴールゲートをくぐる手前ぐらいになると、ああ、
    これで終わりなのかなーと思うとすごくね、寂しいものが、ね」
武田:「えー、というわけで一番最後は
    ロイヤルフィルハーモニー管弦楽団」
猿岩石:「はいっ」
武田:「これがオーケストラで迎えてくれたという」
猿岩石:「はいっ」
武田:「そういう意味でやっぱ忘れられないオーケストラの・・・」
猿岩石:「そうですねえ」
武田:「さあ、それではですねえ、その時の感激を再現したいということで」
猿岩石:「はいっ」
武田:「いかがでしょう。旅人よ、というのをですね」
有吉:「あー」
武田:「はい。もう一度歌っていただこうかなという風に思います」
猿岩石:「はい」
野村:「作詞・サンプラザ中野、作曲・ファンキー末吉。
    旅人よ、ザ・ロンゲストバージョン」

演奏
*「旅人よ 〜The Longest Journey〜」

(二人一緒に熱唱。森脇の歌声が大きく、有吉少々おされぎみ)
(有吉、一文字歌詞間違える。
 「おまえの笑顔に今会えたから」を、
 「おまえの笑顔が今会えたから」と歌う)

エンディング
武田:「猿岩石のお二人でございました。どうぞ盛大な拍手で」(拍手)
有吉:「どうもありがとうございました」(おじぎ)
森脇:「ありがとうございました」(おじぎ)


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ねっと飛々 村田 崇 takashi@air.ne.jp