恋の片道切符  
1997年10月29日(水) 22:00〜22:54 日本テレビ系

原文作成◆なかおさん

#3

鳴海との初対面のシ−ン
オフィス内、朝礼風景。
同僚に混じって山田・松田並んで立っている。
課長から鳴海がみんなに紹介される。
朝礼終了。皆席に着こうと歩き出すが、山田はぼ−と突っ立て
いる。松田がそれに気づき、「ぼ−っとしてんじゃないよ!」
という眼差しで、肩で山田の胸をつつき、着席を促す。
(松田、意地悪そうな顔つき)

昼休み

鳴海、コピ−室から戻ると同僚は山田の他誰もいない。
山田は一人ポツンと自分のデスクでワ−プロを打っている。

鳴海「あれ、皆さんどこ行っちゃったんですか?」
   (山田、ワ−プロを続け画面を見たまま)
山田「連れベンです。ベンはベンでも弁当の”弁”です」
鳴海「はぁ?」
山田「連れ弁当。みんな会議室とか、屋上にいます。」
鳴海「じゃぁ、私も行って来ます。」(鳴海出て行いこうとする)
山田「いや、行かない方がいいですよ。」(鳴海振り返る)
山田「昼友同士かたまってまってますから。」
鳴海「昼友?」
山田「お昼ご飯を一緒に食べるお友達のことです。」
鳴海「なんだかおもしろそうじゃないですか。」
   (鳴海再び出ていこうとする。)
山田「(強い口調で)いや、まだあなたは昼友の輪に入れません。」
鳴海「(振り返って)どうしてですか?」
山田「昼友には曜日ごとにロ−テ−ションがあって、何曜日に
   誰と食べるか決まってるんです。その中に入り込むのは至難
   の技です。」
鳴海「(つぶやくように)へぇ〜、お昼なんて誰と食べたって
   いいのに...」
山田「そういう掟なんです。」
鳴海「あなたはお昼ご飯食べないんですか?」
   (鳴海、山田に歩み寄る)
山田「ちょっと、急ぎの仕事があるんで」
鳴海「よかったらどうぞ」
   (鳴海、山田にクリ−ムパンを差し出す)

山田、初めて顔を上げ鳴海を見る。鳴海、微笑んで山田を見ている。山田は不思議そ
うな顔を浮かべながら、そっと手を出しパンを
受け取る。鳴海は微笑んだまま退出。山田は「どうして?」
というような表情で呆然とする。

鳴海の帰宅中

鳴海、真っ暗な公園をひとり歩いている。後ろから足音が近づく。
不審に思って鳴海、振り返るが誰もいない。気を取り直して歩き
始める。
背後の柱の陰から山田が顔を覗かせ、鳴海を見ている。
鳴海が気配を感じ立ち止まる。山田それに気づいて柱の陰に
隠れる。鳴海再び振り返るが誰もいない。また歩き出す鳴海。
山田、柱の陰から出て鳴海の背後を移動(画面左端から右へ
移動して消える)
鳴海、また立ち止まり振り返る。やはり誰もいないので、かなり
気味悪く感じながらも気を取り直して歩きだそうと向き直る。
山田、突然鳴海の前に現れる。

鳴海「あぁ!.....山田さん」
山田「(思い詰めた目で鳴海を見つめ)あのぉ..ぼくと...
   つきあってもらえませんか?」
鳴海「え?」
山田、思い詰めた目つきのまま鳴海を見つめる。


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ねっと飛々 村田 崇 takashi@air.ne.jp