24時間テレビ20「愛は地球を救う」  
1997年8月23日(土)19:00〜24日(日)19:56 日本テレビ系

原文・HTMLソース作成◆服部久恵さん

第20回  メインテーマ『愛は地球を救う』・今年のテーマ「勇気を出して」
の中の「ふれあいの旅」の旅人に、猿岩石が選ばれた。

メイン会場武道館の表スタッフ
総合司会   徳光和夫・永井美奈子(フリーアナウンサー)
チャリティーパーソナリティ   飯島直子
番組パーソナリティー   KinKi Kids・加藤紀子
猿岩石の旅の道連れ    角田久美子(日本テレビアナウンサー)

'97 24時間テレビ  第二日目  「ふれあいの旅」
『100通の手紙』  ……猿岩石二人の両親よりのビデオレター……
1997年8月24日(日) 10:50〜11:00 イトーヨーカ堂千葉県流山市流山店

◆ イトーヨーカ堂流山店の前(武道館との二元中継)

  人待ち顔の女性レポーターが、駐車場の前でキョロキョロしている。
後方、店の入り口のガラスに、飯島直子の写真入りの24時間テレビのポス
ターがベタベタ貼ってある。

角  田:千葉県流山市のイトーヨーカ堂に来たんですが、ちょっと私の方
      が先に着いてしまったんで、お二人の様子が……。まだここへ見えて
      ないんですね。着いたっていう情報は入っているんですけど。
KinKi:(武道館)飯島(直子)さんのポスターは届いているようですね。
角  田:飯島さんの(24時間TVの)ポスターは、しこたま貼ってありま
      す。猿岩石が来るっていう情報を聞きつけてですねえ、オープン前か
      ら沢山の人が集まってるんですよ。
KinKi:(武道館)ほんとにね、有難いですよね。
角  田:あっ、来ました! 来ました!猿岩石のお二人到着でーす。
      (懐かしい、でも縫いたてのようないやに大きくて真っ白な、あのサバ
      イバルリュクを背中に、通りの方から満杯の駐車場の車を縫って、
      イヤホーンが外れないように耳を押さえながら、二人走って来る。さも
      今到着したように、森脇は手を振りながら忙し気にさっさと先に、有吉
      はその後塵を拝す態で後れ目に。黒い揃いの野球帽を前後逆にかぶ
      り、黄色の地に猫のイラストが入った「24時間テレビ」のイベント用T
      シャツが、若さと清潔感を感じさせて、よく似合っている。
      建物入り口に到着)

◆ イトーヨーカ堂流山店の中

KinKi:(武道館)よかった。よかった。
角  田:猿岩石―。
KinKi:(武道館)急いで。急いでー。
角  田:リュックにね。お金がじゃらじゃら入ってて大変なんですよ。
猿岩石:重くて、重くて。
KinKi:(武道館)そりゃ重いわ。
角  田:すごいお客さん沢山きてるんですよ。中の方に。
森  脇:あ、ほんとだ。こんにちはー。
KinKi:(武道館)これだけね、沢山の方が来てくださるということは、本当に有難い
       ことですよね。
猿岩石:(店の入り口からレジの横を抜けて、壁際の精肉売場をリュクの重み
        でよたよた歩きながら)こんにちは。こんにちは。
KinKi:(武道館)ふれあいましょう。ふれあいましょう。
森  脇:こんにちはー。
有  吉:こんにちはー。
       (買物中の中年の奥さん二人、猿岩石がリュックを背負って急に現れ
       たのでびっくりした風。思わず軽く会釈したあと、温かい笑い)
角  田:(設営してあるエントランスホールの方向へ導きながら)違
      う売り場の方で、募金をしたいって
      言ってくださる方があって、そういう人達にお会いできるといいと思
      うんですが。かなりリュクの中、(募金が)入ってますね。
猿岩石:重いですよ。
KinKi:(武道館)でも皆さん。こんなにして寄付していただいた皆さん。本
        当に有難うございます。
直子・紀子:(武道館)有難うございまーす。
KinKi:(武道館)はい。猿岩石のお二人にも、手紙が来てるんですけども。
         聞こえてますかー?
森  脇:え!  そうなんですか
       (イトーヨーカ堂の女性社員が大勢駆け寄り、貯金箱や瓶に入れた募
       金を二人に手渡す)
KinKi:(武道館)あっ、あんなに沢山女の方が。
       (武道館、うしろの大型スクリーンに中年の男女が映しだされる)
徳  光:(武道館)手紙をくださったのは、こちらの方々でございます。猿岩石さん、気
       がついてるかなあ。
KinKi:(武道館)猿岩石のお二人さあん。
直子・紀子:(武道館)聞こえますかー
森  脇:(驚いた声で)あらっ
直  子:(武道館)お手紙がきてますよー。
森  脇:(大仰に)ほんとですか
KinKi:(武道館)そうですよ。手紙がね、お二人に来てるんですよ。
森  脇:(画面を見て)あっ!おとうさん!
KinKi:(武道館)見覚えありますかー。
森  脇:見覚えある顔がスクリーンにあらぁ。
       (森脇はいつものように台詞も表情もサービス満点)
有  吉:(森脇の後でニヤニヤしているだけで、見た目、まだるっこしい)
KinKi:(武道館)ビデオレターが届いてるんですよ。
徳  光:(武道館)女性はどなたですか?
森  脇:うぇーオドロキ!
有  吉:「アハ、ハ、ハ、ハ、(笑い声)」(会場のビデオに見入ったまま、徳光ア
       ナに応えない。もしかして、聞こえないのかも)
角  田:こちらの方、よく聞こえないので、場所移動しましょうか。
徳  光:(武道館)じゃあ、見やすい方へ移動して。ビデオレターです。こ
       れ。猿岩チャーンー。(呼びかける)
全  員:(武道館)猿岩チャン。猿岩チャンだって。(笑い声)
永  井:(武道館)今の写真は、有吉さんのお母さまと、森脇さんのお父
       さまです。

◆ 広島県安芸郡熊野町の、格調高い有吉家の客間

  向かって左側にかなり大きな流木の根株、中央に墨絵の掛け軸、右側に立
てかけられたお琴(生田流)を配した立派な床の間を背にして、森脇の父、精
次さん(黒いTシャツの上に白い半袖のポロシャツのいでたち、かの森脇が某
誌上でバラした、カツラが不自然でなく若々しい)と、有吉の母、きみさん(スト
レートな黒髪を後に引きつめにして、黄色い半袖ポロシャをぴりっと着こなして
いる)が正座している。

き  み:(おもむろに)二人とも元気でやってますか。
精  次:(くそ真面目に)今から二人に手紙を読むから、心してよーく聞け。
        お母さんどうぞ。(ヤクザの仁義調に、手できみさんを促す)

◆ 有吉弘行へ・母からの手紙(54歳・きみさんのアップ)

き  み:(読みながら)今、息子弘行じゃあなく、「猿岩石の有吉君」そう言った
        方がぴったりするような気がします。高校を卒業して一年後、弘行が、
        「お笑い芸人になる」と、突然東京へ行ってしまった時は、とても心
        配しました。(insert/白い野球帽をかぶった愛らしい少年のアップ・
        telop/上京した頃の有吉、当時19歳)画面左下の小窓(チャリテイ
        募金会場に設営してある店内のエントランスの混雑の様子の俯瞰)
        (insert/学生服の有吉の写真・telop/中学生時代、当時15歳)
        小さい時から、手のかからないおとなしい子供で、学校生活も平凡
        だった弘行に、「人を笑わせることなんて出来るんだろうか」と。それと
        同時に自分の大きな夢を、一言も相談してもらえなかったことが、少し
        残念に思えました。
         話してくれてたら、何かもっと協力出来たと思います。お母さんは、
        やるからにはすごいお笑い芸人を目指して、頑張ってほしいと思います。
        (左下の小窓/「チャリティ募金」と書かれた垂れ幕の前で、次々と募
        金を受け取りふれあう猿岩石)
         そのためにも、今はいろいろなお仕事を経験する大切な時です。それ
        は、お母さんが大好きな、花作りと同じだと思います。丁寧に土作りをし
        た時は、奇麗な花が咲きます。今の猿岩石は、土作りの時。
          いつか奇麗な花を咲かせてください。
         ところで、弘行の歌に一言(隣に精次さんがいるのに、平然と)
        「森脇上手!有吉下手!」よく言われているけれど、すんなり認めちゃ
        駄目よ。(徳光アナの笑い声)テクニックで少し負けているだけ。
        (insert/ プロモーションビデオ『白い雲のように』相模川の河原の枯れ
        た葦原の中で歌う二人)「声はそこそこ甘くて素敵」って、フアンの方か
        らお電話いただいています。
        (イトーヨーカ堂の舞台で『白い雲のように』を歌う猿岩石に拍子をとった
        り、写真を撮ったりするフアンのバック撮り)貴方に足りないのは、自信
        です。どうせ歌うならいやらしい位、自信たっぷりにね。(左下の小窓/
        歌い終わって、ビデオレターにじっと見入る二人)
           これからも元気に頑張って!お酒、煙草控えめに。        母より
        (脇の精次さんと目礼し合って、次どうぞと促す)(笑い声)

◆ 森脇和成へ・父からの手紙(47歳・精次さんの緊張したアップ)

精  次:(全編、粛々と、かつリズミカルに、ウイットに富んだ読み方で)
         和成、お前が東京に行くと言った時は、いやー参った。(笑い声)
        しかも芸人になるという。二人のコンビ名が『猿岩石』と聞いて、こ
        れまた参った。なぜ横文字とか、カタカナの、カッコイイ名前にしな
        いのか。
         近所の人に「お宅のお兄ちゃん最近見ないけど、どうしたの」と、
        よく聞かれた。まさか「東京で『猿岩石』やってます」とも言えず、
        (insert/チェックのシャツを着た森脇と有吉・telop/当時19歳)
        (スタジオから直子、紀子らの笑い声)何とか誤魔化していた。
        (insert/駆け出すアクションのおどけた森脇・telop/当時19歳)
          だけど今では、皆さんの応援のお陰で、少し人気が出てきて本当に
        よかった。私も今は「『猿岩石』の父です」と、堂々と言える。
        (左下の小窓/「少しは親孝行になったかな」と満足気に、聞き入る森脇)
         こっちの生活もがらりと変わってしまった。全国のフアンの方から、
        毎日のように父宛ての手紙が届き、家を訪ねてくる方がふえた。しか
        も女子学生が多く、父は(一拍おいてリズミカルに)チョット嬉しい。
         中には「お父さんのサインください」と、言う人もいた。そんなこ
        と、考えたこともなかったので、「書けません」とお断りしていたら、
        残念そうに帰る後姿を見て、徹夜で練習をした。(徳光さんの「ハ、ハ、
        ハ、ハ、」と言う高らかな笑い声)
          『猿岩石』人気のお陰で、父も若い人との交流が多くなり、ギャグ
        作りと若作りで、忙しい日々を送っています。
          最後になったけど、お前に言っておきたいことがある。
         お前達が今こうして居られるのは、周りの先輩やスタッフの方達の
        ご指導と、そしてなにより多くのフアンの皆さんの、温かい応援の上
        でなりたっている。
          そのことを肝に銘じ、感謝することを忘れず頑張れ!以上父より
         (両会場から大きな拍手の音)

◆ イトーヨーカ堂流山店の募金会場

徳  光:(武道館)森脇君、有吉君いかがでしたー?
有  吉:(お母さんっ子という風な、おだやかな笑顔で)あっ、嬉しいですねぇ。
森  脇:うれしいですね。途中、親父の話題中心になったんで、「ちょつとヤ
      バイな」って思ったんですけど、最後はいいことを言ってくれました
      よ。
永  井:(武道館)味のあるお父様ですねぇ。有吉さんの方も。
有  吉:えっ。うれしいです。(はにかみながら)
徳  光:(武道館)だけどさ。お母さんからあんな話聞いたの、初めてでしょ。
有  吉:そうですね。普段はそんなことは、口にもしないんですけどね。
      (ちょっと、しんみりする)
徳  光:(武道館)まあ、お父さんお母さんの言葉を、胸を張って受け止めて
      くださいよ。
有  吉:はい。(素直にうなずく)

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ねっと飛々 村田 崇 takashi@air.ne.jp