ザ・ワイド |
司会◆草野仁 勝恵子
ゲスト◆石川敏男 デーブスペクター 南美希子 有田芳生
原文提供◆K子さん
若手お笑いに火花!? 猿岩石VSつぶやきシロー 人気の秘密を比較検証 |
◆ きのう東京・お台場 白いTシャツ姿の有吉 青いチェックのシャツを着た森脇 リポ「コントを産む苦しみと歌をね、うまく歌いこなす苦しみはどっちが大きいです か?」 有吉「大きいのは…コントを産みだす…」 リポ「苦しみ?」 有吉「はい」 森脇「そうですね」 有吉「産みだせないですもん」 森脇「(笑)」 ◆ きのう東京・原宿 ライブリハーサル中のつぶやきシロー リポ「作家デビュー。エッセイストデビュー」 つぶ「そうですね。猿岩石より売れたいと思うんですよ。とりあえずね。日記には負けたく ないなぁって思います、ええ。とりあえずエッセイなんですから日記には負けたくな いなっていう。はい」 ナレ「お笑いなのに芸がないのが芸と言われる猿岩石と、ボソボソと茨城弁でつぶやいて一気 にブレイクしたつぶやきシロー。第4次お笑いブームと言われる今、その異色さでトッ プに躍り出たこの二組。いったいその魅力とは何なのか。徹底的に比較分析。対決勝負敢行」 今までの猿岩石の活躍(凱旋ライブ〜)とつぶやきのライブなどが交互に映る。 ナレ「まずは昨日、東京のお台場でスペシャルライブを行った猿岩石。ファンクラブ結成記念の イベントで、全国からなんと2000人のファンがつめかけました」 イベント会場に並ぶファンの映像。浴衣姿の女の子や子供の姿 ◆ ライブ会場 「白い雲のように」を歌う猿岩石。 猿岩石とロゴの入ったユニフォーム型のシャツに黒い半ズボンの有吉 黄色いTシャツにジーンズの森脇。 ハモリの部分が流れるが、きっちりハモっている。 (その理由は有吉が主旋律、森脇がハモリを歌っているからか!?) ◆ 終了後 リポ「第1回ファンの集い、おめでとうございます」 有吉「ああ、どーもありがとうございます」 森脇「ありがとうございます」 リポ「どうですか、これまでの道のり、長かったですか? 短かったですか?」 森脇「あー…」 有吉「あっという間でした僕は」 森脇「そうですね、あっという間ですホントに。何が何やらわからぬうちに」 リポ「これは自分達の努力だと思いますか? それともこれはまぐれだと思われます か?」 有吉「あ、まぐれでいいです」 森脇「(笑)」 有吉「ハイ」 リポ「待望のアルバムも」 有吉「あーそうなんですよ」 リポ「【まぐれ】というタイトルで」 森脇「はい、そう、そう。ジャーン」アルバムを取りだす 有吉「ありがとうございます」 森脇「ふってくれたんですね」 リポ「9月の3日 猿岩石「はい」 リポ「これはどうなんでしょう。お笑いを目指してる2人にとっては意外なことなんですか? それとも最初から実はシンガーを目指してたとか」 森脇「いや、最初から目指してたことはないですけど、成り行き上…」 リポ「なかなかね、ミュージシャンでも自分のアルバムを出すまでには大変なんです けども」 有吉「いや、僕らも大変でした。意外と」 リポ「じゃあレコーディングなんかもかなりきつかったですか?」 有吉「かなりきつかったですねぇ」 リポ「コントを産む苦しみと歌をね、うまく歌いこなす苦しみはどっちが大きいです か?」 有吉「大きいのは…コントを産みだす…」 リポ「苦しみ?」 有吉「はい」 森脇「そうですね」 有吉「産みだせないですもん、だって」 森脇「(笑)」 リポ「いえいえ、お笑いなんですから(笑)」 ◆ 会場に並ぶファンへのインタビュー リポーター「どのへんが好きですか?」 ファンA「うーん、全部? ぜんぜん目立とうとしないし、芸能人ぶってないし」 ファンB「歌も歌えるしぃ」 リポーター「歌うまいよね」 ファンB「はい。それがやっぱり。すごい好き」 リポーター「あなたは?」 ファンC「やっぱ全部ですよー。ねぇ悪いトコなんてないですよ」 リポーター「今日、同じ頃にちょうどV6のコンサートがあるんですよ」 ファンC他「そうなんですか」(興味なしという反応) ファンD「V6なんて目じゃないですよ。敵じゃありませんよ」 ◆ 原宿で行われたつぶやきシローライブのリハーサル模様 つぶやきのインタビュー(省略)
猿岩石VSつぶやきシロー 人気 ギャラ、その実力まで徹底比較 |
◆ 対決1・CM出演 ナレ「徹底対決。1本目は高感度を計るバロメーターCM対決。商品別、タレント別に あらゆる分析をしているCM総合研究所で細かくチェック」 CM総合研究所関根氏 「つぶやきシローのあのキャラクターで、現在ですね。3企業9商品11作品。それから 猿岩石の方は8企業11商品17作品。今年に入ってから新作CMが登場しています。 ブラウン管から押し掛けてくるパワー、プッシュしてくるパワーじゃないんですね。 引く、消費者がブラウン管見て彼等が出てくると、ふっと逆に消費者の方から入って これるという。タレントのキャラクターとしてはフッと引いてるようなね、そこんと ころは非常に新しい傾向にある感じがするんですけど」 ナレ「両者、若者と女性に受け、高感度率は上々。しかし、企業数、商品数、作品数、 いずれもリードし、猿岩石の勝ち」 ◆ 対決2・番組レギュラー本数 ナレ「歌番組やドラマ、バラエティ番組と幅広い活躍を見せる猿岩石。しかしレギュラー番組は4本」 つぶやきのコントシーンが流れる。 ナレ「ストーカー役でドラマ出演したこともあるけれど、基本はお笑い。深夜やラジオでも頑張って、 つぶやきシローはレギュラー番組7本。ボーとしているのが一番好きとかいいつつ、けっこう マメに働いて、レギュラー番組対決では見事つぶやきシローの勝ち。とにかく売れてはいるけ れど、つかみどころのない猿岩石とつぶやきシロー。お笑いの歴史を見つめてきた演芸評論家、 高信太郎さんは」 高「お笑いというのはね、人を笑わせる人だったんですよ。ところが彼らを見ると、人に笑われる人 なんですよ。だけど、笑うという物がそこで発生するのは一緒なんですよ。それだったら笑わせ るのも笑われるのも一緒やないかいというのが今の商売の方々で、えー、人気というよりも笑わ せる人気も笑われる人気も、ある人気さえ手に入れればいいじゃないかという、それが最近のお 笑いの昔と比べての特徴だと思います。その最たる物がこの2人というか、1組と1人ね。」 ◆ 対決・3 歌手活動とCD 白い雲のようにを歌う猿岩石 ナレ「デビューシングル、【白い雲のように】はミリオンセラーを記録。続いて出したシングル【ツキ】、 【コンビニ】、【君の青空】と【声が聞こえる】のカップリング版も大ヒット。紅白出場も有力視 されている猿岩石。つぶやきシローも真心ブラザースの桜井とユニットを組んだ【フラワーゼネレ ーション】で歌手デビュー。しかし売り上げは10万枚。歌手・CD対決では、藤井郁弥、高見沢 俊彦、後藤次利らの強力なサポートを得た猿岩石の圧倒的勝利でした」 ◆ 対決・4 出版物 ヒッチハイク凱旋ライブの模様が流れる。 目隠しされ、軽トラに乗せられている猿岩石。 ナレ「香港からロンドンまでユーラシア大陸横断。ヒッチハイク旅行を綴った【猿岩石日記】シリーズは 250万部を売り上げベストセラーに。愛知学院大学心理学科を卒業。心理学士でもあるつぶや きシローは、【つぶやき心理学】を出版。猿岩石に挑む」 つぶやき「猿岩石より売れたいと思うんですよ。とりあえずね。 日記には負けたくないなぁって思います、ええ。とりあえずエッセイなんですから 日記には負けたくないなっていう。はい」 ナレ「この結果、いかなるものか。街で人気度調査」 ◆ 対決・5 ファンの人気 街のファン達は… (さるとも会場でのインタビュー) ファンA「旅してる時からめっちゃ好きやったし」 リポーター「どのへんが好きですか?」 ファンA「うーん、全部? すごい優しい」 ファンB「全部。なんとなく。ジャニーズより森脇さんの方が好きです」 夜の街角 リポーター「つぶやきシローさん好きですか?」 ギャル「はい」 リポーター「どんなところが?」 ギャル「なまり」 ギャル2「なんかしゃべり方がいい」 ナレ「街の声では猿岩石に軍配。しかし、世相を映す漫画家、やくみつるさんはこんなふうに見る」 やく「猿岩石もですね、つぶやきシローも、つっこまれ要員というんですか。他のお笑いの芸人 さんとからんで、そいつらが未熟なところをつっこんで、未熟さを露呈することでなんか ウケているみたいなところがありますね。イジメられ要員っていうんでしょうか。ネタに 耳をかたむけていたりしたらとてついていけないですもん。ついていけないというより、 ネタやりませんしね。ことに猿岩石は。本来、つぶやきはですね、むしろつっこみ要員に 回れる器ではないかと。人の痛いところをですね、やんわりつっこむ芸というのは、これ までそういなかったと思いますから。むしろ、つぶやきシローはそのセンを今後は狙える のではないかなと。ただ、つっこまれてる方が楽なので、今のところはつっこまれまくっ てるって気がすんですよ」 ◎猿岩石のヒトコママンガ (ヒッチハイクのポードに「仕事受けてやります」と掲げて立っている猿岩石。) やく「なんか今のフテた態度が、この芸人街道の中でですね【仕事受けてやります】といった 態度に見えてしまいますね」 ◎つぶやきのヒトコママンガ (「受け身にまわってるとラクなんだよネ」とつぶやいているつぶやき) やく「一方のつぶやきシローは、【受け身にまわってるとラクなんだよね】といった感じですね。 まぁあんまり楽しないようにということですね」 ナレ「双方、今の人気に危機感を持ちながらも、猿岩石は来月新曲【オエオエオ】と、ファーストアル バム【まぐれ】をリリース。渋谷の地下街に安室やパフィーらのプリクラと並んで、つぶくらを 出したつぶやきシロー。さて将来は?」 ◆ 対決・6 将来性と実力 オエオエオを歌う猿岩石 つぶやき「本がですね、9月12日に発売されるんです。猿岩石より売れたいと思うんですよ。とりあえずね。 日記には負けたくないなぁって思います、ええ。とりあえずエッセイなんですから 日記には負けたくないなっていう。はい」 ナレ「芸能記者歴15年。サンケイスポーツの森岡デスクは、猿岩石、つぶやきシローの将来をこう分析。 森岡「まぁ猿岩石は太田プロ。つぶやきシローは堀プロと、芸能界では大変大きなプロダクションに 所属しているというのが一点あると思うんですよ、背景には。太田プロダクションはやはりテ レビ局やラジオ局なんかにもネットワークが広いですし、番組作りのノウハウやなんかもかな り詳しいというのが非常にある。この3人に共通しているのは、やっぱり自分の足下をみつめ ていけば5年10年、まったく違った様な形で出て行く…人気が出ていくことが有りうるんじゃ ないかなと、半分期待もこめてみました」
◆ スタジオ 草野「ということなんですが、石川さん。人気度ということでは、もうほんとにこの1人と1組は すごいんですか?」 石川「そうですね。今の風潮の中でね、今の子供たちがなんか話題になった物にはくっついていたい っていう部分が人気というもののかなり大きな比重を占めているんでしょうけど、そしてその 人気が高いというのをあらわすのがね、コンビニエンスストアのCMにどう出てるかというの が、実は非常に大きなバロメーターになってるんですね。で、若い人はよくコンビニに集まる というのがありまして。ちなみにですね、猿岩石の方はファミリーマートのコマーシャル。そ してつぶやきさんがローソンのコマーシャルっていうふうに、やっぱりコンビニのCMをやっ ているということもね、今の人気の証明だと思うんですね。そしてなんといっても、レギュラ ー番組だのCDの数だとかというのは、先にデビューしているというか、先に話題になってる 猿岩石の方がどうしたって色んな意味で多いんですね。出版物にしても曲にしたって、【白い 雲のように】で、もうこれミリオンセラーですから。100万枚越えてるわけですから。そうい うなかでね、2対1、かたっぽ1だからまだ追い付かないのかなって気がするんですけど。つ ぶやきシローさんそのものはですね、もともとはお笑いオーディションというのに応募しまし てね、補欠で通った。ところがどうしても相方が決まらない。なぜかというと、彼の芸に合わ せられる芸人がいなかったということでですね、ピンでというか一人で仕事をすることになっ て、今いるんですね。もし漫才になってたらどうなってたかなって気がしますけどね」 草野「有田さん、あのぉ高信太郎さん、あるいは、やくみつるさんが1人と1組みの芸を色々分析し てくださいましたけど、非常に当たっているような気がしましたけど」 有田「やはり、笑わせるんではなく、笑われることで人気を得てるんだと、言いえて妙だなと思った んですけども。ただ笑わせるためには努力もいれば知性もいればウィットもいる。それなりの 蓄積っていうのが必要になってくるんだけれど、笑われるという場合、その水準でとどまって いると次に笑われる人達が出てくると、若い人達は気まぐれなわけだから、すぐそっちにいか れてしまう。猿岩石さんとかつぶやきさんの色んな所での発言を聞いてるとね、そういうこと 自覚されてるようだし、自分たちは笑わせることはできないんだっておっしゃってるから、そ この意識した所をこれからどうしていくかということだと思うんですけどね」 草野「デーブさん詳しいんじゃないですか」 デーブ「15年近くテレビ出てるんですけど、今日、日本テレビのタレントクロークに来ましたら、 僕の控室がなくて、猿岩石のがあったから、ちょっと気分的にね、どうしても中立的にしゃべ れない心境でございますけどもね」 一同爆笑 勝「失礼いたしました(笑)」 デーブ「やっぱり日本のテレビ作り、まず一つにね、これ入れないといけないのは、だいたいこう 子供たちに人気あるんですよ。たとえばスピードもV6もみんなそうですけども、子供たち、 中高生にすごく人気があることは否定できませんが、本来は大人が満足するタレントと言い にくいんですが、日本のテレビ作りは関係なく、わけずに、人気者とか、まあプロダクショ ンの付き合い、場合によって圧力で入れちゃうと。で、なにげなく気が付いたらいつのまに か有名人になって定着すると。スマップみたいに本当に成長して、すごく人柄がよくて、楽 しい演技ができるようになる人もたくさんいるわけですけど、欧米のテレビ作りではそんな ことはしないんですよね。大人向け、子供向けで、一切わかちあいことはないんですよ。日 本は賑やかとか、出演者の多さとか、あるいは退屈している司会につっこんでもいい人を、 まるでピラワナの魚にエサ与えるみたいに、どうぞ遊んでいいよみたいな、ああいうテレビ 作りを頻繁にやってるわけですから、こういうテレビ作りが背景にあるといえるわけですね。」 草野「簡単に言いかえると日本はレベルが低いということですね(笑)」 デーブ「(笑)色々とあるんですね」 南「以前に西川きよしさんがね、人を泣かせることよりも、笑わせることの方が何倍も努力のいる ことなんですよとおっしゃってたんですが、それをまったくしないっていうのは、やっぱり根 が非常に浅いんでしょうね。ただ、消耗品であるということをもう使う側も企画する側もファ ンも知ってて、本人たちがそれをどれだけ意識してるのかなって気がしますけれどね」 デーブ「CM出てるコンビニのおにぎりみたいに、賞味期限が何日あるかって意識しながらやって た方がいいかもしれないね」 石川「そういう中で猿岩石のファーストアルバムのタイトルが【まぐれ】ということですから、彼 らの気持ちの中にも、こんなに売れてしまったのはまぐれがあったのかなという思いがきっ とあるんだと思うんですね」 勝「またうまく商売にのせてるなって感じがしますよね」
村田 崇 takashi@air.ne.jp |