スターどっきり大作戦  
1997年6月30日(月) 19:00〜19:56 フジテレビ

司会:KinKi Kids、田代まさし、松本明子
仕掛け人(猿岩石へ):飯島愛、安岡力也
同じ日にだまされた人:にしきのあきら、井上晴美
原文提供◆重頭ユカリさん

寝過ごしどっきり

今日のハイライトをバックに
テロップ『あなたは今夜、今までに味わったことのないスリルを体感する』
スターどっきり大作戦

ナレーション:日常生活のなかで誰もが体験する緊急事態。それは朝寝坊。
       我々はこの朝寝坊をテーマに新たなどっきりを敢行する」
(ベッドでぐっすりと眠る外国人男性がむっくり起き上がり、目覚ましを見て)
外国人男性:「やってもうた」

テロップ『寝過ごしどっきり』

:今回の舞台は大磯プリンスホテル、ここに現われたターゲットは猿岩石、
 有吉弘行、森脇和成。そして出川哲朗
(何も知らずマネージャーとホテルに入ってくる猿岩石、出川のカット)

:仕掛人は芸能界のドン、安岡力也。
 明日は安岡とにせ番組のロケをすることになっている3人
(仕掛け部屋でくつろいでソファーに座る安岡。その部屋に3人が「おはよう
 ございます」とあいさつをしながら入ってくる。
 出川は帽子を脱いであいさつ。森脇は眼鏡をかけ、オレンジのTシャツに
 Gパン。有吉はアロハっぽいシャツにGパン。いつもの猿岩あいさつをする)

(だまされる3人が並んでソファーに腰掛け、向かいに安岡とスタッフ。
 全員ビールのようなもので乾杯)
全員:よろしくお願いしまーす。
スタッフ:明日すみませんけど、6時にここの部屋で。一度集合ってことで。
(有吉、肩をかわいくすくめるブリブリポーズで、「ハイ」。
 森脇「この部屋で」といいつつ了解)

:ロケの集合時間は翌朝6時。今回の作戦は彼らを寝坊させ、安岡が大激怒する
  というもの
(あいさつしながら、仕掛け部屋から立ち去る3人の姿のカット)
:そして彼らの泊まる部屋には寝坊させるための数々の仕掛けが.....
  仕掛けその1。目覚まし時計はアラームをセットできないようにカバーを設置
(アラーム時計の上に、「ベッドでの喫煙はご遠慮ください」のプレート装着)
:仕掛けその2。モーニングコールは5番。しかしそれを受けるのはなんと
  どっきりスタッフ。
  仕掛けその3。目覚ましに使うものがないよう、マネージャーが荷物を事前
  にチェック。
(猿岩石の新人じゃないマネージャーが、森脇くんのらしきかばんを点検。
 眼鏡ケース、システム手帳、黒のポーチ?などがグレーの布カバンから出される)
:そして部屋には超小型隠しカメラを設置。我々は彼らの様子を朝まで観察する。

 モニタールーム***

飯島愛:今ね、まもなくお部屋の方に入ってくると思うんですけど。
    そうしましたら、私たち朝まで仲良くこの3人をウォッチングしましょうね。
安岡力也:朝まで仲良く?
:あ、入ってきました、入ってきました。
(3台のモニターに、部屋に入ってきた出川、有吉がうつる。
 遅れて森脇も部屋に入ってくる様子がうつしだされる)
:あ、この人も入ってきました。えーと誰だっけ?
 (モニターに表示される名前をみて)ここに書いてある、あ、森脇くん(笑)

(モニターには、煙草に火をつけて一服する有吉、ベッドに腰掛ける森脇)
:あ〜、出川哲朗脱ぎだしました。

<<<出川ルームをズーム

(シャツ、ズボンを脱いで、パンツ一丁になる出川)
:すごい、迷彩パンツはいてます。ハハハ。

<<<有吉ルーム

(シャツを脱ぐ有吉)
:さ、シャツを放り投げて。
(シャツをベッドに放り投げて、上半身裸でおもむろにベッドにのる。
 そして、足先をベッドにかけて、手は床につけて腕立て伏せを開始する。
 ちょうど小学校の頃の、『手押し車』という腕立てみたいなポーズ)
:ちょっと、ちょっと。ウハハ。

テロップ『なぜか腕立て伏せする有吉』  
(口笛を吹きながら、腕立て伏せをする、1、2、3.........)

〜スタジオで、VTRをやーなもの見ちゃったような照れたような表情で
 見ている有吉のアップ〜

(続いて、床の上で、右手だけついて腕立てをする。左手は腰にのせている)
:おっ。1回、2回、3回。
〜このVTRをみている会場からは「お〜」という感嘆の声〜

<<<森脇ルーム

(ベッドに腰掛け、電話をかける森脇の姿)
:はい、今ですね、森脇、歌のうまい方、がモーニングコールを頼みに  
  電話してきました。

テロップ『モーニングコールを頼む森脇』
(仕掛け部屋画面にスタッフ登場)

プルル、プルル、プルル
:さあ、スタッフの方が。
(電話をとるスタッフ)
スタッフ:はい、フロントでございます。
森脇:すいませーん。あの、モーニングコールお願いしたいんですけど。
   あのー、5時半。
:5時半ですね。かしこまりました。
:はい、お願いしますゥ。

(立ち上がって、ベッドの足元の方にたち、やおらTシャツを脱ぐ)
:やばい、脱いじゃうよ、またここで。
(脱いだTシャツを両手でひろげながら、バタバタと2回振る。
 そして、ベッド上にTシャツを広げ、あたかもお店にディスプレイするように
 丁寧におりたたみ始める)
:たたんでる。見て、たたんでるよ。ハハハ。

テロップ『意外と几帳面な森脇』

:こういうさ、こういうとこがいいんだ。
(きれいにたたんで、一丁あがり)

〜恥ずかしそうに笑いながらうつむいているスタジオの森脇アップ〜

(ベッドに腰掛け、ゆかたに手を通している)
:ああ、もう寝ちゃうんだ。お風呂はいんないで。
:風呂入んねんだ。風呂入んねーんだ。
  で、あー、朝起きてシャワー浴びるんだ。
(立ち上がって、ゆかたの前をあわせようとする。
 うーんとどっちが上にあわせるんだっけ?右前?左前?と
 合わせている。何回か繰り返す。
 どっちだったかな〜?という感じに天を仰いで考えている)
:ちゃんと、どっちが上だか気にしてます。気にしてます。
(まだ右前、左前に合わせながら考えている。右前?左前?
 しかしそのスピードは徐々にのろくなる)
:考えてます。あれ、右だったけな、いやいや。
:男はよ、左前。

<<<出川ルーム

(こちらも着替え中。ベッドの上には着替え等が散乱。そこから帽子を
 取りだし、鏡に向かう。浴衣姿にニット帽をかぶってかぶり方を研究?
 鏡をみながら、かぶった帽子を整える)
『浴衣にニット帽をかぶる出川』
:出川哲朗、何考えてるんだ。面白い、ウヒャヒャ。
:ハハハ
:鏡をみて.....
:何考えてんだよ。なあんだ? バーカヤロ(笑)

<<<有吉ルーム

(ベッドに腰掛け、本(あるいはマンガ)を読みふける。足元にあるゴミ
 箱に足をのせているような感じ。
 ところが、本を読みながらもやおらそのゴミ箱を右足にひっかけ、ブラブラさせる)
:この人何やっているんですか。ゴミ箱を。

テロップ『奇怪な行動に出る有吉』

:何だよこれ。
:ほら、この人。面白いですよ。(驚いている声)
(ゴミ箱をリズミカルにブラブラさせる)
:(ゴミ箱を)かぶったら、完全にイッてるな。
(ゴミ箱を右足首にひっかけたまま、本から目を離さずベッドに横になる。
 途中、前がはだけた浴衣を合わせる。 
 ゴミ箱を右足首のスナップを効かせて、左右に振る。ブラ、ブラ、ブラ)
:おかしいよ。え、だっ、嘘でしょう?

(今度は、床に寝転がってベッドに両足先をかけ、腹筋を始める。
 頭にはなぜか、白のヘアバンド(幅15〜20センチ。ふかわりょうみたいな)
 を巻いている)
:腹筋やってる。腹筋やってる。
:しかも頭にはですね、ターバンを巻き....
(3回目ぐらいで、簡易応接セットのテーブルに頭をゴツン。
 カタン、という音とともにテーブル上の何かが落ちる)
:あ痛。ハハハ。
(なんだよという感じでそのテーブルを横にずらして、スペースを確保)
:カッカしちゃって、こいつよ〜。ハハハ。
(依然として腹筋を続ける有吉)

<<<出川ルーム

(ベッドに入り、手元のスイッチで部屋中の電気をつけたり消したり)
:つけました、消しました。バカか。ハハハ。
(トイレ方向から戻り、電気を消してベッドに入る)
:ただ今、時刻は2時半ですね。
『午前2時30分、出川眠りにつく』

<<<森脇ルーム

  (ベッドに入って、おふとんをかぶる)
ナレーション:出川の後を追うように、森脇もベッドイン。

『午前2時50分、森脇も眠りに....』



:しかし、ただ一人眠らない男がいた。

(画面には、3人の部屋のモニターと仕掛け部屋の飯島、安岡が四分割で映る。
 モニターの有吉部屋では、有吉が部屋の隅にベッドに向かって立っている姿。
 口笛をピューピューふきながら、体をぶらぶらさせる。準備体操か?)

(モニターがズームアップされると同時に、有吉弘行、ベッドに向かって
 ジャーンプ! その距離1.5Mぐらいか。
 スーパーマンのように飛び、見事、うつぶせポーズでベッドに着地。
 しばらく着地の余韻を楽しむ)

『なぜかベッドにダイビング』

〜スタジオの「あーバカなことやってるよ、コイツ」みたいな表情の有吉
 アップが映し出される〜

:い〜な〜

(電気の消えた部屋でベッドサイドに腰掛けている。
 床にはベッドカバーらしき布が散乱。
 サイドテーブルの上で何かをいじっている。
 シュボッ。マッチかライターで何かに火を点けたようで、急に炎が浮かぶ。
 その炎が突然すごく大きくなり、有吉オッとばかりにあわてて、のけ反る)

:や〜だ。やばいよ。やばいよォー。
(有吉、立ち上がって、先ほど頭をぶつけた応接セットのテーブルの上にある、
 灰皿に火の勢いがおさまったものを置き、消火)

(やっとベッドに入る有吉。
 仰向けで、すでに眠っているかのようにみえる。
 がっ、いきなり弾かれるように顔の前で両手をバチン!!!
 蚊を退治しようとしている様子。
 でもモニターを見ている人には、蚊がいることは分からないので、何かが
 有吉にとり憑いているているかのように見える)
:エッ? エーッ?

(さらに、蚊の動きに合わせてパチン、水から上がった魚のように、体をビクンと
 ジャンプさせて高い位置でパチン。
 最後は右手一本で、つかんだ! 右手の中に獲物がいるかどうかを確認。
 たぶんいたらしく、手を拭うためのティッシュでも探すような様子)
:も。びっくりした。この子だいじょうぶ〜?
:だいじょうぶだよ(モゴモゴ)

(ふとんをかけずにベッドに横たわっている有吉。
 足先はベッドからはみでている。
 有吉の息使いなのか、ホーホーという雑音。ボーボーという風の音のような
 雑音が入る。ボーボー.......
 はみだしていた両足をひっこめ、ふとんをかけて、寝るスタイルを定め
 ようとする)
:よし。

オルゴールの子守歌とともに、『午前4時すぎ有吉やっと眠りにつく』



タンラーラランララン、タンララランラン。というクラシック音楽にのって
大磯の朝の太陽がうつる。

『午前5時50分』

:はい、今、時刻はですね。メインイベントのですね、10分前、
  5時50分となりました。

『3人とも熟睡中。』

:えー、6時にはですね、必ず支度をして撮影を開始するということに
  なっておりますが。

<<<有吉ルーム

カーテンが開いている様子で、かなり明るい光のなかで熟睡中
床には、バッグ、ベッドカバー等が散乱。

<<<森脇ルーム

暗い部屋で熟睡。部屋は整然として、ベッドサイドには靴が揃えられている。

<<<出川ルーム

足をふとんから出して寝ている。部屋はぐちゃぐちゃ。

:目覚まし時計は、もちろん鳴りません。
  3人とも爆睡です。

3人のモニターと仕掛け部屋の2人が、4分割画面にうつる。
そこに『6時まで5秒前』のテロップが出て、カウントダウン開始!

:5、4、3、2、1.....
:ねーすごしけってーい。イエイ。

『寝過ごし決定!!』

:1秒たりとも遅れちゃいけませんよね。
:遅れちゃ、いけねー。
:遅刻です。
:そう。
:遅刻は遅刻です。
:こん中で誰が一番先にすっとんでくるか、それもかわいいけどもォ......

『30分後』
(うんざりした表情の飯島&安岡)
:一向に起きる様子がない。
:起きようとしない。

(再び4分割画面。3人ともスヤスヤと眠っている)

ナレーション:一向に起きる兆しのない3人。そこでスタッフは有吉の
       電話を一度鳴らしてみることにした。
『スタッフは有吉の電話を一度鳴らすことに』

<<<有吉ルーム

(プルル、プルルと電話が鳴る。
 有吉、その音に反応し、電話のある右サイドに顔を向け、すばやく
 電話をとろうとするが、切れる。
 左手で目をこすって、上半身を起こす。
 髪にはマンガのキャラクターのようなすごい寝ぐせが………………。
 じーーーーっっと時計を見つめる)
:ヤバッ。(なぜか右側の時計を見ていた顔を正面に向けつつ)
(もう一度時計を見直す)

:今、有吉くんが、有吉くんが。
(まだ時計を見ながら、ふとんをはぎ、立ち上がる。
 浴衣の前ははだけて、完全にパンツ丸見え。
:起きた、起きた。
:さあ、乱れてます。
(トイレ方向に向かう、と思いきや、ベッドサイドまで戻ってきて帯をほどいて
 浴衣脱ぎ捨て)
:さあ、どうする。さあ、どうする。

(脱ぎ捨てた浴衣の上に立ち、昨日と同じシャツを手にもって、
 トイレ方向に向かう。その足取りはもうヨレヨレ。
 寝ぐせで飛び出した髪の毛もヒョンヒョンと揺れる)
:オーラ、行くぞ、行くぞ。
:もうフラフラになってますけど。

(シャツを着た姿でトイレから出てきて)
:さーやって参りました。
(何かを探して、キョロキョロ、ウロウロする有吉。
 いいともテレフォンショッキングに登場した時のようなウロつきぶり)
:何だ、何探してんだ。
  だーから、昨日のうちに支度しとけって言ったろ。
(画面手前の死角部分にあったGパンを、小さく右反復横飛びのようにして
 近づきゲット)
:昨日ほん投げっから、そんなことになるんだよ。
  その点、森脇はちゃんとたたんでおいてあるからな。
(Gパンをはこうとしているが、なぜかその前にサンダルをはく。
 当然サンダルが邪魔で、Gパンに足がうまく通らない)
:えー珍しいですね。サンダル先に履いてから、Gパンはいてます。
(サンダルがGパンにひっかかってしまい、ベッドの上に後ろ向きに倒れこむ)
:はけない。お前、バカだな〜
(有吉、ベッドから見を起こしつつ、Gパンのチャックを上げる)

(床に置いてあったブルーの肩かけカバンを肩にかける)
:しょった。
(サイドテーブル上にあったヘアバンドを勢いをつけてつかむ。 
 出口の方に向き直るが、勢い余ってフィギアスケートのようにクルリと
 一回転!)
:どうした。ほれ。
:タハッ
〜スタジオの笑っている有吉アップ〜
(部屋をキョロキョロ見回して、忘れ物を確認。何かを発見し、ポケットに
 しまう)
:自分の物は、自分の物は持って。
:忘れ物はないか、一応キョロキョロ、チェックはしてますね。
:ほーほー。
(出口に向かいつつ、トイレのドアを閉める)
:そして、ご丁寧にトイレのドアを閉め。
(有吉、画面からフェードアウト)

<<<森脇ルーム

(森脇、ふとんを「抱き枕」のように抱え、左足もふとんに巻きつけて睡眠)
:必死の思いで、……あっ森脇くんの部屋です(意外そう)
  ピンポン、ピンポン鳴ってます。

『森脇の部屋のベルを鳴らす有吉』

ピンポンピンポン、…ピンポンピンポン、…ピンポンピンポン、…ピンポンピンポン
とうるさい程にベルが鳴る。
(森脇、ベルに気付き「はい」と答えながら、ドアに向かう。
 こちらも乱れていて、結局浴衣をどっちを前に合わせていても意味なし)
:すごいピンポンですね、ピンポンダッシュのような....

『AM6:35』
(森脇、ドアを開ける)
:やばい。寝過ごした。寝過ごした。
(森脇、事態を全くつかめていない様子)
:なに?
:寝過ごした。6時でしょ、だって集合。
:そう。(言いながらベッドに腰掛け、時計をみている。
  そのまま固まっている)
『固まる森脇』
(やっと事態に半分気付いて、一度有吉を見た後、あわててもう一度時計を
 確認する。さらに腕時計を確認し、完全に状況把握!
 有吉をみる)

:やばいって、30分。
  はよ、着替えた方がいいって。安岡さん、遅いかもしれんし。

(森脇あわてて立ちあがる。しかし浴衣の帯をほどく手はなぜかのろい。
 有吉と顔を見合わせながら、浴衣を脱ぐ動作も20代とは思えぬのろさ)

:遅いって(笑)

(Tシャツを着た森脇、のんびりとGパンのチャックを上げながら)
:モーニングコール頼んだのに、俺も。

(着替えの終わった森脇、ベッドに腰掛けている。
 有吉は腕組みしながら、森脇を見ている。
 森脇、全く急いだ様子もなく、缶コーヒーを飲む)
:はよ、せえよ!
(森脇、とりあえず缶コーヒーを置いて立ち上がる)
〜スタジオの笑う森脇がうつる〜

(なおも慌てた様子もなく、「あ〜」(おじさんがよくやるため息)と
 いいながら、時計か何かを身につけている)

(まだ、応接セットの椅子においたカバンをごそごそと探っている森脇)
:行くで、じゃあ。
(しびれを切らした有吉、ドアの方に向きなおり、立ち去ろうとする)
:おい、おい、一緒
(有吉、足を止める)
:一緒に行ったほうがええって。
(有吉、まだカバンをいじっている森脇のそばまで戻る)
:2度、2度叫ばれるより、1回。

(カバンをいじっている森脇の横で、有吉はベッドに腰掛け、テーブル上の
 森脇の缶コーヒーのふたを開ける。パチン。
 有吉ひとくち飲む。
 やっとカバンの準備ができた森脇、これに気付いて)
:お前、なにしよんねん!
(すばやく、有吉の頭をはたく。ツッコミらしいツッコミ。超高速)
:いいやろ。(といいながら缶を置く)
(2人部屋を立ち去りながら)
:どう言うの? どう言うの?
(有吉、トイレのドアを閉める。森脇も立ち去りかけて)
:ちょっと.....
(サイドテーブルの上に忘れ物がないかどうかを確認する。
 ついでに有吉が飲んでいたらしき、コーヒーをズルズルとすする。
 有吉はそれを見守っている)
:むちゃくちゃやばいで、もう.....
(2人、部屋から立ち去る)

:でも、ですね。だったらお前もっと急げよって感じですよね。
:そう。

画面には、飯島、安岡の2人がうつる。

:さ、もうまもなく、2人がですね。スゴイ顔をして訪れて
  来ると思うんで。
(2人立ち上がる)
:じゃあ、モニターみててな。
:頼みますよ。気合い入れて怒った顔して。
:大丈夫、大丈夫。



(昨日、打ち合わせをした部屋に猿岩石が入ってくる。
立っている安岡、ゆっくりとソファーに腰掛ける)

(先に入ってきた森脇、カバンを持ったまま)
:すいません。
(有吉、部屋の隅にカバンを置いてから)
:すいません。
:遅くなりました。
(森脇アップ。真剣な表情。有吉アップ。さらに真剣で青ざめているよう。
 しかし寝ぐせはそのまま……)
:んー? 何時集合だ。(ムっとした表情、手を頭の後ろで組んで怖さ倍増)
(2人、森脇の腕時計をみるようにして)
:6時。
:あン?
:6時集合で....
:おめーラ(巻き舌)あれか?
  6時っつても、いつも30分から1時間位遅れても許されるのか。
:いえっ。
:いえ、そんな。
:ん?おめーんとこはよ。
:いえっ。
:いえっ。
:申し訳ないです。(頭を下げる)
:おい、その気になってんじゃねーのか(声大きくなる)。
  オラー(巻き舌)。
:すいません。(頭を下げる)
:すいません。(頭を下げる)

:俺のこの気分をよオ。
  爽快にさせるには、何があるんだよ。
(安岡、かったるいぜという感じに首をまわす)

(2人がうつる。有吉は考えている表情だが、森脇はどうも何も考えて
 いないように見える)
:えー、肩もましてもらいます。
:芸やってみろっつってんだよ。
  誰が肩もめなんて言った。
:じゃあ、「頭突きが好きな男」……(あまり考えずにこのネタが出てくる)
(2人向き合う。その瞬間、有吉は顔が笑う)
『頭突きが好きな男』
(声にはださないが、目でせーの、という感じになってから)

 ゴツン! 
(有吉はあまり動きがないが、森脇は軽くジャンプして、2人で頭突き)

:てーー
(声にならない声、相当痛かったらしく、顔をしかめておでこを触る)
(一方の有吉は、口元を引き締めて神妙な表情)

:ふぁっ、ふぁふぁふぁっ。(思わず笑う)

〜スタジオでも嬉しそうに笑う森脇〜

(森脇、安岡の笑いに安心してか、口元が緩む。期待した表情。
 有吉もやや表情が緩む)
:許してやる。(小さい声)
(すっかり嬉しそうな表情になった森脇。おっという顔をしながら)
:え。
:面白い。
:ありがとうございます(すごく小さな声。頭を下げる)
(有吉も頭を下げる)

:おもしロ(巻き舌)かったよ。おもしろかったよ。
キンコンカンコン、キンコンカンコン、キン、コン、カン。
画面の隅に、隣の部屋でのど自慢の合格の時のような鐘をたたく飯島が映る。

(森脇、「エッ何だ?」という表情であたりを見回す。
 有吉はまだ表情を崩さない)

:おめでとうございます。(隣室から)

(有吉、ぷっと吹き出すがその顔をみせないように下を向く。
 すべてを悟ったかのようにも見える。森脇は呆然)

:おめでとうございます。猿岩石のお二人。
(隣室から、3人のいる部屋に入ってきながら)

(森脇、驚いた顔をするが飯島をみて、ぶっと吹き出す。
 それを左手で押さえる。
 有吉は、「あー何だよ」という表情でそっぽを向く)

:おめでとうございます。おはようございます。こんにちは。
  お久しぶりです。また同じ番組で会っちゃいましたね。
:あーそうかー。(納得の表情で笑う)
:王道じゃないですか。(目をこする)

(2人、安岡の方に近づいていきながら)
:モーニングコールは...(頭をかく)
:モーニングコール、全然鳴んないんですよ。(ほっぺをさする)
:モーニングコールはですね。私たちのスタッフが受けとりましたよ。
  ちゃんと。
 (猿岩石、笑う)
  もう一人、起こさなきゃならない人がいるんで。
:あーそっか。(嬉しそうに笑う)
:出川さん、まだ起きてないんすか?(嬉しそう)
  ンハハハハ〜
:つきあってもらわないと。

<<<出川ルーム

『AM7:10』
(ぐっすりと眠る出川。そこへドアをドンドンドンドンドンとノック)
:あっ。
(出川、むっくりと起き上がりドアに向かう)
:ハハハハハ
(ドアを確かめてから、戻ってくる)
:余裕しゃくしゃくですよ。安岡さん。
:まだ、分かってねーんじゃねーのか。
:この人、また寝る気じゃない。
(出川、ベッドに体をのせながら、サイドの時計を見る)
:あっ。寝る寝る。
(画面の隅に猿岩石がうつる。有吉はヘアバンドを巻いている)
:あっあっ出川さん。
:ンヒャヒャ〜(大口を開けて笑う)
(出川、時計をじっとみて、寝過ごしたことに気付いたもよう。
 すぐさまたちあがる)
:ヤッベエ。
(出川、ドア方向に立ち上がる)

(猿岩石、嬉しくて仕方のない表情で見守る)
:どこ行くんだ。
:出川さん、どこ行くんですか?

(出川、またベッドの方に戻ってきて)
:あーやっちったー。

:面白いこれ。

(出川、また時計を確認するようす)
:なんだよこれよー。
(あわてて浴衣を脱いでTシャツを着る)

:なんか、あ〜って言ってません?うそぁーって言ってません?

(出川ジャージも履きおわり、缶のドリンクを飲みほしてから、ジャージの
 上をつかんでドア方向に走り去る)
:えー出て行きます。
(出ていったように見えたが、また戻ってきてテーブルの上のカードキーの
 ようなものをつかんで走り去る)
:あ、戻ってきました。戻ってきました。

<<<仕掛け部屋

(猿岩石と安岡、スタッフ一人があたかも打ち合わせをしているかの様子。
 そこへ出川、ドアを開けてあわてて飛び込んでくる)

:おはようございます。すいません。
  (猿岩石の方を向いて)おはっす。
:何時だと思ってるんだ。こんのやロー(巻き舌)。
:はっ。
:何時だと思ってるんだ、オラー。
:すいません。
:てめーんとこのマネージャーは一緒じゃねーのか。コラー。
:一応部屋、別々。
:別々じゃねーんだよ。何でこんな遅れたんだよ。言ってみろ。
:あの、言い訳のしようがないんですけれども。
  あの、ハプニングが起こりまして。
:何だよ、ハプニングって。
:モーニングコールが鳴らなくて....
(森脇、おかしさをこらえるように、顔を出川からそむける)
:おめーらんとこは、電話かかってきたんだろ。(猿岩石に向かって)
:はい。(有吉の同意を求めるように)
:はい。(うなづきながら)
:   ってんだ。
:もう二度とこのようなことは..(頭を下げる)
:俺によ、瞬間芸でも何でもいいや。
  俺の今、モヤモヤーっとしたものを取り去ってくれよ。
:瞬間芸?(ささやくような声)
:何でもいいから、やってもらおうじゃねーか。

ガツーン。
(煮え切らない出川にいらついたように、テーブルを蹴る安岡)
:てんだよ、オラー。
『迫真の演技をする安岡』
 
:そしたらあの、えーっとネタっていうのはやってないので、面白い話を。
:なんでもいいよ。やれ。
:えーとですね、あのー、えーと。
  ぼくー、あのー胆石とか、あのー病気になりまして。
(画面には、出川の言った回数分の、「えーと」と「あのー」が並ぶ)
  えーと、病院に運ばれたんですけど、えーとそこで、あのー手術をすると
  いうことになりまして、えーと。そしたら、あのー妊婦さんの、あのー
  あのー赤ちゃんをあのーえーと、あのー出産する、先生とえーと、あのー...
(画面は「えーと」と「あのー」でうめつくされる)
:おもしろかねーよー。(頭を押さえる)

カーン(のど自慢の鐘ひとつ)
(出川けげんな表情)

:そこまで...とね。
(飯島、隣室から入ってくる)
  ほんっとに。

(出川、悔しそうな表情で何も言えない。猿岩石の座るソファーの背もたれに
 手をつき「うーん」という表情)

(森脇と有吉、後ろにいる出川の方を振り向いて)
:遅刻はやばいっすよ。
:やばいよな。遅刻はな。
:遅刻だけは.....
:遅刻だけは.....
:遅刻はな。それだけは。
(出川、ソファーの後ろから真ん中のテーブルの方に移動しながら)
:よかったー。(いつもの出川口調)
  ありがとうございます。よかったです。あ、すいません。ハイハイハイ。
  ありがとうございました。ありがとうございました。すいません。
(猿岩石、ソファーに座り直して)
:ぼくら
:先に遅刻して
:あ、俺の前に? 俺の前にダマされてたんだ。ウッヒャヒャー。
(手をたたいて大喜び)
****ここでスタジオに****
堂本光一(KinKi Kids):はい。というわけで、もろ。大成功しました。
有吉:こわいっすよー。
森脇:いやー。こわかったですね。さすが。
堂本剛(KinKi Kids):でも、安岡さんもこわかったですけど、一番こわかった
         ですよね。(有吉に)
光一:あー、ある意味ではね。
田代まさし:お前、なんかとりついてない?
:ンハハハ。
:なぜ、なぜあのようにごみ箱をリズミカルに。足で?何回も。
:何やってたの?
:あれは、リズムをとってたんすよ。
松本明子:運動はいつもやってたの?
:運動はいつもやってるんですけど。
:運動はやってましたね。昔から。
:ごみ箱は毎日はやってないですよ。
:あと、ベッドダイビングはよくやるの?
:あれは、よくやらしてもらうの?(子供に聞くように)
:もおお。(下を向く)
:飛んでる。飛んでる。
  (っといって指を差した方に、モニターがあり、有吉がジャンプして
  空を舞っている制止映像が映っている)
:飛んでる。飛んでる。
:きれいだなー。
:かっこいいなー。
:きれいに飛んでるなー。
:几帳面なのは、森脇くんの方?
:はい、僕は典型的なA型で。
:Tシャツもちゃんと。
:もうきれいに、お店に並んでるよーにおいとかないとダメなんです。
:クローゼットのハンガーにかければいいじゃないですか。
:そこまで気がまわらなかったですねえ。
(「あ〜気がつなかなった」という表情を浮かべる)
:あー。

(猿岩石の後ろに座っていた飯島が割り込んできて)
:映ってなかったんですけど、彼(有吉を指して)はねれなかったらしくて、
  あの日。3時ぐらいにね、ティーバッグだしてね。
(手にティーバッグをぶらさげたようなしぐさをする)
  振り子時計みたく振ってね。
(有吉、完全に下を向く)

(証拠VTRとして、真っ暗な部屋のなかで、ベッドに腰掛けた有吉がサイド
 テーブルに向かっている映像が映る。
 クローズアップすると、確かにティバッグをぶらぶら振っている!
 自分に催眠術をかけようとしているかのよう)

:あやしーい。


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ねっと飛々 村田 崇 takashi@air.ne.jp