こうして1週間が過ぎ、いよいよ帰国の時がやってきました。
エコノミークラスの最後尾の席、しかし半年ぶりの飛行機に猿岩石は顔を
硬直させています。
森脇「緊張するなぁ…」
しかし、豪華な食事にテレビ、ゲームと二人は存分にフライトを楽しみました。
幾多の苦難を乗り越え、190日かかって進んだ道のりをわずか13時間で引き返し、
飛行機は10月26日午前9時10分、成田空港に着陸しました。
機内アナウンス「ただ今、成田新東京国際空港に着陸いたしました」
森脇「確かに…」
「この日を何度夢見たか」
有吉「あぁ着いた。本当に着いたこれで…」
早速「小さなライブハウス」西武球場に連行される二人。
その車の中で手渡された缶のウーロン茶に感激したあと、初めて自分たちの
放送を見ました。最初は笑いながら見ていたものの、絶食のシーンになると
その記憶がよみがえり、神妙な顔つきになってしまいました。
しばらくすると、日本について最初の食事が車内に!
スタッフ「焼きソバもありますョ」
有吉「あ、焼きソバいいですねえ」
焼きソバに感激し、いっぱいにほおばってはムセる有吉。
車は所沢へと近づき、二人はライブ用の衣装に着替えました。有吉は空手着に
大きなリュック、森脇はピエロの服でした。(どちらも実物はでなく、全くの衣装)
そこへ、
スタッフ「そろそろ目隠しするか!」
有吉「やっぱり悪い事があるんじゃないデスか!」
が、素直に応じます。それから30分すると今度は観客の声をさえぎるための
大音量ヘッドホンを装着。さらに10分後、西武球場に到着しました。
軽トラックの荷台に移動され、あとは登場を待つばかりです。
森脇「やっぱり日本ですねー」
日本に到着していました。
それから、説明がありました。
スタッフ「この西武球場で、このお客さんの前でライブをやるとは、
彼らは知らされていません。彼らが目隠しとヘッドホンを取るまで、
どうかお静かに」
ついに、軽トラの荷台に乗ってセンターから猿岩石が登場しました。
そして、目隠しとヘッドホンを取った彼らを、西武球場に詰めかけた3万人の
歓声が出迎えたのです。何が起こったのかわかない二人。森脇は、驚きのあまり
後ろに倒れ込んでしまいました。
観客の歓声はすっかり「ジャニーズ用」でした。そのほとんどが「有吉ー!!」で、
たまに「森脇〜!」と男の声が。有吉は放心状態のままで、後に松村邦洋に
「ミスター放心状態」と呼ばれることになります。森脇は驚きながらも悟ったままで、
修行僧のようでした。
舞台に上がったものの、まだ実感のわかない猿岩石に、
松本明子「猿岩石の人気ぶり、いかに日本でフィーバーしていたか、VTRに
まとめてきました!二人にお届けしたいと思います!まずは
VTR、どうぞー!!」
週刊実話 | 7月18日号 |
FLASH | 7月30日号 |
TVライフ | 8月2日号 |
読売新聞夕刊 | 8月22日号 |
Bart | 8月26日号 |
Pop teen | 9月号 |
中1コース | 9月号 |
週刊女性 | 9月3日号 |
週刊文春 | 9月5日号 |
Bart | 9月9日号 |
TIME | 9月9日号 |
報知新聞 | 9月12日号 |
週刊文春 | 9月12日号 |
週刊文春 | 9月19日号 |
ザ・テレビジョン | 9月20日号 |
週刊女性 | 9月24日号 |
女性自身 | 9月24日号 |
TelePAL | 9月12号 |
放送文化 | 10月号 |
月刊デ・ビュー | 10月号 |
宣伝会議 | 10月号 |
月刊明星 | 10月号 |
女性セブン | 10月号 |
Bart | 10月14日号 |
SEVENTEEN | 10月15日号 |
JUNON | 11月号 |
様々な新聞・雑誌に「猿岩石」の文字が踊る。
その評判に応えるように開設されたインターネットのホームページ。
アクセス数通算60万件!
そして、二人の熱い思いがつづられた『猿岩石日記』。発売以来、書店からの
注文が殺到し、爆発的セールスを記録。現在(ライブ開催当時)70万部の大ヒット!
さらに、世界の認める一流紙、「TIME」(9月9日号)にも登場。猿岩石の名は、
世界に響きわたったのである!
松本「それでは、続いては、こちら!」
斉藤リカリポーター(ザ・ワイド)「率直にお伺いしたいんですが、ご自分の
この日記、どういうふうに思われていますか?」
猿岩石「…」
松本「今ちょっと時差ボケでですね、まだ日本になれてないという二人で
ございまして…」
斉藤リポーター「じゃ、あのー、あと一つだけ別の質問を」
「どうしてこんなに日本の若者に受けたんだと、ご自身では
お思いになりますか?」
猿岩石「…」
次の記者の質問へ…
−これから何をしますか?
−女子高生のアンケートで、「今年一番がんばった人」にマラソンの
−目指している人は?
有吉「…バイトを探さないと…」
有森裕子選手を押さえてトップに選ばれたんですよ
有吉「え?僕たちが?女子高生にがんばったって言われたんですか?」
有吉「菅原文太さんです」
森脇「…じゃあ、僕も」
※菅原文太については、「猿岩石日記Part1」p.57の森脇の日記を参照して下さい。
ハノイで助けられた「トリオ・ザ・パンチョス」の渋い男です。
幕が開き、
有吉「どうも、よろしくお願いしまーす」
森脇「よろしくお願いしまーす」
猿岩石「猿岩石っ、ヤー!」
右手を握って力を込めるポーズで、つかみはOK?です。
※ここからは、私の記憶も入り混じった不完全なレポートになります。
"?"だらけになっていますので、御存知の方教えて下さい。
有吉ふんする中国人「カチョウサン、カチョウサン」
森脇「社長だろ」
中国人「シャチョウサン、シャチョウサン、いい時計あるよ」
(この間?)
中国人「シャチョウサン、ニセモノの時計あるよ」
森脇「ニセモノって言うなよ」
観客は、一瞬戸惑いました。
「これ、オチだよね」
「ここって、笑うところ?」
3万人が、目で会話をしていました。
「まあ、生猿岩石がコントやってるんだし」ということで40%くらいの
受けでした。
森脇「腹減った〜」
有吉「腹減った〜」
森脇「お金もこんだけだ」
有吉「それだけか。パン1個しか買えないだろう」
「じゃあ俺行って来ようか?」
森脇「いや、こういうことはジャンケンで決めよう」
森脇パー、有吉グー。有吉は後ろを向いて小さくガッツポーズです。
森脇「できるだけでっかいやつ」
有吉「わかった」
腹を空かせてパンを待つ森脇。一方パンを買った有吉の方は、
それを一人でがつがつ食べ始めました。
森脇のもとへ戻って、
有吉「森脇、これが一番でかいやつだ」
森脇「おまえ食っただろ!」
アレッ?
お尻を押さえながら、
森脇「野宿すると必然的に野グソだからな」
「まあ暗いから、大丈夫か」
そう言ってしゃがみ込み、用を足していると、横で寝ていた男(有吉)が、
突然せき払いを始めました。
森脇「ウワアッ!」
「すいません」
「枕元でやっちゃった」
男は頭をかきながら起き出すと、しゃがみ込んで野グソを。
森脇「アンタもかい、おい!」
アレ?アレ?
有吉が、リアルな我慢ポーズつきで野グソポイントを探しています。
ヨーロッパは野グソポイント探しが大変だ、のようなことを言っていると、
ヨーロッパの人(森脇)が、有吉を時折にらみつけてきました。
そんな一進一退の状態が続いたあげく、オチです。
ヨーロッパの人「公衆トイレでしろよ」
...観客が、帰り始めました。
猿岩石「もうこれ以上進めないよ〜」
森脇「おまえ、車にひかれてこい。そうすれば旅は中止になる」
最後の力を振り絞って車道にこわごわ出ていく有吉。すると、
有吉「イテッ」
「つま先だけひかれた」
そう言って戻ってくると、
森脇「中途半端なことするな!」
ここまでは受けたのですが、
森脇「これからの旅に支障をきたすだろうがっ!」
これでまたさぶくなってしまいました。
パラパラと帰り始めていた観客の列が、いつしか渋滞し始めていました。
もう腹が減って限界の猿岩石。と、道ばたに毒キノコを発見しました。
あれを食えばヒッチハイクは中止だ、と言って食べ始めると、
猿岩石「うまいよ〜、これ、もっすごうまいよ〜」
これは一同大爆笑でした。
ディレクターは豪華なガウンに身を包み、ブランデーグラス片手に
優雅にカメラを回して登場。
いつものようにヒッチハイクしています。
森脇「あ〜、辛いな〜」
ディレクター「つれえつれえ言うんじゃねえよ〜。
俺の方が3倍つれえんだよ〜」
...ごめんなさい、オチ忘れました。
森脇が空腹で死にそうになっています。すると、
ディレクター「ギブアップしてもいいんだぞ」
森脇「じゃ、ギブアップします!」
ディレクター「だめだ。」
森脇「じゃあ、どうすればいいんですかっ!?」
ディレクター「死ね。」
このネタは、ライブ中No.1の受けでした。
またも野グソポイントを探す森脇。
森脇「ちょっと、野グソしてきます」
しかし、すぐに戻ってきました。
森脇「ダメです、こんな砂漠の真ん中じゃ、
恥ずかしくてできませんよ〜」
突然、ディレクターもお尻を押さえ始めました。
ディレクター「俺はホテルでして来る」
森脇「ホテルなんてありませんよ」
ディレクター「ちょっと、日本に電話してくる」
森脇「エエッ!?」
そう言ってその場を離れたディレクター。しばらくして戻ってくると、
ディレクター「電話無かった」
森脇「スッキリしてるじゃないですか!」
脇子は正座して有吉を待っていました。そこへ有吉が登場。
しかし、有吉は正座せずに、腹ばいの状態から腕を突っ張って体を反らした
アシカのような体勢を取りました。
しかし、ここでちょっと笑いを取ったのがほぼ最後。そこから、靴下を
重ねばきしてニオイを隠そうとするなど一部くすっとさせた所もあったものの、
妙に間延びした展開が西武球場に強力な寒気を呼び寄せてしまいました。
当初3万人だった観客も、この時点で2万5千人くらいになっているようです。
結局脇子と有吉が家を出て、ちょっと飲みに行こうと舞台の袖に引っ込んだ
所で松本明子がステージにあがり、勝手にまとめてコントを終わらせてしまい
ました。
あわてて戻ってきた二人。
有吉「ちょっと待って下さい、まだ終わってないんです。
まだ終わってないんですけど...今日はいいです」
どうやらただならぬ空気を察知していたようです。
気象庁はこの日、木枯らし1号を宣言していました。
森脇「初心に返ります。どうもすみませんでした!」
有吉「これが僕らの全力です!どうもすみませんでした!」
素直に謝る猿岩石。ライブ終了後、舞台からすぐそばの車に移る間にも、
観客の声援に応えていました。
ご意見・ご感想などはこちらへ。